
業種別事例で見る10ギガ光回線の導入メリット
ビジネスに10ギガ光回線が必要な理由とは?

監修 桶谷 晃平(基盤ネットワークサービス担当)
編集 NTT東日本編集部
近年、Web会議やクラウドサービスの利用が広がり、ネットワーク上を流れる通信量は増加傾向にあります。「Web会議が途切れる」「クラウドサービスの動作が遅い」といった課題を感じている企業のICT担当者や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
このような環境において、重要度が高い通信を優先的に処理し、安定した通信品質を保つために欠かせないのがQoS(Quality of Service)です。本記事では、QoSの基本的な意味や仕組み、種類、導入するメリット・デメリットなどについてわかりやすく解説します。
Summary

業種別事例で見る10ギガ光回線の導入メリット
ビジネスに10ギガ光回線が必要な理由とは?
Index
QoSは「Quality of Service」の略称で、インターネットなどのネットワークにおける「サービスの品質」という意味があります。主に、利用する帯域を確保したり、通信の優先順位を設定したりすることで、重要なデータ通信を安定して届ける仕組みです。
社内ネットワークやインターネット回線では、Webページの閲覧やファイル転送、Web会議など、さまざまな通信が同時に行われます。このような環境ですべての通信を平等に扱うと、重要な通信まで遅延してしまう可能性があります。QoSは、こうした状況を防ぐために、特定の通信を優先的に処理できるようにする技術です。
一般的には、ルーターなどのネットワーク機器でQoSを設定しますが、プロバイダや通信事業者がQoSの専用プランを提供しているケースもあります。
QoSの仕組みは、道路交通に例えると理解しやすいでしょう。一般道が混雑している状況でも、救急車やパトカーが優先的に通行できるようになるイメージです。ネットワークにおけるQoSも同様に、緊急性や重要度の高い通信を優先的に通す役割を担っています。

QoSは、すべての通信に対して一律に設定するものではありません。業務における重要度に応じて、優先すべき通信を整理することが大切です。特に以下の2つのシーンでは、QoSの設定が推奨されます。
Web会議や動画配信、IP電話などは、リアルタイム性が強く求められる通信です。通信の遅延や乱れが、そのまま音声の途切れや映像のフリーズとして現れます。
たとえば、オンライン商談の最中に音声が聞き取りづらくなると、意思疎通がスムーズに進まず、商談そのものに悪影響を及ぼす恐れがあります。このような通信は、トラフィックが集中する時間帯でも安定した品質を保たなければなりません。
そこでQoSを設定すれば、リアルタイム性が求められる通信を優先的に処理でき、混雑時でもストレスの少ないインターネット接続環境を維持しやすくなります。
生産管理システムや会計システム、在庫管理システムなどは、企業の事業活動を支える重要なインフラです。
基幹インフラの通信に大きな遅延が発生すると、受発注や経理処理が滞るなど、業務プロセス全体が停止するリスクがあります。そのため、基幹インフラに関わる通信については、QoSによる確実な帯域確保が必要だといえるでしょう。
一方で、Webサイトの閲覧などは、多少の通信遅延が発生しても業務への支障は比較的少ないと考えられます。QoSを設定すれば、重要度が比較的低いとされる通信による帯域の占有を抑えることが可能です。
QoSを実現するための標準的なモデルは、「IntServ(帯域制御)」と「DiffServ(優先制御)」の2つです。また、QoSが適用されていない状態のことは「ベストエフォート」と呼ばれます。ここでは、QoSの種類について解説します。
帯域制御(IntServ:Integrated Services)は、音声通話や映像配信など、特定の通信に対して必要な帯域幅(通信において電波や電気信号が使う周波数の幅)を事前に予約する方式です。
あらかじめ通信ごとに「専用の通り道」を用意する仕組みで、道路に例えるとバス専用レーンのようなイメージです。専用帯域を確保することで、ネットワークが混雑している状況でも遅延や品質低下が起こりにくくなります。
ただし、確保した帯域を超える通信が発生した場合には、遅延が生じる可能性があります。そのため、想定される通信量を踏まえて設定することが大切です。
優先制御(DiffServ:Differentiated Services)は、道路の救急車の優先走行のように、データの分類に基づいて優先度が高いデータから先に処理する一般的な方式です。
優先制御では、ネットワークのエッジルーター部分で通信データに優先度を示すマーキングを行います。中核となるネットワーク機器はそのマーキング情報を参照し、通信の重要度に応じた優先処理(PHB:Per-Hop Behavior)を行う仕組みです。
通信量にかかわらず重要度が高いパケットが優先されるため、帯域制御より遅延が発生しにくいといわれています。
ベストエフォートとは、QoSによる帯域の予約や優先順位付けなどの特別な制御を一切行わず、すべての通信を同じ条件で処理する方式のことです。送信されたデータは、基本的に順番通りに処理されます。
小規模な事業所や個人事業主で、同時に多くの通信が発生しない場合には、QoSを設定せずベストエフォートで運用する方法が一般的です。

