実は、学生時代からの友人から地方移住を決めたっていう連絡が来てね。
理由を聞いたら「完全テレワークに切り替えになったから生活コストが安くて育児しやすいところにする」って言うのよね。それで興味が湧いちゃって、いくらあれば実現できるか計算していたの。
出ていくお金だけじゃなく、もらえるお金も計算するといいですよ。
今年度からテレワーカーが移住支援金の対象になっているので、移住する場所によっては国や自治体から補助金が出るんです。
そうなの!?それは知らなかった。
理想の暮らしが手に入って、お金ももらえるなんて、良いことづくめね…!
テレワークをしながら地方移住すると、どんな暮らしになる?
テレワークで在宅時間が増えた2020年5月以降、東京からの転出数が増えています。どこでも仕事ができるテレワークなら、これまで通勤のために住んでいた場所にしばられる必要もありません。都心のような便利さはなくても「これまで以上に育児や趣味、家族との時間が充実している」と感じる暮らしが、移住先で待ち受けています。
故郷にUターンしてテレワークを続ける場合
たとえば、仕事場のあった首都圏から、故郷へUターンしてテレワーク勤務を続ける場合、どんな暮らしが待っているのでしょうか?
家が2倍近く広くなるのに対して、家賃は半額に。代わりに、鉄道網が都心ほど発達していないため、乗用車が生活必需品になります。
生活コストは半減まで行かず、3割減程度におさまりました。
仕事は首都圏の自宅でテレワークしていた業務をそのまま続ける形で、変化はありません。
一方、プライベートでは大きな変化が。地元ということで古くからの友人も多いため、バーベキューやキャンプなどアウトドアを楽しむ機会が増えてきました。
首都圏にも地方にも家を構える、2拠点生活の場合
一方は完全テレワーク、もう片方はリモートワーク対応もありつつ、ときどき現場出勤が必要な職場という共働き夫婦の場合、地方移住が難しく思えるかもしれません。しかし、「自然豊かな地方で子育てをしたい」という夢を叶えるために、2拠点生活を選ぶ家族もいます。
前提として、出勤日をある程度固定するなどの調整が必要になります。
たとえば、月に1~2週間は夫婦のうちどちらかが首都圏の自宅に滞在し、職場に出勤。もう一方と子どもは、そのまま移住先で過ごすという2拠点生活であれば、実現が可能です。
2拠点生活を行う場合、「首都圏への移動が便利である」「何かあった場合に実家の助けを借りやすい距離」を意識して移住先を選ぶとストレスが少なく、暮らしやすくなります。
テレワーカーの地方移住を支援する補助金制度が登場
国がこれまで実施していた移住支援金制度は、「地方で起業・就業すること」が条件でした。しかし、テレワークが浸透し地方移住への関心が高まった状況を踏まえ、2021年度から「テレワークで従来の仕事を続けつつ地方に移住した人」も対象に追加。東京から地方へ移住した場合、最大100万円の補助金が交付されることになりました。
移住支援金の対象となるのはどんな人?
国が実施する「地方創生移住支援事業」は、東京圏への一極集中を是正し、地域社会の活性化を目的としたものです。そのため、支給対象の「東京23区に在住または通勤していた人・世帯が、東京圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)以外の地域に移住した場合※1」に限られます。
以下に移住支援金の対象となる要件をまとめてみました。
対象者
移住直前の10年間で通算5年以上、東京23区に在住または通勤していた人
移住先
東京圏以外の地域(ただし奥多摩町、秩父市、館山市、真鶴町などの条件不利地域は除く)。
東京圏以外でも、大阪・沖縄は支援対象外となるなど、支援対象地域が細かく設定されているため、事前に確認が必要です。
※1:支援対象地域の一覧はこちら
移住先での要件
移住先で以下のうちいずれかの要件を満たす必要があります。
- 地域の中小企業への就職
・移住支援金の対象として都道府県のマッチングサイトに掲載されている求人に就業すること。
・または、プロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を利用して就業すること。 - テレワークにより移住前の業務を継続
※テレワーク移住の場合はこの項目に該当
・自己の意思によって移住し、移住先で移住前の業務を引き続き行うこと。 - 市町村ごとの独自要件
・市町村が地域や地域の人々と関わりがある者(関係人口)として認める要件を満たすこと。(要件は市町村によって異なるため、詳細は移住希望先へ要問合せ) - 地方創生起業支援事業を活用
・1年以内に起業支援金の交付決定を受けていること。
その他条件
・5年以上移住先に居住する意思があること
・転入後3カ月~1年以内に支援金の申請を行うこと
補助金の支援額
世帯の場合は100万円以内(18歳未満の世帯員を帯同する場合は18歳未満の者一人につき最大100万円を加算)、単身の場合は60万円以内で都道府県が設定する額
東京圏とは?
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県 の1都3県を指します。
条件不利地域とは?
政令指定都市を除く、「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」「山村振興法」「離島振興法」「半島振興法」「小笠原諸島振興開発特別措置法」の対象地域を有する市町村のこと。
独自の補助金・支援制度を設けている自治体も
国が実施している「地方創生移住支援事業」以外に、住宅支援のほか、仕事、子育て、通勤補助金、移住体験支援など、自治体独自の補助金や支援制度を設けている場合もあります。
国から支給される「移住支援金」と併用できるので、移住を検討する際には、各自治体で利用できる制度をチェックしてみることをおすすめします。
たとえば、以下のようなユニークな支援制度を設けている自治体も。
- 茨城県境町では、新築一戸建てを借りて20年住み続けると、家と土地を無償で譲渡
- 福島県喜多方市では、家を新築して10年以上居住した人に最大400万円を支給
- 兵庫県朝来市では、家賃3万円で最長2年間「お試し移住体験住宅」を賃貸できる
一般社団法人 移住・交流推進機構が手がけるポータルサイト「JOIN」に最新情報が掲載されているので、目当ての地域がある場合は事前に確認してみるとよいでしょう。
移住を検討するなら2024年までがお得!?
テレワークの浸透により、「慣れた仕事を遠隔リモートで続けながら、好きな場所に移住する」という暮らし方が可能になりました。豊かな自然環境、広い家など、育児に理想的な環境を求めて地方移住を決める人も増えていくかもしれません。
なお、国の「地方創生移住支援事業」で補助金をもらうためには、2024年までに移住する必要があります。決心がつかずにいる場合は、移住先候補を調べながら、理想のライフスタイルをイメージしてみてはいかがでしょう。
アキコさん、今日はいつも以上に熱心ですね~!
昼休憩の間もずっと電卓を叩いていましたけど、急ぎの案件ですか?