カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?2026年10月の義務化に向けた対策を解説

イメージ:カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?2026年10月の義務化に向けた対策を解説
  • 業務効率化
  • 電話
  • トラブル解消
  • クラウド電話
公開日
2025-04-24
更新日
2026-07-27

監修 山口 拓馬(コミュニケーションサービス担当)

編集 NTT東日本編集部

日本企業のサービス品質を長年支えてきたともいえる「顧客第一主義」。しかし、この考えを逆手に取った一部の顧客や利用者が、企業の従業員や自治体の窓口スタッフに対して不当な要求を押し付けたり、悪質な迷惑行為を行ったりする事例が増加しています。このような行為は、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」として社会問題化しており、従業員の精神的・身体的負担の原因となっています。

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、従業員の心身に大きな負担を与えるだけでなく、企業の人材流出や業務停滞にもつながる重要な経営課題です。さらに、2026年10月1日からは、改正労働施策総合推進法により、事業主にカスハラ防止のための雇用管理上の措置が義務付けられます。

本記事では、カスハラの定義や具体例に加え、2026年10月の義務化に向けて企業が今から準備したい対策を整理します。特に電話対応の現場で活用しやすい、通話録音・IVR・複数名での受電・エスカレーションなどの仕組みについても紹介します。

  • 本記事において、「固定電話」とはNTT東日本の電話サービス「加入電話」「INSネット」「ひかり電話」などを指します。

Summary

この記事でわかること
カスハラの定義、クレームとの違い
2026年10月1日から義務化されるカスハラ対策の概要
企業が今から準備したいカスハラ対策
電話対応におけるカスハラ対策のポイント

1.カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?定義や意味

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客や取引先、利用者などが従業員に対して行う迷惑行為や無理な要求、さらには暴言などを含むハラスメント行為のことです。この問題は従業員の心理的負担を増大させ、その結果離職率につながるなど、企業全体の業務効率にも悪影響を与える重大な課題として、近年注目されています。

2022年2月に厚生労働省が公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、カスハラを以下のように定義しています。

企業の現場においてカスハラだと考えられるもの

顧客などからのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの

出典:カスタマーハラスメント対策企業マニュアル|厚生労働省

改正労働施策総合推進法に基づくカスハラは、職場において行われる次の3つの要素をすべて満たすものとされています。

  1.  顧客等の言動であること
  2. 業務の性質その他の事情に照らして、社会通念上許容される範囲を超えた言動であること
  3. その結果、労働者の就業環境が害されること

なお、対面での言動だけでなく、電話やSNS等のインターネット上で行われるものも含まれます。

カスハラの社会的な定義は、現在も厚生労働省を中心に議論が進められており、今後さらに明確化されていくと考えられます。また、カスハラは従業員の労働環境に深刻な悪影響を及ぼすため、働く人々を守る観点からも迅速な対策が求められています。

2.カスハラとクレームの違い

カスハラに適切に対応するには、カスハラとクレームの違いを理解し、顧客からの要求が正当なクレームなのか、それとも理不尽なハラスメントなのかを冷静に見極めることが大切です。

以下に、カスハラと正当なクレームのおもな違いを表でまとめました。

項目 カスハラ 正当なクレーム
概要
  • 社会通念や常識の範囲を超えた理不尽な要求や迷惑行為
  • 不満や問題に対して解決を求める行為
  • サービス向上のフィードバック
要求が妥当か
やり方が常識的か ×

正当なクレームとは、顧客が商品やサービスに対する不満や問題を適切に伝え、解決を求める行為であり、企業にとってサービス向上のための貴重なフィードバックでもあります。一方、カスハラは合理的な問題解決を逸脱し、社会通念や常識の範囲を超えた理不尽な要求や迷惑行為をともなうものです。

