ICTで製造業はどのように変わるのか(第52回)

工場ネットワークを放置するリスクとは?「BizDriveファクトリーネットワーク」で実現する安定稼働

公開日
2026-02-09
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工場のデジタル化を進めることで業務効率は高まりますが、一方でネットワークを放置するとリスクも高まります。「BizDriveファクトリーネットワーク」で解決する方法を解説します。

【1】製造業の現場では、デジタル化が進行中

 製造業の現場では、近年デジタル化の動きが進んでいます。

 IPA(情報処理推進機構)が発表した「DX動向 2025」では、「DXに取り組んでいる」と回答した製造業の割合は、2024年に77.0%、2025年には80.6%と、増加傾向にあります。DXが一部の先進企業に限られたものではなく、製造業全体に広がっていることがわかります。

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業種別のDXへの取組状況。日本の製造(図中いちばん上)業の約80%がDXに取り組んでいる
(IPA「 DX動向 2025」4ページより引用)

 さらに経済産業省「2025年版ものづくり白書」の資料によると、製造業の設備投資額はコロナ禍から回復し、とりわけ「無形固定資産」への投資が急増しています。無形固定資産とは、ソフトウェアやクラウド基盤など“目に見えない設備”への投資を指すものです。つまり、単に機械装置を導入するだけでなく、その機械をクラウドやネットワークにつなぎ、効率的に活用する企業が増えていることがわかります。

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製造業の設備投資額の推移と2015年比の増加率(経済産業省「2025年版ものづくり白書」)より引用

 工場をデジタル化することで、さまざまなメリットが期待できます。たとえばセンサーなどのIoT機器を活用したソリューションを導入すれば、在庫管理の自動化や作業ロボットや設備と連携するためのデータ取得が容易になり、製造ラインの稼働状況を可視化することが可能になります。その結果、現場の滞留箇所の特定、設備の稼働率改善、品質安定化など、さまざまな改善活動がスピーディーに行えるようになります。

 このように工場内で設備同士が通信するための基盤は「OTネットワーク」(Operational Technology Network) と呼ばれ、設備の稼働可視化、遠隔操作・予兆保全など、多くの仕組みがこのOTネットワーク上で流通するデータをもとに動作しています。

 OTネットワークは工場の安定稼働を支える存在であり、そのOTネットワークを安定して運用することが、工場のデジタル化を進めるための基盤となります。

【2】工場のネットワークを整備しないと危険な理由

 しかしながら、OTネットワークのマネジメントを怠った場合、生産ラインの停止などのリスクにつながる恐れがあります。

 たとえば、工場の増改築や製造ラインの改修を繰り返し、どのケーブルがどこにつながっているのか、管理者でもネットワークの構成を把握できていないといった状況は多くの工場で見られるケースです。ネットワークを把握できなくなってしまうと、通信トラブルが発生した際に、どのネットワークをどう切り替えれば良いのかを判断できず、復旧までに長い時間を要する可能性があります。

 加えて、OTネットワークにおけるセキュリティ対策についての問題も重要性を増しています。OTネットワークはITネットワークとはセキュリティ対策の性質が異なり、OT環境に合わせたセキュリティ対策を検討する必要があります。また、OTはITの知識だけでは対応できない領域も多く、OTセキュリティに関する知見を持つ人材も多いわけではありません。

 そのような状況で、現場のスタッフが独断で機器を追加した場合、管理者がそれらの機器の存在を把握できておらず、セキュリティポリシーを反映しそびれることで、セキュリティが不十分なまま運用されてしまうケースも起こり得ます。

 このほか、センサーなどのIoT機器の管理を放置した場合、誰にも管理されていない“野良ネットワーク”や“野良端末”が増えるリスクもあります。こうしたネットワーク・機器は、アップデートが適切に行われておらず、攻撃者が侵入しやすいセキュリティホールとなりかねません。

 さらに、拠点が複数存在する場合、拠点ごとにネットワーク構成が異なっているケースや、拠点ごとに独自のルールで運用されているケースもあり、会社全体での最適化はますます困難になります。結果として、誰も工場全体のネットワークを把握できず、不具合が発生した場合の原因特定に時間がかかるという負の連鎖が続くことになります。

 複雑化したOTネットワークであっても、適切な整備と現状把握を行えば、本来あるべき構成へと立て直すことは十分に可能です。とはいえ、自社だけでこれらの対策をするのは簡単なことではありません。専門知識を持ったIT担当者が不在の工場では、OTネットワークの整備が簡単でないのが実情です。

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各種DXツールの導入後、ネットワーク整備の検討を怠ることで、将来的に複数の課題が表面化するリスクがある

【3】工場の問題は「BizDriveファクトリーネットワーク」で把握できる!

