【2022年1月改正】電子帳簿保存法で領収書を保存する方法!変更点や要件をわかりやすく解説

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更新日
2026-01-28

電子帳簿保存法の影響で、多くの企業や個人事業主が領収書などの書類を電子保存するようになりました。しかし、電子保存を利用するために必要な要件も多く、対応できていない企業や個人事業主もいるのが実情です。

ところが、2022年1月に行われた改正では、事前承認が必要だった電子データの保存申請が不要になるなど、さまざまな要件が緩和・廃止されました。この改正により、領収書の電子保存が行いやすくなっています。

今回の記事では、領収書の電子保存方法について解説します。電子帳簿保存法が具体的にどのように改正されたのかや領収書を電子保存するメリットについても理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

1. 領収書の電子保存方法

イメージ:領収書の電子保存方法

2022年1月に施行された電子帳簿保存法の改正に伴い、領収書の電子保存方法が、以下の2種類になりました。

・領収書を紙で授受した場合はスキャナ保存
・領収書を電子データで授受した場合は電子取引

この章では、それぞれの保存方法と要件について詳しく説明します。

領収書を紙で授受した場合はスキャナ保存

領収書を紙で受け取った場合、スキャナ保存に関する要件を満たせばデータ保存が行えます。令和4年1月1日以降のスキャナ保存の対象書類とスキャナ保存の要件は、以下のとおりです。

・スキャナ保存の対象書類

・重要書類:資金流通や物流に直接的に作用・連動する書類
【種類】領収書、納品書、請求書、契約書など

・一般書類:資金流通や物流に直接的に作用・連動しない書類
【種類】注文書、見積書、検収書など

スキャナ保存の要件

 重要書類 一般書類
入力期間の制限
(適時に入力する)
解像度が200dpi相当以上
赤・緑・青の階調がそれぞれ24ビットカラー
(グレースケールでも可)
タイムスタンプの付与※1
読み取り情報の保存※2
(大きさに関する情報保存は不要)
ヴァージョン管理
入力者等情報の確認
帳簿との相互関連性の確保
14インチより大きいカラーディスプレイかカラープリンタ
(グレースケールでの保存の場合は不要)
4ポイントサイズの文字認識が可能
電子計算機処理システムの事務手続き関連の書類を備える
検索機能の確保

※1:入力期間中に訂正・削除の記録が確認できるシステム、または訂正・削除ができないシステムでの記録入力が確認できれば、タイムスタンプの付与要件へ代えられる
※2:書類サイズがA4以下で、受領者が読み取る場合には大きさに関する情報保存は不要
参照元:国税庁|スキャナ保存を行うための要件は?

領収書は、契約書などと同じ「重要書類」として分類されており、一般書類に比べると要件が厳しいかもしれません。また、入力期間に制限もあるため、期間内に行えるよう自社内で効率的な業務フローを検討することが大切です。

領収書を電子データで授受した場合は電子取引

領収書を以下のような電子データで受け取ると、電子取引として電子保存しなければなりません。

  • Web
  • 電子メール
  • EDIシステム
  • クレジットカード
  • クラウドサービス

また、電子取引で領収書を電子保存するには、以下の要件を満たす必要があります。

電子取引の保存要件

  • 電子計算機である処理システムに関する概要を記載した書類の備え付
  • 見読ができる装置の備え付け
  • 検索性の確保
  • 以下のいずれかの方法を行う
  1. タイムスタンプが付与されたデータの授受
  2. 授受後すぐにタイムスタンプを付与する
  3. データの加筆修正を行った場合、そのデータが残るまたは削除や修正が行えないシステムを利用する
  4. 訂正削除の予防に関する事務処理規定を備え付ける

参照元;国税庁|電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等を行う場合の要件の概要

上記の要件は「真実性や可視性を確保する」という目的のもと取り決めがなされています。ただし「いずれかの方法を行う」に記された4つの要件は、すべての項目を満たす必要はなく、4つのうち1つを満たせば問題ありません。取引先によっては、真実性の要件を満たした会計システムを利用しているためタイムスタンプでの運用をしていないケースもあるため、状況に応じて自社で取り入れやすい方法を行うと良いでしょう。

2. 電子帳簿保存法における改正後の変更点4つ

イメージ:電子帳簿保存法における改正後の変更点4つ

電子帳簿保存法とは、業務効率化やコストカットなどを目的に、国税関連書類を電子データとして保存できることを定めた法律です。1998年に法案が作成されて以降、時代に合わせて改正を重ねて2022年1月に以下の項目が改正されました。