ただし、実際の現場ではカスハラと正当なクレームを単純に分けられない場合があります。たとえば、企業側に落ち度があるケースや、要求が正当だが手段が行き過ぎている場合など、グレーゾーンが存在します。これに対応するには、現場の実態をヒアリングしながら、対応方針を統一することが必要です。

ハラスメントがエスカレートした場合、名誉棄損罪など犯罪行為に発展する可能性もあります。そのため、企業としても冷静かつ誠実な対応をめざす仕組みの構築が重要といえます。

カスハラかどうかを判断するポイント

カスハラと正当なクレームを区別する際には、次の2つの観点が判断の目安となります。

  • クレームや要求が妥当かどうか
  • 手段・態様(やり方)が社会通念上不相当かどうか

それぞれのポイントについて、わかりやすく解説します。

クレームや要求が妥当かどうか

まず重要なポイントは、顧客からのクレームや要求の内容が妥当かどうかを見極めることです。要求が妥当性を欠いている場合、カスハラに該当する可能性が高くなります。以下に例を紹介します。

要求の妥当性を欠いていると考えられるケース 例

  • 商品・サービスの提供において、企業側の過失がない場合
  • 企業が提供する商品・サービスと関係がない場合(嫌がらせなど)

参考:カスタマーハラスメント対策企業マニュアル|厚生労働省

一方、企業側に過失がある場合や商品・サービスに改善余地がある場合には、要求に妥当性があると判断されます。このような場合、まずクレーム内容を丁寧に確認し、顧客の不満に真摯に対応する姿勢が必要です。そのうえで、企業側の過失に限定して謝罪を行い、必要に応じて適切な補償やサービスの改善を進める取り組むことなどが求められます。

手段・態様(やり方)が社会通念上不相当かどうか

次に注目すべきは、要求を通そうとする手段や態様が一般的な常識や法令と照らして不相当かどうかです。要求自体が妥当であっても、やり方が社会通念を逸脱している場合にはカスハラに該当すると考えられます。以下に具体例を紹介します。

  1. 要求内容に関係なく、不相当とされる可能性が高いもの
    • 暴行・傷害などの身体的な攻撃
    • 脅迫・暴言などの精神的な攻撃
    • 不退去・居座りなどの拘束的な言動
    • 土下座の要求 など
  2. 要求内容によって、不相当とされる可能性があるもの
    • 商品交換の要求
    • 金銭補償の要求
    • 謝罪の要求 など

参考:カスタマーハラスメント対策企業マニュアル|厚生労働省

このように、カスハラとクレームを区別するには、要求の妥当性とやり方の適切さを冷静に評価することが大切です。

3.カスハラの類型と具体例

カスハラ行為にはさまざまなパターンがあります。これらの類型を知ることで、カスハラかどうかを判断しやすくなり、適切な対応を検討する際の手助けとなるでしょう。ぜひ参考にしてください。
(1)長時間拘束型
顧客が問題解決の範囲を超え、従業員を長時間拘束し続ける行為 例)店舗に何時間も居座る、電話を長時間続ける など
(2)リピート型
電話での問い合わせや面会の要求などを、執拗に繰り返し行う行為 例)一度解決済みの問題について、何度も電話で不当な対応を求める など
(3)暴言型
大きな怒鳴り声を上げたり、従業員に対して罵倒を浴びせたりする行為 例)「能力がない」「辞めろ」といった人格否定を含む侮辱的な言動 など
(4)暴力型
殴る・蹴る・叩く・故意にぶつかる・物を振り回すなど、身体的な攻撃をともなう行為 例)従業員に商品を投げつける、店舗内で暴れたりする など
(5)威嚇・脅迫型
脅迫的な言動によって、従業員に危害を加えたり怖がらせたりする行為 例)「お前の上司を呼べ」「会社を潰す」といった言葉や、異常に接近して怖がらせる  など
(6)権威型
顧客が職業や社会的地位を誇示して、不当な要求を通そうとしたり特別扱いを求めたりする行為 例)「私は社長だ」といった主張で過剰対応を求める など
(7)店舗外拘束型
顧客の自宅や喫茶店など、職場の外に従業員を呼び出し、不当な要求を行う行為 例)特定の喫茶店に呼びつける、待ち伏せをして過剰な対応を求める など
(8)SNS/インターネット上での誹謗中傷型
従業員や企業について、SNSや口コミサイトなどに悪意ある内容を投稿する行為 例)虚偽の情報やプライバシーを侵害する情報を掲載して、企業や従業員を攻撃する など
(9)セクシュアルハラスメント型
不適切な身体接触や性的発言、性差別を感じさせる行為 例)身体に触れる、つきまとう、執拗に食事に誘う など

