開業届とは?必要書類・書き方などについて徹底解説

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公開日
2023-03-14
更新日
2026-03-04

開業届とは、個人事業主として事業を始める際に税務署に提出する書類です。開業届を提出することにより「所得税の青色申告承認申請書」が提出できるようになり、青色申告で節税効果が得られるなどのメリットがあります。

その他にも、銀行口座の開設や法人用クレジットカードの申し込み、オフィスや融資の申し込みなど、さまざまな場面で開業届の控えが求められます。

しかし、開業届の提出にあたって、提出方法や必要なものなどがわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、初めて個人事業主になるという方に向けて、開業届の提出方法や必要書類などをわかりやすく解説します。

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1.開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)とは

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個人事業主が新規事業を開始する際は、開業届と呼ばれる書類を税務署に提出する必要があります。

個人事業主は1年間に発生する所得を計算し、税金を納めます。開業届は「新たに事業を始め、税金を納める意思があることを申告する書類」であると言えるでしょう。

個なお、開業届は正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。開業日から1ヶ月以内に税務署に提出することが義務付けられていることを覚えておきましょう。

本記事では、主にこちらの開業届について解説します。

参照:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

1-1.個人事業税の事業開始等申告書とは

イメージ:個人事業税の事業開始等申告書とは

開業届と言うと、一般的には税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」を指します。しかし、開業時は都道府県税事務所にも「個人事業開始申告書」と呼ばれる書類を提出する必要があります。場合によっては、この書類も開業届と呼ぶことがある点に注意が必要です。

個人事業開始申告書は、開業届と同様に、事業を開始したことを公的機関に示すための書類です。ただし、開業届は税務署に提出するのに対し、個人事業開始申告書は都道府県税事務所に提出するという点が異なります。

都道府県税事務所とは、都道府県税の徴収などに関する事務を行う場所です。個人事業開始申告書の提出方法は都道府県によって異なるため、事業を行う地域にある都道府県税事務所のホームページなどで確認し、対応するようにしましょう。

なお、個人事業開始申告書は提出しなくても罰金などのペナルティはありません。

参照:事業を始めたとき・廃止したとき

2.開業届のメリット

イメージ:開業届のメリット


開業届のメリットを、以下の4つのポイントから解説します。

  • 青色申告ができる
  • 屋号で銀行口座が開設できる
  • 法人用クレジットカードが申し込める
  • オフィス契約や融資の申し込みがしやすい

2-1.青色申告ができる

個人事業主が確定申告をする際は、白色申告・青色申告の2つの方法から選択します。

白色申告は経理業務が簡単に行える反面、節税効果が低い申告方法です。青色申告は本格的な経理業務が必要ですが、代わりに支払う税金を抑えやすいという特徴があります。

青色申告を行うメリットとして、最大65万円の青色申告特別控除を受けられる点が挙げられます。この制度を使って利益から課税対象となる金額を差し引くことにより、支払うべき税金が大きく抑えられる可能性があります。

なお、青色申告を行うためには開業届の他に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

参照:No.2070 青色申告制度

2-2.法人用クレジットカードが申し込める

銀行口座の開設と同様に、法人用クレジットカードの申し込みにも開業届が必要な場合があります。

事業用のクレジットカードを持つことで、プライベート用の支出と事業用の支出を区別しやすくなります。使った金額を把握しやすくなる点や、経理業務が行いやすくなる点から、開業時にはクレジットカードを作成しておくと便利です。

2-3.オフィス契約や融資の申し込みがしやすい

個人事業の種類によっては、自宅以外に店舗やオフィスを借りることがあります。また、大きな規模の事業を始める時は、融資を申し込んで自己資金の足しにすることもあるでしょう。

いずれのケースでも、申し込みの際は開業届の控えを提示するよう求められることがあります。開業準備の期間は何かと忙しくなるため、あらかじめ余裕を持って開業届を提出しておくことをおすすめします。

3.開業届のデメリット

開業届は提出によってさまざまなメリットが得られますが、場合によってはデメリットを感じるケースもあります。本項では、開業届のデメリットを以下の3つのポイントから解説します。

  • 青色申告をすると帳簿付けに時間がかかる
  • 配偶者の扶養から外れる可能性がある
  • 失業手当をもらえなくなる可能性がある

3-1.
青色申告をすると帳簿付けに時間がかかる

65万円もしくは55万円の青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記による帳簿付けを行うことが求められます。

複式簿記とは「借方・貸方」といった簿記の正式なルールに基づいて帳簿付けを行う方法です。毎年1月〜12月の間に発生した取引をまとめて、貸借対象表や損益計算書を作成し、保管する必要があります。

会計ソフトを使えば、初心者の方でも複式簿記によって青色申告特別控除を受けられるでしょう。しかし、そのような事務作業に抵抗があるという方は、青色申告を行うことでかえってストレスを感じてしまうかもしれません。

なお、開業届や青色申告承認申請書を提出しても、節税効果の低い10万円控除で構わないという方は、帳簿付けが簡単な単式簿記と呼ばれる方法を使うこともできます。

No.2072 青色申告特別控除

3-2.配偶者の扶養から外れる可能性がある

配偶者が働いている会社の健康保険組合に入っていると、開業届の提出によって健康保険上の扶養から外れてしまうケースがあります。扶養から外れてしまった場合は、健康保険料を自分で納めなくてはいけません。

ただし、健康保険組合によってルールが異なるため、開業届を提出したからといって必ず健康保険上の扶養から外れるというわけではありません。「個人事業を行っている人は扶養の対象ではない」「所得が○○円以上の個人事業主は扶養の対象ではない」など、健康保険組合ごとに異なるルールを採用しているためです。

