• 2024.5.29 (水)
    Posted by NTT東日本

近年、インターネットが急速に普及したことで、遠隔監視やリモートアクセスの需要がますます増えています。ダイナミックDNSDDNS)は、こういったニーズに応える便利な技術です。そこで今回の記事では、DDNSサービスのメリット・デメリットや利用手順について詳しく解説します。おすすめのDDNSサービスを紹介するので、遠隔監視やリモートアクセスの環境構築を検討されている皆様は、ぜひ参考にしてください。

01.DDNSサービスとは?活用例についても解説

ダイナミックDNSDDNS)サービスとは、動的なIPアドレスを静的なホスト名とつなぎ合わせるシステムです。それではDDNSサービスは、どのような分野で活用されているのでしょうか。本章で、詳しく見ていきましょう。

DDNSサービスとは

  • 個人や企業がプロバイダから取得するグローバルIPアドレス(インターネットにおける住所)は、ルーターの電源を落としたり一定時間経過したりすると自動的に変更されます。DDNSサービスは、接続するたびに変化する動的なIPアドレスを、事前に登録したホスト名と結びつけるサービスです。なおDDNSサービスは、以下のような仕組みで動作します。

●DDNSサービスを利用している機器から通信を行い、IPアドレスが変わっていないか定期的に確認する
変更されていた場合は、新しいIPアドレスがDDNSサービスに登録される
●DDNSサービスは、新しいIPアドレスを元にDNSレコードを更新する

上記のDNSレコードとは、DNSサーバーに登録されたIPアドレスとドメイン名・ホスト名の対応データを指します。

DDNSの活用例

DDNSサービスの活用例は、以下のとおりです。

分野

概要

リモートデスクトップ

遠隔地のパソコンやサーバー等を操作するシステムに活用されている。新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが普及し、需要が増加した。

遠隔監視

遠隔地のカメラなどのセンサー類やその他の機器に接続する際に使用されている。近年注目が集まっているIoT(モノのインターネット)への活用が可能なことから需要が増加した。このようにDDNSサービスはさまざまな分野へ活用されており、需要が増加しています。

このように、DDNSサービスはさまざまな分野へ活用されており、需要が増加しています。

02.DDNSサービスのメリット


DDNSサービスのメリットは、以下のとおりです。

費用を軽減できる
管理が容易

特徴を理解しておくことで、DDNSサービスの導入が自社に適しているか判断できるようになります。本章で、DDNSサービスのメリットについて詳しく見ていきましょう。

費用を軽減できる

DDNSサービスを利用することで、IPアドレスの維持費用を軽減できます。プロバイダから固定IPを取得する場合、通常のインターネット回線プランに加えて、オプションサービスの契約が必要です。

しかしDDNSサービスを活用することで、プロバイダから固定IPを取得する必要がなくなります。DDNSサービスは、プロバイダの固定IPオプションに比べて低価格な場合が多いためコスト軽減につながります。

管理が容易

DDNSサービスはIPアドレスに比べて、ホスト名を自由に決められるため管理が容易です。動的IPアドレスの回線では変更されたIPアドレスの識別が困難であるため運用に難があります。固定IPアドレスで運用する場合でも、接続先が数字の羅列になるため、多数ある接続先を覚えたり、識別したりすることは容易ではありません。

一方でDDNSサービスは、動的IPアドレスでの接続であったとしても、同じホスト名でアクセスが可能になります。また、ホスト名に機能や接続先に関連する文字列を割り当てることで、接続先を覚えたり、識別したりすることが容易になります。

03.DDNSサービスのデメリット


DDNSサービスのデメリットは、以下のとおりです。

IPアドレスの変更にタイムラグがある

DDNSサービスは、デメリットを事前に理解しておかないと、自社の信頼性や集客力が低下する可能性があります。本章で、注意すべき点について詳しく見ていきましょう。

IPアドレスの変更にタイムラグがある

DDNSは、IPアドレスの変更が起こったタイミングと、ホスト名でアクセス可能になるまでにはタイムラグがあります。そのため、正しくホスト名を入力しても、目的とする接続先にある程度の時間たどり着けないことがあります。

ラグの原因となるポイントは2つあります。1つめは、IPアドレスの変更を検知し、DNSレコードに反映するという一連の作業が完了するまでの時間です。2つめは、DNSレコードが更新されたあと、アクセスする際に利用するDNSキャッシュサーバーが、新しいIPアドレスの情報を利用できるようになるまでの時間です。

特に機器のIPアドレスを通知する頻度は、利用しているDDNSサービスの推奨する設定に合わせて設定することをおすすめします。適切な頻度でIPアドレスの変更を通知することで、新しいIPアドレスでホスト名を利用する際の影響を最小限に抑えることができます。DNSキャッシュサーバーで新しいIPアドレスが利用できるまでに起こるタイムラグは、各DDNSサービスで設定しているTTLTime to Live)の値が目安になりますので確認しましょう。