参考:顧客からのハラスメントの定義と その対応に関するガイドライン 第2版|UAゼンセン

現場で判断しやすくするためには、カスハラを「怖い行為」「ワガママすぎる行為」「しつこい行為」の3つに整理して考える方法もあります。

  • 怖い行為:暴言、脅迫、威圧的な態度など
  • ワガママすぎる行為:過度な値引き、金銭補償、特別扱いの要求など
  • しつこい行為:長時間の電話、同じ要求の繰り返し、不退去・居座りなど

業界ごとに特徴的な迷惑行為も存在するため、対応を検討する際には、上記の類型を参考にしながら、現場のヒアリングを通じて整理するとよいでしょう。

4.カスハラが注目される背景と2026年10月からの義務化

イメージ:カスハラが注目される背景

近年、サービス業や小売業を中心に、顧客が従業員に対して過度な要求や不適切な言動を行う事例が増加しています。これにより、従業員が大きな精神的・肉体的負担を受けるケースが相次ぎ、カスハラが社会問題として注目されるようになりました。

企業におけるハラスメント対策の重要性が高まる中、行政や自治体も顧客からの迷惑行為を問題視し、法整備の観点でもカスハラは取り扱われるようになっています。具体的には、2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法により、事業主にはカスハラ防止のための雇用管理上の措置が義務付けられます。これにより、カスハラ対策は一部企業の自主的な取り組みにとどまらず、すべての事業主が準備すべきテーマになります。

義務化される主な内容は、方針の明確化・周知、相談体制の整備、事実確認や被害者への配慮、再発防止、悪質なケースへの対処方針の整備、相談者のプライバシー保護や不利益取扱いの禁止などです。

5.カスハラが企業に及ぼす悪影響

カスハラが企業に与える悪影響として、従業員・経営・顧客の3つの観点から解説します。これらのリスクを正しく理解し、対策を講じる必要性を認識しましょう。

従業員への悪影響

カスハラは、従業員の業務パフォーマンスやモチベーションの低下を招き、体調不良による休職・退職にまでつながるリスクがあります。

2024年7月に実施されたトビラシステムズ株式会社の調査では、カスハラによる心身への影響として「怒りや不満、不安などを感じた(66.1%)」「仕事に対する意欲が減退した(49.8%)」という回答がありました。中には、「眠れなくなった」「会社を休むことが増えた」といった、体調や勤務態度に影響を受けたケースも見受けられます。

イメージ:従業員への悪影響

出典:電話によるカスタマーハラスメントに関する調査レポート|トビラシステムズ株式会社

さらに、カスハラによる心理的負荷が精神障がいの原因となった場合、労災として認定される可能性もあります。カスハラは、従業員の精神的健康や企業の法的責任にも関わる問題なのです。

経営への悪影響

企業にとって、カスハラは人的リソースの浪費や人材流出、安全配慮義務などの法令違反のリスクを引き起こします。以下で具体例を紹介します。
人的リソースの浪費
窓口や電話応対で長時間拘束されたり、嫌がらせを繰り返されたりすることで、業務時間が圧迫される。また、要求への対応や社内報告などに余分な労力が必要となる。
人材流出
従業員のストレスが増加し、退職のきっかけになる可能性がある。とくに熟練スタッフが流出すると、顧客満足度の低下や企業競争力の弱体化にもつながるおそれがある。
対策未整備リスク
2026年10月以降は、カスハラ対策の未整備が、従業員保護の観点だけでなく、法令対応・企業の社会的信用の観点からもリスクとなります。

