物流DXの事例5選!メリット・注意点や導入時の3つのポイントを紹介
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2024.11.06 (水)Posted by NTT東日本
近年、インターネットで買い物をする人が増えたこともあり、物流業界はドライバーの人手不足や商品管理の複雑化などの課題を抱えています。さまざまな課題を解決するために、大企業を中心として物流DXに取り組む企業が増えています。DX化により物流管理システムや自動搬送ロボットなどの技術を活用することで、人手不足の解消や業務効率化などが可能です。
そこで、今回の記事では、物流DXの概要や具体例、メリットなどを解説します。導入時のポイントが分かる内容になっているので、これから物流DXに取り組む企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.物流DXとは?求められる背景も解説
さまざまな業界でDX化が進められていますが、物流業界でも需要が高まっています。物流DXとはどのようなものか、まずは概要を理解しましょう。なぜ物流DXが推進されているのか、求められる背景も併せて解説します。
物流DXとは
DXは「Digital Transformation」の略で「デジタル技術を使った変革」という意味です。物流DXは、配送・輸送や保管・流通加工など各プロセスにおいて、デジタル技術を活用したサービスやビジネスモデルを作ることを指します。
国土交通省でも物流DXを「デジタル化することで物流を変革する」と定義しており、物流の優位性を高めるとともに日本産業の国際競争力の強化をめざしています。
物流DXが求められる背景
DX化の取り組みを進めることで、物流業界が抱えている以下の課題の解決が期待できます。
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- ドライバーなどの人手不足
- トラック積載効率の低下
- EC利用増による商品管理の複雑化
- 燃料価格の高騰によるコストの増加
また、経済産業省は物流業界に限らず日本のDX化が進まないと、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が発生すると予測しています。そのため、物流業界においてもDX化への対応を求められています。
参照元:「経済産業省|DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf)
2.物流DXの事例5選
物流DXには、物流管理システムの導入や自動搬送ロボットの活用などさまざまな方法があります。そこでこの章では、物流DXの事例を5つ紹介します。物流DXは具体的にどのような方法で行われているのか、理解しましょう。
物流管理システム
在庫管理システムや入出庫管理システムの導入によって、データの一元管理が可能になり、業務の効率化が期待できます。また、物流管理システムを使って複数のシステムを連携すると、データの入力・修正があった場合に一度で全てのシステムに反映されるようになるため、大幅に手間が省けます。
さらに、入出庫の記録や配送ルートがデータとして見えるようになるため、分析がしやすくなり業務の改善および最適化ができるでしょう。
自動搬送ロボット(AGV)
近年、多くの物流倉庫で導入が進められている自動搬送ロボット(AGV:Automatic Guided Vehicle)とは、重い荷物でもスムーズに運んでくれるロボットです。これまでは作業員が倉庫内を回り、必要な荷物をピッキングしていました。自動搬送ロボットがあれば、人の代わりに荷物を所定の場所まで運んでくれるため、倉庫内で働く作業員の業務負担を軽減します。
しかし、自動搬送ロボットは決められた範囲内、設定されたルート上でしか稼働できません。また、事前に地図情報のインプットが必要になるといった手間がかかるので注意しましょう。
近年では、自律走行搬送ロボット(AMR: Autonomous Mobile Robot)と呼ばれるロボットが注目を集めています。自律走行搬送ロボットは制御システムがその都度指定する始点と終点の間を、自ら最適経路を判断しながら走行します。そのため、ガイドラインやレールの設置が不要で、より柔軟にジャストインタイムなオペレーションが実現可能です。
自律走行搬送ロボットの導入には、安定した無線通信が必要となります。安定した無線ネットワーク環境を整えたい企業は、ぜひ以下を参考にしてください。
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物流倉庫内のデジタル化について、より詳しく知りたい方はぜひ以下のリンク先をご覧ください。
「スマート物流の実現に向けた、ローカル5G×AI分析による物流倉庫内の動態把握」はこちら
配送ルートの最適化
AI技術を活用することで、配送ルートの最適化が可能です。ドライバーの現在地を把握し、道路状況や天候などを考慮して目的地までの最適な配送ルートを提示してくれます。配送ルートが最適化されると、生産性の向上や業務の効率化だけではなくドライバーの労働時間の短縮が可能です。さらに燃料の使用量が抑えられるため、コスト削減や環境への配慮といったメリットが期待できます。
自動運転技術やドローンによる配送
自動運転技術やドローンによる配送を取り入れることで、ドライバー不足の解消につながります。大手運送会社による自動配送ロボットの実験や、離島や過疎地でのドローン配送の実現に向けた取り組みが進められています。
ドローンならアクセスが難しい場所でも簡単に配送でき、道路状況に左右されず最短ルートで届けられるため、業務の大幅な効率化につながるでしょう。ドローンでの配送は「空の産業革命」といわれ、物流業界の今後を左右する技術の1つです。
情報のデジタル化
物流業界では、紙の書類や伝票を使って手続きを行うことが多く、作成や保管にかかるコストが課題のひとつでした。書類や伝票を電子データで作成・管理することで、紙資料の印刷にかかるコストや保管スペースの削減につながります。
電子データとして一元管理できれば、情報共有がしやすくなるので業務の効率化が期待できます。さらに電子データで管理することで簡単に分析できるようになり、課題の改善策が見つけやすくなるでしょう。
情報のデジタル化には、安定したインターネット接続環境が必要です。安定したインターネット接続環境を整えたい企業は、ぜひ以下を参考にしてください。
