本社事務所内も現場とのやり取りも。
人材不足に悩む建設業界で
“社内ICT環境一新”が業務効率化を強力推進!
小雀建設株式会社様は、56年の歴史を持ち、神奈川エリアでインフラ整備事業を担う総合建設会社です。同社では電話回線や通信ネットワーク、パソコンなど、オフィスのIT管理を2人いる総務担当者の1人が兼任して対応しています。一方で、業界全体に広がる慢性的な人材不足は深刻で、それを補うための外国人の雇用などを背景に、総務担当の仕事は増加し、IT管理との兼任は負担になっていました。これらの課題にNTT東日本が、ネットワークの信頼性・安定性・可用性を向上させるとともに、情報セキュリティ強化と管理負荷の軽減を実現すべくトータルなICT提案をもとに全方位で支援。これを受けて小雀建設様は社内のICT 環境を刷新し、限られた人材を活用するための業務効率化を推進しています。
今回は、これら一連の環境整備を決断した代表取締役の小泉和雄氏とご担当者にお話をうかがいました。
【目次】
小雀建設株式会社
(左から順に)NTT東日本 神奈川支店 第二ビジネスイノベーション部 バリュークリエイト担当 主査 岸下 正嗣、小雀建設株式会社 管理部 総務GL 花本 秀生氏、小雀建設株式会社 代表取締役 小泉 和雄氏、NTT東日本 神奈川支店 第二ビジネスイノベーション部 カスタマーリレーション担当 主査 中津川 哲哉、NTT東日本 神奈川支店 第二ビジネスイノベーション部 バリュークリエイト担当 大西 ちひろ
導入いただいたソリューション
システムインテグレーション(パソコン、WSUSサーバー、ADサーバー等環境構築)、おまかせアンチウィルス、ダイヤモンドサポート、UTM、フレッツ・VPN プライオ、ビジネスフォンSmartNetcommunity αN1 type L、ひかり電話、クラウド勤怠管理システム KING OF TIME(トライアル導入)※
※クラウド勤怠管理システム KING OF TIMEは株式会社ヒューマンテクノロジーズ様のサービスです。
ソリューション導入効果
- ネットワークから社内ICT環境までトータルで整備し、業務環境の安定運用と利便性向上を推進できた
- 機器レンタルとサポートのアウトソースで管理運用負担を軽減し、持たざる経営を実現できた
- 現場事務所への駆け付け対応がなくなり、総務担当の本来業務に注力できるようになった
NTT東日本選定のポイント
- 高い技術力と最適なソリューションの提案力で会社の課題に真摯に寄り添った提案をしてくれたこと
- 現行業務への影響を最大限考慮した構築スケジュールの提案等、信頼できるプロジェクト管理体制だったこと
- ネットワーク機器、サーバー、パソコン、回線まで一元的に任せられる安心のサポート体制だったこと
人材確保が困難な状況において
限られた人材を活かすためICTによる業務効率化は必須
――小雀建設様におけるICTの活用状況、および導入前のお悩み事についてお聞かせください。
小泉社長: 当社は、横浜市戸塚区を中心とした神奈川エリアで地域密着型のインフラ整備事業を多数手がけてきました。現在、約100名(系列会社を含めると約140名)の社員と、現場事務所も多い時期には20拠点程度まで擁するに至っています。
土木建設業界が今、直面しているもっとも大きな問題は人材不足です。日本が少子高齢化によって労働人口が減少する中、業界全体が人材確保に大変苦労しているのが現状です。とくに中堅・中小企業の人材不足は深刻で、若者の土木建設への関心が伸び悩んでいることに加えて、経営の後継者を育成したくても上位人材は大手や他の業種に奪われてしまいます。その結果、社員の平均年齢は高まる一方で、その技術を継承する若手がいないというジレンマに陥っているのです。
国内の雇用に期待できないため、当社では10年ほど前から海外の人材を積極的に雇用・育成することで、人的リソースを保ってきました。しかし、それをもってしても人材は限られており、限りある人材を活かすためにはさらに業務の効率化を進める必要があります。
そこで7~8年ほど前、現場の負担軽減を目的として本社に「集中管理室」を作りました。この「集中管理室」は、それまで各現場で個々の社員が対応していた日報や現場の写真、品質・出来高の検査書類など、手間がかかっていた書類仕事を集中処理することで社内の業務効率化を図った施策です。
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代表取締役
小泉 和雄氏
花本氏:私が担当している総務の仕事は契約書管理から保安・防災、安全衛生、社員の健康管理、情報セキュリティの整備に至るまで多岐にわたっていて、人材育成や海外の人材受け入れの仕事も含まれます。本業の傍ら、社内の通信環境の管理も兼任してきました。NTT東日本の中津川さんとは、2017年7月に本社や現場事務所にダイヤモンドサポート、UTM、フレッツ・VPN プライオ、ビジネスフォンSmartNetcommunity αN1 type L、ひかり電話を導入したときからのおつきあいになります。
当時、私を悩ませていた問題には「電話の老朽化問題」がありました。10年以上使い続けていたビジネスフォンが老朽化して頻繁に故障しだしたからです。電話の故障は、私自身の業務に影響を及ぼしました。現場事務所から故障申告があがるたびに、平日の対応時間内にそれぞれ該当する事業者を手配するなど対応していたのですが、そのために日中の時間を電話修理の対応にとられ、総務本来の業務に支障がでることが多くなっていました。