顧客への悪影響

カスハラへの対応に従業員のリソースが割かれることで、他の顧客へのサービス品質が低下するおそれがあります。具体的には、サービスが遅延したり対応が不十分になったりして、本来サービスを受けられるはずの顧客が満足できない状況に陥ってしまうのです。

顧客体験価値が損なわれると顧客満足度が低下し、ブランドイメージの毀損やリピーターの減少といった問題にも発展する可能性があります。SNSや口コミなどで悪評が広がれば、客足が遠のくきっかけになりかねません。

カスハラは、従業員の健康とモチベーション・企業の経営基盤・顧客体験に悪影響を与えるため、経営課題の一つとして取り組む必要があります。これらのリスクを避けるためにも、次の章で紹介する具体的な対策を講じることが大切です。

6.2026年10月に向けて企業が行うべきカスハラ対策~事前準備~

イメージ:企業が行うべきカスハラ対策~事前準備~

企業がカスハラに毅然と対応するには、事前の準備が不可欠です。ここでは、企業が行うべき事前のカスハラ対策として以下の4つの取り組みを紹介し、それぞれについて解説します。

  • 企業の基本方針を明確化する
  • 相談窓口を設置する
  • 対応のガイドラインやマニュアルを策定する
  • 教育研修やトレーニングを行う

2026年10月の義務化に向けて、企業は「方針を決める」「社内に周知する」「相談・エスカレーションできる体制を整える」「事実を記録する」「従業員を守る」「再発防止につなげる」という流れで準備を進めることが重要です。

企業の基本方針を明確化する

まず、組織のトップがカスハラ対策に対する基本姿勢を明確にし、取り組みの方針をまとめることが大切です。基本方針を示すことで、社内ルールや具体的な対応策を策定しやすくなります。

また、カスハラ対策のポリシーをプレスリリースや公式Webサイトで公表することで、顧客に対する周知・啓発につながり、カスハラの予防効果が期待できるでしょう。実際に、問題行為があった場合には出入り禁止の措置を取るなど、従業員の安全確保に向けて対応方針を明示している企業もあります。

相談窓口を設置する

カスハラ対策では、被害に遭った従業員が相談しやすい仕組みを整えることも大切です。すでに社内にあるハラスメント相談窓口を活用しつつ、営業・電話窓口・店舗スタッフなどの顧客対応部門と連携を強化し、体制を整えましょう。

また、犯罪行為が認められた場合や従業員が身体的・精神的な被害に遭った場合に備え、警察や弁護士、産業医との連携体制を確保しておくとよいかもしれません。相談窓口を通じて従業員が迅速かつ適切な支援を受けられる環境を整えておくと、職場における安心感の醸成につながります。

対応のガイドラインやマニュアルを策定する

基本方針に基づき、カスハラの判断基準や具体的な対応方法を定めたガイドラインやマニュアルを策定します。その際に、報告や相談のルールも明確にすることで、現場で迅速かつ統一的な対応が可能となるでしょう。

カスハラの内容は業種や業界によって異なるため、実際の現場からヒアリングを行ったうえで、具体的な基準や対応策を構築するのがおすすめです。以下に、マニュアルに記載すべきカスハラの判断基準となる言動の一例を紹介します。

発言の基準 例
  • 一度でも発言があればカスハラと判断する発言:「死ね」「殺すぞ」「火をつけるぞ」
  • カスハラの可能性のある発言:「あほ」「お前じゃ話にならない」「株主総会で糾弾する」
行動の基準 例
  • 膠着状態になってから30分以上居座る、または電話を続ける
  • 不当な要求について、同内容の問い合わせ電話が3回以上続く
  • 土下座を求める
  • 商品や備品を破壊する

