事例紹介1年で10棟118戸を光回線ネット無料に! 高崎・株式会社フィールド開発のローカル成功戦略
本記事のTOPICS
▶ 大学生をターゲットにした経営戦略
‐ 高崎経済大学、自宅外通学者の約6割のお部屋探しを仲介
▶ 大学とともに繁栄する不動産会社
‐ 奨学金制度や、学園祭への支援で高崎経済大学を応援
▶ 大学の入試制度にあわせた合格前予約
▶ 時代の先を見た事業戦略
‐ インターネット無料しかも「高速」を推進
‐ アクセントクロスで物件の差異化
▶ 全国各地の雄の先進的なノウハウを取り入れ

【 大学生をターゲットにした経営戦略 】公立 高崎経済大学、自宅外通学者の約6割のお部屋探しを仲介
経済学部・各学年約500 名、地域政策学部・各学年約500 名、合計で約1,000名前後の学生が入学する、高崎市の公立大学 高崎経済大学。
その約7割が自宅外からの通学といわれていますので、毎年約700 名の新入学生が部屋を探しているという計算となります。
そのうちの約6割・400名近くの学生の部屋探しを仲介しているのが、高崎経済大学の前にある、フィールド開発さまです。
1992年に創業以来、高崎経済大学の学生のお部屋探しを手伝ってきました。
社⾧の田代雅彦氏にお話をお聞きすると、いまでは、自社の所有物件・管理物件だけでなく、ハウスメーカーをはじめとする全国企業の物件や、ライバル会社の管理物件まで幅広く仲介を行っているとのこと。
学生向け物件の仲介・管理における雄として有名な企業です。

【 大学とともに繁栄する不動産会社 】奨学金制度や、学園祭への支援で高崎経済大学を応援
「高崎経済大学の学園祭で、じゃんけん大会などの催し物のスポンサーをしているんですよ」と田代社⾧。地の利を生かすだけでなく、真剣に大学生を支援しています。
「社会貢献の一環として高崎経済大学新入生が充実した学生生活を送れるように微力ながら応援しようとフィールド開発奨学金制度を創設しました。高崎経済大学新入生の皆様が自立した大学生活(学業・課外活動・生活等)を送れるように経済的に支援することを目的としています」と田代社長。
選出された奨学生に、1年間に毎月1万円支給するもので、なんと返済は不要。
「地域振興について専門的、実践的に学びたい」「将来は地域振興に関わる仕事に就きたい」「簿記や会計などの専門分野の資格取得のためにたくさん学びたい」といった学生達を応援しています。
「フィールド開発奨学金制度」の贈呈式
また、毎年「高崎経済大学三扇基金」へ、グループ会社と併せ50万円を寄附しています。
「大学の発展と学生支援に役立てていただくために、地元企業として少しでもお役に立ちたい」との思いで実施しています。
市川豊行理事長(中央)と水口剛学長(左)へ、田代社長(右)から感謝の意を込めた目録を贈呈
【高崎経済大学の受験生に寄り添う、安心の住まい探しサポート 】大学の入試制度にあわせた 合格前予約
業界でも先駆けとなる「合格前予約」の制度では、
①11月頭の推薦受験のタイミングで部屋探し → 12月頭の合格発表
②1月頭の推薦受験のタイミングで部屋探し → 2月頭の合格発表
③1月末の前期試験のタイミングで部屋探し → 3月の合格発表
の3つのタイミングで、合格前に希望のお部屋の予約が出来る「合格前予約」を実施しています。
受験日に同伴する親御さんが、当日部屋探しをするケースもありますし、受験前・受験後ともにオンライン内覧での部屋探しにも対応しています。公立で第一志望となることの多い、高崎経済大学への新入生にとって、かけがえのない存在の不動産会社となっているのです。

