2025年4月1日利用分より、フレッツ 光ネクスト(一部サービスタイプ)の月額利用料を改定します。詳細はこちら別ウィンドウで開きますをご確認ください。

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約300拠点のβ'モデルへの移行と新庁舎移転を同時に敢行!
テレワーク環境や庁内無線LANで職員の生産性向上が加速

世田谷区では、αモデルの情報化基盤を利用していましたが、業務効率やユーザビリティの低下に課題を抱いていました。そこで庁舎の建て替え・移転を機に、社会環境の変化に対応し、職員の生産性向上を図れる次期情報化基盤の整備と運用管理をNTT東日本へ依頼。β'モデルへの移行、Microsoft Teamsの導入により、職員の生産性向上を実現し、今後の多様な働き方を可能にする環境を整えました。導入の経緯や効果について世田谷区の担当者にお話をうかがいました。

東京都世田谷区

  • 約300拠点のβ'モデルへの移行と新庁舎移転を同時に敢行!テレワーク環境や庁内無線LANで職員の生産性向上が加速

(上段左から)<世田谷区>DX推進担当部 DX推進担当課 DX推進担当 加知 颯希氏 、高橋 真依子氏 、喜多原 真悟氏 、宮本 菜摘氏 、益森 章夫氏(下段左から)<世田谷区>DX推進担当部 DX推進担当課 DX推進担当 染野 文華氏 、義澤 梨花氏、DX推進担当係長 本杉 航氏、内田 翼氏、DX推進担当 葛城 幸生氏 <NTT東日本>東京南支店 第二ビジネスイノベーション部 地域基盤ビジネスグループ 地域基盤ビジネス担当 原 力斗、ビジネスイノベーション本部 ソリューションデザイン部 自治体グループ 第一担当 間野 隼仁

ソリューション導入効果

  • 在宅勤務や出先機関、現場などで職員が快適にテレワークできる環境が整った
  • 新庁舎整備工事の延伸にも対応し、竣工までにネットワークを構築できた
  • 運用一元化により、障害の切り分けやベンダー調整など職員の負担が軽減した

NTT東日本選定のメリット

  • 他自治体での豊富な経験を活かしつつ、区の事情を汲んだ提案をしてくれた
  • 新庁舎を含む約300拠点の構築とサポート体制を有していた
  • 大規模かつタイトなスケジュールの案件を遂行する調整力や実行力に優れていた

コロナ禍の在宅勤務で、不便さを痛感!
β'モデルへの移行やMicrosoft Teams導入に着手

――情報化基盤整備をするに至った背景をお聞かせください。

内田氏:きっかけはコロナ禍です。当時、テレワーク環境は整備していませんでしたが、必要に迫られ、在宅勤務や時差勤務を始めました。当初のテレワーク環境はオンラインストレージのみで、一部のファイルは自宅から見られたものの、インターネットに接続するシステムやメールは使えず、仕事はなかなか進みませんでした。BCP(事業継続計画)の観点からも望ましい状況ではなく、時代に対応した働き方や業務の効率化を進めるために、情報化基盤のβ'モデルへの移行、および職員間のコミュニケーションツールとしてMicrosoft Teamsの導入を進めることにしました。

基盤の刷新に合わせて、職員に依存せず運用ができる統合運用管理も新たに導入することにしました。以前の運用体制では、障害の切り分けやベンダー調整を職員が行うこともあり負担になっていたのと、担当者が異動するとうまく回らないこともあったからです。さらに新庁舎建設に伴うネットワーク設計・構築も合わせて依頼することにしたため、かなり大規模で複雑な案件になりました。

――最終的にNTT東日本に依頼いただきましたが、どのあたりに強みがあると感じられましたか。

内田氏:まずは提案力の高さです。他自治体での豊富な経験や国のガイドラインをベースに、世田谷区がめざすべきシステムの将来像を描き、コンセプトのある提案をしてくれました。

