SLAとは?SLOとの違い、企業がSLA搭載サービスを利用するメリット

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公開日
2025-12-05
更新日
2026-01-28

編集 NTT東日本編集部

SLA(Service Level Agreement)とは、サービスの稼働率やサポート体制など、提供されるサービスに関する基準や補償内容を明確に定めた契約のことです。法人向けインターネット接続サービスやクラウドサービスを導入する際に、注目される項目の一つとなっています。

本記事では、SLAの意味や定義、SLOとの違い、SLAが求められる背景、SLA付サービスを利用するメリットなどについて、インターネット接続サービスのSLAを例に挙げて解説します。

1.SLAとは?意味・定義を解説

SLAとは「Service Level Agreement」の略称で、サービスの品質を明確にするために、サービス提供事業者と利用者の間で交わされる契約のことです。日本語では「サービス品質保証」や「サービスレベル合意書」などと訳され、サービス内容や品質の基準、万が一基準を満たせなかった場合の補償内容も含まれます。

経済産業省が平成20年に公表した「SaaS向けSLAガイドライン」では、SLAについて次のように定義しています。

  • SLAとは

    “提供されるサービスの範囲・内容・前提事項を踏まえた上で「サービス品質に対する利用者側の要求水準と提供者側の運営ルールについて明文化したもの」である。”

    引用: SaaS向けSLAガイドライン|経済産業省

SLAは、SaaS※1などのサービスを提供する事業者と利用者の間で単体で締結するというよりも、契約文書の一部や附属資料として添付されるのが一般的です。これにより、サービスレベルに関する双方の認識が一致し、トラブルの予防につながると考えられます。

  1. SaaS:Software as a Serviceの略称。インターネットを通じてアプリケーション機能を提供するサービス形態。

SLAの活用シーン

SLAは、ITサービスを中心に幅広い分野で活用されています。業務に欠かせないサービスの品質確保に役立つため、企業にとって重要な契約項目と考えられます。 SLAが導入されるサービスの一例は、以下のとおりです。

  • インターネット接続サービス
  • クラウドサービス
  • サーバーのホスティングサービス
  • オンラインのコミュニケーションツール など

これらのサービスにおいて通信障害や遅延が発生すると、業務が停止したり、生産性が低下したりする可能性があります。そのため、企業は契約前にSLAの内容を確認し、サービス品質に加えて返金額や復旧時間といった補償内容を理解した上で契約を結びます。 SLAの有無や内容を確認することは、サービスの安定性や信頼性を見極めるための重要なポイントといえるでしょう。

SLOとの違い

SLAと似た言葉に「SLO」があります。SLOは「Service Level Objective(サービスレベル目標)」の略称で、SLAで定められたサービスレベルにおいて、事業者側が設定する「目標値」のことです。

具体的には、インターネット回線やクラウドサービスなどの稼働率、可用性※2、性能、セキュリティ、サポートなどの各項目において、目標値が設定されます。たとえば、「故障回復時間」という項目については、「故障の検出から15分以内に回復」などが示されます。

SLOではあくまでも目標値を示しているため、達成できなかった場合でも、契約上の補償や罰則は発生しません。一方で、SLAは事業者と利用者との間で合意した内容であり、未達成の場合には補償が求められる正式な契約という点で大きく異なります。

サービス利用を検討している企業は、事業者が提供するサービスそのものだけでなく、SLAやSLOも考慮することで、複数のサービスを比較しやすくなるでしょう。

SLAとSLOの違いをまとめると、以下のようになります。

種類 SLA(Service Level Agreement) SLO(Service Level Objective)
日本語訳 サービス品質保証 サービスレベル合意書 サービスレベル目標
目的 サービスを提供する事業者と利用者の間で、サービスの品質に関して合意を示すためのもの SLAで定められたサービスレベルを達成するために、事業者側が設定する目標
未達の場合の補償・罰則 あり なし

