★【徹底解説】ローカル5G導入における5つの課題!実現できることやおすすめのサービスも紹介
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2023.6.23 (金)Posted by NTT東日本
世界的にDX推進への関心が向けられている中、ローカル5Gの活用にも注目が集まっています。総務省もローカル5Gの導入を促進するため、ガイドラインを制定したり企業や自治体と共に実証実験を実施したりと、積極的な取り組みを行っています。しかし、ローカル5Gの導入には、いまだに課題が残っているのが現状です。
今回の記事では、ローカル5Gの導入における課題について解説します。5Gとの違いや、ローカル5Gによって実現することなどもあわせて紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
ローカル5Gとは?5Gとの違いも解説
ローカル5Gという言葉を耳にする機会が増えていますが、詳しく解説できる方は少ないのではないでしょうか。ここでは、まずローカル5Gの概要を解説し、5Gとの違いについても説明します。
ローカル5Gとは
ローカル5Gとは、携帯通信キャリアに依存せず企業や自治体などが自ら構築し、運用できる専用の5Gネットワークです。導入するには無線局で免許を取得し、自社で保守運用を行う必要があります。
ローカル5Gは独自のネットワークを構築するため、電波干渉の心配がなく安定して超高速通信が可能です。また、接続端末が移動したり接続数が多かったりする場合も通信が途切れにくく、広範囲をカバーできるという特徴があります。SIM認証によって接続端末を制限できるため、情報セキュリティ対策にもつながります。
5Gの違い
一般的に「5G」と呼ばれるのは「第5世代移動通信システム」で「パブリック5G」とも呼ばれています。2020年3月から、大手携帯通信キャリアが提供を始めました。現在も利用エリアを拡大中で、全国的に4Gから5Gへの移行をめざしています。高速大容量通信が可能で、高信頼・低遅延通信や多数同時接続などの特徴を持ちます。
5Gが免許を必要とせず、対応する通信機器さえ持っていれば誰でも利用できるのに対して、ローカル5Gは限られたエリア内の社員や職員など、通信を許可された人でなければ利用できません。
総務省がローカル5Gを推進する理由
総務省は、企業や自治体などへのローカル5Gの導入を推進しています。その背景には、総務省がローカル5Gを企業や自治体などが持つ多様なニーズに応えるためのソリューションだと位置づけている状況があります。5Gだけでは対応できない幅広いニーズを、ローカル5Gで補うのが総務省の狙いです。
総務省は、ローカル5G導入促進を目的に「ローカル5G導入に関するガイドライン」を2019年に公表しました。ローカル5Gに関する制度や手続きなどが記され、導入はガイドラインに基づき行われます。令和4年3月にはガイドラインの改定が行われ、手続きの方法がより具体的に明記されたため申請しやすくなりました。
ローカル5G導入に向けた5つの課題
ローカル5Gは社会的に注目されているものの、実際にはいまだに導入に対する課題が残っています。ここでは、ローカル5Gの導入における課題を5つ紹介します。
膨大なコストがかかる
ローカル5Gの導入と運用には、高額なコストがかかるというデメリットがあります。ローカル5Gを導入するには、独自のネットワークの構築が必要です。ほとんどの場合、専門事業者に構築を依頼し、数千万円以上の費用がかかることは珍しくありません。
さらに、ローカル5Gの導入後も、日々のメンテナンスやトラブル時の故障対応などが必要です。外部に保守運用を委託する場合は、ランニングコストとして月数十万円の費用が発生します。このように、多額の導入費と運用費が必要なため、潤沢な資金のない企業にとっては導入のハードルが高いと言えます。
免許取得のハードルが高い
ローカル5Gを運用するには免許が必要ですが、取得のハードルの高さが課題の1つとして挙げられています。免許申請前には、構築エリア内での電波測定や他の5Gネットワーク運用者との調整が必要で、手間がかかるのが難点です。
また、電波法によって「無線設備の操作又はその監督を行う者であって、総務大臣の免許を受けたもの」と定義されている無線従事者を選定しなければ、免許申請が不可能です。さらに、申請には多くの書類が必要で、すべてを揃えるだけでも1ヶ月以上はかかります。書類提出後も、審査に1ヶ月半ほどかかるため、免許取得まで2ヶ月半〜3ヶ月ほどかかると言われています。
ローカル5Gの運用には、免許申請だけでさまざまな準備が必要です。構築業者や専門家に頼らなければ、利用者自身での申請は難しいでしょう。
ノウハウが乏しいネットワーク構築の技術がない
ローカル5Gは、技術的な問題から企業や自治体などの利用者が、自らネットワークを構築するのは難しいと言われています。また、ローカル5Gが注目されているとはいえ、まだ活用事例が少なく、全国的に構築ノウハウが乏しいのも課題です。
ただ、現在は大手の携帯通信キャリアを中心に、ローカル5Gの構築支援サービスの提供を始めています。今後はネットワーク構築の支援体制がさらに向上し、導入が進むと考えられます。
環境構築が必要
ローカル5Gを導入しても、使いこなせる環境がなければせっかくの高い技術を生かせません。そこで、ローカル5Gを使いこなせるように、設備やツールも導入による環境整備が必要です。例えば、ローカル5Gは以下のようなツールや機械との併用によって大きな効果を発揮します。