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3.物流DXのメリット3選
物流DXには、主に以下のメリットがあります。
- 人的ミスが削減できる
- 業務の効率化につながる
- 人手不足が解消できる
物流DXの取り組みによって、業務がどのように改善されるのか理解しましょう。
人的ミスが削減
物流には、配送・輸送や保管などいくつかのプロセスがあります。人間の手で行うとミスが起こる可能性があり、他のプロセスにも影響が出てしまうでしょう。人的ミスの修正に、大きな手間と時間がかかるケースもあります。
デジタル技術を使って作業を自動化することで、人的ミスを減らし作業員の負担を軽減するだけではなく、物流のクオリティの向上が期待できます。EC業者にとっても、デジタル技術を使って物流のクオリティが高まれば、他社に対して優位性を保つことにつながるでしょう。
業務の効率化
物流DXにより、これまで人の手で行ってきた作業を自動化・無人化することで、業務の効率化が可能です。例えば、倉庫管理システムを使って荷物の入出庫や在庫の管理を行ったり、伝票や書類を電子データとして保存したりできます。自動化・無人化をして業務負担が減った分、従業員は人間にしかできない企画などの業務に集中して時間を使えるようになる点もメリットの1つです。
人手不足の解消
配送ドライバーの人手不足と高齢化は、物流業界の課題の1つです。物流DX化により、荷物のピッキングを行うロボットや自動運転技術、ドローンなどを導入することで、人手不足の解消が期待できます。また、DX化によって従業員の業務負担の軽減や労働時間の改善ができれば、若い人材の確保にもつながるでしょう。
4.物流DXの2つの注意点
物流DXには「導入コストがかかる」「ITリテラシーが必要になる」といった注意点があります。物流DXに取り組むときはどのような点に気を付けるべきなのか、理解しましょう。
導入コストがかかる
物流DXを取り入れる際には、さまざまなデジタル技術の導入が必要になるのでコストの確保が必要です。どのくらいのデジタル技術を取り入れるのかによって導入コストが大きく変わりますが、DX化に費用をかけるにはそれなりの企業体力や売り上げが求められます。
中小企業にとっては、DX化が大きな負担になる可能性があるので、導入前にどのくらいの予算を用意できるのか確認した上で進めましょう。また、DX化によって費用対効果がどの程度見込めるのか、充分に見極めてから導入を検討することをおすすめします。
従業員のITリテラシーが必要
物流DXに取り組むときに、デジタル技術の知識が乏しいとスムーズに導入を進められない可能性があります。物流DXを効果的に利用するためには、デジタル技術を導入して従来の仕組みを大きく変えることが必要です。
従業員の業務フローも大きく変わるため、デジタル技術に関する知識が乏しい人はうまく操作ができず、逆に作業効率や生産性が落ちてしまう可能性があります。物流DXに取り組むときには、作業員に丁寧な教育を行い、デジタル技術に関する基礎知識を身につけてもらうことが大切です。
5.物流DX導入時の3つのポイント
物流DXに取り組むときには、いくつかのポイントがあります。この章では物流DX導入時のポイントを解説しますので、これからDX化に取り組む物流会社の方は、参考にしながら導入を進めていきましょう。
DXに精通した人材を確保する
DX化はデジタル技術を導入するだけではなく、今後を見据えた取り組みが必要です。そのためには、ITに関する技術や知識に精通した人材の確保が欠かせません。自社で人材の確保ができない場合は、DX化をサポートしてくれるサービスの活用を検討しましょう。
サポートを受けながら、DXに詳しい人材を育成する取り組みが必要です。早い段階でIT人材を確保し、計画的にDX化を進めていきましょう。
段階的に進めていく
DX化を導入するときは、一気にすべての業務に取り入れるのではなく、段階的に進めていくことが大切です。一気にDX化を行うと、予期せぬエラーが発生して業務に支障が出たり、従業員のモチベーション低下をもたらしたりするケースもあるので、慎重に進めていきましょう。
例えば、デジタル技術の導入によって短期間で効果を実感できる業務など、DX化に取り組みやすいところから少しずつ進めていくのがおすすめです。
会社全体で取り組む
スムーズにDX化を進めるには、経営者層から現場の従業員まで会社全体で取り組むことが大切です。経営者層は現状の課題からDX化の目的を明確にし、導入の必要性やメリットなどを従業員に周知しましょう。
DX化をして実際に作業を行うのは現場で働く従業員なので、しっかりと納得・理解してもらった上で進めることが重要なポイントとなります。経営者層が指揮を取りながら、従業員と協力しながらDX化を進めていきましょう。
6.DX化を進める基盤としてまずローカル5Gを導入しよう
物流DXに取り組むときは、安定した無線環境が欠かせません。そこでおすすめなのがNTT東日本が提供する「ギガらく5G」です。「ギガらく5G」とは、低遅延・高速を実現したインターネット通信で、事前手続きから構築はもちろんのこと、導入後の運用やサポートまで一括でサポートするサービスです。
利用料金は、サブスクリプション型と一括支払い型から希望に合わせて選べます。もし導入にあたって疑問点がある場合は、経験豊富なスタッフが分かりやすく説明するのでご安心ください。物流DX導入にあたってインターネット接続環境を整えたい企業の方は、ぜひ以下から詳細をご覧ください。
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7.まとめ
物流DXとは、配送・輸送や保管、流通加工など各プロセスにおいてデジタル技術を活用し、これまでとは違ったサービスやビジネスモデルを作ることです。DX化によって、物流業界が抱えるEC利用増による商品管理の複雑化や配送ドライバーの人手不足といった課題の解決が期待できます。
さらに、物流DXには業務効率化につながるというメリットがあるため、労働時間の短縮や人間しかできない業務に集中して時間を割けるようになります。物流DXに取り組む際には、さまざまなデジタル技術の導入が必要で、安定したインターネット接続環境が欠かせません。物流DXに関心がある方は、ぜひ以下のリンク先も参考にしてみてください。
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