• 2023.8.07 (月)
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【徹底解説】カーボンニュートラルとは?

近年、カーボンニュートラルという言葉をよく耳にするようになりました。
カーボンニュートラルとは、人間の活動によって排出される二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの量と、
それらを吸収する植物や海洋などの自然環境や技術的な手段による量とが釣り合う状態のことです。

カーボンニュートラルを実現することは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑え、
気候変動による様々な影響を防ぐために必要なことです。
ここでは、カーボンニュートラルについての基礎知識や目標を解説し、実現するメリットについて考えます。

<目次>
1:カーボンニュートラルと温室効果ガス
2:カーボンニュートラルの目標
3:カーボンニュートラルを実現するメリット
4:まとめ

1:カーボンニュートラルと温室効果ガス


カーボンニュートラルを理解するためには、まず温室効果ガスと気候変動の関係について知る必要があります。

 

カーボンニュートラルの基礎知識

カーボンニュートラルは英語では”carbon neutral”で、carbonは炭素、neutralは中立の意味です。
炭素は、私たちが生きるために必要な物質の一つで、私たちは食べ物から炭素を摂取し、呼吸や代謝でCO2として排出し
CO2は、植物が光合成で吸収し、酸素として放出し、自然界では炭素が循環しています。

けれども人間の活動によって、石油や石炭などの化石燃料を大量に消費し、CO2を過剰に排出しています。
このCO2は、自然界の吸収能力を超えて大気中に蓄積され、地球温暖化の原因となっています。

カーボンニュートラルとは、この人間の活動によるCO2の排出量と自然界の吸収量を同じにすることで、
大気中のCO2の濃度を増やさないことを目指す考え方です。

具体的には、CO2の排出量を削減することや、森林や海洋などの吸収源を増やすことが必要です。
また、排出量を完全にゼロにすることが難しい場合は、他の方法で排出量と同じだけのCO2を除去することも考えられます。
これらの取り組みを通じて、人間の活動が地球温暖化に与える影響を最小限に抑えられます。

 

温室効果ガスと気候変動

温室効果ガスは、太陽からの熱エネルギーを地球上で吸収し、放出することで、地球の表面温度を一定に保つ役割を果たしています。
これを自然温室効果と呼びます。

しかし、人間の活動によって大量に排出される温室効果ガスは、自然温室効果を上回っています。

地球の表面温度が上昇してしまい気候変動を引き起こす事を、人為的な温室効果と呼びます。
気候変動は、氷河や氷山の融解、海面上昇、異常気象、生物多様性の低下など、地球環境や人間社会に深刻な影響を及ぼしています

2:カーボンニュートラルの目標


カーボンニュートラルの意義

カーボンニュートラルは、気候変動の対策として国際的に取り組まれている目標です。
2015年に採択されたパリ協定では、世界平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃以下に抑えることが合意されました。

そのためには、本世紀後半に全世界でカーボンニュートラルを達成することが必要で、現在、多くの国や地域、企業や団体が、
カーボンニュートラルを目指す宣言や計画を発表しています。

カーボンニュートラル達成の3つの主要な手段

 ①再生可能エネルギー(再エネ)の最大限の導入
 太陽光、風力、水力、バイオマスなどの再エネは、化石燃料に比べて温室効果ガスの排出が少ないかゼロです。
 再エネを主力電源化し、安定的で安価な電力供給を確保することが重要です。

 ②水素や合成燃料などの脱炭素燃料の利用
 電化が難しい部門や高温の熱が必要な産業などでは、水素や合成燃料などの脱炭素燃料を活用して脱炭素化をはかります。
 水素や合成燃料は、再エネやCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:CO2回収・利用・貯留)などで製造することで、
 温室効果ガスの排出を抑えられます。

 ③資源循環の高度化を通じた循環経済への移行
 資源循環とは、資源やエネルギーを無駄にしないように、使用後も再利用やリサイクルすることです。
 資源循環を高度化することで、温室効果ガスの排出を削減するとともに、経済活動や社会福祉にも貢献できます。

