それは大変!できるだけ体を休めて、しっかり治さないとね。
でも、休職ではなくテレワークで対応してくださるのは助かるわ。
三浦さんが総務で一番頼りになるんだもの。
テレワーク導入が全員の助けになる、いい例かもしれません。
有休消化という選択肢もあったようですが、旅行好きの三浦さんとしては、怪我のために休みを減らしたくないということで。
テレワークが導入されていて、本当によかったですよね。
通勤が困難な時こそテレワークを活用しよう
テレワークでは「育児や介護との両立」という面がクローズアップされがちですが、怪我や持病を持つ働き手の「治療と仕事の両立」へも活用が可能です。
通院や入院を理由に仕事を辞めることなく、「適切な治療を受けながら収入を確保する」という生き方もあります。怪我や病気は、誰にでも起こり得ることです。他人事と思わずに、いざという時に向けて、予備知識を蓄えておきましょう。
怪我で仕事を休む期間を短縮できる
たとえば足を骨折してしまった時。ある程度回復してくると「移動さえなければ、この場で仕事ができるのに…」と思うことがあるはずです。
怪我などで通勤が困難な状況にあっても、自宅で勤務ができるテレワークであれば、早めに仕事を再開することができます。
では、怪我によって定期的な通院が必要になった場合はどうでしょうか。
これまでは通院時間に合わせて「休暇を取る」方法が一般的でした。しかし、勤務時間の自由度が高いフレックス制とテレワークの組み合わせを適用すれば、治療時間に合わせて仕事時間を配分することができます。
休業補償の対象にならない怪我や病気など「今後に備えて有休消化を避けたい」ケースもあるでしょう。そんな場合は、テレワークでの両立を検討してみましょう。
うつ病からの復職にも活用できる
全員に向く方法とは言い切れませんが、うつ病や抑うつ状態からの復職の際に、職場がテレワークを導入したことで「仕事に対して前向きな気持ちになれた」という人もいます。
実際にテレワークを活用して復職した人からは、
「在宅勤務のおかげで心身が休まり、仕事について前向きに考えられるようになった」
「残業できない家庭環境でも担当できる職務が増え、自信につながった」
といった声が上がっています。
また、うつ病で離職した後、テレワークを導入して「完全在宅勤務・フルリモート」の職場に転職した例も。
これまでの職場では人間関係の摩擦がストレスになっていましたが、転職先は同じような境遇の従業員でチームが構成されているため、ちょうど良い距離感が保てたというのです。
持病持ちでも仕事を続けられる
治療が必要とされる持病持ちの人が、テレワークの導入で仕事が続けられるようになるケースも増えています。不治の病とされてきた疾病が、治療技術の進歩によって「長く付き合う病気」に変化しつあり、病気になっても働き続けられる環境が求められるようになっているのです。
たとえば、職場がコアタイムのない「スーパーフレックス制」を導入した場合、勤務の合間の予約のとれた時間に通院することができます。業務に充てて良い時間帯に決まりがないため、日中に不在にする時間が長くなっても安心です。
また、がんや心疾患などで長期の入院を余儀なくされた場合も、手術後に体調が安定してから退院までの間、病室からテレワークを行うことで、社会とのつながりを持つことができます。
いずれにせよ、企業も働き手も「治療が最優先」であることを忘れないこと、負担にならない程度の業務配分を心がけることが重要です。
テレワークの活用時に気を付けるべきことはある?
職場にテレワークが導入されていたとしても、ルールが曖昧だったり、上司や同僚の理解が追いついていなかったりして、利用者が肩身の狭い思いをしてしまうことがあります。
怪我や持病がある時や、うつ病からの復職時は、できるだけストレスを感じずにいたいもの。テレワークがスムーズに運用できるよう、普段から準備をしておくことが大切です。
コミュニケーション不足が起きにくい環境づくり
テレワークでは、仕事仲間と同じ空間にいないため、コミュニケーション不足からトラブルが起きやすくなります。フレックスタイム制など稼働時間帯がバラバラになる場合もあるので、ある程度ルールを設けておくとスムーズです。
以下のような気軽な取り決めで構いません。
- ビデオ通話やチャットのアプリを普段から運用して慣れておく
- チャットやメールの文面は「親しみ、やさしさ」を意識
- ビデオ通話は可能な限り顔を出して行うようにする
- 休みの予定や稼働時間帯を事前に仲間と共有する
- 話した方が早いことはテキストでなくビデオで済ませる
また、ミスや齟齬が起きた時に「悪意を見出さない」ことも意識したいもの。
顔が見えないと疑念を抱きやすいものですが、限られた時間や状況で互いに精いっぱいやっているという前提でいることが大切です。
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メンバーの入れ替えで配慮がリセットされない仕組みづくり
怪我や持病のある働き手が「治療と仕事の両立」を希望する場合、企業には「重症化・再発の予防や健康管理、適正配置、労務・作業管理」への配慮が求められます。
しかし、上司や管理者が変わった時に、情報が共有されておらず、必要な配慮がされなくなってしまうといった事態が起こることも。引継ぎのルールを職場内であらかじめ決めておくなど、引継ぎ漏れを防ぐ取り組みが必要です。
テレワーク導入で全員が働きやすい職場づくりを
健康な時には「自分に関係ない」と思ってしまいがちですが、怪我や病気は誰にでも起こり得ることです。また、育児や介護などで、今までと同じように通勤することが難しくなる場合もあります。
普段から、誰もが働きやすい環境を整備しておくことが、自分を助けることになるかもしれません。その第一歩として、テレワークの利用をぜひ検討してみてください。
アキコさん、情報共有です。
総務部の三浦さんが、本日より1ヶ月くらいテレワーク勤務になります。
趣味のスポーツで捻挫してしまい、歩けるようになるまでは通勤を避けたいということでした。