【質問例あり】eラーニングの研修効果を改善するアンケートの取り方
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2024.11.14 (木)Posted by NTT東日本

企業が研修後などに実施するアンケートは、受講者の満足度向上や研修の改善に役立つ重要な手法です。
この記事では、研修アンケートを実施する際に使える効果的な質問や実施方法、ポイントについて詳しく掘り下げていきます。
研修後のアンケートは、NTT東日本が提供するeラーニング「ひかりクラウド スマートスタディ」で簡単に実施することも可能です。
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※ひかりクラウド スマートスタディは、コンテンツを含んでおりません。
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1研修アンケートの重要性と目的
企業の研修は、組織や個々の成長に重要な役割を果たします。しかし、研修の設計から成果の評価に至るまで全体を通して効果的になるよう構築していく上で、アンケート調査は欠かせない要素となります。
企業の研修におけるアンケートは、受講者の学びを向上させ、研修の改善に寄与する貴重なツールです。研修の評価においてアンケートを効果的に運用できれば、研修後の受講者からの貴重なフィードバックを効率的に収集することが可能です。質の高いアンケートを通じて、以下の2つを可視化することができます。
研修実施後の効果の把握
受講者が研修内容をどのように受け止め、今後の業務にどれほど役立つと感じているかを評価することができます。受講者の声を通じて、研修の価値や効果について客観的な情報を収集し、把握することが可能です。
研修の改善点の特定
受講者からのフィードバックは、今後の研修の向上に役立ちます。研修の様々な要素についての受講者の意見を通じて、研修の品質向上に向けた具体的な方向性を明確にします。
以上のように、研修アンケートは、研修の質を高め、受講者にとってより価値のある経験を提供するための重要な手段として、企業にとって欠かせないものとなっています。そのため、研修の企画担当者は効果的な研修のプログラムの構築だけでなく、アンケートの質を向上させるという重要な役割を担っています。
2研修アンケートの質問例
研修アンケートで使える質問例をいくつかご紹介します。受講者の声から研修の実施効果や改善点を的確に収集し、研修の改善に役立てるために、以下の質問を活用してみましょう。
- 「研修参加前に抱えていた課題・悩みは何でしたか?」
- 「研修を通して具体的にどのようなスキルや知識を習得しましたか?」
- 「研修で学んだことを今日からどのように実践したいですか?」
- 「研修の満足度を5段階評価で教えてください。」
- 「研修の運営に対して、ご意見やご要望があれば教えてください。」
- 「今後、受講したい研修のテーマを教えてください。」
「研修参加前に抱えていた課題・悩みは何でしたか?」
この質問は、受講者が研修に参加する前に抱えていた課題や悩みを思い出させるのに役立ちます。受講者自身が抱いていた研修への期待や不安を把握することで、研修内容の改善点を特定できます。また、受講者の事前の課題を知ることで、研修の成果を評価する際の基準となり、受講者の個別ニーズにも対応できるようになるでしょう。
「研修を通して具体的にどのようなスキルや知識を習得しましたか?」
受講者が研修で実際に得たスキルや知識を自身で具体的に認識することを促し、研修の成果を評価します。単なる主観的な感想ではなく、習得したスキルや知識の具体的な要素を挙げることで、受講者が研修の効果を客観的に評価することができます。また、挙げた内容を通じて、受講者が習得した知識をより確固なものにする手助けをすることができます。
「研修で学んだことを今日からどのように実践したいですか?」
受講者に対して、研修で習得した知識やスキルを実務でどのように実践し、活用したいかを考えさせる質問です。受講者が具体的な行動計画や実践の方法を検討することで、学んだ内容を実際の業務で実行しやすくし、持続的に成果を生むのを後押しすることが可能です。
「研修の満足度を5段階評価で教えてください。」
この質問では、受講者に研修全体に対する満足度を5段階評価で評価してもらいます。この評価は、研修の全体的な品質を把握し、改善のための情報として役立ちます。このような予め設定した評価の段階に従い、特定の事象を判断する方法を「評定尺度法」といい、その評価の段階を「リッカート尺度」と呼びます。5段階評価を用いることで、受講者の満足度を段階的に評価し、改善点を特定することができます。
以下のような基準を設けてみてもよいでしょう。
評価レベル |
評価内容 |
5:非常に満足した |
研修内容や形式、講師の質に非常に満足しており、大きな価値を感じた。 |
4:満足した |
研修には満足しているが、あと少しだけ改善するとより良いと感じる。 |
3:どちらともいえない |
研修は特に良くも悪くもなく、平均的な体験だった。 |
2:あまり満足していない |
研修には不満を感じる点があり、改善が必要だと感じた。 |
1:全く満足していない |
研修に対して大きな不満を感じ、期待を満たすことができなかった。 |
この質問の回答を通じて、受講者の感想や評価を収集し、今後の研修の品質向上や改善点の特定に役立てることができます。受講者の率直な意見を収集するために、簡潔で明確な評価基準を設けましょう。
「研修の運営に対して、ご意見やご要望があれば教えてください。」