そこで、NTT東日本に相談したところ、段階的に社内の通話網と通話機器を刷新することを提案してくれました。これを受け、2019年9月には、他社のビジネスフォンに換えてNTT東日本の「SmartNetcommunity αN1 type L」を導入することで、社内のすべてのビジネスフォンを刷新し、故障が続いていた電話の老朽化問題を解決しました。
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管理部 総務GL
花本 秀生氏
「電話」のイメージしかなかった
NTT東日本からの思いがけない提案
――電話の更改後、通信環境の整備もNTT東日本にお申し付けいただきました。導入の経緯とNTT東日本を選んでいただいた理由についてお聞かせください。
花本氏:電話の老朽化問題は解決しましたが、「現場事務所の通信環境の調達・設営問題」という課題はまだ残っていました。当社の現場事務所は、工事にあわせて最短で3ヵ月から長くても2年で新設・廃止を繰り返します。そのたびに新事務所に大容量に対応できるセキュアな通信環境整備が必要になります。
ビジネスフォンの更改が完了した頃に、NTT東日本から現場事務所の設営について提案がありました。その提案は、最新の設計によってVPN内データ滞留を少なくした高セキュリティな専用線と同等品質のVPNネットワーク(閉域網)で本社と現場事務所をつなぎ、写真データやCADデータなど容量が大きい情報をセキュアに送受信できる環境を整えるというものでした。
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また、新事務所に必要な通信機器の調達で設営業務に時間がかかってしまうという問題に対しても、ルーターなどのネットワーク機器をレンタル利用することで、大幅にスピードアップしながら資産をかかえることなくコスト削減も期待できるといいます。
さらに、情報セキュリティ対策面ではUTMと「ダイヤモンドサポート」で安全を確保できるだけでなく、導入後の運用と管理の負担も軽減できるというのです。
正直な話、これまでNTT東日本といえば電話のイメージしかなかったので、通信環境全体にかかわる包括的な提案には驚いたというのが最初の印象でした。
――その後も全社的なパソコン更改もご依頼いただきました。こちらの経緯についてはいかがだったのでしょうか?
「電話の老朽化」と「現場事務所の通信環境の見直し」の他にも「Windows7からWindows10への移行」という課題がまだ残っていました。Windows7のサポート終了が2020年1月14日に迫っていて、Windows10への移行のため、パソコンの更改も待ったなしで対応する必要がありました。
Windows10移行のためのパソコン調達については、すでに他社に相談していました。しかし、再びNTT東日本から、パソコン端末120台の新機種への更改と、Windows10 への移行についても、NTT東日本が一式まるごと対応できると提案があったのです。提案ではさらにWindows10移行を行う上での懸念への解決案(具体的には、Windowsアップデートによる通信帯域の逼迫を防ぎ、更新プログラム適用を円滑化するWSUSサーバーやADサーバーの構築)も含め、導入後はサーバー・パソコン端末までの一体型サポート体制も整備できるというものでした。
他社の提案はパソコンの調達のみで、Windows10への移行作業は別途自分たちで行う必要がありました。サポート終了までの時間が迫る中、通信環境の整備からパソコンの更改・移行までの技術的な提案と作業のすべてを一括で任せられるのは、通信関連に総務担当としての本業が圧迫されていた私にとって大変魅力的でした。
VPN網の構築と情報セキュリティ強化にサポートを導入で
運用・管理の負担が減り、総務本来の業務に集中
――今回のNTT東日本の提案は、電話にはじまり、VPNネットワークの構築からパソコンを刷新と長く段階的なものでした。これらすべての導入が完了した今、その効果についてどう感じられていますか。
花本氏:VPNネットワークの導入でこれまでボトルネックとなっていた部分が改善され、通信速度が速くなりました。そのため、本社と現場事務所との画像のやり取りも非常にスムーズになり、「集中管理室」の生産性も向上しています。また強力なUTMと情報セキュリティサービスの導入で通信がより安全になっただけでなく、業務システムも安定運用できるようになりました。
VPNネットワークと通信機器のレンタル利用で、新設・廃止を繰り返す現場事務所の調達と設営は効率化され、時間も短縮できただけでなく、コストも押さえられるようになったのは大きな効果だと思っています。
パソコンについては、調達だけでなくWindows10 への移行もトータルで委託したかったので、NTT東日本の導入から移行、サポート、情報セキュリティ対策をアウトソースするという提案は、まさに「渡りに船」でした。また、超特急で事務所内でのキッティングにも対応してくれて大変助かりました。
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――「ダイヤモンドサポート」はお使いになってみましたか?