SLAとSLOの取り組み方は事業者によって異なります。サービス選定時には、提示された内容をよく確認し、自社の業務にどの程度影響するかを見極めることが大切です。

  1. 可用性:サービスが必要なときに問題なく利用できる状態にあること。

2.SLAが求められる背景

日本において、SLAはインターネットを利用したサービスの普及とともに導入が進んできました。回線サービスやクラウドサービスは無形で目に見えないため、サービス内容を明示することが難しいのが実情です。とくにインターネットが普及しはじめた当初は、ネットワークが不安定で、事業者と利用者の間でトラブルが発生することも少なくありませんでした。

こうした状況を改善し、双方の認識のずれやトラブルを防ぐ手段として導入されたのがSLAです。利用者である企業にとっては、契約前にサービスの品質を数値で確認できるため、事業者を選定する際の判断材料となります。また、トラブルが発生した際の補償内容があらかじめ定められていることで、安心してサービスを導入しやすくなると考えられます。

3.SLAが導入されたサービスを利用するメリット

イメージ:SLAが導入されたサービスを利用するメリット

ここからは、SLAが導入されたサービスを利用することで、企業側が得られるメリットについて解説します。

サービス品質内容が明確になる

SLAを導入すると、ITサービスの品質や提供範囲などが明確に記載されます。これにより、サービス提供者と利用者の間で認識のずれや食い違いを防ぐことが期待できます。

たとえば、サービスの稼働率や性能、情報セキュリティなどの項目が明文化されていれば、「思っていた内容と違う」といった誤解も生じにくくなるでしょう。SLAでは、曖昧になりがちなサービス品質が数値化されているため、客観的に内容を把握しやすい点もメリットといえます。

トラブル時の補償体制が整う

SLAには、万が一サービスが提供できなかった場合や、保証された品質を維持できなかった場合の補償内容があらかじめ記載されています。

たとえば、インターネット接続サービスにおけるSLAでは、トラブル発生時に技術者が優先対応することが定められているケースもあります。これはあくまでSLAにおける一般的な対応例であり、すべてのサービスに含まれているわけではありません。こうした対応が事前に決まっていれば、トラブル発生時に事業者と長時間交渉する必要もなくなるでしょう。結果として復旧にかかる時間が短縮され、効率的なトラブルの解消が期待できます。

サービス選定時の判断材料となる

SLAは、サービス導入時における比較材料としても活用できます。複数の事業者が示す品質や補償内容を客観的に比較することで、自社の要件に合ったサービスを選びやすくなります。

たとえば、トラブル時の対応レベルやサポート体制などの違いについても、SLAを見ることで判断できるでしょう。導入前に内容を比較しておくことで、より納得のいくサービス選定につながると考えられます。

イメージ:フレッツ 光クロス Biz パンフレット

「フレッツ 光クロス Biz」のサービス内容について分かりやすく解説

フレッツ 光クロス Biz パンフレット

4.SLAが導入されていないサービスを利用するリスク

SLAが導入されていないサービスを利用すると、トラブル時に十分な対応が受けられず、企業に損失をもたらすリスクがあります。インターネット回線やITシステムが途切れると、それが短時間であっても業務に支障をきたす恐れがあるため注意が必要です。

また、万が一トラブルが発生しても責任の所在が曖昧で、補償が受けられない可能性もあります。サービス停止によって業務が滞るだけでなく、取引先からの信頼低下や、復旧コストもかかるなど、自社にとって悪影響を及ぼしかねません。SLAが導入されていないサービスでは、想定以上のリスクが潜んでいるといえるでしょう。

5.SLAで使われる評価指数・補償内容の例

SLAでは、サービス品質を示す「評価指数」と、基準を下回った場合の「補償内容」が一般的に明記されます。主な項目の例は、以下のとおりです。

  • 評価指数の例

    • 稼働率:99.99%
    • 故障時の駆け付け時間:24時間以内
    • ヘルプデスク:24時間365日現地対応が可能

    補償内容の例

    上記の基準を下回る場合、以下の補償内容が取り決められている場合があります。

    • お客さまの申告により、サービスが基準値を下回ることが確認された場合、稼働率に応じてご利用料金を一部返還

基準値を下回った場合の返還金額は、稼働率によって変動します。たとえば、SLAで稼働率が「99.99%」と定められていたにもかかわらず、実際には「90%〜95%」だった場合、「月額利用料の3分の1」が返還されるといったケースがあります。補償内容は事業者ごとに異なるため、契約前に細かく確認することが大切です。