世田谷区 DX推進担当部 DX推進担当課 DX推進担当係長 内田 翼氏世田谷区 DX推進担当部
DX推進担当課 DX推進担当係長
内田 翼氏

世田谷区はコロナ禍前からクラウド活用も積極的に進めており、オンプレミスの自治体とは状況が違いました。世田谷区に最適な環境を整備しようとすると、国のガイドラインに当てはまらない部分もあります。NTT東日本はそうした世田谷区の状況や意向を加味した上で、大きなコンセプトをぶれることなく提案してくれたのがありがたかったです。

トラブル発生で新庁舎工事の環境構築も綱渡り
無事完遂し、約300拠点のβ'モデルへの移行にも目途

――導入はどのように進めましたか。

内田氏:テレワーク自体はαモデルのときからスモールスタートで始めていました。当初は世間のほうが進んでおり、「オンライン会議をしたい」と町の人から要望があったほどです。NTT東日本にMicrosoft Teamsの環境整備を依頼してからは、チャットなどオンライン上でのコミュニケーションが一気に加速しました。日々の業務でMicrosoft Teamsを利用する中で、「こんな使い方もあるのか」と新しい発見も多くありました。たとえば、運用保守検討で使っていたタスクアプリは、区の業務管理にも使えそうだという話につながっています。

――αモデルからβ'モデルへの移行はスムーズに進んでいますか。

本杉氏:β'モデルへの移行対象拠点は約300あります。移行にあたっては、ネットワークの切り替えはもちろん、サーバーやセキュリティの設定も必要です。さらに今回は新庁舎への移転もあり、多角的な視点が求められる非常に難易度の高い案件でした。NTT東日本のような体力のある会社でなければ乗り切れなかったと感じます。外部から来ている参与が「これほどうまくいっている例は見たことがない」というほどでした。

内田氏:もちろん、実際の作業は非常に大変でした。約300拠点の移行や新庁舎移転を約2年で完成させるという非常にタイトなスケジュール、加えて新庁舎移転工事の延伸の影響も発生しました。当初、β'モデルへの移行は本庁舎から始める予定でしたが、総合支所に変更しています。

トラブルもいくつかありました。まず、認証を行わない機器があったので、一度切り戻しをしています。既存機器はベンダーも違い、区側の当時の担当者もいなかったので、完全に仕様を把握するのが難しかったのです。さらにその後、ルーティングプロトコルに関するクリティカルな問題が発生し、このままでは全体の通信ができない状況に陥りました。新庁舎竣工までの3カ月間で問題を解決できなければ、移転自体が難しくなり、損害は計り知れません。区側からは「確実に検証して、絶対大丈夫と言える状態にしてください」と無茶なオーダーを出したのですが、NTT東日本が「検証環境を用意する」という確度の高い解決策を提示してくれたことが、移転の成功につながりました。

竣工までは細いロープの上を歩いている感覚でした。ただ、NTT東日本は基本的にどんな要求にも「やらない」「できない」と言わなかったので心強かったですし、プライドも感じました。相当難しい要求に対しても、完全に要求を叶えた場合の弊害やある程度の妥協策など複数案を提示してくれたので非常に進めやすかったです。約300拠点のβ'モデルへの移行は今年度中には完了する見込みです。

世田谷区 DX推進担当部 DX推進担当課 DX推進担当係長 本杉 航氏世田谷区 DX推進担当部
DX推進担当課 DX推進担当係長
本杉 航氏

2024年春に新庁舎第1期棟の西棟(上右)と東棟(下)が完成。第三庁舎(上左)は2期工事予定2024年春に新庁舎第1期棟の西棟(上右)と東棟(下)が完成。第三庁舎(上左)は2期工事予定

β'モデルと無線LANで現場の生産性が大幅向上
今後は生成AIの活用やBCP対策も検討

――本案件による現時点での効果はいかがでしょうか。

内田氏:Microsoft Teamsを全員が使える環境が整ったので、ここからどう定着させ、活用していくかをNTT東日本とも協力しながら検討していきます。まずはMicrosoft Teamsとメールソフトの使い分けなど、ルールづくりから着手する予定です。区の職員の業務といっても庁内における事務作業だけではなく、保育士や建物関係の技術者など現場業務も多いので、職種ごとに効果的な活用方法を探っていきます。