  • 事前承認制度の廃止
  • タイムスタンプ要件の緩和
  • 検索要件の緩和
  • 適正事務処理要件の廃止

この章では、それぞれの改正後の変更点について詳しく説明します。

事前承認制度の廃止

電子化の壁となっていた事前承認制度が廃止されることになり、電子データの保存申請や承認が不要となりました。ただし、改正後は以下の要件を満たす必要があります。

  • 電子帳簿保存法に対応可能なシステムを導入済みである
  • 社内規定の策定と周知を行なっている

改正前までは、国税関連書類を電子データで保存する場合、3ヶ月前までに管轄の税務署長に事前承認を得なければなりませんでした。また、承認されるまでに時間を要するケースが多く、手間がかかる点からも電子化へ移行しづらかったのが実情です。今回の改正によって企業側の手続きにおける負担が減るため、領収書の電子データの保存が行いやすくなります。

タイムスタンプ要件の緩和

スキャナ保存時に行う、電子データへのタイムスタンプ付与期間が3営業日以内から、最長約2ヵ月と7営業日へ改正となりました。さらに、訂正・削除の記録が確認できるシステム、または訂正・削除ができないシステムを使用する場合に限りタイムスタンプが不要です。

タイムスタンプとは、特定の時刻に電子データが存在していたことや、改ざんされていないことを証明するサービスです。法改正に伴いタイムスタンプを導入する必要がなくなるため、電子帳簿保存法に対するハードルが下がっています。

検索要件の緩和

国税関連書類の保存で設定する検索項目が、以下の3つのみに限定されました。

  • 日付
  • 取引金額
  • 取引先名

これまでは、書類によって設定すべき検索項目が定められており、それぞれの設定に時間を要していました。検索項目が減ったことで時間短縮につながり、空いた時間を他の業務にあてるなど有効活用できるでしょう。

適正事務処理要件の廃止

法改正により、スキャナ保存をする場合に必要だった適正事務処理要件が廃止されました。これまで必要とされていた内容は、以下のとおりです。

相互けん制 不正防止のために相互にけん制し合う体制構築
定期的チェック 最低でも1年に1回以上は定期検査を行う体制の構築
再発防止策 問題点が発見された場合、原因究明や対応策を講じるための体制作り


改ざん防止の観点から、上記のような要件を満たす必要がありました。しかし、廃止となったことで、社内規定を厳格に整備しなくても書類のスキャナ保存が可能となります。

3. 領収書を電子保存する4つのメリット

イメージ:領収書を電子保存する4つのメリット

電子帳簿保存法の改正に伴い、ペーパーレス化が浸透しつつありますが、電子データで保存するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 検索や保管がしやすい
  • 紛失・改ざんを防げる
  • 経費精算に関する会計処理が効率化できる
  • 管理コストや場所を削減できる

この章では、領収書を電子保存するメリットについて詳しく説明します。

検索や保管がしやすい

領収書を電子保存すると、検索しやすかったり保管スペースの確保が不要になったりします。検索しやすくなったのは、電子データで保存されているためです。

日付など指定した項目を入力するだけで欲しい領収書をすぐに見つけられることから、業務の効率化が望めます。また、保管スペースが必要ない点もメリットです。領収書のファイリングなど整理する負担が減るため、経理業務のテレワーク化推進にも良い影響があるでしょう。

紛失・改ざんを防げる

領収書の電子保存は、紙での保管よりも紛失や改ざんが予防できるため安全です。紙よりも電子保存が安全な理由は、以下のとおりです。

  • バックアップがとれるため、紛失時でもデータの復旧が可能
  • 持ち運びによる紛失のリスクがなくなる

さらに、タイムスタンプの付与や要件を満たした会計システムの活用によっても改ざんが予防できるでしょう。

経費精算などの会計処理が効率化できる

電子帳簿保存法に対応した会計システムを活用することで、領収書の経費精算に要していた時間を削減でき、業務効率化につながります。領収書の電子保存では、原本の即時破棄が認められています。そのため、経費精算における突合作業が不要になるでしょう。また、テレワークや外出先で手続きが行えるため、柔軟な働き方へつながる点も魅力です。

管理コストや場所を削減できる

領収書が電子データで保存できると、保管スペースが不要となるためコストカットにつながります。法人の場合、領収書の保存期間は原則7年です。そのため、最低でも7年間は保管場所を確保する必要があります。しかし、電子化することで原本破棄ができるため、保管場所にかかる費用削減につながるでしょう。加えて、印刷・保管にかかる人件費や経費も削減できます。

4. 電子帳簿保存法に沿って領収書を管理しよう

イメージ:電子帳簿保存法に沿って領収書を管理しよう

領収書の電子保存方法には、スキャナ保存と電子取引という2つの保存方法があります。2022年1月に施行された電子帳簿保存法の改正により、電子データでの保存が行いやすくなっています。そのため、企業側にとって保管場所やインクが不要な点からコストカットにつながるでしょう。また、従業員側にとっても業務の効率化が進み、テレワークなど柔軟な働き方も検討できるため、企業と従業員双方にとってメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。

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