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コロナ禍があけ、ビジネスホテル業界が堅調です。
自らが選びプライベートな時間を過ごす場所、と考えると、ビジネスホテルが行っている合理化や設備強化ポイントが、賃貸経営でもヒントとなるのではないでしょうか?是非、収益物件オーナーも、実際にビジネスホテルに宿泊してその考え方を学んでみましょう。


ホテルによっては、各部屋のシーツ交換も「希望する連泊客のみ」としたり、寝具やタオル・枕などもフロントから宿泊客が持っていくところも出てくるなど、かなり合理化が進みました。
賃貸経営においても、「退去時の立会は管理会社がしなさい」「修繕は必ず現地で確認したうえで相見積」などと、これまで通りの手間をかけていると、なかなか合理化はしません。当然、自主管理のオーナーは手間ばかりが増え、管理を委託しているケースでも、管理会社の担当者が常に忙しければ、肝心な空室対策の提案や、相続対策の相談に乗る余裕はなくなってしまいます。
我が国は「おもてなし」文化ですが、高級リゾートホテル等はともかく、ビジネスホテルはうまく「割り切って」合理化に舵を切っています。我々収益物件オーナーも合理化を一考すべきでしょう。

ビジネスホテルは、国内に限らず海外からの旅行者も多く利用します。ビジネスホテル側としても、海外からのツーリストの宿泊を歓迎しているでしょう。
賃貸経営においても、技能実習生や通訳あるいは留学生など、多様な国の出身の方が部屋探しに訪れます。かつてはたしかに、海外の方の入居となると、文化の違いに戸惑い、入居後のトラブル発生の懸念も少なからずありましたが、昨今では、海外の方専門の家賃保証会社なども増え、管理会社も対応の熟練度があがりました。日本は人口が減少していますから、国内需要だけではなく、国籍を問わず顧客を確保していくことは、賃貸経営でも必須と言えるでしょう。
その一方で、カスハラ客に対しては「宿泊を拒否してもかまわない」と、旅館業法が変わりました。令和5年(2023年)12月13日に改正法が施行されています。この改正によって、宿泊施設に過重な負担となり、サービスの提供を著しく阻害するおそれのある要求を繰り返す「迷惑客の宿泊を拒むことができる」ようになったのです。
新たな宿泊拒否事由として該当する具体例です。
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① 宿泊料の不当な割引や不当な慰謝料、不当な部屋のアップグレード、不当なレイトチェックアウト、不当なアーリーチェックイン、
契約にない送迎など、他の宿泊者に対するサービスと比較して過剰なサービスを行うよう繰り返し求める行為
② 自身の泊まる部屋の上下左右の部屋に宿泊客を入れないことを繰り返し求める行為
③ 特定の者にのみ自身の応対をさせることや、特定の者を出勤させないことを繰り返し求める行為
④ 土下座などの社会的相当性を欠く方法による謝罪を繰り返し求める行為
⑤ 泥酔し、他の宿泊者に迷惑を及ぼすおそれがある宿泊者が、従業員に対し、長時間にわたる介抱を繰り返し求める行為
⑥ 従業員に対し、対面や電話、メールなどにより、長時間にわたって、又は叱責しながら、不当な要求を繰り返し行う行為
⑦ 要求する内容には妥当性があるが、従業員に対し、暴力や暴言など、要求方法に問題があるもの※を繰り返し行う行為
※身体的な攻撃(暴行、傷害)、精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)、土下座の要求など
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ビジネスホテルでは、「朝食付き」の宿泊プランが人気です。多くのホテルで、朝食付きのプランを見かけることがあるでしょう。
もちろんこれも、賃貸物件に朝食を付けましょう、という話ではありません。重要なポイントは、ビジネスパーソンが出張で利用する場合、ビジネスホテルの宿泊代は、会社の経費で落ちる、という点です。
そう、朝ごはん用に普通にコンビニでとパンを買っても会社の経費では落ちませんが、「朝食付き」なら「経費で落ちる宿泊費で、朝ごはんも食べられる」のです。宿泊プランとして多少単価は高くても、結果、朝食付きの方がお得、というわけです。
この考え方を賃貸経営に活かすと、例えば、法人契約で借り上げ社宅として貸すケースが考えられます。
その物件が「ネット無料」ならば、入居者としては、会社の経費で借り上げてもらえて、かつ、インターネットが無料で使えます。法人契約の多い物件では、多少家賃が高かったとしても「会社が払ってくれるしネット無料」なので入居者としては大変お得、というわけです。

宿泊施設ではかつて、有料のテレビカードを購入してテレビに繋がった機器に入れると映画などが観られる、というサービスがありました(もちろんこのカードは経費では落とせません)。
ところが近年では、このカードが売れていないようです。今や、ネットさえあれば、なんでも観られますから。
となると、宿泊時に動画を観たりでネットを利用する人が増え、ホテルの共有WiFiは大混雑となります。ビジネスユースでは、セキュリティ面の問題もあり、宿泊施設内でどの部屋も同じパスワードの共有WiFiは、嫌厭されるケースも多いでしょう。
そう、今、ホテルでも、ネットの安全性と高速化が求められています。
実際に、筆者が宿泊した大阪のビジネスホテルでも、エレベーターに「ホテルWiFiが新しくなります」「最大10ギガ」と貼りだして大きくアピールしているのを見かけました。アメニティグッズはフロントにおいて経費削減しつつも、このご時世で必須となったネット環境の強化は、宿泊客の満足度向上にも直結する、ホテル経営での重視ポイントになっているのです。
時代はどんどん移り変わって行きますが、今回、ビジネスホテルの経営からもヒントをもらったように、他の様々な業界にもアンテナを広げて、より良い賃貸経営に役立てていきましょう。

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執筆:上野 典行(うえの のりゆき)
【プロフィール】プリンシプル住まい総研 所長
1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。2012年1月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長・中国ブロック副ブロック長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。
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