• 2023.3.02 (木)
    Posted by 北森 雅雄

電子サインの定義、エクセルを利用した電子サインの作り方、無料ソフトを利用した電子サインの作り方を解説

「エクセルを利用して電子サインを作成したい」
と考える方も多いのではないでしょうか。

電子サインの中でも電子印鑑、電子署名であればエクセルを利用して無料作成が可能です。電子署名であれば法的効力を持たせられますので、電子文書に求める法的効力を鑑みて電子署名と電子印鑑を使い分けてください。

当記事では、電子サインの定義、エクセルを利用した電子サインの作り方、無料ソフトを利用した電子サインの作り方を解説します。

電子サインの作り方について網羅的に理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

.電子サインの定義は幅広い

電子サインとは、押印や署名などの代わりに電子取引で行うプロセス全般を指します。したがって、電子サインと一言でいっても、法的効力や利用する技術にも違いがあるので、違いを理解した上で利用することが重要です。


電子署名は電子サインの一部で法的な効力を持つ

電子サインと混同されやすい概念の筆頭として、電子署名があります。結論、電子署名は電子サインの一部ですので、違いを理解しましょう。

電子署名は電子署名法2条で以下の要件を満たす電磁的な署名と定義されています。

  • ●本人性(本人自らの意思で署名したことを証明できること)
  • ●非改ざん性(署名してから改ざんされていないことを証明できること)

この電子署名を電子文書に付与することで、電子署名法3条により真正性を証明できるのです。真正性を証明できると、民事訴訟法228条にある要件をみたせますので、裁判時の証拠として利用ができるようになります。

つまり、電子文書に電子署名が付与してあれば、書面文書と同様に電子文書を利用できるようになるのです。

たしかに、電子署名は電子サインの一部ではありますが、電子文書に対して法的効力を有する点で特徴的といえるでしょう。


電子印鑑は電子サインの一部で法的な効力を持たない

電子印鑑も電子サインの一部として整理することができます。電子印鑑は押印された印影をスキャニングして画像化したものです。

そもそも、民法521条に記載の契約自由の原則により、押印は契約の成立とは無関係である上に、電子文書では真正性の証明は電子署名が担いますから、電子印鑑は電子文書に対してなんら法的な効力をもっていません。

では、なぜ電子印鑑を電子文書に押印する場合があるかというと、感情論です。電子印鑑が付与されていることで、電子契約であれば契約書らしくなるので、押印される場合があります。

このように、電子印鑑は電子サインの一部として考えられますが、法的な効力を持たない点が特徴的といえるでしょう。

.電子サインの作り方は2パターンある

一般的に電子サインと呼ばれるものは以下の2パターンです。

  • ●電子印鑑
  • ●電子署名

各電子サインは企業で利用されることの多いエクセルを利用して、簡単に作成が可能です。したがって、実務上で利用する際には、付与予定の電子文書の特徴にあわせて作成する電子サイン選びが重要になってきます。

.電子印鑑の作り方

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電子サインの中でも、電子印鑑は特に簡単に作成が可能です。電子印鑑は一般的に以下2パターンの作り方があります。

  • ●作り方①:エクセル上で自作する
  • ●作り方②:無料ツールを利用する

作り方①
エクセル上で自作する

MicrosoftOffice365を導入している企業であれば、エクセルを利用して無料で電子印鑑を作成できます。作成手順は以下の通りです。

  • 1.電子印鑑に外周に利用するための丸や四角のオブジェクトを挿入します。
  • 2.挿入したオブジェクトに対して「塗りつぶし無し」、枠線を「朱色」で設定します。
  • 3.テキストボックスを挿入して、電子印鑑として利用したい文字列を挿入します。または、実際に押印した印影をスキャンして挿入してください。
  • 4.「2」および「3」をグループ化して、画像として保存します。

