【徹底解説】いまさら聞けない!電力自由化・新電力について
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2023.7.14 (金)Posted by

【徹底解説】いまさら聞けない!電力自由化・新電力について
近年燃料費の高騰とともに、電気料金も高くなっています。
政府が電力自由化を進めることによって、新電力事業者が多く新規参入しています。
今回は、電力自由化や新電力とは何なのか、新電力がもたらす影響について詳しく解説していきます。
<目次>
1:電力自由化とは
2:電力自由化の具体的な施策
3:新電力とは
4:新電力に対する疑問
5:新電力のメリット、デメリット
6:まとめ
1:電力自由化とは
これまでは、東北電力や東京電力、関西電力などの一般電気事業者から電気を買うことしかできませんでした。
電力自由化とは、2016年4月1日より、新規参入してきた事業者も電気事業に参加できる法改正が行われたことを指します。
電気料金の高騰が進んでいるなか、市場競争を進め価格競争を導入する目的です。
2:電力自由化の具体的な施策
発電の自由化
発電事業者が電力を生産し供給する際に、今までの独占的な供給の方法ではなく競争を行う取り組みです。
発電の自由化が進む事によって、新規参入事業者が増え、顧客(電力消費者)のために価格競争やサービスを向上させる取り組みが期待できます。
この取り組みによって、顧客は自分にあった価格やサービス内容を選定できることになります。
小売りの自由化
小売りの自由化を進めることによって、顧客はどの供給事業者から電気を購入しても良くなりました。
小売りの自由化は電気を購入する際に、自由にサービスを選定できるので消費者には利益のある取り組みです。
発送電分離
発送電分離とは、発電と送電を分離することです。
今まで一般電気事業者は、発電から送電までを一元管理してきました。
発電は一般電気事業者や新規参入事業者が様々な動力を使い発電しますが、送電に関しては送電網が必要となります。
送電網を各事業者が新たに作ろうとすれば、街中は送電線だらけになってしまいます。
そこで政府は送電会社を既存の一般電気事業者から離し、既存の電力会社と新規参入事業者の中立的な立場とする取り組みです。
3:新電力とは
新電力とは、電力供給事業に新規参入する電気事業者の事です。
前述にもあった2016年の電力自由化によって生まれた新電力は、ガス会社や通信会社など自社が得意とする分野でサービスを提供できます。
新電力事業者は、発電エネルギーを再生可能エネルギーや、エネルギー効率の高い新エネルギーを使用している場合が多いのが特徴です。
エネルギー効率の高い発電に加え、新電力事業者が提供する独自のサービスを付随させる事で、顧客が満足しやすいサービスを提供できる仕組みです。
それに加え、サービスの向上や価格競争にも期待できるのでこれからの電力供給事業の発展に大きく影響が出てくるでしょう。
4:新電力に対する疑問
今まで長年一般電気事業者が独占してきた市場から、新電力事業者が参入してくることに伴い疑問に感じることも多いのではないでしょうか?
ここでは、考えられる疑問について解消していきます。
新電力に切り替えることで電気の質は?
今までの電力事業者で供給していた電気を切り替えた場合、電気の電力量や電気の質に影響があるのかという疑問は多いのではないでしょうか?
こちらは、電気の質には一切影響がありません。
前述でも紹介していますが、送電は既存の電力柱を使用しているため電気の質に影響はありません。
新電力会社が電気事業を撤退した場合
今まで撤退することがない一般電気事業者に加入されていた方が、新電力事業者への変更を検討した場合
倒産や電気事業撤退によって電気が止まることを懸念する方が多いと思います。
電気が止まることに対しては、新電力事業者が事業撤退や倒産をする場合に消費者に15日前から通知しなければならないという決まりがあります。
しかし、15日では次の電力会社が見つからないという消費者の方もいるかと思います。
そんな消費者のために大手電力会社が電気供給会社が決まるまでの間、電気を供給してくれるのです。
大手電力会社も供給は一定期間ですので、早めの対策を取りましょう。
集合住宅の場合
アパートやマンションなどの集合住宅の場合、送電線は一本であるが新電力会社と契約できるのかとお考えの方も多いのではないでしょうか?
集合住宅にお住まいの方でも、集合住宅の電気契約が個人契約になっていれば新電力事業者と契約することが可能です。
しかし、契約する際は集合住宅の管理者に確認する必要があります。
5:新電力のメリット、デメリット
従来の一般電気事業者と新電力事業者で電気の質に変わりがないのであれば、メリットは何なのかを説明します。
メリットがあれば、デメリットも存在しますので一緒に解説します。
新電力のメリット
【最適なプランを選べる】
新電力を選ぶメリットの1つに、自分の生活スタイルに合わせたプランが選べます。
様々な業種が電力業界に参入することによって、各業種が独自の電気料金サービスを打ち出しています。
ガス会社や通信会社なども新しいサービスを提供しています。
ガス代や通信費用と合わせた電力セットプランで、全体のインフラコストを下げられる可能性があります。
【環境を考えた電力を使用できる】
新電力事業者には、環境を考えた事業者も多くあります。
現在は、カーボンニュートラルや脱炭素を考えた取り組みも多いため、環境に特化した発電方法をすすめる事業者が多く存在します。
電気を使用することによって自分も環境に配慮した生活ができるでしょう。
新電力のデメリット
【電気料金が高くなる】
新電力で電気契約することによって、電気料金が安くなることは考えられますが、必ずしも安くなる訳ではないと認識しておきましょう。
新電力事業者のプランは電気料金だけではなく、ポイントやマイルが貯まったり付帯するサービスが多くなりますが
料金だけ見た場合デメリットと言えるでしょう。
【倒産や事業からの撤退の可能性がある】
新電力事業者は新規参入であることから、倒産や事業撤退の心配がないとは言い切れません。
電力事業だけでなく他業種でも経営破綻や、事業撤退することが多い世の中です。
電気を使用するという部分では、倒産や事業撤退しても一般電気事業者から期限付きで電気を受給できます。
しかし、期限付きであることと、必ずしも新電力事業者が自分に合ったプランがあるとも限らないため、
次の新電力選定に苦労する点がデメリットです。
6:まとめ
今回は、電力自由化と新電力について解説しました。
燃料の高騰によって、電気料金の値上げも心配な状況、電力自由化、新電力は気になる話題です。
一概に値段だけを下げるのではなく、新電力はいろいろなサービスを追加し消費者にお得なプランを提供してくれます。
今回説明した新電力への考え方を参考にして、電気料金への対策をしてみてください。