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実社会のイノベーションを“自分ごと化”する学習体験

学校法人聖学院様
ビジネス創造ワークショップ ご活用例事例 学校法人聖学院様 実社会のイノベーションを“自分ごと化”する、中高生向けビジネス創造ワークショップ NTT東日本が運営する体験型ICT施設「NTTe-City Labo」で、最先端技術の見学と、企業の新規事業開発を体験するワークショップに参加した、聖学院中学校・高等学校ならびに女子聖学院中学校の生徒たち。学校の狙いや、生徒たちに生まれた「リアルな変化」について、お話を伺います。

「イントレプレナー」——企業に属しながら新しい事業を生み出す、企業内起業家。「NTTe-City Labo ビジネス創造ワークショップ」は、そのリアルな視点に触れることを目的とした1dayプログラムです。このプログラムでは、NTT東日本の体験型ICT施設「NTTe-City Labo」で最先端技術を見学した後、生徒たちが企業の新規事業開発担当者になりきり、実践形式でビジネスアイデアの創出から評価のプロセスを体験します。プログラムには、NTT東日本で新規事業創出を専門とする組織が実戦してきた知見・ノウハウが組み込まれているため、ビジネスコンテストへの参加を目指す生徒にも有用です。

今回、このプログラムに参加したのは、聖学院中学校・高等学校ならびに女子聖学院中学校に在籍し、SDGsやDXに関する課外活動に取り組む14名の生徒たち。彼らはこの一日で何を感じ、どのような成長を得たのでしょうか。プログラムを企画した聖学院の宮先生、山本先生と、参加した3名の生徒たちにお話を伺いました。

本物のビジネスに触れる、またとない機会を与えたい

生徒の知的好奇心に応えるため、SDGsやDXなどのテーマで主体的な学びの機会を設けている、学校法人聖学院様。今回のプログラムは、文部科学省が推進する「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」を通して、宮先生がNTTe-City Laboを知ったことから始まりました。

1つの施設で、これほど多くの最先端技術を見て、触れて、体験できる場所はなかなかない。生徒たちに刺さるのではと感銘を受けました。一言で言えば、ビビッときたわけです」(宮先生)

さらに、NTT東日本から提案のあったワークショップの内容が、一般的な「起業家(アントレプレナー)」育成ではなく、「企業内起業家(イントレプレナー)」の視点を学べるものだったことも、実施に至った理由のひとつだったと宮先生は語ります。

「会社員として働きながら新しい事業を創るという、より多くの生徒にとって現実的なキャリアのあり方を、企業のプロから直接学べる。これはまたとない機会だと感じました」(宮先生)

こうして、生徒たちの未来の選択肢を広げるべく、プログラムの実施が決定しました。このまたとない機会に応えるように、参加した生徒たちの胸中にも、自身の生活や活動に根差したリアルな探究心が芽吹いていました。

「中学3年生になり、何か新しいワークショップに参加してみたいと思っていました。そんなとき、校内SDGsプロジェクトの活動を通してこのプログラムを知ったので、農業とテクノロジーの組み合わせへの興味から参加を決めました」(加納さん・女子聖学院中学校3年生)

「父がNTT東日本で働いているのですが、どんな仕事で、自分の生活にどう関わっているのかを知りたくて参加しました。父からも『会社の全体像が見える、いい機会じゃないか』と勧められました」(澤田さん・聖学院高等学校2年生)

「SDGsプロジェクトでコミュニティガーデンを運営する中、水やりやコンポスト用の生ごみ処理といった作業負担の大きさに課題を感じていました。そこで、NTT東日本の技術が、その解決のヒントになるのではと思ったんです。また、実家が農家なので、その負担軽減にもつながるかもしれない、と感じました」(山崎さん・聖学院高等学校2年生)

こうして、それぞれのリアルな探究心に対する答えを見つけるため、生徒たちはNTTe-City Laboの扉を叩きました。

NTTe-City Laboの最新技術との“掛け算”から生まれるアイデア

当日のプログラムは、まず午前中のNTTe-City Labo見学から始まりました。見学は、テクノロジーの進化に焦点を当てた「DX(デジタル・トランスフォーメーション)コース」と、持続可能な社会課題解決をテーマにした「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)コース」の2つに分かれて行われ、生徒たちは自らの興味関心に応じた最先端技術と出会います。

「一番印象に残っているのは、空気中の水分を飲料水に変える技術です。実際に飲むこともできたのですが、“普通に”美味しくて。本当に実用的な技術なんだ!と感動しました」(加納さん)

「父の影響でドローンに興味がありましたが、設備点検用や農業用など、用途によってさまざまな種類があることに驚きました。精密に動く様子を見て、純粋に『かっこいいな』って」(澤田さん)