こうした具体的な基準を示すことで、従業員が迷うことなく適切な対応を取りやすくなるでしょう。

教育研修やトレーニングを行う

基本方針や社内ルールに基づき、従業員への教育やトレーニングを実施しましょう。とくにカスハラ対応においては、「事実を正確に把握する」「限定的に謝罪を行う」「感情的な顧客に対して冷静に対応する」といったスキルが求められます。

対応や報告に関するロールプレイング研修を実施し、従業員が冷静かつ迅速に対応するための知識や手順を身につけられるようにしましょう。研修を通じて従業員の安心感を高められれば、ストレスの軽減やパフォーマンスの向上にもつながるはずです。また、現場からの報告に応じて研修内容を定期的に見直すことで、より実態に近いトレーニングが可能になるでしょう。

事前準備のまとめ

2026年10月義務化観点での準備をまとめると以下のようになります。

  • カスハラに対する企業方針を明確化し、従業員へ周知する
  • 相談窓口とエスカレーション先を明確にする
  • 対応マニュアルや終了基準を整備する
  • 通話録音や対応記録など、事実確認に必要な仕組みを整える
  • 相談者のプライバシー保護、不利益取扱い禁止を周知する
  • 発生後の振り返りと再発防止の仕組みを設ける

7.企業が行うべきカスハラ対策~未然防止策~

クレームをカスハラ行為へとエスカレートさせないためには、未然防止策を講じることが大切です。対策を通じて無用なトラブルを回避し、従業員の負担軽減や職場環境の改善につなげましょう。

カスハラ行為の牽制に有効な対策には、以下の方法が挙げられます。

現場や店舗での対応策
  • なるべく複数人で対応を行う
  • 相手が感情的になり激昂していても、冷静に、丁寧に話をする
  • 防犯カメラを設置する
  • 見えるところにカスハラ防止を訴えるポスターを掲示する
電話での対応策
  • 通話を録音する
  • 通話前に、録音している旨を告知するメッセージを流す

とくに電話対応では、通話録音や事前の録音告知メッセージが有効です。トビラシステムズ株式会社の調査では、電話によるカスハラ被害の経験を持つ人に企業が導入すべき対策を聞いたところ、「自動通話録音」(45.4%)、「通話前の録音告知メッセージ」(45.0%)が上位回答となりました。通話を録音しておくことで、報告や対応検討、通報などの際に裏付けとして役立ちます。

カスハラ対策では、カスハラが起きてからの“対応”だけでなく、起こりにくい環境をつくる“予防”も重要です。電話対応では、録音していることを事前に案内する、IVRで用件を振り分ける、複数名で受電できる体制にする、待ち時間をコントロールするなどの仕組みが、トラブルの抑止や従業員の心理的負担軽減につながります。

イメージ:企業が行うべきカスハラ対策~未然防止策~

出典:電話によるカスタマーハラスメントに関する調査レポート|トビラシステムズ株式会社

電話応対でカスハラ被害が発生している場合は、通話録音機能の導入を検討するとよいでしょう。多機能なCTI(Computer Telephony Integration)システムを活用するのも効果的です。CTIシステムでは、通話録音や顧客情報のリアルタイム表示などの機能を利用できるため、電話におけるカスハラ対策の強化につながるでしょう。

これらの対策を取り入れることで、電話応対中のトラブルを未然に防ぎ、顧客対応の安全性向上を図れます。その結果、従業員が安心して働ける環境づくりにもつながるでしょう。CTIシステムの具体的な機能については、次の章で解説します。

