• 2025.4.07 (月)
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押し込み強盗や、サイバー攻撃など、怖い犯罪が後を絶ちません。
「たしかに怖いけど、うちみたいな小さな会社は狙わないから大丈夫」という不動産会社さん。「自主管理しているけれど数棟持っているだけだから、押し込み強盗なんて来てもお金はないし、強盗ももっと大豪邸の大家さんのところに行くさ」というオーナー。
果たしてそうなのでしょうか?

■押し込み強盗は「大きい会社」を狙っているわけではない

各地で凶悪事件が起こっています。闇バイトという首謀者がわからないような仕組みで実行役を募集して、家や貴金属店に襲撃するという事件のニュースを、みなさんも見聞きしたことがあるでしょう。実は、こうした事件の被害は「大きなお屋敷」や「大きな会社」に限った話ではありません。

犯罪グループは、そのターゲットがほんとうに金持ちかどうか、あるいは大きな会社かどうかまでは調べていません。「住んでいる人が高齢で人数が少ない」「店舗にいる人が少人数」ぐらいの情報で突入してきているのが、昨今の押し込み強盗の手口です。
エリアも決して都会が多いというわけではなく、むしろ防犯カメラなどが街に少ない、地方や郊外で多く発生しています。

■貴金属店だけでなく、不動産会社も狙われる

■2020年4月25日 不動産会社の女性が内見の案内中に刺され重傷

神奈川県横浜市の賃貸アパートの内覧中に、不動産会社勤務の女性(23)が刺されました。容疑者は東京都出身で住所不定・無職の男性(24)。部屋を借りる気はなく、借りるふりをして金銭を奪おうとしたのです。内見中ならば、人数が少ないと思ったのでしょう。容疑者は失業中で生活に困りネットカフェで過ごしていたが、所持金が底をつき路上生活、現金は持っておらず、約20万円の借金がありました。
女性を刃物のようなもので背中から刺したのち、現金数千円が入ったバッグを奪って逃走したとのこと。とても怖い事件です。

■2020年5月1日 群馬県太田市の不動産会社が盗難被害

不動産会社の店舗の玄関ドアがバールのようなものでこじあけられ、社長室から高さ約80センチの耐火金庫と手提げ金庫、ビジネスバッグが盗まれました。決して大きな不動産会社というわけではなかったそうです。犯人からすれば、貴金属店や不動産会社なら「きっと羽振りがいいだろう」と思ったのかもしれません。
盗まれた現金は500万に及ぶとのことです。

■2021年6月23日 広島市の不動産会社で役員の男性社員が刺された

76歳の男性入居者が、借りていた物件の管理会社である不動産会社役員の38歳男性の腹を包丁で刺しました。命は助かっています。
犯人は、日頃から騒音問題などでその会社に不満をもらしていたとのことです。

■2021年2月17日 大阪市の不動産会社に侵入して金庫を盗もうとした7人が逮捕

金庫は固定されていて動かず、結局、何も持ち出せませんでしたが、防犯カメラにばっちり映っていたそうです。
17歳から47歳までの男女7人による犯行でした。

■2021年8月5日 長崎県佐世保市の不動産会社で現金約2,900万円と貴金属が盗難

犯人グループは、東京で別の事件を起こしたあとレンタカーで西へ。山口県で盗んだナンバープレートを取り付け長崎県まで逃げていたところで、たまたま被害に遭った不動産会社に乗り付け、バールを使って入口をこじ開け中に侵入し盗みを働きました。犯人は4人組でした。

いずれも、とても恐ろしい事件です。大きい会社であるかどうかなどは関係なく、自主管理のオーナーも十分に気を付けるべきです。

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■ハッカーによる犯罪は、被害の過半数が中小企業

さらに近年怖いのは、ハッカーによるサイバー攻撃です。
入居者情報や鍵番号などのデータをハッキングされたら、と考えるとぞっとします。

実は、こうした犯罪では、「大手だから」とか「会社を狙って」ではなく不特定多数にランダムにメールが送られ、うっかりクリックしてしまうとデータが乗っ取られてしまいます。「ランサムウェア」という手口で、復元と引き換えに身代金を要求してきます。

もともと不特定多数に送っているのですから、いつ被害にあってもおかしくありません。常に最新のセキュリティ対策をしているパソコンを利用し、定期的にパスワードなども変えておきましょう。

こうした犯罪の被害者は、実は過半数が中小企業なのです。警察庁 サイバー企画課発表の資料によると以下の通り。データをロックされ多額の身代金を要求されたり、払わないと個人情報をさらされたり、あるいはオーナーの個人口座までハッキングされてしまうかもしれません。要注意です。

■防犯カメラや、セキュリティ対策ソフトを

犯罪が先鋭化する今日、オーナーも自宅への防犯カメラの設置などの対策を行い、パソコンのセキュリティ対策も万全にしましょう。加えて、つきあう不動産会社の防犯対策も重要です。いくらオーナーが対策しても、不動産会社や取引先から情報が漏れてしまっては元も子もありません。

どんどん過激な犯罪が増えていますが、「まさか自分なんて狙われない」とタカをくくらず、しっかりと対策をとりましょう。そして、「FIREしました」などと、うかつに自らSNSで情報をさらさないよう注意し、犯罪者からできる限り姿を消す工夫をしていきましょう。

  • 執筆:上野 典行(うえの のりゆき)

    【プロフィール】プリンシプル住まい総研 所長

    1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。20121月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長・中国ブロック副ブロック長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

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