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環境経営を行うメリットとは?取り組む際の注意点も紹介!
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2023.11.17 (金)Posted by
環境経営を行うメリットとは?取り組む際の注意点も紹介!
近年では、世界的に環境に配慮した経営が求められており、環境経営に取り組む企業の評価が高まっています。
実際に、環境経営に取り組むことで企業価値は高まりやすく、安定した運営に繋がる可能性があります。
さらに、自治体・金融機関の中には環境経営に取り組む企業を支援・優遇するケースもあり、さまざまなメリットを得られるでしょう。
しかし、環境経営に取り組み、認証などを得なければそれらの恩恵を受けられません。
また、それらの恩恵を受けるためには費用と時間がかかるため注意が必要です。
そこで今回は、環境経営を行うメリットを解説します。
取り組む際の注意点も紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
1:環境経営とは
2:環境経営を行うメリット
3:環境経営を実践する際の注意点
4:まとめ
1:環境経営とは
環境経営とは、環境問題に対して積極的に取り組み、環境負荷を低下させることで企業の社会的責任を果たすことです。
環境対応は企業としてコストが大きいものの、持続的な成長に繋げるために環境問題への意識が高まっています。
基本的に環境経営に取り組む最大の目的は企業価値の向上です。
また、環境負荷を軽減する取り組みにより、企業全体の省エネに繋がり電気代削減などの効果も得られます。
他にも、製品の利用段階における環境負荷の低減や、原材料を仕入れる段階においても環境を配慮することなど、企業が環境全体に与える影響は大きいでしょう。
また、このような取り組みにより、新しいエコビジネスや環境技術の開発が進みます。
エコアクション21
エコアクション21とは、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)です。
中小企業の幅広い事業者が環境への関わりを意識して行動することを目的としており、「PDCAサイクル」と呼ばれるパフォーマンスを継続的に改善する手法を基礎として、事業者が環境への取り組みを自主的に行うための方法を定めています。
エコアクション21を取得することにより、自社が環境経営に取り組んでいることを外部へ具体的に示すことができます。
環境経営に関する認証・規格には「ISO14001」などがあり、大企業なども対象であるものの、取得するための基準が厳しく難易度は高いです。
そのことからも、環境経営に関する認証を取得するのであれば、先にエコアクション21を検討すると良いでしょう。
また、エコアクション21はさまざまな事業者が効果的・効率的・継続的に環境配慮に取り組めるように工夫されています。
このエコアクション21の認証を受けることにより、さまざまなメリットを得られます。
2:環境経営を行うメリット
環境経営を行いエコアクション21などを取得する主なメリットは次の6つです。
① 公共入札における評価が優遇される
② 補助金が支給される・融資の金利が優遇される
③ 保険料が低くなる
④ 企業のイメージが良くなる
⑤ コスト削減に繋がる
公共入札において加点されることも
環境経営に取り組む企業・業種によっては、エコアクション21を取得することにより、公共入札における評価において加点される場合があります。
例えば、建設業者が公共工事を受注したい場合、経営事項審査を受けますが、その際にエコアクション21を取得していると総合的な評価が加点される可能性があります。
環境経営に取り組むことで、大きな売上に繋がる仕事の獲得につながるケースも想定されるのです。
補助金が支給される
環境経営に取り組むことにより、自治体などから補助金が支給されることがあります。
自治体によって補助金の目的は異なりますが、環境経営に関するエコアクション21などの認証を受ける際に必要な申請料・審査料・登録料・コンサルタント委託料といった費用を賄うものが多く、これらの費用負担を抑えることにより認証を得やすくなっています。
例えば、東京都江東区の場合は認証の種類によって、下記のように支給される補助金額が異なります。
・ISO9001認証取得:50万円
・ISO14001認証取得:50万円
・ISO27001認証取得:50万円
・エコアクション21認証取得:20万円
