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工場の設備点検の重要性とは?効率化の最新トレンドも紹介!
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2024.2.01 (木)Posted by

工場の設備点検の重要性とは?効率化の最新トレンドも紹介!
工場にとって欠かすことができない「点検作業」。
定期的に実施していますが、工場によっては毎日実施していたり、1日に複数回点検することもあるでしょう。
重要な業務であるものの作業員の負担が大きいため、効率化が求められています。
点検作業の重要性を知りつつ、最新の効率化の手法を押さえることが大切です。
そこで今回は、工場の設備点検の重要性や効率化の最新トレンドについて紹介します。
<目次>
1:工場の設備点検とは?
2:工場の設備点検の必要性
3:工場の設備点検の課題
4:点検作業を効率化する方法
5:工場の設備点検の効率化のトレンド
6:設備保守パッケージの活用もおすすめ
7:まとめ
1:工場の設備点検とは?
工場内にはそれぞれの施設の目的に合ったさまざまな設備があります。
例えば、製造業であれば生産設備、ゴミ処理施設であれば焼却施設や金属のプレス機などがあるでしょう。
これらの機械の稼働率を保ち、安定した品質を保つためには、設備の状態を把握し適切なメンテナンスを施さなければなりません。
しかし、毎日メンテナンスをすると非常に大きな手間になるので、異常が発生していないかにポイントを絞りつチェックしています。
また、主に工場設備の点検では、法定点検と自主点検、機械の精密検査、性能検査などがあり、施設の種類や取得している認証試験によっては、適切に点検をし法律などの基準を満たさなければなりません。
また、日ごろから適切な点検を行うことで、生産設備の寿命を延ばしたりトラブルを防いだりできます。
2:工場の設備点検の必要性
工場の点検は、設備・機器のトラブルを未然に防ぐために実施する必要があります。
基本的に、工場は稼働することにより利益を得ているため、設備に異常があり動かなくなってしまうと、その分損失が出てしまいます。
例えば、1ヶ月の稼働が20日であれば1年の稼働日は240日になり、年間の売上が240億円あれば、1日稼働ができなくなるだけで1億円の損失が生まれてしまうのです。
また、普段から適切に点検・メンテナンスをしていても、機械は老朽化するためいずれ使えなくなってしまいます。
工場の機械は決して安くないため、できるだけ長持ちさせつつ適切なタイミングで買い替えなければなりません。
このように最適なタイミングで機材を買い替え、適切なパフォーマンスを維持するためにも工場の設備点検を実施する必要があるのです。
3:工場の設備点検の課題
ここまでのように、工場の設備点検は必要であり実施しなければなりませんが、さまざまな課題があります。
工場が抱える主な課題は次の通りです。
・巡回確認・点検は現場の負担が大きい
・重要なデータを見逃す可能性がある
・データが有効活用できていない
・適切な点検には教育が必要
巡回確認・点検は現場の負担が大きい
適切に工場内の設備を点検するためには、機材の状態やメーターを確認する必要があります。
施設の規模が大きければ、当然確認する箇所が多くなるため人的な負担が大きいです。
また、一般的な点検作業は決められた箇所・メーターまで移動し、目視で数値や状態を確認した上で、指定された点検シートに情報を記載します。
工場の管理者などがそのデータを確認したり、パソコンなどのシステムに転記したりするでしょう。
各従業員が担当する作業は、工場全体で考えると大きな工数がかかっているでしょう。
重要なデータを見逃す可能性がある
人力による目視の点検を実施している場合、どうしても抜け・漏れといったミスが発生する可能性があります。
また、点検したときの状態・数値しか確認できないため、次の点検までに異常が発生する可能性は否めません。
このようなトラブルに繋がる重要なデータを見逃す可能性があり、それを回避するために点検の回数を増やすと、さらに現場の負担は大きくなるでしょう。
データが有効活用できていない
点検によってさまざまな数値などのデータを収集したとしても、「異常の発生有無」にしか活かせていないケースも少なくありません。
例えば、点検にかかる時間が長いのにも関わらず、その収集したデータが有効活用できていないのであれば、非効率な作業になるでしょう。
実際に、普段の点検作業の数値データを有効活用し、生産性の向上を実現した事例は珍しくありません。
このような結果に結びつかず、負担が大きな作業を強いられれば、従業員のモチベーションは下がりやすいでしょう。
適切な点検には教育が必要
点検作業は適切に実施しなければ重大な事故に繋がりかねないため責任重大です。
点検対象のメーターの中には特殊な読み取り方法が求められるケースがあるため、教育が必要になります。