どうしても扶養から外れたくないという方は、健康保険組合のホームページなどで、扶養対象となる条件を確認しましょう。

3-3.失業手当をもらえなくなる可能性がある

失業保険の受給には所定の条件に該当する必要がありますが、その条件の中に「就職しようとする積極的な意思がある」という文言があります。

開業届を提出して個人事業主になると、就職しようという意思がないとみなされて、失業保険を受けられなくなってしまう可能性があります。会社を独立して開業したいと考えている方は注意が必要です。

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4.開業届以外の必要書類

開業届を提出する際は、事業の方向性などに応じて、開業届以外の書類を税務署に提出することがあります。各書類の内容や、提出が必要なケースなどについて解説します。

4-1.青色申告承認申請書

イメージ:青色申告承認申請書

青色申告を行うために提出が必要な書類です。青色申告を行うことで前述した青色申告特別控除が利用できるなど、さまざまな優遇を受けられます。

青色申告を行いたい方は、その年の3月15日までに開業届と青色申告承認申請書を提出します。青色申告承認申請書を提出していない場合や、締め切りまでの提出が間に合わなかった場合には、自動的に白色申告となります。

4-2.青色事業専従者給与に関する届出書

イメージ:青色事業専従者給与に関する届出書

青色申告を行う個人事業主が家族を従業員として雇う場合には、支払う給与を経費として計上できません。

しかし、生計が同じなどの条件に該当し、かつ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する場合には、家族に支払う給与を経費として計上できます。経費として計上することで課税される利益を減らし、税金が抑えられるでしょう。

「青色申告承認申請書」と同じく、その年の3月15日までの提出が必要です。該当する方は忘れずに提出しましょう。

参照:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

4-3.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

イメージ:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

従業員に支払う給与から源泉徴収した際は、預かった所得税を毎月10日までに納付するよう義務付けられています。

しかし、常時雇用する従業員が10名未満である場合には、特例によって半年に1回にまとめて納付することが認められています。この特例を利用したい場合に税務署に提出するのが「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。

書類を提出して特例を利用することで、毎月10日の締め切りが以下のように変更されます。

  • ●1月から6月までに源泉徴収した所得税:7月10日までに納付
  • ●7月から12月までに源泉徴収した所得税:翌年の7月20日までに納付

源泉徴収の対象となる従業員を雇っているという方は、提出を検討しましょう。

参照:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

5.開業届の提出方法

開業届の提出方法を、実際の流れに沿って紹介します。

5-1.開業届をダウンロードする

国税庁のホームページで開業届をダウンロードします。また、開業届は税務署で入手することも可能です。

参照:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

5-2.開業届を記入する

用意した開業届の項目に沿って記入していきます。記入にあたっては、マイナンバーがわかるものや、店舗やオフィスの住所がわかるものをあらかじめ用意しておくと便利です。

開業届を提出する際は、開業届の控えに受付印を押してもらうため、控えも忘れずに用意しましょう。

詳しい記入方法については、以下の記事で解説しています。

5-3.開業届を提出する

作成した開業届は、以下の方法で税務署に提出します。

  • 税務署に直接持参する
  • 郵送する
  • 時間外収受箱に投函する

税務署の開庁時間は、基本的に平日の8時30分〜17時です。確定申告の時期は混み合っていることが予想されるため、直接持ち込む場合は時間に余裕を持って行きましょう。

税務署に行く時間がないという場合には、郵送による提出がおすすめです。なお、開業届の控えを受け取るための返信用封筒を用意し、自宅や店舗の住所を記入しておく必要があります。後日、受付印の押された開業届の控えが返送されるため、大切に保管しましょう。

また、税務署の門扉のそばなどに設置された「時間外収受箱」へ投函することもできます。時間や曜日関係なくいつでも投函できるため、日中は仕事をしているという方でも気軽に利用できます。郵送の場合と同様に、開業届の控えを受け取るための返送用封筒を入れておきましょう。

6.開業届のQ&A

イメージ:開業届のQ&A

最後に、開業届に関してよくある疑問をQ&A形式で紹介します。

6-1.開業届は出さない方がいいって本当?

開業届は、開業して1ヶ月以内に税務署に提出する必要があると所得税法で定められています。

しかし、本記事でも解説したようなデメリットがある点や、提出しなくてもペナルティが発生しない点から、開業届を出さないまま事業を行っている方がいるのも事実です。開業届を出さなくても「提出してください」といった通知が税務署などから送られてくることもありません。

ただし、開業届を出さない場合でも、条件に該当すれば確定申告を行わなくてはなりません。その場合は、自動的に白色申告での確定申告となります。

参照:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

6-2.開業届の提出期限を過ぎてしまったらどうなる?

開業届は、開業した日から数えて1ヶ月以内に提出する必要があります。しかし、開業届を出さなかった場合と同様に、提出期限を過ぎて提出した場合でも、これといったペナルティはありません。

6-3.開業届はオンラインで提出できる?

開業届は「e-Tax」や「freee開業」を利用することで、オンラインで提出できます。詳しくは各公式ホームページをご覧ください。

参照:e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーについて

参照:freee開業

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7.まとめ

開業届は開業の際に税務署に提出する書類であり、青色申告を行えるようになるなど、さまざまなメリットがあります。また、申し込みや契約の際などに開業届の控えが求められることがあるため、忘れず提出しておくことをおすすめします。
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