「フレッツ 光クロス Biz」のサービス内容について分かりやすく解説
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企業ネットワークで一般的に利用されている優先制御(DiffServ)は、通信データを細かく分割した「パケット」と呼ばれる単位を対象に制御を行います。優先制御のプロセスは、以下の「クラス分け」「マーキング」「キューイング」「スケジューリング」の4つです。

最初のステップが「クラス分け」です。ネットワーク機器が受信したデータパケットの内容を確認し、その種類を識別します。たとえば、送信元のIPアドレスなどの情報が判断材料です。
さまざまな情報をもとに、「映像」「音声」「Webサイト閲覧」といった形で、通信の重要度に応じたクラスへ分類します。
クラス分けが完了したパケットに対して、優先度を示すマークを割り当てる「マーキング」を行います。
マーキングでは、パケットのヘッダと呼ばれるデータの先頭部分に、優先度を示す情報を書き込みます。マーキングは、ネットワーク上で一貫した優先制御を行うために欠かせない工程です。
マーキングされたパケットは、ネットワーク機器の内部にある「キュー」と呼ばれる待機場所に一時的に格納されます。ネットワークが混雑してキューに収まりきらない場合には、一時的に優先度が低いパケットを破棄し、重要なパケットが圧迫されるのを防ぎます。
最後の工程がスケジューリングです。スケジューリングでは、キューに待機しているパケットを優先度に応じて選択し、ネットワークへ送信する順番や量を制御します。優先度の高いパケットは先に送信され、低いパケットは後回しにされます。
QoSは、通信の優先度を制御し、安定したインターネット接続環境を実現するための仕組みですが、導入や運用にあたって注意すべき点があります。ここでは、QoSがもたらす主なメリットとデメリットについて解説します。
QoSのメリットは、以下の通りです。
QoSを導入するメリットとしてまず挙げられるのは、通信品質の向上が期待できる点です。Web会議やIP電話など、遅延させたくない通信を優先的に処理でき、音声の途切れや映像の乱れが起こりにくくなります。
また、限られた帯域幅を有効に活用できる点も大きなメリットです。回線の帯域は無限ではなく、同時に多くの通信が発生すると不足する場合があります。QoSを設定すれば、重要度の低い通信が帯域を過剰に占有する状況を抑え、必要な通信へ適切に帯域を割り当てることが可能です。その結果、現状の機器を最大限に活かした運用が実現しやすくなります。
さらに、ネットワーク運用の負荷低減もメリットの一つです。通信トラブルが頻発すると、その都度原因調査や対応が必要になり、管理者の負担が増加します。QoSによって通信の優先順位を整理しておくことで、品質低下による問い合わせや障害対応が減り、安定したネットワーク運用につながるでしょう。
QoSのデメリットは、以下の通りです。
QoSにはコスト面のデメリットがあります。高度なQoS機能を利用するためには、専用機器や追加のソフトウェアが必要になる場合があります。既存のネットワーク構成によっては、機器の入れ替えや追加投資が発生する点を考慮しなければなりません。
また、QoSの設定や運用には専門知識が必要です。設定を誤ると、かえって特定の通信が遅くなるケースも考えられます。社内に十分な知識を持つ担当者がいない場合には、設計や運用を外部に依頼することも検討しましょう。