受講者が研修運営に関する自由な意見や要望を述べてもらうのに有効な質問です。受講者の声を収集することで、運営の良い点や改善点を把握し、今後の研修の品質向上に寄与します。受講者からの率直な意見を取り入れることで、研修の運営全般を改善し、受講者満足度の向上につながります。
「今後、受講したい研修のテーマを教えてください。」
この質問は、受講者の今後の研修に対する希望や関心事を把握することを目的とします。受講者に自身の興味や学びたい分野について回答させることで、将来の研修の計画に役立つ情報を得ることができます。
受講者の要望を反映させることで、より適切な研修プログラムを構築することができるでしょう。
3研修アンケートの実施方法
研修アンケートの実施方法は、研修後にアンケート用紙を配布する方法と、Web上でアンケートを入力してもらう方法の2つが一般的です。どちらを選択するかは検討が必要で、それぞれにはメリットとデメリットが存在します。
アンケート用紙の配布
アンケート用紙の配布は、紙媒体を使用して受講者にアンケートへの回答を求める方法です。研修終了後、受講者に手渡しまたは郵送によりアンケート用紙を提供し、記入してもらいます。アンケート用紙は研修会場で回収され、後でデータ化されます。
項目 |
内容 |
メリット |
・確実性が高く、デバイスを持っていない受講者にも利用可能。 |
デメリット |
・用紙の印刷、回収、データ化に手間とコストがかかる。 |
Webでのアンケート入力
Webでのアンケート入力は、受講者に対してオンラインでアンケートに回答してもらう方法です。受講者にアクセス方法(URLやQRコードなど)を提供し、指定期間内に回答を収集します。データの収集と分析が電子的に行われ、手間とコストを削減できます。
項目 |
内容 |
メリット |
・手間やコストを削減し、データの収集と分析がスムーズ。 |
デメリット |
・デバイスを持っていない受講者やセキュリティ上の制約がある場合には注意が必要。 |
どちらの方法を選択するかは、研修の規模や受講者の状況に応じて検討するべきです。研修アンケートの実施手法は、受講者のフィードバックを収集し、研修を向上させるために欠かせない要素です。
4研修アンケートの成功の秘訣
研修アンケートを成功させるためには、以下のポイントに注意することが重要です。
①アンケートで得たい情報を明確にする
研修アンケートを成功させるためには、アンケートで収集したい情報を明確に定義することが不可欠です。
アンケートで得られる情報として、研修の満足度や改善点などが挙げられます。各質問が何を評価し、どのように活用するために設定するのかを具体的に計画することで、アンケート回答からの情報の品質と有用性を向上させます。この段階で明確な目標設定を行うことで、受講者の中にある、研修の品質向上につながる情報を引き出すことができるでしょう。
②理解度テストは別途実施する
研修アンケートの中で、「研修の内容が理解できたか」や「分かりやすかったか」についての質問は重要です。しかし、定量的な評価を行うためには、理解度を確認するテスト形式の質問を別途実施することが推奨されます。
研修アンケートは研修を定性的に評価するために実施するものであり、効果的な定量的評価を行うには、研修内容の理解度を確認するためのテストが必要です。理解度テストと研修アンケートは異なる目的を持つものであり、それぞれの役割を果たすために別個に実施することが推奨します。
理解度テストは研修内容の実際の理解度を数値で評価し、アンケートは研修の改善点や受講者の主観的評価を収集します。このように、2つの方法で研修の実施結果を調査することにより、研修を正確かつ、効果的に評価することが可能になります。
③設問の順番工夫する
アンケート回答者の集中力は質問への回答の品質に大きな影響を与えます。重要度の高い質問は、受講者の集中力が高い状態のときに回答が得られるよう、はじめの方に配置するのが良いでしょう。
後半になると回答者の関心や集中力が低下し、回答の質が低くなることがあります。したがって、アンケートを通して確実に把握しておきたい情報に関する質問は最初に配置し、早い段階で回答を得るようにすることが大切です。
④設問数はできるだけ絞る
研修アンケートを実施する際には、設問数をできるだけ絞ることが重要です。質問数が多いと回答に時間がかかるため、回答者の集中力が低下し、正確な情報が得られなくなる可能性があります。
研修アンケート作成の際には、実施する目的や必要な情報を再評価し、質問を絞り込むことをお勧めします。質問数を絞ることで、質の高い回答をもとに効果的なデータ収集と分析が可能となり、研修の改善に役立つ情報を得ることにつながります。
5まとめ
今回は、研修アンケートの効果的な活用法について詳しく紹介しました。研修アンケートは、受講者の声を収集し、研修プログラムを改善するための貴重なツールです。単に受講者からのフィードバックを引き出すのではなく、明確な目的を持ってアンケートを実施することが成功の鍵となります。
研修アンケートを実施するうえで最も重要なのは、アンケートを一度きりのものではなく、継続的なプロセスとして実施することです。受講者のニーズやフィードバックは変化していくため、柔軟にアンケートの項目を改善し、研修プログラムの内容を更新していくことが求められます。受講者の業務内容や状況に合わせて更新していくことで、受講者がより価値のある研修を受けられるよう支援することができます。研修アンケートを効果的に活用し、組織全体の成果向上につなげていきましょう。
6おわりに
NTT東日本のeラーニング「ひかりクラウド スマートスタディ」では、研修後のアンケートも実施可能なため、研修内容の改善にお役立ていただくことが可能です。無料の2週間トライアルも実施しておりますので、ぜひサービスサイトをご覧いただけますと幸いです。