【 時代の先を見た事業戦略 】インターネット無料、しかも「高速」を推進
2020年からのコロナ禍で、ステイホームが呼びかけられ、サークル活動も部活もバイトも、学生生活はオンライン中心になりました。高崎経済大学でもオンライン授業が推進され、大学からも、ネット環境のある下宿が要望されるようになりました。
2025年の現在、対面授業は再開されていますが、学生生活にはネットは不可欠。
「ネットがNTT東日本の高速回線だと、喜ばれるんですよ」という賃貸営業部の現場の声を活かして、物件の高速ネット化を促進しました。
入居される方から「とても速くて嬉しい」といわれる光回線。
「シェアードのネット無料も導入したが、夜の時間帯に建物内で利用者数が増えたり、ヘビーユーザーが使うと速度遅くなることもあるため、積極的に光化を推進している」というからすごい。
入居者の声を捉え、品質面も考えての「高速ネット化」です。

2025年は、8月の取材時点で、すでに10棟・118戸に、「フレッツ光 全戸加入プラン」を導入。
「ネット無料で光回線を入れると、家賃相場も高く設定でき、不動産会社も入居者もオーナーも喜ぶので、三方よし、になっているんですよ」と田代社長に熱く語っていただきました。
【 時代の先を見た事業戦略 】アクセントクロスで物件の差異化
「リノッタという、全国のリノベーション勉強会に入り、アクセントクロスやシーリングライトを活用して、空室の差異化も図っているんですよ」と田代社長。
常に、入居者の感性の変化に対応しているところが、フィールド開発流です。
築30年以上のバストイレ一緒の物件は、シャワーブースとトイレ別の物件にリノベーションして入居を決めていくなど、空室対策も先進的です。
2019年には高崎駅西口にも出店。法人契約に強いピタットハウスネットワークにも加盟し、社会人のお部屋探しも積極的に展開しています。
グループ会社には、雑貨ショップの「ハンプティダンプティ」もあり、感性を活かした空室対策の提案力も魅力となっているのです。

【 「学ぶ」とは「真似る」こと 】全国各地の雄の先進的なノウハウをどんどん取り入れる
田代社長の、数々の先進的な取り組みのアイデアは、いったいどこから来るのだろうか。思い切って、どうやって思いついたのか聞いてみました。
「いや、お恥ずかしい話、全国各地で頑張っている会社さんを訪問して、そうした会社さんのよい工夫をどんどん取り入れているのですよ。リノベーションは金沢の不動産会社さん、法人は徳島の不動産会社さん、学生の合格前予約は広島の不動産会社さんと、各地に私が行って、そこで学んだことを、まずは自社の所有物件で実践してみる。それで上手くいったら、大切なオーナーさまに提案していく。そうして少しずつ、信頼を積み重ねているんですよ」と話してくれました。
まさに、「全国から学び」「それを実践する」という力。
全国各地にそれぞれ素晴らしい企業が存在するのが、不動産会社の良さ。そのうえで「先入観なく、良いものは取り入れて真似る」ことを実行できるかどうかがカギなのです。

フィールド開発では、オーナーさまの物件を試験的に扱わず、まずは自社の所有物件でリスクをもって、全国各地の事例を実践。そして成果を確認してから、オーナーさまの物件にも展開していきます。
こうした力で、今年度だけで光回線物件を10棟も推進するなど、満室・家賃アップ物件を増やしていく。だからこそ、さらに管理物件が増えていく。まさに理想的な好循環で、地域のリーダーカンパニーとなっているのです。
とても刺激的な取材でした。皆さま、ありがとうございました。
(左から) 賃貸部長の市川尚后(ひさみ)さん・田代社長・インタビュアーの上野氏・取締役の田代貴悠(たかひさ)さん・NTT東日本の今井
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インタビュアー:上野 典行(うえの のりゆき)
【プロフィール】プリンシプル住まい総研 所長
1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。2012年1月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

◎事例は一例であり、すべてのお客さまに同様の効果があることを保証するものではありません。
◎記載の内容はすべて2025年8月時点(インタビュー時)のものです。
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