【最新】IT導入補助金2023の採択率は平均69.9%!不採択になる要因と改善のコツを解説
IT導入補助金は、申請すれば必ず採択される補助金制度ではありません。なぜ不採択の事業者がいるのか、理由や対策を知りたいという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、IT導入補助金の採択率や不採択の要因を減らすコツについてわかりやすく解説します。採択されるためのどのような準備が必要か理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
1.IT導入補助金2023の採択率は平均69.9%
IT導入補助金2023年の採択率は、平均69.9%です。申請枠ごとの採択率をまとめた表は、以下のとおりです。
申請数 | 交付決定数 | 採択率 | |
通常枠(A類型) | 1,871 | 1,363 | 72.8% |
通常枠(B類型) | 44 | 28 | 63.6% |
セキュリティ対策推進枠 | 25 | 20 | 80% |
デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型) |
2,744 | 1,735 | 63.2% |
参照元:交付決定事業者一覧|IT導入補助金2023
※2023年6月21日時点
最も採択率が高いのは、セキュリティ対策推進枠の80%でした。一方、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の採択率は63.2%で最も低くなっています。なお、採択率の結果はすべて1次締め切りの集計であり、今後の募集・交付決定数によって採択率は変動します。
2.IT導入補助金2022の採択率
IT導入補助金2022では、申請数や交付決定数の結果が公開されています。この章では以下3つの申請枠ごとに、採択率に関するデータについて解説します。
- ・通常枠
- ・セキュリティ対策推進枠
- ・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
自社で申請する際の参考にしてください。それぞれ順番に見ていきましょう。
2-1.通常枠(A類型・B類型)の採択率
IT導入補助金2022では、通常枠(A類型・B類型)の採択率が平均59.3%でした。
申請数 | 交付決定数 | 採択率 | |
1次締め切り | 2,987 | 1,648 | 55.2% |
2次締め切り | 3,447 | 1,887 | 54.7% |
3次締め切り | 2,981 | 1,458 | 48.9% |
4次締め切り | 3,454 | 1,513 | 43.8% |
5次締め切り | 2,000 | 1,222 | 61.1% |
6次締め切り | 2,401 | 1,559 | 64.9% |
7次締め切り | 1,954 | 1,364 | 69.8% |
8次締め切り | 1,911 | 1,285 | 67.2% |
9次締め切り | 2,960 | 2,023 | 68.3% |
参照元:経営サポート「技術革新・IT化支援・省エネ対策」|中小企業庁
平均で比較すると、通常枠(A類型・B類型)は3つの申請枠のうち最も採択率が低い結果となっています。多いときには半数以上が不採択となっており、採択されるためにはしっかりとした準備が必要と言えます。
2-2.セキュリティ対策推進枠の採択率
セキュリティ対策推進枠の採択率は、平均で96.9%です。
申請数 |
交付決定数 |
採択率 |
|
1次締め切り |
13 |
13 |
100% |
2次締め切り |
20 |
19 |
95% |
3次締め切り |
57 |
55 |
96.5% |
4次締め切り |
46 |
46 |
100% |
5次締め切り |
44 |
42 |
95.5% |
6次締め切り |
24 |
23 |
95.8% |
7次締め切り |
93 |
89 |
95.7% |
参照元:経営サポート「技術革新・IT化支援・省エネ対策」|中小企業庁
セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃へのリスク低減に活用できる申請枠です。3つの枠のうち採択率が最も高い結果でした。ただし、募集回数は最も少なかったため、IT導入補助金2023で申請を検討している事業者の方はスケジュール管理に注意しましょう。
2-3.デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の採択率の採択率
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)では、平均82.6%の事業者が採択されています。
申請数 |
交付決定数 |
採択率 |
|
1次締め切り |
650 |
566 |
87.1% |
2次締め切り |
1,662 |
1,467 |
88.3% |
3次締め切り |
1,823 |
1,562 |
85.7% |
4次締め切り |
2,131 |
1,855 |
87.0% |
5次締め切り |
1,712 |
1,422 |
83.1% |
6次締め切り |
1,944 |
1,601 |
82.4% |
7次締め切り |
2,149 |
1,759 |
81.9% |
8次締め切り |
3,075 |
2,648 |
86.1% |
9次締め切り |
1,390 |
1,092 |
78.6% |
10次締め切り |
1,666 |
1,299 |
78.0% |
11次締め切り |
2,051 |
1,635 |
79.7% |
12次締め切り |
1,832 |
1,503 |
82.0% |
13次締め切り |
2,012 |
1,577 |