人事異動による配置転換や離職などにより、現場のメンバーに変更が発生する際には、十分な引き継ぎと教育時間を確保しなければなりません。
このように従業員の負担は増し、適切に行わなければ業務に支障が出る可能性もあるでしょう。
4:点検作業を効率化する方法
ここまでの通り、点検作業の負担は大きく課題もあるため、各工場では効率化が求められています。点検作業を効率化する主な方法は次の通りです。
・設備点検システムの導入
・点検業務のIoT化
・遠隔支援
設備点検システムの導入
設備点検システムは設備に関する情報や点検結果などを一元的に管理できるシステムです。
このシステムを活用することにより、設備の点検状況を効率良く管理できるため、異常が発生した際にもすぐ対応できます。
また、設備のメーカー名やシリーズ、パフォーマンス情報だけでなく、実施した点検、リソース情報なども管理できるため、寿命を迎えそうなものなども把握しやすく、適切なタイミングで点検を実施したり、リプレイスしたりできます。
点検業務のIoT化
工場設備でもIoT化に取り組む企業が増えてきており、点検作業にもIoTは活用されています。
例えば、設備のメーターをカメラで読み取りデータ化したり、離れた場所の機械にセンサーやカメラを設置し、遠隔からデータを取得したりできます。
このように点検作業のIoT化により、点検業務に割く人力のリソースを最小限に留められるでしょう。
また、これまで人の目と手で行ってきた点検やデータの収集を自動化できるため、業務の効率化・省人化を実現できる点もメリットです。
遠隔支援
遠隔支援は離れた場所から現場の従業員をサポートするシステム・取り組みのことです。
基本的にオンラインで現場とオフィスなどの拠点を接続し、現地の状況を映像や音声で共有して適切なサポートを実施します。
例えば、熟練の作業員がオフィスなどの遠隔地にいる場合でも、この遠隔支援を活用することにより現場にいる新人従業員にも適切な指示を出せます。
また、物理的な距離が離れていても、速やかに正確な情報を共有できる点もメリットです。
5:工場の設備点検の効率化のトレンド
近年ではさまざまな技術の発展により、点検方法は効率化されてきています。
ここからは、効率化の最新トレンドについて紹介します。
ドローンを使って点検
工場の敷地が広い場合や高い建物の設備を点検しなければならないとき、人力で対応すると労力がかかるだけでなく、危険な場所で作業しなければなりません。
そこで近年ではドローンを活用して効率化を図る方法が登場しています。
産業用ドローンに高性能なカメラやセンサーを搭載することにより、高解像度の写真を撮影したり温度などを計測したりできます。
中にはレーザーを搭載したものもあり、ドローン1台でさまざまな点検作業に対応可能です。
AIを使った点検
近年では、IoT技術と同様にAI技術も進歩しており、点検作業に応用することにより効率化を図っています。
撮影した画像から設備の異常を検知する精度が高まっており、点検箇所を撮影するだけで異常の有無や兆候を把握できるのです。
例えば、鉄塔やプラントなどの屋外の施設の場合、雨水によって設備がサビてしまうことがありますが、細かいところまで人の手で確認するのは難しいでしょう。
そこで先程のドローンなどを活用して外観を撮影することにより、異常をいち早く発見できます。
ウェアラブルデバイスを使った効率化
IoT機器の中でも作業者が身につける「ウェアラブルデバイス」を活用することで効率化する事例もあります。
具体的にはIoT機能を搭載したメガネである「スマートグラス」を活用することにより、新人でもベテラン作業員と同様に点検できます。
これは装着しているスマートグラスの画面に点検業務の指示内容が表示されるため、作業者はその指示に従って作業するだけで済みます。
新人社員の研修効率を高められると期待されています。
6:設備保守パッケージの活用もおすすめ
NTT東日本が提供する「置くだけIoT~設備保守パッケージ~」とは、データを取得したい設備に外付けのセンサーを設置することにより、遠隔監視を実現できるサービスです。
設置できる機器には振動センサー・漏水センサー・監視カメラなどの機器に加え、ネットワーク機器であるゲートウェイやクラウドライセンスがセットになっています。
他にも、30種類以上のさまざまなセンサーがラインナップされていることから、自社の目的・ニーズに合わせて選べるでしょう。
必要なセンサーを各設備に設置することで、データを自動で記録し、クラウドを介して遠隔地でも状況を確認できます。
また、異常が発生するアラートが発生するため、早期発見・早期解決に繋がるでしょう。
7:まとめ
この記事では、工場の設備点検の重要性や効率化の最新トレンドについて紹介しました。
点検作業は欠かすことができない重要なものですが、作業者の負担が大きく、有効活用できていないケースが多いため、効率化を図ることが求められています。
近年ではドローンやAI、ウェアラブルデバイスを活用した点検方法も登場しています。
他にも、設備点検を効率化するパッケージサービスもあるため、自社に適したものを取り入れましょう。