【一挙紹介】ペーパーレス化の成功事例7選!推進の方法や成功の4つのポイントも紹介
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2024.8.12 (月)Posted by 北森 雅雄
社会全体でのDX推進が重要となった今、企業や自治体におけるペーパーレス化の促進が必要とされています。しかし、人手不足や何から手をつけて良いのかわからないといった理由から、なかなかペーパーレス化を進められない企業が多いのも現状です。
そこで、ペーパーレス化の具体的な取り組みを知ってもらうため、今回の記事ではペーパーレス化の事例を紹介します。また、ペーパーレス化を進める方法や、成功のポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次:
1.ペーパーレス化における現状と課題

2023年3月に発表された、紙書類に関わる企業実態についての調査によると、「業務のデジタル化はした方が良い」という回答が73.9%を占めました。全体的にデジタル化への意向は強いものの、「業務のデジタル化が進んでいない」という回答が58.8%と、半数を超えていました。
業務のデジタル化が進まない要因は、費用対効果や紙書類・ハンコの利用習慣が上位を占めています。多くの企業でペーパーレス化の意向はあるものの、同時に課題を抱える企業も多く、なかなか進んでいないという現状があります。
参照:“紙書類”により「柔軟な働き方が阻害された経験がある」が79.4%生産性向上、働き方改善に向けた必要な取り組み、最多回答は「ペーパーレス化」
2.ペーパーレス化の成功事例7選

ペーパーレス化の促進に成功している企業や自治体では、どのような取り組みが実施されていたのでしょうか。ここでは、企業と自治体でのペーパーレス化の成功事例を紹介します。
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【企業】契約書の電子化により工数の軽減
クラウド人材管理システムを提供する企業は、電子契約サービスの導入によって契約書の電子化を実現しました。同社の取引先がテレワークを導入したため「契約書に捺印できない」という事態が発生したことが、ペーパーレス化を進めるきっかけとなりました。また、事務担当者の契約書確認作業や修正依頼に時間を要していたという課題があったのも導入背景の1つです。
同社は、新規契約書類から電子化を始め、軌道に乗った段階で、既存顧客との継続契約書類の電子化も進めました。この取り組みから、契約書に関わる事務作業の工数の軽減を実現しました。
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【企業】会議資料の子化により会議時間短縮や準備負担を軽減
総合文具メーカーでは、会議の長時間化や、会議資料の準備の負担が課題としてあがっていました。そこで、業務効率化のために、タブレットで利用できるペーパーレス会議システムの導入を決定しました。
システムの導入によって、本社にいない役員も事前に会議資料に目を通せるようになり、半日以上かかる場合もあった役員会議を1時間半に短縮できました。システム導入後、同社ではすべての会議時間を1.5時間に設定するというルールが策定され、しっかりと守られています。また、印刷の手間が省けるため、会議準備を担当する社員の負担も軽減されました。
3
【企業】30万枚の書類の電子化でペーパーレス化を実現
クラウド人材管理システムを提供する企業は、電子契約サービスの導入によって契約書の電子化を実現しました。同社の取引先がテレワークを導入したため「契約書に捺印できない」という事態が発生したことが、ペーパーレス化を進めるきっかけとなりました。また、事務担当者の契約書確認作業や修正依頼に時間を要していたという課題があったのも導入背景の1つです。
同社は、新規契約書類から電子化を始め、軌道に乗った段階で、既存顧客との継続契約書類の電子化も進めました。この取り組みから、契約書に関わる事務作業の工数の軽減を実現しました。
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【企業】30万枚の書類の電子化でペーパーレス化を実現
大手システムインテグレーターでは、テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークの実現をめざし、またオフィス移転にも伴い、ペーパーレス化へと取り組みました。取り組みによる効果は得られていたものの、いまだに5,000万枚の紙が存在していたことや、紙の整理状況が部署によって異なっていたこと、移転先のオフィスでは紙の保管スペースが限られていたことなどの課題があがりました。
そこで、同社はオフィス移転までに大量の紙を処理するため、施策を打ちます。5,000万枚の紙を、要不要や使用頻度、緊急性によって仕分け、そのうちの75%を廃棄または倉庫へと移動させました。また、電子化をアウトソーシングして、AIやロボティクスの活用も行いました。
結果、短期間での30万枚もの書類の電子化を実現。AIやロボティクスなどICTの活用によって限られた期間でペーパーレス化を実現しました。
5
【企業】請求書の電子化による作業時間短縮
帳票作成サービスによって請求書のペーパーレス化を実現した、あるシステムインテグレーター企業での事例です。同社はテレワークが中心となり、請求書の印刷や郵送作業の手間に頭を悩ませていました。
請求書をPDF化してメールに添付して送る方法では効率が悪く、ミスを防ぐための確認工数や担当者の心理的負担が大きかったのも事実です。そこで、帳票作成サービスの導入に踏み切ります。その結果、作業時間を1/5に短縮でき、大幅な業務効率化を実現しました。
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【企業】会議資料の電子化による印刷費・人件費の軽減
首都圏・近畿圏でスーパーマーケットチェーンを展開する企業でのペーパーレス化の事例です。同社の店長会議では首都圏・近畿圏から合わせて約270名もの店長が参加し、膨大な数の会議資料の準備が必要でした。さらに、新規店舗展開と社員増加が見込まれていたため、今後も資料が増えると予想されていました。
そこで、タブレットで利用できる会議システムを導入します。その結果、会議で使用されていた毎月6万枚分の紙の印刷費と人件費削減が見込めました。ペーパーレス化に取り組む前は、モノクロ印刷でも伝わるようなデザインの工夫や枚数を減らす工夫をしていましたが、今では効果的に色を使用したり、1ページに情報を詰め込まなくてもよくなったりと、会議資料のクオリティアップというメリットも得られています。
7
【企業】ワークフローシステム導入による申請業務の効率化
システム構築を行う大手グループ傘下の企業は、ワークフローシステムの導入によって、ペーパーレス化推進に成功しました。システム導入前は、既存のシステムで対応できる業務には限りがあり、維持管理に課題がありました。また、400種類に及ぶ申請書を紙で処理していたため、多大な時間や人件費がかかっていたのも事実です。
そこで、ワークフローシステムを導入します。上司や他部署から得る承認や決済のスピード感がアップし、データ管理や活用にかかる作業効率が向上しました。
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【自治体】会議資料の電子化で会議準備時間の短縮
長野県長野市は、頻繁に開催される庁内での会議で使う、資料の印刷・配布・差し替えに多大な手間とコストがかかっているという課題を抱えていました。また、資料が保管スペースを占拠し、執務環境が悪化していたことも悩みでした。
そこで、同市はさまざまな施策を実施します。まず、会議室に座席分のノートパソコンと大型ディスプレイを設置し、画面共有を可能にしました。また、資料の提出や会議後の格納方法・アクセス権設定などをルール化しました。
その結果、当初の目標以上の紙の軽減に成功。紙の保管場所にも余裕が生まれました。また、従来は2時間かかっていた会議準備時間を、6分の1にまで短縮しました。まずは高い効果を得られそうな会議からペーパーレス化を導入し、その後、ほとんどの会議に導入されています。
3.ペーパーレス化の5つの方法