関連記事:CTIとは?コールセンターの業務効率を高めるシステムの機能やメリットを徹底解説

8.電話対応のカスハラ対策に役立つ機能

電話対応でのカスハラ対策には、CTIシステムの導入がおすすめです。ここでは、株式会社シンカのクラウド型コミュニケーション管理ツール「カイクラ」の機能を例に、CTIシステムがどのように役立つかを紹介します。
機能 内容やメリット
通話録音
  • 通話内容を録音する機能
  • 関係者への事実報告や、犯罪行為に発展した場合の証拠としても活用できる
メモ機能
  • 顧客とのやり取りをクラウド上で共有できる機能
  • 顧客の不満や、対応するうえで気を付けるポイントなどを共有できるため、会話中のトラブルを減らす効果が期待できる
単語アラート
  • キーワードを指定しておくことで、そのキーワードが含まれる音声に対して自動でアラートを出す機能
  • トラブルの早期発見につながる
AI自動文字起こし・要約
  • AIによる自動文字起こしにより、通話内容をテキストベースで共有できる機能
  • 要約機能により、長い通話でも内容を効率的に把握しやすくなる
感情ラベリング
  • 通話中の感情を「喜び」「怒り」「信頼」などに分類し、通話の状況を可視化する機能
  • カスハラの兆候を把握するのに役立つ

上記の機能に加え、「カイクラ」には顧客情報を管理できるメモ機能や、着信時に発信者をポップアップで表示する機能なども搭載されています。対応履歴や要注意顧客の情報を記録しておき、対応前に確認すれば、担当者が落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

また「カイクラ」は、NTT東日本の「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」と連携できます。この連携により、以下のメリットが期待できます。

「カイクラ」と「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」の連携によるメリット 例

テレワーク推進・BCP対策(事業継続計画)
インターネット接続環境があれば「03」から始まる固定電話の番号での発着信が可能に。テレワーク推進やBCP対策(事業継続計画)にもつながる。
スムーズな導入
CTIシステムとPBX(構内交換機)との連携工事が不要なケースもあり、スムーズに導入できる可能性がある。
高い通話品質
インターネットの混雑時でも、閉域接続機能によって安定した通話品質※2を提供する「ひかりクラウド電話 ダイレクト for Webex Calling」のラインナップもある。通話品質が重視されるコンタクトセンターにもおすすめ。

「カイクラ」と「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」を連携することで、カスハラ対策や電話対応全般の効率化、従業員の負担軽減に役立つでしょう。「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」のサービス詳細は、以下のリンクよりご覧いただけます。

「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」詳細はこちら

  1. 複数のお客さまで通信帯域をシェア(共用)するベストエフォート型のサービスになります。お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線の混雑状況により回線速度や、音声品質が低下する場合があります。また、接続が中断されないことを保証するものではありません。

電話対応の運用例としては、「着信・録音案内」→「IVRによる用件振り分け」→「複数名での受電」→「必要に応じた上長への転送」→「録音・履歴の共有」→「再発防止策の検討」という流れが考えられます。仕組みとルールをあわせて整えることで、担当者が一人で抱え込まない体制をつくることができます。

9.まとめ

カスハラは、従業員の心身に負担を与えるだけでなく、企業の業務効率や人材定着にも影響する重要な課題です。2026年10月1日からは、事業主によるカスハラ防止措置が義務化されるため、今のうちから方針の明確化、相談体制の整備、対応ルールの策定、記録・共有の仕組みづくりを進めることが大切です。

特に電話対応では、通話録音や録音告知、IVR、複数名での受電、上長への転送などの仕組みを活用することで、カスハラの予防と発生時の適切な対応につなげられます。10月からの義務化に備え、まずは自社の対応状況を確認するところから始めましょう。

電話窓口のカスハラ防止策にお悩みの企業担当者の方は、「カイクラ」との連携でさらなる効果が期待できる「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」の活用をご検討ください。サービスの資料は、以下のリンクからダウンロードできます。

