★【2023年最新】自動運転車の現在の開発状況と販売メーカーにおける市場動向を解説

  • 2023.5.15 (月)
    Posted by NTT東日本

【2023年最新】自動運転車の現在の開発状況と販売メーカーにおける市場動向を解説

自動運転技術が急速に進化している昨今、現在の自動運転技術の進捗状況や、各販売メーカーの市場動向について知りたいという企業は多いのではないでしょうか。

現在、レベル3相当の自動運転システムを搭載した市販車が開発されており、公道走行実現に向けた法整備も行われています。敷地内移動サービスとして、レベル4の実証実験も各地で進められ、近い将来に一般利用が可能になるでしょう。

そこで今回の記事では「現在の自動運転レベル別開発状況」「販売メーカーにおける市場動向」について解説します。自動運転車の現在の開発状況や市場動向を把握し、自社サービスに生かしたい方はぜひ参考にしてください。

1.自動運転は5つのレベルで分類される

画像_自動運転は5つのレベルで分類される

手動運転である「0」を抜き、自動運転レベルは1〜5の5段階に分けられます。レベルが大きくなるごとに、車両に搭載されている自動運転技術が高度なものになります。

レベル 技術内容
レベル1(運転支援) ACCまたはLKASが可能
レベル2(部分運転自動化) ACC・LKASの両方が可能
レベル3(条件付自動運転) システムが全ての運転を担うが、要請があればドライバーの運転が必要
レベル4(高度運転自動化) 特定条件下において、システムが全ての運転を担う
レベル5(完全運転自動化) 常にシステムが全ての運転を担う

ACCとは前走者に追従する機能であり、LKASは車線の真ん中を走る機能です。自動運転レベルは、アメリカのSAE(自動車技術会)の示した基準が、世界で主流の定義となっています。

参照元:国土交通省|自動運転のレベル分けについて別ウィンドウで開きます

2.自動運転レベル4以上の市販車はまだ販売されていない

画像_自動運転レベル4以上の市販車はまだ販売されていない

2021年3月にホンダがレベル3の自動運転車を販売し、話題となりました。国外では、アメリカや中国においてレベル4の自動運転タクシーが展開されており、国内では成田空港敷地内でローカル5Gを活用した実証実験が行われています。しかし、現在自動運転レベル4の一般乗用車はどのメーカーも販売していません。

国土交通省は、2025年を目処に高速道路での完全運転自動化を目指すとしていますが、レベル5の実現目処は時期未定です。レベル5の公道走行の実現には、自動運転技術だけでなく法律など、さまざまな問題を解決していく必要があります。

参照元:国土交通省「自動運転の実現に向けた国土交通省の取り組み p10」別ウィンドウで開きます
NTT東日本の「成田国際空港での自動運転レベル4相当の導入に向けた実証実験」はこちら

3.【レベル別】自動運転における現在の開発状況

画像_【レベル別】自動運転における現在の開発状況

現在、一般車におけるレベル3や移動・輸送サービスにおけるレベル4の技術搭載が本格的に始まろうとしています。自動運転技術の開発は世界中で進んでおり、今後の状況を注視していく必要があります。この章で、現在の各レベルの自動運転開発状況について確認しましょう。

3-1.レベル1

国内では、レベル1に搭載されている衝突被害軽減ブレーキやACCまたはLKASの標準装備が積極的に進められています。衝突被害軽減ブレーキは、2018年で84.6%の装着率を達成しました。国際的にも衝突被害軽減ブレーキの基準化が進み、2024年7月からは欧州で新車を対象とした搭載義務化が始まる予定です。

日本では2021年から新車での義務化がスタートしており、2025年12月から継続生産車に対しても開始となります。そのため、レベル0の車両は徐々に減少し、レベル1が一般的な車両となるでしょう。

3-2.レベル2

現在、レベル2搭載車両は実現済みですが、より技術が高度化した「レベル2+」の開発が進められています。「レベル2+」は、システムがアクセル・ブレーキ操作やハンドル操作の支援をより強化するため、特定条件下であればハンズオフが可能な車両です。

「レベル2+」は、日産やスバル、トヨタなどさまざまなメーカーが一部の市販車に搭載し始めています。現在は自動車専用道路が対象ですが、開発が進めば一般道路での走行も可能になる予定です。

3-3.レベル3

国内では、移動サービスにおいてレベル3の実用化が開始されています。沖縄県や福井県では、ゴルフカーを活用した低速自動運転車が運行を始めました。遠隔操作や監視を行うことで、ドライバーレスでの走行が実現できています。

また、フランスの自動運転開発社の「NAVYA」は、レベル3相当の運転技術を搭載した「NAVYA ARMA」の実用化を世界各国で進めています。日本では、NAVYAの代理店であるマクニカによって、羽田イノベーションシティや茨城県境町での本格導入が決定されました。

参照元:羽田イノベーションシティ「自律走行バスの定常運行を開始」別ウィンドウで開きます

3-4.レベル4

レベル4は、タクシーやバスなどの移動サービスでの開発が進められています。継続走行が難しいケースであっても、人間に頼らずに安全なエリアを判断した上で停車するなど、自己判断が可能です。

ドイツでは、2021年に改正道路交通法が施行され、一定条件下でのレベル4走行が可能になりました。日本では、2023年4月から施行される改正道路交通法により、限定地域でのレベル4走行が可能となる予定です。空港でもレベル4の実証実験が行われており、遠隔操作を実現するためにローカル5Gが活用されています。