ただし、台風や地震などの自然災害を原因とするサービス停止では、SLAの対象外として扱われ、補償が行われないのが一般的といえます。このような例外についても、事前に理解しておきましょう。

6.インターネット接続サービスでSLAが必要なケース・不要なケース

SaaS以外では、インターネット接続サービスでSLAが搭載されたサービスがあります。しかし、すべての業務でSLAが必要というわけではありません。SLAが必要かどうかは、利用するシステムや業務の重要度によって異なると考えられます。

ここでは、インターネット接続サービスにおいて、SLAが必要なケースと不要なケースを解説します。

SLAが必要なケース

業務に使うシステムが止まることで、会社全体の業務がストップするようなケースでは、SLA付きの回線サービスを選ぶことが推奨されます。とくに以下のような場合には、SLAが導入されている回線を使うことで、安心して業務を継続できるでしょう。

  • 中核となる業務を支える基幹システム、顧客管理システムなどを使用している場合
  • リモートワークの情報セキュリティ対策でVPNを導入している場合
  • 電話環境の構築でクラウドPBX※3を使用している場合 など

たとえば、コールセンターで顧客管理システムが使えなくなると、顧客対応に支障が出ます。また、VPNが切断されると社外から社内ネットワークへの接続ができなくなり、業務が停止する可能性があります。そのため、安定した接続を維持するためにも、SLA付きの回線を選ぶことが有効です。

SaaSのシステムにSLAが設定されていても、法人向けインターネット接続サービスにSLAがなければ、全体としての品質保証が不完全になるでしょう。そのため、業務への影響が大きいシステムを使っている企業では、ICTシステム側とインターネット接続回線側の両方にSLAが搭載されている状態が理想的です。

  1. PBX(構内交換機):Private Branch Exchangeの略称。外部からの電話を受ける外線を制御

SLAが不要なケース

回線が一時的に停止しても業務に大きな影響が出にくいケースでは、SLAが必須ではない場合もあります。とくに小規模オフィスや個人事業主、中小企業などで以下のような業務に取り組む際は、コストとのバランスを考慮してSLAが不要と判断するケースもあると考えられます。

  • Webサイトの閲覧やメールの送受信など、日常的な事務作業を行う場合
  • 社内向けの資料作成や経理処理など、オフライン作業が中心の業務を行う場合
  • 一時的なサブ回線やバックアップ用途として回線を利用する場合

ただし、これらの業務であっても、業務の重要度や依存度が高まった場合には、SLA付きサービスへの移行を検討することが望ましいでしょう。

7.【SLA標準搭載】法人向け光回線サービス「フレッツ 光クロス Biz」

SLAが標準搭載された法人向け光回線サービスをお探しの場合、「フレッツ 光クロス Biz」がおすすめです。「フレッツ 光クロス Biz」は最大概ね10Gbps※4※5の高速通信に加え、信頼性の高い99.99%の故障復旧SLAと、以下の保守サービスが搭載されています。

  • 故障受付対応…24時間365日対応
  • エキスパート※6による電話対応…問診・修理手配を速やかに実施※7
  • 現地対応保証…トラブル発生時、24時間以内の駆けつけ※8

またSLAにより、故障復旧までの時間がサービスの基準値を下回る場合、ご利用料金を一部返還※9します。

「通信回線の速度が遅く、業務に支障がある」「SLA搭載の高速回線を利用したい」などのお悩みがある場合、「フレッツ 光クロス Biz」を導入することで自社に適したインターネット接続環境の構築が期待できます。サービスの詳細は、以下のリンクをご覧ください。