78.4% |
14次締め切り |
2,239 |
1,812 |
80.9% |
15次締め切り |
2,252 |
1,886 |
83.7% |
16次締め切り |
2,618 |
2,146 |
82.0% |
17次締め切り |
4,312 |
3,551 |
82.4% |
18次締め切り |
3,281 |
2,810 |
85.6% |
19次締め切り |
7,037 |
5,448 |
77.4% |
参照元:経営サポート「技術革新・IT化支援・省エネ対策」|中小企業庁
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、3つのうち最も申請数や募集回数の多い枠でした。インボイス制度に対応するためのデジタル化に活用でき、会計や受発注などに関するソフトが導入できます。
3.【業種別】IT導入補助金の採択結果
中小企業庁が発表した資料から、IT導入補助金2021の通常枠A類型およびB類型において、業種別の採択結果を以下の表にまとめました。
業種 | 採択件数 | 割合 |
---|---|---|
建設業 | 1,999 | 26% |
製造業 | 1,412 | 18.3% |
卸売業、小売業 | 1,163 | 15.1% |
学術研究、専門・技術サービス業 | 950 | 12.3% |
医療・福祉 | 866 | 11.2% |
不動産業、物品賃貸業 | 194 | 2.5% |
運輸業、郵便業 | 182 | 2.4% |
生活関連サービス業,娯楽業 | 150 | 1.9% |
宿泊業,飲食サービス業 | 139 | 1.8% |
情報通信業 | 103 | 1.3% |
教育,学習支援業 | 63 | 0.8% |
その他(農業、金融業等) | 481 | 6.2% |
参照元:サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2022』の概要(広報用資料)|中小企業庁
IT導入補助金2021では、業種によって採択率にばらつきがあります。自社の業種がどれくらいの採択率であるか、申請前に確認しておきましょう。
4.IT導入補助金で採択率が下がる3つの要因
IT導入補助金は、申請しても不採択となる可能性があります。採択率の低下には、以下3つの要因があげられます。
- ・申請要件を満たしていない
- ・申請書類に不備がある
- ・経営改善の計画が不透明である
採択率が低下する要因を理解しておくことで、自社が申請する際に同様のミスを防げます。それぞれ順番に見ていきましょう。
4-1.申請要件を満たしていない
IT導入補助金は要件が細かく定められており、申請する際にはすべてを満たしていなければなりません。要件を満たしていない申請は不採択となるため、採択率の低下に影響を与えています。
IT導入補助金は、類型によって申請要件が異なります。ほかの支援制度との重複や過去の履歴によっては、補助金の申請が認められていない可能性があるため注意が必要です。
4-2.申請書類に不備がある
IT導入補助金には、申請書類の修正や差し替えができません。初回の申請書類のみで採択が決まるため、書類の不備は不採択の原因となります。申請不備の例は、以下のとおりです。
- ・住所の入力ミス
- ・会社情報の漏れ
- ・提出書類と入力内容の不一致
やり直しがきかないため、申請の際には正確な書類の準備が求められます。
4-3.経営改善の計画が不透明である
申請の際には、現状の課題分析とITツールの導入による効果予測を、正確かつ具体的にする必要があります。不透明な改善計画書は採用基準に達していないと見なされ、採択される可能性が下がります。
まずは、現状の自社の課題を正しく分析しましょう。導入するITツールが事業に対してどのような影響をもたらすのかは、数字や具体例を使って定量的にあらわすことが重要です。
5.IT導入補助金の採択率を向上させるコツ3選
IT導入補助金の採択率を向上させるためには、3つのコツがあります。
- ・補助金申請のプロに依頼する
- ・加点項目の条件を満たす
- ・申請スケジュールを正確に管理する
採択率を向上させて、自社の課題解決にかかる費用の軽減を目指しましょう。それぞれ順番に解説します。
5-1.補助金申請のプロに依頼する
IT導入補助金の採択率を向上させるためには、知識と経験のある専門家に依頼することが効果的です。ノウハウのある専門家に依頼することで、申請の不備や要件の確認不足を減らせます。専門家を頼ることで、本業と並行して手間なく申請が可能です。
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5-2.加点項目の条件を満たす
IT導入補助金には、審査に加点項目が設定されています。加点項目を積極的に採用することで、採択率の上昇が期待できます。加点項目の例は、以下のとおりです。
- ・インボイス対応製品の選定
- ・従業員に賃上げ目標を表明
- ・クラウド製品からITツールを選定
加点項目の条件を満たして、採択率アップを狙いましょう。
5-3.申請スケジュールを正確に管理する
IT導入補助金の募集は、複数回にわたって行われます。また、スケジュールは申請する類型によって異なります。
余裕をもってスケジュールを管理し、所定の期間内に目的にあった申請手続きを済ませることが重要です。申請スケジュールは都度更新されるため、最新情報はIT導入補助金の公式Webサイトを確認しましょう。
6.まとめ
IT導入補助金2023の採択率は、平均69.9%です。要件の確認不足や書類の不備があると、採択率の低下につながります。採択率を向上させるためには、知識と経験のある専門家に依頼することが効果的です。
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