ペーパーレス化に取り組みたいものの、どこから手をつければ良いのかわからないと、お悩みの方がいらっしゃるでしょう。そこで、ペーパーレス化を実現する5つの方法を紹介します。
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申請・承認業務のデジタル化
申請書や稟議書など上司の承認が必要な書類は、ワークフローシステムの活用でペーパーレス化実現が可能です。申請・承認・決裁などのために今まで行っていた書類の回覧や押印などを、システム内で完結できます。
ワークフローシステムの活用によって、書類を次の承認者まで渡しに行く手間が省けたり、誤記や書類紛失を防げたりと、多くのメリットがあります。また、外出先やテレワーク中の自宅からでも申請・承認手続きができるのもうれしいポイントです。
2
帳票の電子化
インボイス制度や電子帳簿保存法の施行に伴い、請求書や注文書などの帳票の電子化が普及しています。現在の請求書はパソコンで作成するのが一般的なので、電子化によって印刷・発送する手間を省け、紙の節約も可能です。
また、帳票の電子化によって、インボイス制度や電子帳簿保存法などへの対応を正しく行え、企業としてのコンプライアンス遵守ができるだけでなく、取引先の業務効率の向上にも良い影響を与えられます。電子帳簿保存法に従う場合は、請求書をデータのままで保存でき、保管スペースにも悩まされません。
3
文書・資料の電子化
テレワークやリモートワークの普及で、いつでもどこからでも情報へアクセスできる仕組みが必要となっています。オフィス内に資料を紙で保管している場合はオフィスにいなければ閲覧できませんが、電子保管が可能なシステムやアプリケーションの導入で、全社の情報共有・情報管理の改善が可能です。
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電子契約の導入
電子契約に対応した専用システムの導入で、契約書もペーパーレス化ができます。電子契約は印鑑が不要なため、押印のために出社する必要もありません。また、印紙代や書類の郵送代を節約でき、書類のやり取りの手間を省ける点もメリットです。
書類の保管もクラウド上でできるため、物理的なスペースを取りません。スピード感を持って契約締結ができる点や、改ざんされにくい点も特徴です。
5
タブレットの利用
書類の確認や、営業先で顧客に資料を見せるために、書類を印刷するケースはよくあります。そういう場面が多い方は、紙を印刷する代わりに、資料のデータにアクセスできるタブレット端末を用意するのが良いでしょう。手軽に持ち運びできる点や、資料の紛失リスクを下げられるというメリットもあります。
4.ペーパーレス化の成功のポイント4選