  1. 最大通信速度は、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線の混雑状況などにより大幅に低下することがあります。
  2. 本サービスの技術規格においては、通信品質確保などに必要なデータが付与されるため、実際の通信速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。
  3. 当社基準の応対スキル・資格を有した故障対応のエキスパート。
  4. 通常の「フレッツ光」(保守サービス未加入時)においての修理対応時間は9-17時(日中帯)、故障対応窓口は9時-17時(日中帯)録音対応・順次折り返しとなります。Web113では24時間年中無休で受付を行っています。Web113は下記をご確認ください。
    Web113東日本故障受付
  5. 専用ダイヤルでの故障受付時刻から、回線設置場所への到着時刻(当社把握の時刻)が24時間を超えた場合、月額利用料から保守サービス相当額を減額します。ただし減額対象外となる場合があります。詳細は提供条件をご参照ください。
  6. 詳細は提供条件をご参照ください。
ロゴ:フレッツ 光クロス Biz

フレッツ 光クロス Biz

ビジネスシーンに適したSLA標準搭載・ 最大概ね10Gbps※の高速通信

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フレッツ 光クロス オフィスタイプ

最大概ね10Gbps※の高速通信・ 24時間365日の故障受付

  • 技術規格上の最大値、実速度は利用環境・回線混雑状況により低下

8.SLAに関するよくある質問

ここでは、SLAについて疑問に感じやすいポイントを取り上げて解説します。

SLAとKPIの違いは何ですか?

KPIは「Key Performance Indicator」の略称で、「主要業績評価指標」と訳されます。これは、企業や部署が目標を達成するために設定する進捗管理用の指標を指します。

一方、SLAはサービス提供事業者と利用者との間で合意されたサービス品質に関する指標です。KPIとSLAは、どちらも目標数値を設定するものですが、目的や使われ方が異なります。KPIは社内のパフォーマンスを測定するために使用され、SLAはサービスレベルの合意を定義するために定められるのが大きな違いです。

SLAと契約書の違いは何ですか?

SLAは、契約書に添付される「補足的な資料」という扱いが一般的です。SLAと契約書は、契約を行う上で補完関係になることが多いといえます。

たとえば、ソフトウェアライセンスの契約書には、ソフトウェアの使用許諾や知的財産権、禁止事項などが記載される一方、SLAにはセキュリティ要件などサービス品質について評価指数や補償内容が定められます。

契約書とSLAは役割が異なりますが、あわせて確認することで契約内容をより理解できるでしょう。

9.まとめ

SLAとは、サービス提供事業者と利用者の間で合意される「サービスレベルに関する取り決め」です。稼働率や応答時間、トラブル発生時の補償内容などが明文化されており、安定したサービス利用のために欠かせない仕組みといえます。

とくに、基幹システムや顧客管理システムを運用している企業にとっては、通信の停止が業務全体に影響するリスクがあるため、SLA付きのインターネット回線を選ぶことが重要でしょう。

NTT東日本の「フレッツ 光クロス Biz」では、最大概ね10Gbps※10※11の高速回線に加え、SLAと充実した保守体制が備わっているため、安定したインターネット接続環境の構築が可能といえます。通信品質とサポート体制の両方を重視する企業にとって、安心して導入を検討いただける選択肢の一つです。

一方で、Webサイトの閲覧やWeb会議など、通常の業務用途が中心でSLAが必須ではないケースには、「フレッツ 光クロス オフィスタイプ」もおすすめです。SLAは搭載されていないものの、24時間365日の故障受付に対応しており、日常業務におけるインターネット接続環境の安定化をサポートします。

  1. 最大通信速度は、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線の混雑状況などにより大幅に低下することがあります。
  2. 本サービスの技術規格においては、通信品質確保などに必要なデータが付与されるため、実際の通信速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。

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編集 NTT東日本編集部

NTT東日本のサービス担当者が企画・監修を行う編集チームです。
中小企業の皆さまにとって身近で役立つ情報をお届けすることを目的に、サービスの特長や活用方法をわかりやすくご紹介しています。
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