NTT東日本「空港における遠隔監視型自動運転に向けた通信冗長化設計による映像監視技術の実現」

3-5.レベル5

レベル5の開発・実現の目処は、現在のところ立っていません。技術面の向上に加え、ルールを整えるといった法整備が不可欠です。

国土交通省「官民ITS構想・ロードマップ2017」によると、2025年を目処にレベル4の高速道路での走行実現を掲げています。レベル4が一般乗用車で解禁されれば、レベル5の開発や走行が実現される可能性はあるでしょう。

アメリカのEVメーカーであるテスラは、センサーを利用したレベル5実現を公言しています。国内では、スタートアップTURINGが「We Overtake TESLA(テスラを追い越す)」という目標を掲げ、2025年にレベル5のEV開発を目指しています。

参照元:国土交通省「官民ITS構想・ロードマップ2017」別ウィンドウで開きます

4.自動運転車の販売メーカーにおける市場動向5選

画像_自動運転車の販売メーカーにおける市場動向5選

この章では、各自動車メーカーの自動運転車をご紹介します。

  • トヨタ「e-Palette」
  • ホンダ「LEGEND」
  • 日産「ProPILOT」
  • メルセデス・ベンツ「DRIVE PILOT」
  • バイドゥ「Apollo」

現在国内外問わず、多くの自動車メーカーが自動運転レベル4や5の開発を進めています。各自動車メーカーの自動運転開発状況について、詳しく確認しましょう。

4-1.トヨタ「e-Palette」

トヨタの「e-Pallet」は、MaaSと自動運転車を融合させたAutono-MaaSというコンセプトのもと開発を行っています。Autono-MaaSとは、自動運転車(Autonomous Vehicle)とモビリティサービス(MaaS)を融合させた、トヨタ独自のサービスを表す造語です。「e-Pallet」は、移動や物流・物販などさまざまな目的で活用できる、Autono-MaaSを具体化する存在として開発されています。

実際に、東京オリンピック・パラリンピックの選手村でサービスの実証が行われました。室内空間が広く、ドライバーのいないレベル4以上の車両を意識したデザインになっています。

4-2.ホンダ「LEGEND」

2021年、ホンダが世界で初めてレベル3搭載の市販車「LEGEND」を販売し、話題となりました。「LEGEND」には自動運転装置が搭載されており、高速道路などの一定条件下であればレベル3での自動運転が可能です。ホンダは、2025年を目処に、一般道での走行が可能なレベル4の自動運転車の開発を掲げています。

4-3.日産「ProPILOT」

日産は、2019年にレベル2でのハンズフリー運転機能が搭載されたプロパイロット2.0を開発しました。プロパイロット2.0は、高速道路でのハンズオフでの運転や前方車に応じた車線変更の追い越しなどが可能です。

プロパイロットの自動運転技術は、セレナや日産アリアの車種にも搭載されています。日産は自動運転タクシーの開発にも力を入れており、DeNAと共同で実証実験を進めています。

4-4.メルセデス・ベンツ「DRIVE PILOT」

ドイツの商用車メーカーであるメルセデス・ベンツは、ホンダの次にレベル3のシステムを開発し「DRIVE PILOT」を発表しました。

SクラスかSクラスのEVにのみ、オプションとしてレベル3のシステム搭載が可能です。現在はドイツのみが対象になっていますが、2023年からアメリカでも導入が開始される予定です。

4-5.バイドゥ「Apollo」

中国にある大手ネット検索会社であるバイドゥは、2015年から自動運転の実証実験を始めています。 2019年には、北京市で2年間かけてレベル4の実証実験を行うことを発表しました。

2021年には、ロボタクシー向けの自動運転車両「Apollo Moon(アポロムーン)」の発表を行い、コストを抑えたレベル4車両として注目を集めています。また、スウェーデンの自動車メーカーであるボルボと共同して、完全自動運転車の開発を行うことも発表しています。

5.「ローカル5G」の活用によりさまざまな課題解決が可能

画像_「ローカル5G」の活用によりさまざまな課題解決が可能

NTT東日本の「LOCAL 5G」は、低遅延かつ高速大容量通信で、AI技術を活用したさまざまな課題解決に貢献可能です。ローカル5Gは、農業や物流DXにおいて、幅広く利用されています。

自動運転車の安全な走行を実現するためには、スムーズな遠隔操作を行う通信環境の構築が必要です。レベル4や5の開発が進めば、ますます円滑に車両の走行エリアをカバーできる5Gシステムが求められるでしょう。

ローカル5Gであれば、たとえ走行スピードの速い自動運転車であってもラグを起こさずにデータ通信ができます。集めた大容量のデータをリアルタイムで分析し、AIの判断にもつなげられます。ぜひ一度「LOCAL 5G」の概要をチェックしてください。

NTT東日本「LOCAL 5G」

6.まとめ

画像_まとめ

国内では、自動運転レベル3の移動サービスが実用化されるなど、開発と普及が日々進められています。実証実験が進めば、レベル4の市販車や移動サービスの運行も実現できるでしょう。しかし、完全自動運転であるレベル5の実現には、技術以外にも社会制度を整えていく必要があります。

現在の自動運転走行には、ローカル5Gによる通信システムが欠かせません。AI技術を取り入れた課題解決に興味のある方は、ぜひ以下の資料をチェックしてください。

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