「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」資料ダウンロードはこちら

  • 「Webex by Cisco」、および「Webex」は、Cisco Systems,Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における商標登録または商標です。「Webex Calling」はCisco Systems, Inc.が提供するサービスの名称です。
  • 「カイクラ」は、株式会社シンカの登録商標または商標です。
  • 「Webex Calling」は、名称が変更される場合があります。最新情報は、サービス事業者のホームページをご確認ください。

出典:

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!│厚生労働省

職場におけるハラスメントの防止のために│厚生労働省

イメージ:山口 拓馬(NTT東日本)

監修 山口 拓馬(NTT東日本)

マーケティング統括本部 ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 コミュニケーションサービス担当

クラウド電話をはじめとする企業向けコミュニケーションサービスの企画・マーケティングを担当。顧客対応や業務コミュニケーションに関する課題解決をテーマに、サービス企画やコンテンツ監修に携わっています。企業の生産性向上とより良い顧客体験の実現を支援しています。

イメージ:NTT東日本編集部

編集 NTT東日本編集部

NTT東日本のサービス担当者が企画・監修を行う編集チームです。
中小企業の皆さまにとって身近で役立つ情報をお届けすることを目的に、サービスの特長や活用方法をわかりやすくご紹介しています。
日々の業務にすぐに活かせるヒントや、経営課題の解決につながるサービスの魅力を丁寧に発信しています。

関連サービス

イメージ:法人のお客さま向け電話総合ポータル

法人のお客さま向け電話総合ポータル

電話サービス導入·活用のためのサイトです。正しい判断基準と解決策を理解し、課題に応じた電話選びをしましょう!

イメージ:ひかりクラウド電話

ひかりクラウド電話

お手持ちのパソコン・スマートフォンに専用アプリを入れることで、場所を問わず発着信ができるサービスです。「Webex Calling」、「Microsoft Teams」、「MiiTel」、「RING x LINK」に対応しています。

資料ダウンロード

イメージ:電話サービス導入ポイント集

電話サービス導入ポイント集

従業員数や働き方にあわせて、おすすめの電話サービス、構成内容、導入のポイントをご紹介します。

イメージ:電話の選び方ガイド 5つの検討シーン別「ビジネスフォン」と「クラウド電話」

電話の選び方ガイド 5つの検討シーン別「ビジネスフォン」と「クラウド電話」

ビジネスフォンとクラウド電話の違いを​詳しく紹介し、それぞれの検討シーン別に特長をまとめています。​

イメージ:ひかりクラウド電話 for Webex Calling パンフレット

ひかりクラウド電話 for Webex Calling パンフレット

Web会議アプリ「Webex」を利用し、オフィスの電話番号で発着信ができるサービスをご紹介します。

関連するコラム

イメージ:会社への非通知設定の電話に対する適切な対応は?対策におすすめのサービスを紹介

会社への非通知設定の電話に対する適切な対応は?対策におすすめのサービスを紹介

イメージ:固定電話で使えるハンズフリーの手段とは?おすすめのヘッドセットやつなぐ方法も解説

固定電話で使えるハンズフリーの手段とは?おすすめのヘッドセットやつなぐ方法も解説

イメージ:MDMとは?スマホの情報漏えいを防ぐモバイル端末管理の基本と選び方

MDMとは?スマホの情報漏えいを防ぐモバイル端末管理の基本と選び方

イメージ:業務用スマホを導入しないリスクとは?スマホの業務利用におすすめのサービスを紹介

業務用スマホを導入しないリスクとは?スマホの業務利用におすすめのサービスを紹介

イメージ:引っ越し先のオフィスで電話番号をそのまま変えずに、より便利に活用するには?

引っ越し先のオフィスで電話番号をそのまま変えずに、より便利に活用するには?

関連サービスに関するお問い合わせ・資料のダウンロード

お電話でのお問い合わせ

0120-116-032

受付時間 平日9:00〜17:00(年末年始は除きます)

お気軽にお問い合わせください

表示価格は、特に記載がある場合を除きすべて税込です。