 

科学に基づく目標設定

カーボンニュートラルを達成するためには、科学的な根拠に基づいた目標設定が重要です。
科学に基づく目標(SBT:Science Based Targets)とは、パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する「温室効果ガス排出削減目標」のことです。

SBTは、WWF(世界自然保護基金)と、国際的な環境非営利団体であるCDP(Carbon Disclosure Project)、世界資源研究所(WRI)、
国連グローバル・コンパクト(UNGC)による、共同イニシアティブであるSBTイニシアチブ(SBTi:科学に基づく目標設定イニシアティブ)
によって支援・認定されます。

SBTiは企業が具体的に「どれだけの量」の温室効果ガスを、「いつまでに」削減しなければいけないのか、SBTガイダンスを作りました。

SBTを設定することは、企業にとって以下のようなメリットがあります。
 ①規制や政策の変化を先取りする
 ②消費者・従業員・社会からの評価を高める
 ③投資家・株主・取引先・その他ステークホルダーからの信頼を高める
 ④地球にとってもビジネスにとっても、望ましいイノベーションを促進する
 ⑤他のステークホルダーとの協働の機会を開く
 ⑥中長期的な収益性を向上させる

SBTは今ではパリ協定に沿った目標設定のグローバル・スタンダードとなっています。
2022年末までに世界で、約2,000社の企業がSBTi認定を取得しており、日本企業ではソニーが2015年10月に最初の認定を取得しました。

3:カーボンニュートラルを実現するメリット


カーボンニュートラルを実現するメリットは、地球温暖化の抑制、経済・社会の持続可能性の追求、イノベーションの促進があります。
それと同時に、デメリットや課題も存在します。
例えば、コストや負担の増加。技術的・社会的な課題もあり、ここでは、実現に向けての3つの方法を見てみましょう。

 

ネットゼロエミッション

温室効果ガスの排出量を削減し、残りの排出量を吸収する仕組みを整えることで、排出量と吸収量をゼロにすることです。
ネットゼロエミッションを実現するメリットは、地球温暖化の進行を食い止めることです。

地球温暖化は、気候変動や自然災害、生物多様性の減少など、人類にとって深刻な問題を引き起こしています。
ネットゼロエミッションによって、温室効果ガスの濃度を安定させられれば、これらの問題を緩和できます。

 

カーボンオフセット


自分や組織が排出した温室効果ガスの量に相当する分だけ、他の場所で温室効果ガスの排出を削減したり、吸収したりすることで、

自分や組織のカーボンフットプリント(CO2排出量)を相殺できます。

カーボンオフセットを実現するメリットは、自分や組織の環境負荷を軽減できることです。
カーボンオフセットには、植林や再生可能エネルギーの普及など、さまざまな方法があります。
これらの方法は、温室効果ガスの排出を削減するだけでなく、自然資源の保護や社会的貢献など、他の価値も生み出せます。

 

サイクルニュートラル

製品やサービスのライフサイクル(製造から廃棄まで)における温室効果ガスの排出量と吸収量が釣り合っている状態のことです。

サイクルニュートラルを実現するメリットは、循環型社会の形成に貢献できることです。
サイクルニュートラルによって、製品やサービスの価値を最大限に引き出し、廃棄物や排出物を最小限に抑えられます。

4:まとめ

カーボンニュートラルは、地球環境の保全と経済発展の両立に欠かせない目標です。

電力の見える化の推進は、電力使用量やCO2排出量などの情報をリアルタイムに可視化することで、
消費者や事業者が自らのエネルギー行動を見直すきっかけを提供する仕組みです。

電力の見える化を活用することで、カーボンニュートラルに向けたエネルギーの節約や選択に貢献できます。
カーボンニュートラルを実現するメリットとデメリットは表裏一体です。

カーボンニュートラルは、気候変動問題の解決だけでなく、持続可能な経済社会の構築にも貢献する可能性がありますが、
そのためにはあらゆる企業、事業体、自治体、市民が協力して取り組む必要があります。

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