★ミリ波5Gのメリット・デメリット7選!提供エリアやおすすめのサービスについても解説

  • 2023.5.01 (月)
    Posted by NTT東日本

ミリ波5Gのメリット・デメリット7選!提供エリアやおすすめのサービスについても解説

近年、5Gは農林水産業や工業への活用が期待されています。また、総務省は地方創生の手段として、スマートシティや遠隔医療への5G技術の応用を推進しています。そこで自社でも5Gを導入し、事業に役立てたいと考えている企業が多いのではないでしょうか。

5Gは通信に複数の周波数帯を利用しており、それぞれに電波の特性が異なります。周波数帯の特性と自社の利用形態が合っていなければ、想定していた費用対効果が得られないかもしれません。

そこで今回の記事では、5G周波数帯のミリ波について、メリット・デメリットや提供エリアを解説します。ミリ波5Gを都市部以外で活用したい企業におすすめのサービスを紹介するので、郊外にオフィスや工場がある企業の方はぜひ最後までお読みください。

5Gとは?ほかの通信システムとの違いについても解説

ミリ波は、5Gで使用されている周波数帯の1つです。本章では、5Gのしくみや従来システム(1〜4G)との違いについて詳しく解説します。

5Gとは

5Gとは、第5世代の移動通信システムを指し、以下のような特徴があります。

特徴

メリット

活用シーン

eMBB(高速で大容量通信)

ダウンロード・アップロードの利便性が向上する。

  • 高精細な動画・ライブ配信の視聴
  • 仮想・拡張現実の品質向上

URLLC(送信成功率が高く低遅延な通信)

通信のラグが少なくなる。

  • 自動運転
  • 遠隔医療
  • 遠隔操作

mMTC(同時に多数の端末接続が可能な通信)

通信混雑を回避しやすくなる。

  • IoT(モノのネットワーク)
  • 通信混雑の解消・低減

5Gは、これまでの移動通信システムと異なる役割が期待されています。従来(第1〜4世代)は、携帯電話を中心としたコミュニケーション手段の拡充が目的でした。一方で、5Gは、社会的課題の解決手段としての役割が期待されています。

5Gとほか通信システムの違い

5Gとほかの世代の通信システムとの違いは、以下のとおりです。

世代

時代

概要

通信端末

1

1979年~

アナログ方式の無線システム。

音声通話機能のみ利用できた。

自動車電話

肩かけ型電話

携帯電話

2

1993年~

デジタル無線システムを採用。

インターネットへ接続できるようになった。

携帯電話

3

2001年~

海外で日本製品の通信端末を使えるようになった。

4

2010年~

スマートフォンの登場に前後して商用化された。

また、インターネットの通信速度が大幅に向上した。

携帯電話

ノートパソコン

タブレット

5

2020年~

4Gに比べて、通信速度・遅延・端末接続数が、大幅に向上した。

携帯電話

ノートパソコン

タブレット

IoT端末

上記のとおり、移動通信システムは世代を経るごとに、利用できる端末の種類が増えています。5Gでは、IoTデバイスを活用した通信サービスが推進されています。

5Gの周波数帯はミリ波・Sub6・4G流用の3種類

5Gの通信では、ミリ波・Sub6・4G流用の3種類の周波数帯が使用されています。周波数帯の特徴は、以下のとおりです。

種類

周波数(GHz)

メリット

デメリット

ミリ波

  • 28
  • 高速通信可能
  • 同時多数接続可能
  • 通信範囲が狭い
  • 障害物に弱い

Sub6

  • 3.7
  • 4.5
  • 電波減衰しにくい
  • 障害物に強い
  • ミリ波より通信速度が遅い
  • 同時接続台数が少ない

4G流用

  • 1.5
  • 1.7
  • 2
  • 2.5
  • 3.4
  • 3.5


700~900MHz

  • 4G/LTEの設備を利用できる
  • 第4世代の移動通信に比べて低遅延
  • Sub6より通信速度が遅い
  • 同時接続台数が少ない

上記のとおり、5Gの通信に使用されている周波数帯は、それぞれにメリット・デメリットがあります。なお、2019年4⽉当初、5Gに割り当てられた周波数帯は、3.7・4.5・28GHzのみでした。その後2020年8⽉に規制が緩和され、4Gの周波数帯を5Gに転用できるようになっています。