花本氏:はい。導入後に現場事務所で複合機や通信の不調が発生したため、さっそく「ダイヤモンドサポート」を利用したところ、すぐに担当技術者を手配して解決してくれました。
これまでは「ネットがつながらない」「プリンタが使えない」などの依頼のたびに現場事務所に駆けつけていましたが、そのほとんどは些細なトラブルでした。今はサポートデスクへ電話するだけで対応してもらえるため、私の現場事務所への稼働が解消され、総務本来の仕事に注力できるようになったと実感しています。今、外国籍社員の研修や人材育成に使う研修プログラムの作成に力を入れているので、余裕ができた時間をそれらに向けることができるようにもなりました。
これからは、総務が担当する業務システムについてもICTを活用して効率化を図っていくつもりです。その第一弾として、2020年3月に本格導入すべく、現在、クラウド勤怠管理システム 「KING OF TIME」をトライアル利用中です。
現場作業が多く人の出入りが激しい建設業の勤怠管理は難しく、これまでも他社製品を試用し検討してきましたが、実際の業務にあわせてカスタマイズできないことが多くて馴染まず、結局は詳細な情報は手作業で管理せざるを得ませんでした。「KING OF TIME」は、設定や項目などで細かい調整ができるなど、使い勝手のよさが気に入っています。
――今回のプロジェクトに対する評価と今後の計画についてお聞かせください。
小泉社長:当社は、子会社を含めた社員約140人のうちの10人が外国籍です。今年は10人の新人のうち4人が海外からの人材です。当社では、雇用後1年間は日本語学校に通学、言語のギャップをできるだけなくした上で日本人の社員と同等の待遇で同様の仕事をしてもらっています。そのほかの社員に対しても、年間300万円の予算をかけ、社員のキャリアにあった内容の研修も実施しています。人材確保が困難な今は、業務の効率化を進めるとともに、苦労して得た人材の個々の能力を最大限に活かすことが大事です。社員教育や社員研修に注力するのも、当社が特別というよりも、今の土木建設業界ではそこまでしなければ欲しい人材は育たないし、得られないからです。
一方で、社員の自発性を養うための環境も重要です。今回、社内の通信環境とサポート体制を確立できたことで、これまで何かあるたび総務に頼りきりだった社員が、自らサポートデスクに連絡し、自分たちで解決できるようになったことは喜ばしいことです。
厳しい環境変化の中で、限られた人材を活かして、働き方改革や外国人雇用の対応を推進するためにも、今後も引き続きICTを活用していきたいと考えています。
*上記ソリューション導入時期は2020年1月です。
*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2020年2月時点(インタビュー時点)のものです。
*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
![小雀建設株式会社](/case/2020/n010/images/pic_profile.jpg)
企業名 | 小雀建設株式会社 |
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企業概要 | 小雀建設様は、土地購入から土木・建築工事、販売企画まで一貫して行う総合建設会社です。官公庁の土木(インフラ整備及び新設、耐震工事)・建築工事をはじめ、企画提案型営業による民間工事、資産有効活用のためのコンサルティングとアセットマネジメントが同社の事業の柱となっています。 2017年には国土交通省関東地方整備局長から優良工事表彰・安全管理優良受注者表彰、横浜市長から優良工事表彰、横浜市建築保全公社から優良工事施工者表彰を同時受賞するなど、国・県・市からも高い技術力が認められています。また「災害時の基礎的事業継続力」や「横浜型地域貢献企業 最上位」認定も取得されています。 |
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