LANケーブルの長さが足りないときの対処法3選!延長コネクタやスイッチングハブを選ぶポイントも紹介
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2024.8.07 (水)Posted by NTT東日本
「オフィスのレイアウト変更を予定しており、LANケーブルの延長方法を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。
Web上での会議や商談が普及している昨今、オフィスでは「有線LAN」が一般的に使用されています。通信品質が安定しており、セキュリティ面も安心できるからです。しかし、有線LANは機器同士をケーブルでつなぐ必要があるため、可動域がケーブルの長さに限定されてしまいます。
そこで今回の記事では「LANケーブルが短いときの対処法」「LAN延長コネクタ・スイッチングハブを選ぶポイント」「延長する際の注意点」について解説します。LANケーブルの長さが足りずに困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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LANケーブルの長さが足りないときの対処法3選
LANケーブルが短いときは、必要な長さのケーブルに交換する方法が一番簡単です。購入直後であれば返品・交換できる可能性もあります。それ以外の場合は、以下の対処方法を試してみてください。
- 延長コネクタを使用する
- スイッチングハブを使用する
- 無線LANを導入する
この章で、現在の状況に照らし合わせながら、最適な延長方法を知りましょう。
延長コネクタを使用する
手元にLANケーブルがあり、足りない長さの分だけ補いたい場合は、延長コネクタがおすすめです。延長コネクタは安価で、LANケーブルを差し込めば簡単に延長できます。
また「延長コネクタ付きLANケーブル」であれば、使用中のLANケーブルと接続するだけで延長が可能です。LANケーブルが無く、新しく買い替えたくないと感じる方は延長コネクタを検討してみてください。
スイッチングハブを使用する
スイッチングハブとは、複数のLANポートを備えた中継機器です。LANポートが足りないときや、ケーブルの長さが足りないときに利用します。スイッチングハブの種類は、大きく分けて以下の2つです。
種類 |
特徴 |
リピーターハブ |
すべての宛先ポートにデータを送信し、自分宛でないものを破棄する仕組み |
スイッチングハブ |
宛先ポートを自動的に判別し、データを送信する仕組み |
リピーターハブは、仕組み上、無駄なデータ量が発生するため、通信速度が低下してしまいます。一方、スイッチングハブであれば、無駄なデータを送受信せず、スムーズな通信が可能です。
スイッチングハブは、指定した宛先ポートにのみデータを送信するため、他のポートでは違うやりとりができる「複数同時接続」が可能になり、効率良く送受信できます。このことから、LANケーブルの延長には一般的にスイッチングハブが用いられます。
無線LANを導入する
LANケーブルを延長する方法ではありませんが、大人数のパソコンをインターネット接続する目的の場合、無線LANの導入も手段の1つです。
無線LANは、ケーブル不要のネットワーク構築方法です。そして、無線LANの認定規格の1つにWi-Fiがあります。コンピュータ同士をLANケーブルでつなぐ必要がないため、会社の中でどこでも自由にネットワークが構築できます。
デスクは有線LANを使い、会議室や共有スペースで無線LANを使うなどの併用もおすすめです。
LAN延長コネクタを選ぶ4つのポイント
LAN延長コネクタを選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 対応カテゴリと形状の確認
- ケーブルの種類やPoEの対応可否
- 耐久性
- サイズや個数
この章で、現在使用しているLANケーブルに合った延長コネクタの選び方を確認してください。
対応カテゴリと形状の確認
LANケーブルやコネクタは、以下のカテゴリに分類されています。
カテゴリ |
表記名 |
最大通信速度 |
伝送帯域 |
カテゴリ5 |
CAT.5 |
100Mbps |
100MHz |
カテゴリ5e |
CAT.5e |
1Gbps |
100MHz |
カテゴリ6 |
CAT.6 |
1Gbps |
250MHz |
カテゴリ6A |
CAT.6A |
10Gbps |
500MHz |
カテゴリ7 |
CAT.7 |
10Gbps |
600MHz |
カテゴリ7A |
CAT.7A |
10Gbps |
1000MHz |
カテゴリ8 |
CAT.8 |
40Gbps |
2000MHz |
カテゴリが大きくなるほど、最大通信速度が向上します。LANケーブルと延長コネクタを同規格に統一することで、性能を十分に発揮できます。
ケーブルの種類やPoEの対応可否
LANケーブルには「UTPケーブル」と「STPケーブル」の2つがあります。LANコネクタを選ぶ際は、どちらのタイプに対応しているか確認が必要です。
種類 |
特徴 |
UTPケーブル |
・ノイズカットするためのシールド処理がされていない |
STPケーブル |
・シールド処理がされている |
外観では見分けられないため、どちらが必要かわからない場合は、両対応の延長コネクタを選ぶこともできます。
また、PoE対応機器との接続は「PoE対応」表記のある製品が必要です。PoEとは、LANケーブルを通して電力を供給する技術です。PoEには、以下の規格があるので対応しているか確認しましょう。
- PoE+
- PoE++
- UPoE
PoE対応のLANケーブルと延長コネクタをつなぐことで、給電と受電が可能になります。