ミリ波5Gのメリット4選

ミリ波を使用した5G通信のメリットは、以下のとおりです。

  • 高速大容量通信
  • 低遅延高信頼な通信
  • 同時多数接続が可能
  • 通信混雑を回避・解消可能

本章で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

高速大容量の通信が可能

ミリ波は、高速かつ大容量の通信が可能です。なぜなら、ミリ波は帯域幅(周波数の最大・最小値の差)が広い電波だからです。電波は周波数が低いほど需要が高く、帯域幅が広くありません。しかし、ミリ波は周波数が高いため広い帯域を使えます。帯域幅が広いと、一度に送信できるデータ量が多くなるため、通信速度が向上します。

例えば、ミリ波5Gであれば、120分の映画を約3秒でダウンロード可能です。一方で、4G/LTEでダウンロードする場合、完了までに約5分かかります。

遅延が少なく高い信頼性を実現

ミリ波は帯域幅が広いため、通信の遅延が少ないという特徴があります。また、エッジコンピューティング(ネットワークの末端部分でデータを処理する技術)を合わせて利用することで、ミリ波はさらに低遅延で高信頼な通信を実現可能です。

なお、低遅延通信は、タイムラグが事故に直結する自動運転遠隔地の機械操作で真価を発揮します。ミリ波5Gの低遅延通信に着目した実践的な取り組みについて詳しく知りたい方は、NTT東日本の実証実験をご覧ください。

NTT東日本の「映像監視技術」に関する実証実験の詳細はこちら

同時接続台数が多い

ミリ波は帯域幅が広く、同時に通信できる端末数が多い周波数帯です。帯域幅が広いと、複数の周波数で同時にデータを通信できます。そのため、端末それぞれに異なる周波数を割り当てることで、同時に複数のデータ通信を行えます。

なお、同時接続台数の多さが真価を発揮する分野はIoTです。大量のカメラやセンサーをミリ波で相互通信させることで、農林水産業・工業の業務効率化や自動化に効果を発揮します。

通信の混雑を解消できる

ミリ波5Gは、通信混雑の軽減・解消に効果的です。従来(4G/LTE)のシステムは、同時に処理できるデータ量が少なく、時間帯や場所によって通信が混雑していました。

しかし、ミリ波5Gは4Gに比べて送受信速度や通信品質が飛躍的に向上しているため、データ送受信量の増加によって混雑しません。そのため、ミリ波5Gはスタジアムやデパートなど、人口密集地での活用が期待されています。

ミリ波5Gのデメリット3選

ミリ波5Gのデメリットは、以下のとおりです。

  • 通信距離が短い
  • 障害物や天候変化に弱い
  • セキュリティリスクが大きい

デメリットを確認せずにミリ波5Gを導入すると、充分な導入効果を発揮しなかったりセキュリティ事故を引き起こしたりしてしまいます。本章で、ミリ波5Gのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

通信距離が短い

ミリ波は、通信距離が短いという欠点があります。なぜなら、ミリ波は高周波(28GHz)の電波だからです。フリスの伝達公式により、電波減衰は周波数の2乗に比例することが知られています。そのため、周波数が高くなるほど伝搬損失は大きくなります。

また、ミリ波は伝搬損失が大きいため、通信エリアの構築には莫大な予算が必要です。なぜなら、広範囲をカバーできる通信網を敷設する場合、伝搬損失が大きいほど大量にアンテナや基地局を配置しなければならないからです。