 しかし、何も自社だけで対応する必要はありません。工場のネットワーク環境の設計・構築・運用を一元的にサポートするソリューションを利用すれば、先に挙げたような工場特有のネットワークの問題を解決することも可能です。

 たとえば、NTT東日本が提供する工場向けネットワークソリューション「BizDriveファクトリーネットワーク」もそのひとつです。BizDriveファクトリーネットワークは、製造現場に特化したネットワーク構築・運用サービスであり、工場DXを支えるOTネットワークをトータルでサポートします。

 BizDriveファクトリーネットワークは、大きく「アセスメント(現状把握)」→「ネットワーク設計・構築」→「運用・保守」の3つのステップで構成されます。

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 最初のアセスメントでは、まず担当スタッフが工場内に入り、現在の工場がどのようなネットワーク構成となっているのかを丁寧に調査します。配線の状況や機器の接続関係、通信経路の把握など、現場では把握しきれない情報を可視化することで、どの部分にリスクが潜んでいるかを明確にします。有線以外にも、無線通信のアセスメントにも対応します。

 このほか「DXを進めたいが、何から始めれば良いかわからない」「DX導入に向けネットワークを見直したいが、社内にDXの重要性が伝わっていない」という企業向けに、DXアセスメントも実行できます。経済産業省が発行する「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」に沿って、DX推進ロードマップの策定を支援します。

【4】それぞれの工場の環境に適したネットワークを提案・設計

 アセスメントの結果が出た後は、その内容を踏まえ、各工場の環境に適したネットワーク構成を具体的に提案・設計し、その構築を支援します。たとえば、耐障害性や可用性を高めた構成、設備配置に適した機器選定などを行うことで、ネットワークの安定性向上や日々の運用におけるトラブル防止に繋げます。

 オプションとして、トラフィック分析ツールを利用して通信量の推移やピーク時の状況を把握し、特定の設備に負荷が集中しているか、通信の遅延が特定の時間帯に発生しているか、既存構成におけるリスクを確認することも可能です。

 さらに、工場環境特有の課題解決を実現する製品を追加することで、ネットワークとセキュリティを最適な組み合わせで実現することも可能です。

 たとえば、ネットワーク機器の監視・診断・管理を効率化する産業用ネットワーク管理ソフトウェア(資産管理ツール)や、監視対象のネットワーク内に接続されているデバイスの可視化を行うOT向けのIDS(侵入検知システム)、工場環境で多く使われるレガシーOSの保護や外部端末からの感染を防ぐEPP(エンドポイント保護)といった製品を組み合わせて提供することが可能です。

【5】工場を狙うサイバー攻撃を24時間365日体制で監視

 OTネットワークを構築した後の「運用・保守」のフェーズでは、工場スタッフの稼働を削減する運用サポートや、SOC(セキュリティ・オペレーション・センター)が利用できます。

 SOCでは、24時間365日体制でネットワーク機器の死活監視やサイバー攻撃の兆候把握を行います。異常が発生した場合は迅速に分析し、必要な対応を速やかに実施することで、現場の不安を大幅に軽減できます。故障時の原因特定や復旧対応をアウトソースすることで、工場の現場担当者の負担を最小限に抑えることができます。

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BizDriveファクトリーネットワーク導入時の構成イメージ

【6】まとめ:ネットワークが変われば、工場が変わる!

 工場を支えるネットワーク基盤は、生産活動を安定的に動かす「縁の下の力持ち」です。つまり、ネットワークが脆弱であれば操業の安定性は損なわれ、サイバー攻撃によるリスクも高まります。

 しかし、BizDriveファクトリーネットワークを利用すれば、工場のネットワーク環境は安定し、日常のトラブル発生を未然に防ぎ、サイバー攻撃への強固な対策も実現できます。ネットワークが整備されることで、データの活用が進み、工場全体のDXも加速することが可能です。

 ネットワークを整えることは、工場の未来を整えることに直結します。もし自社の工場ネットワークに少しでも不安があるのであれば、BizDriveファクトリーネットワークで工場の現状を可視化することが、工場の安定稼働はもちろん、DXを進めるための第一歩になることでしょう。

「BizDriveファクトリーネットワーク」では工場DXを効率的に推進するためのインフラ構築を支援いたします。

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