・プライバシーマーク認定取得:20万円
ただし、これらの補助金はいつでも実施されているわけではなく、予算の関係から途中で打ち切られることがあるため注意してください。
他にも補助金を支給している自治体は多くあり、関東エリアでは次のようなものがあります。
<関東エリア補助金例>
・千葉県流山市『エコアクション21認証取得支援』
・千葉県船橋市『エコアクション21認証・登録事業補助金』
・東京都葛飾区『エコアクション21認証取得費助成金』
・東京都江東区『環境認証等取得費補助金』
・東京都品川区『「エコアクション21」認証取得に要する費用の一部助成』
・東京都新宿区『環境マネジメント規格認証取得費補助制度』
・東京都墨田区『環境経営認証取得費助成金制度』
・東京都台東区『エコアクション21等取得支援事業』
・東京都豊島区『エコアクション21認証取得費助成』
・東京都練馬区『エコアクション21等認証取得支援事業補助金』
・東京都八王子市『八王子市エコアクション21認証登録料及び更新登録料補助制度』
・神奈川県藤沢市『エコアクション21等認証取得補助制度について』
融資の金利が優遇される
環境経営に取り組むことで、自治体だけでなく金融機関からの支援を受けられる場合があります。
主に融資を受ける際の金利が優遇されるため、従来よりも資金調達を行いやすくなるでしょう。
例えば、みずほ銀行では「みずほESGローン(エコ口)」という商品を扱っています。
資金使途ごとに設定されたエコ認定をクリアすることが要件であるものの、省エネ対策の設備などに対する融資を受けやすくなります。
エコアクション21などの取得には費用がかかりますが、これらの優遇を受けることによりメリットは大きくなります。
保険料が低くなる
金融機関だけでなく保険会社からも優遇を受けられます。
主に保険料が安くなったり、保険会社からの融資の金利も低くなったりすることがあります。
企業として損害保険や火災保険に加入している場合は、環境経営に取り組むことで大幅なコスト削減に繋がる可能性があるでしょう。
企業のイメージが良くなる
環境経営に取り組み、エコアクション21といった具体的な制度の認証を受けることにより、企業のイメージが良くなります。
社会的な信頼を勝ち取ることにより、消費者や取引先が増えることが想定され、経営が安定しやすくなるでしょう。
また、エコアクション21の認証には環境経営レポートの作成が必要になりますが、ホームページなどでこちらを公表することにより、環境への取り組みをアピールできます。
コスト削減に繋がる
環境経営に取り組みエコアクション21などの認証を受けるまでの過程で、経営体制が改善され省エネを実現でき、電気代やガス代といったエネルギーコストを削減できる可能性があります。
もちろん、工場などがある場合は省エネ体制を構築するために設備投資などが必要になりますが、その後のコスト削減による効果の方が大きくなるケースが多いです。
企業として使用しているエネルギーの無駄を見つけ、改善することによりさまざまなコスト削減に繋がるでしょう。
3:環境経営を実践する際の注意点
環境経営に取り組むことでこのような恩恵を受けられますが、いくつか注意点があります。
まずは認証を受けるまでには時間と費用がかかることです。
エコアクション21などの認証の種類によって取得する基準が異なり、場合によっては大規模な設備投資が必要になるでしょう。
また、環境経営レポートの作成が必要となり、取り組み実績を作るためには数年の年月がかかることもあります。
認証を受ける内容によっては申請費・登録料などが必要になり、コンサルタントに依頼する費用も必要になるでしょう。
さらに、環境経営の記録をするために書類をまとめたり、申請書類を作成したりといった労力も必要です。
申請書類に不備があると余計に時間がかかることもあるため注意しなければなりません。
4:まとめ
この記事では、環境経営を行うメリットを解説しました。
環境経営に取り組むことで、社会的な信頼を得たり、省エネに伴いコスト削減に繋がったりする以外にも、自治体や金融機関によっては補助金や融資の優遇を受けられるメリットもあります。
しかし、これらの恩恵を受けるためにはエコアクション21などの認証が必要であり、取得するためには時間と費用がかかります。
また、補助金の種類によっては申請費や登録料などの負担を軽減するものが多い点にも注意してください。
まずは自社の事業活動や施設・設備の状態を見直し、環境経営に取り組む計画を立ててみましょう。
その上で、取得する認証の種類を決め実行してみてください。