- IoTセンサー
- 高精細カメラ
- 産業用ロボット
- AI解析ツール
- 遠隔操作支援アプリケーション
また、ローカル5Gの特徴である「低遅延」を実現するためには、MECサーバーやクラウドサーバーが必要です。さらに安定した通信を行うために、基地局を設置する必要もあります。事前にローカル5Gの導入目的を明確にして必要な機器やツールを洗い出し、自社で活用可能かをイメージしておくのが良いでしょう。
日々の保守運用が必要
ローカル5Gを安定的に利用するには毎日の保守運用やメンテナンスが必須ですが、専門的な知識が必要なため自社だけで行うのは困難です。専門業者に依頼する方法もありますが、月に数十万円のコストが必要になります。
継続的な保守運用は、技術的にもコスト的にも難しいという理由から、ローカル5Gの導入はいまだにハードルが高いとされています。
ローカル5Gで実現すること4選
ローカル5Gには多くの課題が残っているものの、導入によるメリットが多くあるのも事実です。ここでは、ローカル5Gの導入によって実現することを紹介します。
スマートファクトリー化
工場内の設備や機械にローカル5Gを接続すれば、IoTやAIの導入の後押しとなりスマートファクトリー化が実現します。機械の遠隔操作やリアルタイムでの監視などが可能になり、事故防止だけでなく、工場作業の効率化や生産性向上が可能です。
製造ラインの組み替えが頻繁に発生する工場では、LANケーブルの繋ぎ変えに手間がかかります。そのため、ローカル5Gを活用して無線接続すれば、スムーズな繋ぎかえが可能で柔軟性のある製造ラインが実現します。
商業施設での作業効率化
商業施設でローカル5Gを活用すれば、施設内の作業効率化が期待できます。例えば、ローカル5Gを活用すれば近年普及しているセルフレジや無人レジを設置でき、遠隔での監視が可能です。防犯対策になるほか、高精度カメラでリアルタイムに顧客行動を分析でき、マーケティングにも役立てられます。
さらに電子タグを利用して商品管理ができるようになるため、煩雑な在庫管理の工数軽減が可能です。ローカル5Gであれば大規模な商業施設でもカバーできるため、長距離接続が苦手なWi-Fiでは困難だった「ネットワークを利用しての業務効率化」を円滑に進められます。
建設現場での遠隔操作
建設現場では、多くの場合スタッフが大型機械を運転・操作します。そのため、常に事故の危険性があり、スタッフの安全確保が課題です。
ローカル5Gを構築すれば、大型機械や現場に4Kカメラを設置して、状況をリアルタイムで把握できるようになります。さらに、大型機械を遠隔で操作すれば、現場スタッフの怪我や事故のリスクを防いでの作業が可能です。ローカル5Gを活用した機械の遠隔操作や監視によって、建設現場の省人化や効率化につながり、生産性向上が期待できるでしょう。
スポーツやライブの配信
新型コロナウイルス感染症の影響によって、スポーツの試合や音楽ライブのオンライン試聴が一般的になりました。例えば、ローカル5Gをスタジアムやライブが行われる会場へ導入すれば、リアルタイムで高画質の映像を大勢に同時に配信できます。
多数同時接続が可能なローカル5Gであれば多くの人が同時にアクセスしても、回線が混雑して映像が遅れたり画質が粗くなったりすることはありません。視聴者はリアルタイムの映像をストレスなく臨場感を持って試聴でき、ユーザー満足度の向上が見込めます。
NTT東日本ならローカル5Gの導入を一貫して低コストでサポート
NTT東日本は、ローカル5Gの導入から運用までを一貫して支援しています。手続きが複雑な免許申請やネットワークの構築や保守運用などをサポートし、お客さまのニーズにあわせた活用方法もご提案します。
また、NTT東日本の「ギガらく5G」では、本格的な5Gネットワークの構築・運用を導入しやすい価格で提供しています。NTT東日本のこれまでの構築実績を生かして、利用方法やカバーしたいエリアなどの要望をヒアリングした上で、ニーズに適した多様なシステムやサービスをご提案できるのが強みです。
ローカル5Gの導入をお考えの方は、高品質なネットワークを低価格で構築できる「ギガらく5G」をぜひご検討ください。以下のページで、サービスの詳細を確認できます。
また、NTT東日本のローカル5Gの構築実績や取り組みについて知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
まとめ
ローカル5Gとは、携帯通信キャリアに依存せずに企業や自治体などが自ら建物や敷地内に構築する、独自の5Gネットワークを指します。総務省はローカル5Gの導入を積極的に促進し、制度や手続きについて記した「ローカル5G導入に関するガイドライン」を公表しています。
ローカル5Gが注目されてはいるものの、導入や運用に高いコストがかかる点や免許申請が困難である点など、いまだ課題が残っているのが現状です。また、構築後の保守運用には高度な技術と専門知識が必要なため、導入のハードルが高いと捉えられています。
課題は多く残っていますが、ローカル5Gの導入によって「工場のスマートファクトリー化」や「建設現場での遠隔操作・監視」など、さまざまな業界での生産性向上が期待されています。
NTT東日本は、ローカル5Gの免許申請やネットワーク構築、運用までを一貫して低コストで支援可能です。ローカル5Gの導入をご検討中の方は、ぜひ気軽にご相談ください。
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