「ラボの敷地内にあった都市型の庭園は、まさに自分たちのSDGsプロジェクトが目指す理想形そのものでした。たとえば、プランターが作業しやすい高さに設定されていたり、スマートフォンで畑を遠隔監視できたり。テクノロジーと人への温かさが両立しているのを感じました」(山崎さん)

このリアルな体験で得た驚きや発見は、そのまま午後の「ビジネス創造ワークショップ」へと持ち込まれます。ここからは生徒たちが主役です。生徒たちは見学で得たインプットを元に、仮想の企業チームに分かれて新規事業のアイデアを創造していきました。

たとえば、山崎さんと加納さんが所属した「冷凍食品会社」のチームでは、山崎さんの個人的な原体験から生まれたアイデアが議論の中心となっています。

「昔から行きたかったお蕎麦屋さんがあったのですが、僕が訪れる前日に閉店してしまったんです。その味が二度と味わえないのが本当に悲しくて……。そこで、冷凍食品の技術で『味』を、午前中に見学したVR技術で『空間』を再現し、失われた名店を蘇らせるアイデアを考えました」(山崎さん)

このアイデアに、加納さんの「AIとロボットが、冷凍食品を使って日々の健康的な献立を自動調理してくれる」というアイデアが融合。「特別な日の名店再現モード」と「日常の健康管理モード」を併せ持つ、新しい食体験サービスが誕生しました。ラボでのリアルな技術体験というインプットが、生徒たちの個人的な想いと掛け合わされ、質の高いアウトプットへとつながっていることが分かります。

生徒たちの視点を変えた“新規事業担当者”の目線

ワークショップで生徒たちが最も苦労し、そして最も多くを学んだのが、アイデアをビジネスの視点で評価する、いわば「新規事業担当者の目線」を体験するプロセスでした。

「アイデア出しは得意でしたが、社会人経験がないので『実現可能性』を考えるのが一番難しかったです。でも、NTT東日本の方が用意してくれたワークシートは、『収益性』『ユニークさ』といったキーワードが非常に分かりやすく、思考の助けになりました」(山崎さん)

宮先生は、この「リアルな視点」に触れることこそが、プログラムの核心だったと語ります。

「『リスクは?』『コストは?』といった実社会における問いは、私たち教員の口からでは、なかなかリアリティを持って伝えられません。そのような中、実際に事業開発をしているNTT東日本の方々の生の声に触れられたことは、生徒たちの大きな財産になったはずです。技術と発想を掛け算することで、社会に対してイノベーションを起こす実現可能性が高まると考えています。体験を通して、生徒たちも同じように感じてくれたのではないでしょうか」(宮先生)

生徒たちの様子を見ていた山本先生も、彼らの成長に目を細めます。

「生徒のことは中学1年生から見ていますが、さまざまな経験を経て、知識と新しいアイデアを掛け合わせる力がついているのを感じます。今回のプログラムは、まさにそのアウトプットの場でした。生徒たちが『社会に対してイノベーションを起こす』というリアルな視点で物事を考えられるようになったのは大きな成長ですね」(山本先生)

イノベーションに触れ、考えることで、未来の可能性を拓く

先生たちの想いに応えるように、この一日で、生徒たちからの社会の見え方は大きく変わり始めたようです。

「もともと農業とテクノロジーの組み合わせに興味がありましたが、実際にロボットに触れたり、水を飲んだりする体験を通して、テクノロジーそのものの面白さに気づくことができました。これまであまり関心がなかったロボットの分野にも、『面白そうだな』と感じるようになったんです」(加納さん)

「参加前は、NTT東日本は漠然と『父が勤めている会社』でしかありませんでした。でも、自分が好きな美術館の絵画保存にもNTTの技術が使われていると知り、自分の世界とテクノロジーが身近につながっていることに気づけました」(澤田さん)

「農業とテクノロジーの具体的な結びつきが分かり、自分のプロジェクトや父がやっている農業にどう技術を活かせるか、判断材料を得ることができました。そして、僕たち生徒の興味関心を引き出すNTT東日本の方の工夫を見て、将来の夢である塾の先生になりたいという想いがより強くなりました」(山崎さん)

生徒たちの心に火を灯したのは、単なる知識の習得ではなく「心が動くリアルな体験」でした。山本先生は、この体験の価値をこう締めくくります。

「学校では提示できない、社会とのリアルな接点を生徒たちへ与えられたこと。さらには、5年後、10年後に当たり前になるであろう“少し先の未来”を生徒たちが体験できたことが、このプログラムの大きな価値だったと思います。今回の体験が、生徒たちが未来を切り拓くきっかけになってくれたら嬉しいですね」(山本先生)

それぞれの探究心を胸に参加した生徒たちは、「リアルな体験」を通じて、イノベーションを“自分ごと化”する、その確かな入り口を見つけ出しました。彼らはもはや傍観者ではなく、未来を創る当事者として、その一歩を踏み出したのです。

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