耐久性
延長コネクタは、耐久性に優れているものを選ぶことが大切です。本体の外側部分は、以下の素材のものを選びましょう。
- 鉄ニッケル合金
- 真鍮などの金属製
特に外部からの衝撃に備えたいときには、金属製がおすすめです。端子部分は、金メッキやニッケルメッキが施されたものが良いでしょう。メッキが施された端子は腐食しにくいため、安定的に信号を送れるだけでなく、耐久性にも優れています。
サイズや個数
LAN延長コネクタのサイズは、使用する場所に合わせて選ぶことが大切です。パソコン周りで使用したい場合は、大きすぎると邪魔になるため「幅と高さが15mm前後」「奥行きが30mm前後」の小さいコネクタがおすすめです。
また、同梱されている個数も確認しておきましょう。「短いケーブルを複数接続したい」「複数箇所で接続したい」ときは、5個や10個などのセット商品がお得です。
スイッチングハブを選ぶ4つのポイント
スイッチングハブを選ぶポイントは、以下のとおりです。
- ポート数
- 通信速度
- 電源タイプ
- 静音性
オフィスのパソコン台数を増やす予定の方は、スイッチングハブを選ぶ参考にしてください。
ポート数
ポート数とは、スイッチングハブに接続できる機器数を指します。接続する機器の数が決まっている時は、事前に確認をしておきましょう。
個人・自宅用なら5〜8ポートだと消費電力を抑えられ、配線をたどりやすいです。法人・業務用なら16〜24ポートあると、オフィス内でネットワークを共有する端末が多くても対応できます。
通信速度
スイッチングハブの通信速度には、以下の規格があります。
- 1000BASE-T
- 100BASE-TX
- 10BASE-T
1000BASE-Tは、最大1Gbpsの通信速度を表しています。それぞれの規格には下位互換性があるので、もっとも通信速度が速い機器に合わせて製品を選ぶと良いです。しかし、通信速度はLANケーブルの種類などによっても変わるため注意が必要です。
また「オートネゴシエーション機能」があると、通信速度の規格と「全二重送信」「半二重送信」を自動で判別し最適化できます。「オートネゴシエーション機能」があれば、規格を合わせる必要がないため、無駄な費用や手間がかかりません。
電源タイプ
スイッチングハブには「電源内蔵型」と「外部電源型」の2種類があります。
タイプ |
給電方法 |
電源内蔵型 |
コンセントからACケーブルで給電 |
外部電源型 |
ACアダプターからの給電が必要 |
電源内蔵型は、本体サイズは大きいものの、コンセント周りをスッキリできます。しかし、外部電源型よりも発熱する傾向があります。
外部電源型は、軽量でコンパクトな製品が多いです。しかしコンセント周りのスペースをとる必要があるため、購入前に設置場所とコンセント周りの確認をしましょう。
静音性
静音性の高いものが良い場合は、ファンレス(自然排熱)タイプを選ぶと良いでしょう。基本的に、スイッチングハブにはファンが搭載されていますが、近年はファンレスタイプが製造されるようになりました。ファンレスタイプは稼働音がないため、静かに使用したいオフィスにおすすめです。
しかし、ファンレスタイプは放熱性が悪いため、フィンを別途取り付けたり金属製のタイプを選んだりするなどの対策が必要です。
LANケーブルの延長は通信速度の低下に注意
LANケーブルを延長する際は、通信速度の低下に注意しましょう。コネクタによる通信速度低下は、1〜10mであればほとんど起きません。しかし接続部分にゴミやホコリが入ると、通信障害が起きる可能性もあるので注意が必要です。
また規格の違うコネクタを使うことによっても、速度低下が起きる可能性があります。例えば、Cat5のコネクタにCat6のLANケーブルを挿しても、通信速度は速くなりません。使用する機器の規格を統一することで通信速度を保てるため、購入前の確認をおすすめします。
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プロによる導入から運用までのサポートも付いており、安心して利用できます。インターネット接続にお悩みの方は、NTT東日本にご相談ください。
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また、LAN環境の整備については、社内のネットワーク構築に必要な機器の設置・設定が必要になります。ネットワーク構築に関する知識を持つ社員がいない場合は、LAN工事専門事業者へ依頼するのがおすすめです。NTT東日本では、LAN環境の構築・運用を一元的に行います。LANのボトルネック調査やセキュリティ調査などを含め、ネットワーク構築における設定・変更などを一括で担うサービスです。LAN工事の依頼を検討している企業さまは、下記のフォームよりお気軽にご相談ください。
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まとめ
LANケーブルが短いときは、以下の3つの対処法を検討しましょう。
- 延長コネクタを使用する
- スイッチングハブを使用する
- 無線LANを導入する
延長コネクタやスイッチングハブは、ポイントを知り、使用しているLANケーブルに合うものを選ぶことが大切です。LANケーブルの延長方法は新しいLANケーブルを購入する以外にもさまざまな方法がありますので、最適な方法を検討してみてください。
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社内ネットワークの導入・見直しをご検討のみなさま通信速度が遅い、機器が古くなっていつ壊れるかわからないなど不満や不安はありませんか?
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