障害物や天候変化に弱い

ミリ波は周波数が高いため、障害物や雨の影響を受けやすい電波です。電波は周波数が高くなるにつれて直進性が増し、遮蔽物の回折が難しくなります。そのため、ミリ波は遮蔽物や雨に電波が反射・吸収されてしまい、通信が安定しません。なお、ミリ波の反射・吸収は電波送信時も受信時も同様です。そのため、遮蔽物の先から飛んでくるミリ波は受信しづらく不安定になります。

セキュリティに懸念がある

ミリ波5Gは、通信網自体や接続端末にセキュリティリスクが存在します。ミリ波5Gは、送受信間で複数のハードウェアを中継します。そのため、監視すべきハードウェア数が増加しました。また、ミリ波5Gは4Gに比べて、通信速度が飛躍的に向上しているのが特徴です。

そのため、通信量や中継ハードウェア数がプロバイダーの監視能力を超えてしまうリスクがあります。さらに、ミリ波5Gへ接続するIoT端末のセキュリティには不安があります。現状、IoT端末のセキュリティは製品全体で統一されていません。そのため、通信網のセキュリティ品質にばらつきが発生し、脆弱性を攻撃されるリスクがあります。

ミリ波5Gの提供エリアは限られている点に注意

現在、ミリ波5Gは都市部の限定的なエリアでしか利用できません。なぜなら、ミリ波は、伝搬損失が大きく通信距離が短い周波数帯だからです。そのため、広い地域をカバーするには大量の通信設備が必要となり、莫大なコストがかかります。

なお、5Gの開発当初は、NSAの運用を想定したインフラ整備が進められていました。しかし、NSAは高速大容量・低遅延高信頼など企業が要求する性能を実現できず、活用しづらいという欠点があります。

システム構成

概要

周波数帯

NSA

4G/LTEの基幹通信網+第5世代基地局

Sub6

4G流用

SA

5Gの基幹通信網と基地局

Sub6

ミリ波

現在は、ミリ波を使用できるSAの運用が可能です。そのため、ミリ波5Gを使用できるエリアは、人口密度が高い地域から順にこれから拡大していくと考えられています。

ミリ波5Gを郊外や山間部で活用したいならNTT東日本の「ギガらく5G」がおすすめ

ミリ波5Gは提供エリアが限られていますが、高速大容量で低遅延・同時多数接続が可能であり、利用するメリットが多い周波数帯です。そこで、ミリ波5Gを通信キャリアのサービス提供エリア外で利用したい企業には、NTT東日本の「ギガらく5G」をおすすめします。

「ギガらく5G」は、システム設計や免許の取得など、5Gの導入から運用まで実務を一元的にサポートするサービスです。また「ギガらく5G」は、SA方式のローカル5G(法人や自治体が独自に敷設するシステム)であり、郊外や山間部で高速通信を利用できます。

加えて「ギガらく5G」は、市場価格(約1.1億円)の約1/5の費用(2200万円程度)で導入できます。社内にIT技術者や専門家がいない企業や低予算でミリ波5Gを利用したい企業は、ぜひNTT東日本にお気軽にご相談ください。

NTT東日本のローカル5Gについて詳しくはこちら
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まとめ

5Gは、第5世代の移動通信システムです。また、5Gの通信には以下のとおり3種類の周波数帯が使用されています。

  • ミリ波
  • Sub6
  • 4G流用

特にミリ波は、Sub6や4G流用に比べて通信速度が速く、農林水産業や工業への活用が注目されています。ただし、ミリ波5Gは提供エリアが都市部に限定されており、郊外では利用できません。

そこで、郊外でミリ波5Gを利用したい企業には、NTT東日本の「ギガらく5G」をおすすめします。「ギガらく5G」は、SA方式の5Gをシステム設計から運用まで一括で外注できるローカル5Gです。市場価格の約1/5の費用で柔軟にシステムを設計できるので、ぜひ「ギガらく5G」の導入をご検討ください。

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