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電力センサーを設置する前に確認するポイントをご紹介電力センサーの選び方を徹底解説!
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2023.2.27 (月)Posted by
電力センサーを使った省エネ対策
電気料金が高騰する中、電力コスト削減が急務となっている事業者さまは多いかと思います。
まだ対策ができていない場合は、待機電力の削減や消費電力が高い時間の把握などに役立つ、電力見える化のご検討をされてみてはいかがでしょうか?
対象の設備に電力センサーを設置することにより、設備の電力量が視覚化され使用状況の確認が可能になります。
設備毎に使用状況の確認ができると、使用していない機械の待機電力や使用電力量ピーク時の電力量の把握に繋がり運用の見直しなどの検討ができ、結果として電力量削減に役立てることが可能となります。
前回のコラムでは電力見える化により省エネを実現させた事例をご紹介しましたが、実際どのような電力センサーを使えばよいのか?自社の環境にあった物はどう選べば良いのか分からない方も多いかと思います。
今回は、電力センサーの導入を検討するにあたり、設置前に確認・検討すべきポイントをご紹介します。
※センサーは、電源ケーブルにクランプするだけで電力値を測定できるクランプ型電力センサーがおすすめですので、こちらを例に解説してまいります。
ポイント①対象設備の配電方式を確認
配電方式とは、電気を供給するために使用される方式のことで、単相2線と単相3線と三相3線があります。
電力値を測定する際にこの方式の情報をセンサーに設定する必要があります。
単相は、基本的に家庭など比較的に小さな電気を送る際に利用される送電方法です。
電圧線1本と中性線1本の2本のケーブルを使用した単相2線、及び電圧線2本と中性線1本の3本のケーブルを利用した単相3線があります。
三相は、単相を等間隔に三つ重ねて使われる送電方法で、単相が送電しない期間も他の二相で送電し、
短時間で大きな電気を送ることができるため、大きな電力が必要な工場などで利用されています。電圧線3本のケーブルを利用した三相3線になります。
利用している設備の配電方式については、対象設備のブレーカーから簡単に確認することが可能です。
記号で記載されている場合もあるため、ご参考までに各相線毎の記号を下記に記載します。
■1Φ2W(単相2線)
■1Φ3W(単相3線)
■3Φ3W(三相3線)
また、建物によって異なる場合もありますが、一般的に使用されているケーブルであればケーブル色で見分けることも可能です。
こちらもご参考までに各相毎のケーブル色を下記に記載します。
■単相3線の場合:左からR相(赤色)、N相(白色)、T相(黒色)を使用
■三相3線の場合:左からR相(赤色)、S相(白色)、T相(青色)を使用
写真の場合は三相3線になります。
ポイント②最適なCTの選定
クランプ型CTとは、電源ケーブルにクランプすることで測定できる電流センサーのことで、メーカーにより異なりますが、50A・100A・225A・400A・600Aなどの種類があります。
種類毎に計測可能な測定範囲があるため、基本的には対象設備の定格電流と最小電流値(待機電力など)を考慮してCTを選定する必要があります。
定格電流は安全に使用できる電流値の最大値であり、主にブレーカーに記載されていますのでそちらから確認が可能です。
待機電力の電流値については、クランプメーターで測定可能ですので待機時に測定することで確認できます。
例えば、定格電流が100Aで待機電力が0.8A以上であれば、CT100を使うと0.8A~120Aまで計測可能なため、CT100が最適なCTといえます。
(上記は計測可能な測定範囲が0.8%~120%と仕様書に記載があるセンサーの場合です)
余談ですが、CTという言葉を初めて耳にされる方のためにご説明をしますと、CTとは「Current Transformer」の略で変流器のことを指します。大電流のままでは計測が難しいので、小電流・低電圧に変換して計測しているのです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
NTT東日本の置くだけIoTでは、今回ご紹介した簡単に後付けできるクランプ型電力センサーのご利用が可能です。
その他にも多数のセンサーをご用意しており、センサーの選定からご支援させて頂きますのでお気軽にお問合せ下さい。