ここからは「NTT東日本設備におけるQoSについて解説します。
NTT東日本のNGN(次世代ネットワーク)は、従来の電話網が培ってきた高い信頼性や安定性を維持しながら、IPネットワークの柔軟性や経済性を取り入れた情報通信ネットワークです。音声からデータ、映像までを統合的に扱える点が特長で、企業の安定した通信基盤として活用されています。
NGNの特長の一つが、ネットワーク内の一部のクラスにおいて通信品質を確保するためにQoSを提供している点です。NGNでは、QoSによって通信品質を確保する「優先クラス」が用意されています。
優先クラスは、電話や映像サービス(テレビなど)のように、厳しいリアルタイム性が求められる通信を想定して設計されました。NGNのQoS機能により、混雑時でも安定した通信品質が期待できるでしょう。
また、後述する「フレッツ 光クロス Biz」では、ユーザーに10Mbpsの帯域を確保する帯域制御型のQoSを提供しています。あらかじめ10Mbpsの帯域が確保されているため、回線が混雑している状況でも最低限の通信が担保され、安定したインターネット接続環境を維持することが可能です。
このようにNTT東日本のNGNは、QoSを活用することで用途に応じた通信品質の確保を可能にし、企業の安定したネットワーク利用を支えています。
NTT東日本の「フレッツ 光クロス」は、法人および個人事業主向けに設計された高品質なインターネット接続サービスです。最大概ね10Gbps※1※2の高速通信に対応しています。
アクセスが集中しやすい時間帯でも、クラウドサービスへのデータアップロードやWeb会議を比較的スムーズに行いやすく、日常業務の安定性向上が期待できるでしょう。
また、「フレッツ 光クロス」には複数のプランが用意されており、業務内容や求める通信品質に応じて選択できる点も魅力です。以下では、2つのプランを紹介します。

高品質なベストエフォート型の光回線で業務効率を高める
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「フレッツ 光クロス オフィスタイプ」は、Web会議やクラウドサービスの利用など、一般的な業務用途に適したサービスです。高速通信を実現する「フレッツ 光クロス」の特長に加え、保守サポートが含まれており、安定したインターネット接続環境を求める企業や個人事業主に向いています。
本サービスは、24時間365日の故障受付に対応しています。夜間や早朝にトラブルが発生した場合にはエキスパート※3が電話で対応し、問診から故障対応までを速やかに行う体制を整備※4。万が一の回線トラブル時にも安心してご利用いただけます。
「フレッツ 光クロス オフィスタイプ」は、日常業務を止めないための備えとしてサポート体制を重視したい場合におすすめのサービスです。サービスの詳細については、以下のリンクをご確認ください。

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本サービスは、最大概ね10Gbps※1※2の高速通信に加え、99.99%の故障復旧SLA(サービス品質保証)を標準で提供しています。さらに、10MbpsのQoSによる帯域確保を搭載しており、回線が混雑している状況でも一定の通信帯域の確保が可能です。
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通信の安定性を重視する企業にとって、安心して利用しやすいサービスといえるでしょう。サービスの詳細については、以下のリンクをご確認ください。

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最後に、QoSについてよく寄せられる質問とその回答を紹介します。
QoSとは「Quality of Service」の略称で、ネットワークにおける通信品質を管理・制御する仕組みを指します。具体的には、利用する帯域を確保したり、ネットワーク上の通信に優先順位を付けたりすることで、重要な通信を安定して届けるための技術です。
インターネット回線では、複数の通信が同時に行われると混雑が発生しやすくなります。QoSを活用すれば、Web会議やIP電話など、遅延させたくない通信を優先的に処理でき、通信品質の低下を抑えやすくなります。
ルーターのQoS機能とは、通信の種類ごとに利用帯域や優先度を設定し、特定の通信品質を確保するための機能です。
たとえば、一部のルーターでは、あらかじめ使用する帯域を予約しておくことで、対象となる通信に一定の速度を割り当てられます。ストリーミング配信やWeb会議のように、通信速度が安定していないと支障が出やすいサービスでは、QoSによる帯域予約が有効です。
QoSで設定できる内容や操作方法は、ルーターの機種によって異なります。設定の可否や具体的な手順については、メーカーが公開している取扱説明書や公式サポート情報を確認しましょう。
QoSは、通信の重要度に応じて帯域や優先順位を制御し、回線が混雑している状況でも必要な通信品質を維持するための仕組みです。Web会議やクラウドサービスの利用が当たり前となった現在、QoSは安定したネットワーク環境を構築する有効な手段といえるでしょう。
「フレッツ 光クロス オフィスタイプ」は、最大概ね10Gbps※1※2の高速通信に加え、保守サポートが付帯するサービスです。24時間365日の故障受付にも対応しており、日常業務の安定性を重視する企業に適しています。
また、「フレッツ 光クロス Biz」は、高速通信に99.99%の故障復旧SLA(サービス品質保証)を標準搭載し、QoSによる帯域確保にも対応しています。基幹業務を支える通信基盤としておすすめのサービスです。サービスの詳細については、以下のリンクをご確認ください。


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監修 桶谷 晃平(NTT東日本)
ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 基盤ネットワークサービス担当
フレッツ光をはじめとする光回線サービスの企画・開発を担当。中小企業から大規模拠点まで、多様な利用シーンを想定したネットワークサービスの開発に携わっています。現場視点と技術的知見をもとに、企業の通信環境の最適化と価値創出に取り組んでいます。

編集 NTT東日本編集部
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