コロナ禍で、大学ではオンライン授業実施が96.8%に
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大学生・短大生・高等専門学校生のキャンパスライフは大きな変化を遂げました。クラスターを避けるため、各大学ではキャンパスへの登校を制限し、オンラインでの授業を開始。サークル活動が制限され、なかなか友達が出来ないといった悩みを持つ学生が急増しました。

日経BPコンサルティングが2021年8月5日に発表した調査結果によると、96.8%の大学等がオンライン授業を実施と報道されましたが、授業の半数以上をオンライン授業で実施している割合は、4年生大学が約7割、国立大学では約9割に上りました。
わざわざキャンパス周辺に下宿しなくても?
多くの授業がオンラインで実施され、サークル活動も制限されるとなると、「ならばわざわざ親元を離れて部屋を借りなくても、実験や体育や試験など、オンラインで出来ない授業のときだけ、多少通学時間がかかっても通えばいいのではないか」と、部屋を借りないという選択をする学生も増えてきました。「大阪の学生が九州大学に合格したけれど、九州の部屋は借りなかった」というような現象も発生しました。

これまで「大学に近い」ということで簡単に決まっていた物件が、「ネットが遅い」「うるさくてオンライン授業が出来ない」と敬遠される現象が発生するという、過去あまりなかった状況に直面しています。アットホームの調査でも、新型コロナウイルス感染拡大の中、お部屋探しのニーズの変化は、「インターネット通信環境の充実」と答えた不動産店舗が43.5%、「都市部よりも郊外の広く自然豊かな物件」と答えた不動産店舗が36.1%、書斎またはワークスペース(集中できる静かな個室)と答えた不動産店舗が33.6%でした。

- ◆調査期間/2020年9月12日~9月25日 ◆対象/北海道、宮城県、首都圏(1都3県)、静岡県、愛知県、近畿圏(2 府1県)、広島県、福岡県の13都道府県のアットホーム加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて仲介業に携わっている不動産店。主に経営者層。ローデーターをもとにプリンシプル住まい総研にて、再集計・作表
試験のヤマがわからない、教授の話の肝心なところが聞き取れない
こうしたオンライン授業で困っているのが、ネット環境。特にスピードの問題。「今から次の試験のヤマを話しますが」というところで、建物内で一斉に学生がアクセスして聞き取れない。これでは困ってしまうのです。ひとつの光回線を建物にひいて、建物全体の各居室のLANでシェアをするシェアード型は、入り口が速くても、接続する部屋が増えれば遅くなってしまいます。いわば、高速道路からの出口のインターチェンジで混雑してしまうようなものです。

大切な卒論のデータが大容量で、担当教授に締め切り時間までに届かない。先輩から入手した昨年の試験問題がダウンロード出来ないなど、「ネットがつながるか」「無料か」そして「スピードは大丈夫か」が重要な問題となっています。

これまでの「ネット無料物件か」「自分で有料のネット回線をひく物件か」という問い合わせから、「それは速いのか」という質問が増えているという変化です。2022年2月には必須のオンライン授業を全く視聴しておらず締め切りが迫り、「5本同時にパソコンで立ち上げて見ていたふりをした」学生がいたという事件が早稲田大学で発生し、100人以上が成績不合格となるなど、これまででは考えられない事態まで生じています。
就職活動までもがオンラインに
また、大学生の生活での変化は、授業だけでなく就職活動でもオンライン化が進んでいます。就職説明会がオンラインになるばかりでなく、面接までオンラインに。「オンライン面接では、上から目線になると印象が悪いから、パソコンのカメラを上に上げなさい」といった就職ノウハウが出回るほど。

ここでも、回線スピードが遅いと「最終面接で社長との会話が途切れたらパニックになってしまう」ので「下宿は引き払って、親元で就職活動した」という大学4年生も登場しています。いよいよ高速回線の必要性は高まっているのです。

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これがあれば家賃が高くても決まる人気の設備ランキングに 高速ネット登場

- 全国賃貸住宅新聞2021年10月18日発表データより、プリンシプル住まい総研作表
空室対策で最も参考にされているランキングが、全国賃貸住宅新聞社が毎年行っている「人気の設備ランキング」です。実際に入居者と接している不動産営業マンの肌感覚のアンケートデータとして、とても参考になるもの。
6年連続で「インターネット無料」が1位。オンライン授業・テレワークの浸透で、もはやネット無料は空室対策施策としてはかなり定着してきたといえますが、今回、第4位に初めて「高速インターネット」という項目が登場しました。
同じタイミングで、「この設備がなければ決まらない」ランキングも発表されているのですが、ここでも単身向け第9位に「高速インターネット」が初めて登場しました。
コロナ禍における空室対策の新しい設備として「インターネット無料」にして「しかも高速」は、鉄板対策と言えるでしょう。
留学生を狙う2022年夏~秋
入居者獲得が厳しかった学生物件に吉報が届いています。新型コロナウイルス感染対策での入国制限が緩和され、これから海外から留学生が入ってくるのです。
1日あたりの入国者の上限は、2022年3月1日には5000人に増加。6月1日からは、2万人に増枠されました。実はこれは観光客だけではありません。在留資格の認定を受けながら来日できていない外国人は昨年一年間で約40万人にのぼり、留学生だけでも11万人ほどが入国待ちの状態だったのです。

- 日本の大学に合格していた留学生が、緩和措置でこれから入国してくる
インターネット環境は、故郷とのやりとりやオンライン授業など、留学生にとっても魅力的な設備です。なんとか入居先を探してから、留学生自身が申し込んで自分でネット回線をひく、のはかなり難しいのです。
ならば、ネット代はオーナーが負担して差し上げ、選んでいただく。海外では湯船につかる習慣があまりなく、バストイレは一緒でも気にしない。温水洗浄便座の普及も海外はそこまで高くない。となれば高速インターネットで、この夏から秋は学生物件の入居でV字回復しましょう。

- これから留学生をターゲットに考えるなら、ネット環境から手を打とう
執筆:上野 典行(うえの のりゆき)
【プロフィール】
プリンシプル住まい総研 所長
1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。2012年1月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

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