β'モデルへ移行済みの拠点では、すでに働き方に変化が生まれています。たとえば支所の職員が地域の小中学校へ行くときに、端末を持ち込んで作業することが可能になりました。従来は手書きでメモをとり、支所に持ち帰って打ち込んでいたので、業務効率は飛躍的に向上しています。ほかにも土木部の職員が道路上で使うなど、さまざまな現場で便利に活用できそうです。今後は災害時のBCPや育児中の職員の在宅勤務などにも有効に活用していきたいと考えています。

β'モデルを一度使った職員は、その利便性を実感するようです。春の異動でβ'モデルからαモデルの拠点に戻った職員からは、「早く移行してほしい」と言われます。β'モデルと同じタイミングで整備した無線LANも好評で、昭和から一気に令和になったような大きな変化が生まれています。

本杉氏:庁内でとくに大きく変わったのは会議です。Microsoft Teamsの導入により、拠点とのオンライン会議が増え、移動時間が軽減されました。また、無線LANによって会議室に端末を持ち込めるようになり、以前は会議後に作成していた議事録も、その場で作れるようになりました。資料の印刷の手間も省け、ペーパーレス化が一気に進んでいます。

運用はサポートデスクが一元的に受け付けてくれているので、職員の負担はほぼありません。以前も運用は委託していましたが、障害の切り分けやベンダー調整をしきれず、職員に問い合わせがくることも少なくなかったのです。世田谷区は庁内ネットワークを利用する職員が約8000人と多く、ICTリテラシーにも差があるため、職員からサポートデスクへの問い合わせだけで年間2万件近くあり、異動時など多いときは日に100~200件あります。今回はNTT東日本が導入や移行も担当して環境を把握しているため、的確に判断して対応してくれるので助かっています。

内田氏:SOC(Security Operation Center)の運用も始めました。β'モデルへの移行が完了すれば、SaaSの利用も増えていくはずなので、セキュリティ強靭化に向け欠かせないものになると考えています。

――今後の展望をお聞かせください。

本杉氏:サポートデスクへの問い合わせは現状9割が電話なので、生成AIを活用してFAQチャットボットを作成し、運用保守の負担軽減につなげようという話が出ています。NTT東日本からはこうした運用改善の提案もあり、助かっています。また、区役所はルーティンの事務作業も多いので、生成AIなど活用して効率化を図る余地もあります。今後は専門の部署が中心となって検討を進めていきます。

新庁舎に設置された無線LANルーター(上)。西棟2階には地域振興や街づくりの部署が入居(下)新庁舎に設置された無線LANルーター(上)。西棟2階には地域振興や街づくりの部署が入居(下)
東棟1階のエントランスホール。大澤昌助氏原画作成のレリーフを設置(上)。東棟に併設された区民会館もリニューアル(下)東棟1階のエントランスホール。大澤昌助氏原画作成のレリーフを設置(上)。東棟に併設された区民会館もリニューアル(下)

内田氏:行政のBCPは住民の命に直結するため、非常に重要度が高いものです。NTT東日本からもリスクを軽減したネットワーク構成などを提案してもらっていますが、今後見直しを進めていきたいと考えています。NTT東日本のことは非常に信頼しており、委託先という関係ですが、個人的にはビジネスパートナーのように感じています。引き続き、ICT整備やDXへのサポートを期待しています。

※「Microsoft Teams」は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標、または商標です。

*β'モデルについてはこちらをご覧ください

*上記ソリューション導入時期は2022年6月~2024年6月です。

*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2024年5月時点(インタビュー時点)のものです。

*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

東京都世田谷区
組織名 東京都世田谷区
概要 東京23区の西南部に位置し、都心(東京駅)までは約9~18km、副都心(新宿・渋谷)までは約1~10kmの便利な場所にあります。面積は約58平方キロメートル、人口は23区では第1位で90万人を超えます。それでいて樹林地や農地も多く、多摩川や中小河川があり、自然が豊かな地域であることも特徴です。三軒茶屋、下北沢、二子玉川のような活気あふれる商業地もあります。

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