ペーパーレス化を成功させるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここではペーパーレス化を成功に導くためのポイントを紹介します。
1
紙を利用している業務を洗い出す
ペーパーレス化を実現するためにまず初めにやるべきは、現状の業務の把握です。紙を使用している業務を洗い出し、業務フローを可視化する必要があります
契約書や請求書など、紙で管理している書類のリストアップを行い、その紙がどこから来てどこに届けられるのかまで把握しましょう。最初の洗い出しによって、どのような施策を打てば良いのかが明確になり、導入も失敗しにくくなります。
2
従業員にペーパーレス化のメリットを伝え浸透させる
新しいシステムやルールを導入する場合、従業員から不安や不満が出てきやすい傾向があります。決定事項として一方的に説明するだけでなく、従業員の意見を吸い上げ、現場の課題解決や、不安・不満の解消ができるように取り組みましょう。
また、導入前に従業員に対してペーパーレス化の意義や理由を説明しておくことで、一人ひとりがメリットを理解でき、推進に協力的になる可能性が高くなります。
さらに、社内にはICTリテラシーの低い従業員が在籍しているかもしれません。全社に浸透するように、簡単に操作できるツールを選んだり、担当者を決めてツール利用時のサポートを行ったり、マニュアルを作成したりするなど、対策を打っておくことが必要です。
3
まずは一部の部署や業務でのみ導入する
ペーパーレス化は取引先との契約や手続きにも関係するため、段階的な推進をおすすめします。一度に電子化を行うと、かえって利便性が低下したり、予想していなかったトラブルが発生したりする可能性があるためです。
したがって、ペーパーレス化は段階的に進め、問題なく導入でき、効果が得られることが分かってから、徐々に範囲を広げましょう。また、特定の会議での資料をペーパーレス化する、紙を多く利用するシーンに限定して電子化を導入する、といった方法も考えられます。段階的な取り組みによって、無理なくスムーズにペーパーレス化を推進できるでしょう。
4
ICTツールやシステムはテスト運用を行う
ペーパーレス化推進には、専用のツールやシステムの導入が必要不可欠です。ただ、そのようなサービスはさまざまなメーカーから提供されており、サービスによって実現できることや機能面が異なります。また、利用してみたら操作性が悪く、従業員が扱いづらさを感じてなかなか浸透しないケースもあります。
そのため、ツールを導入する際には、まずはテスト運用から始めることが重要です。テスト運用を行い、課題が生じた場合はその都度解決策を考え実行する、もしくはツール自体を変更する、といったように臨機応変に対応しましょう。無料トライアル期間を設けているサービスも多いため、まずはお試しで導入してみるのをおすすめします。
業務改善プラットフォームの「kintone」は、自社に必要な業務改善アプリを手軽に作れるクラウドサービスです。ワークフローシステムの作成もでき、ペーパーレス化の促進が可能です。NTT東日本は、多くの企業で使われているkintoneの導入・運用サポートを実施しているため、ペーパーレス化に取り組みたい方は、ぜひご相談ください。
5.ペーパーレス化ならNTT東日本が導入をサポートする「kintone」で

「kintone」は、さまざまな業務改善アプリをノーコードで柔軟に作成できるツールです。ワークフローアプリの作成も簡単に可能で、申請や承認フローのスピードアップや、契約手続き業務の時間・コスト軽減が可能です。
ただ、kintoneを触ったことのない人の中には、システムを思うように扱えるのかと不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで、NTT東日本が、初心者でも簡単かつスムーズに導入できるようサポートします。
6.まとめ

昨今、ペーパーレス化が必要だと感じている企業がほとんどではあるものの、実際にはなかなか進められていない企業が多いという現状があります。ペーパーレス化を進めたい企業は、他社の成功事例を参考にするのがおすすめです。
NTT東日本は、ペーパーレス化が可能なkintoneの導入・運用サポートを実施しています。スムーズな導入サポートや、すぐにペーパーレス化を進められる標準パッケージを用意しているため、興味のある方は、以下のサービスページをぜひご覧ください。
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この記事を書いた人
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。