また、高度な可用性が必要とされる用途では、DDNSサービスだけでなく、固定IPアドレスで回線を契約して利用することもあわせて検討してみてください。

04.DDNSサービスの利用方法4ステップ


DDNSサービスの利用手順は、以下のような4つの工程です。

アカウント作成
●初期設定
機器接続
接続テスト

このように、DDNSサービスの利用には複雑な手順が必要ありません。本章でDDNSサービスの利用手順について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

アカウント作成

まずはDDNSのサービスページにアクセスして、アカウントを作成します。アカウント作成時は、利用継続条件について詳しく確認しておきましょう。取得したホスト名を数ヶ月使用(IPの更新・管理画面へのログイン)しないと、DDNSが停止したり登録したデータが消去されたりする場合があります。

ホスト名の継続利用条件が用途に合っているか確認の上、IPの自動更新がツール等の方法により可能なサービスを選びましょう。

初期設定

アカウントを作成したあとは、DDNSサービスにログインし管理画面から新しくホスト名(サブドメイン)を登録します。ホスト名の登録では、利用したいドメインの種類とホスト名を入力しましょう。なお、ほかのユーザーが先に使用しているホスト名は取得できません。使いたいホスト名ができるかを確認し、DDNSサービスの利用を開始しましょう。

機器接続

ホストを登録したあとは、DDNSサービスの情報を機器(ルーター・パソコン・IoT機器など)へ設定します。機器の設定方法はサービスによって異なります。機器とサービスの組み合わせによって、HTTPNTPによる定期的なアクセス、専用ソフトウエアによる更新、機器の設定画面での設定、といった様々なパターンがあります。対象となるDDNSサービスで、利用したい機器ができるか改めて確認しましょう。

機器の設定が完了した後、機器のステータスやDDNSサービスのログを確認して、IPアドレスの更新が成功しているか確認します。更新されていない場合は「DDNSサービスの登録が完了しているか」「機器の設定が間違っていないか」などをチェックします。

接続テスト

最後に、外部(インターネット)から社内ネットワークへアクセスできるか確認します。接続テストで問題があった場合は、以下の項目を確認しましょう。

DDNSサービスの設定
●機器の接続設定
●IPアドレスで直接通信できるか確認
●digやnslookupコマンドによるDNSの名前解決が想定通り動作しているか確認
●機器に導入しているセキュリティソフトウェアの設定

なお同じLAN内のパソコンからは、DDNSサービスを利用している機器にホスト名でアクセスできないことがあります。NTT東日本の「IPv6 ダイナミック DNS」であれば、ホスト名からIPv6アドレスを参照するため、同じLAN内の機器に対してもホスト名でアクセス可能です。

05.DDNSサービスを導入するならNTT東日本の「IPv6 ダイナミック DNS」がおすすめ


DDNSサービスの導入を検討している企業には、NTT東日本の「IPv6 ダイナミック DNS」がおすすめです。「IPv6 ダイナミック DNS」は、フレッツ光のIPアドレスとドメイン名(i.e-ntt.jp)を結びつけるサービスで、以下のようなメリットがあります。

  • ●Webからの申し込みで即時利用可能
  • ●低コスト(初期費用なしで月額利用料550円から)
  • ●サブドメインの作成上限数なし
  • ●閉域網内での通信なのでインターネットを介した攻撃が発生しない
  • ●特別な装置やクライアントソフトウェアなしで拠点間の通信を構築可能
  • ●ICMP(Ping)NTPのパケットで、機器からIPアドレスの更新が可能
  • ●IPv6を利用可能

なお「IPv6 ダイナミック DNS」に加えて「フレッツ・キャスト」を活用すれば、複数の拠点へ大容量のデータ配信を行えます。B2C(消費者相手の)コンテンツ配信を考えている企業や、社内の重要情報を多拠点間でやり取りしたい企業は、ぜひ「IPv6 ダイナミック DNS」と併せて導入をご検討ください。

IPv6 ダイナミック DNSサービスについて詳しくはこちら

フレッツ・キャストについて詳しくはこちら

06.まとめ


DDNSサービスは動的なIPアドレスを疑似的に固定するシステムで、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

デメリット

  • ●費用の軽減
  • ●管理が容易
  • ●アドレス変更にタイムラグがある

なおDDNSサービスの導入を検討している企業は、セキュアで低コストな「IPv6 ダイナミック DNS」がおすすめです。また「フレッツ・キャスト」と合わせて活用することで、コンテンツ配信や社内情報の多拠点間通信を安全・手軽・低コストで実現できます。ご興味のある企業の担当者さまは、ぜひNTT東日本へお問い合わせください。

IPv6 ダイナミック DNSサービスについて詳しくはこちら

フレッツ・キャストについて詳しくはこちら

ページの先頭へ

IPv6 ダイナミック DNSのトップに戻る

ページ上部へ戻る