作り方②
無料ツールを利用する

作り方①のエクセルで作成する方法であれば、簡単に作成ができます。しかし、印影部分のクオリティが下がりやすい点に課題があります。

この点、Web上で無料利用できる例えば以下ツールを利用することで、高品質な電子印鑑の作成が可能になるので、利用がおすすめです。

  • ●おすすめ①:印鑑透過
  • ●おすすめ②:クリップスタンプ
  • ●おすすめ③:PIXLR X

おすすめ①:印鑑透過

「印鑑透過」を利用することで以下2つの手段で簡単に電子印鑑を作成できます。

  • ●作成したい文字列から電子印鑑を作成する
  • ●作成したい印影画像をアップロードして電子印鑑を作成する

可能な限り省力して電子印鑑を作成する場合には、文字列から作成するとよいです。私も実際に作成しましたが10秒もかからず電子印鑑の作成ができました。

より高品質な電子印鑑を作成したい場合には、印影画像をアップロードして作成してください。より書面に押印した感じの出る質の高い電子印鑑を作成可能です。

おすすめ②:クリップスタンプ

「クリップスタンプ」はWeb上からローカルにインストールして利用する電子印鑑無料作成ソフトです。「印鑑透過」とは異なり、日付印や三文判、丸印、角印、代理印の5種類から電子印鑑の形を選択できます。

日付印を作成する場合、表示形式を和暦か西暦かで選択ができるので、電子印鑑にこだわりをもって作成をしたい方におすすめの無料ツールです。

おすすめ③:PIXLR X

電子印鑑の品質を可能な限り高めたい方におすすめなのが「PIXLR X」です。「PIXLR X」はPhotoshopの代用として利用ができるほど、高機能なウェブツールです。高機能であるのにもかかわらず無料で利用ができます。

「PIXLR X」を利用すると、印影画像をアップロードした後に、諧調の調整や透過画像にした際の境界部分の細かな修正まで可能です。電子印鑑にこだわりぬきたい方におすすめの無料ツールといえます。

.電子署名の作り方

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電子文書に押印すれば法的効力を持たせることができる電子署名も無料で作成ができます。代表的な作り方2パターンを解説します。

  • ●作り方①:AdobeAcrobatReaderを利用して無料で作成する
  • ●作り方②:無料の電子契約サービスを利用する

作り方①
AdobeAcrobatReaderを利用して無料で作成する

AdobeAcrobatReaderのユーザーであれば、電子文書(PDF)に無料で電子署名を付与できます。電子署名の付与方法は以下の2段階です。

  • ●段階①:デジタルIDを作成する
  • ●段階②:電子署名を付与する

段階①:デジタルIDを作成する

AdobeAcrobatReader上に事前に作成をした電子証明書を登録します。電子証明書は認証局で作成することもできますし、マイナンバーに付与されている電子証明書を転用することも可能です。個人間レベルの電子署名であればマイナンバーの電子証明書を転用してもよいでしょう。

段階②:電子署名を付与する

デジタルIDの作成後、AdobeAcrobatReader上で電子署名を付与します。電子署名を付与した後、AdobeAcrobatReader上で電子署名の付与状況を確認できますので、電子署名の付与検証に利用していただくことが可能です。

また、AdobeAcrobatReaderではタイムスタンプも付与できますので、無料利用可能なタイムスタンプを併用するのもよいです。タイムスタンプを付与した場合にも、AdobeAcrobatReader上で検証ができますのであわせてご利用ください。

作り方②
無料の電子契約サービスを利用する

AdobeAcrobatReaderなどを利用して電子署名を付与する場合、実際にやってみると思いのほか工数がかかることに気づきます。したがって、大量の電子文書に電子署名を付与する場合には不向きであると判断される方も多いようです。

そのような場合には、無料の電子契約サービスや電子署名サービスを利用して電子署名を付与することをおすすめしています。例えば、「クラウドサイン」であれば試用プランを利用することにより、無料で電子署名を付与できますので、一度利用をしてみてはいかがでしょうか。

.まとめ

電子サインの作り方はいくつかありますが、作り方によって電子サインに法的効力を持たせることができますので、電子文書に合わせた作り方の選択が重要です。

電子署名にしろ、電子印鑑にしろ、基本的には無料で作成する方法がありますので、作成する対象にあわせてまずは無料で作成する方法をご検討ください。

NTT東日本では電子署名にも対応した「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」を提供しています。ぜひ検討の1つの選択肢としていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

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