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Writer:北森 雅雄

適格請求書発行事業者の登録番号とは?確認・検索方法や取得手順を解説

  • インボイス制度

    適格請求書発行事業者とは、インボイス制度の実施後において、税務署により適格請求書の発行の承認を得た事業者のことを指します。この書類は、取引先が仕入税額控除を受けるために必要な書類であり、交付がされない場合には取引先が多めに消費税を納付しなければならなくなる可能性があります。

    適格請求書発行事業者に登録することで取引先との信頼関係構築にもつながり、ひいては新規取引先の開拓にも繋がります。また、登録番号を調べられるようにしておくことで、取引先が適格請求書発行事業者を正しく確認できます。

    そこで、今回の記事では適格請求書発行事業者の登録番号とは何かについて解説します。適格請求書発行事業者の登録番号の調べ方を理解して、取引先との経理上透明性の高いやり取りを行いましょう。

    この記事の目次

    1.そもそも適格請求書発行事業者とは?【インボイスを発行できる事業者】

    適格請求書とは、売り手が消費税額や税率などを記載し、購入者に提供する書類です。この書類の交付ができるのは、適格請求書発行事業者の承認を受けた場合のみであり、以下の一定要件を満たす必要があります。

    この章では、以下の3点にについて分かりやすく解説します。

    • ・適格請求書発行事業者とは何か
    • ・適格請求書とは何か
    • ・適格請求書発行事業者登録制度

    自社が適格請求書発行事業者に登録すべきか分からない方は、ぜひ参考にしてください。

    1-1.適格請求書発行事業者とは

    適格請求書発行事業者とは、一定の登録条件を満たすことで買い手に対して適格請求書の発行の承認を得た事業者のことを指します。

    当書類は、売り手が支払った税を還付するために必要な書類であり、売り手の名称、住所、取引内容と金額、消費税額などが明記されています。買い手へこの書類を渡せるのは、適格請求書発行事業者として登録を認められている者に限定されます。請求書を発行することで、売り手は消費税の申告納税や入出金管理を正確に行えます。

    1-2.そもそも適格請求書とは何か?

    適格請求書とは、販売者が消費者に対して販売額や適用税率、消費税額等を正確に伝える、一定の法的要件を満たした書類のことを指します。この書類の中には、発行者の名称、住所、取引内容、金額、消費税額などが明記されています。

    商品・サービスの購入の際に受け取る書類であり、発行者の消費税の納付を証明する書類となります。この書類を税務署に申請することにより、仕入税額控除を受けて減税ができます。この請求書は、消費税の還付を受けるために必要な書類であり、発行者にとっては税務上の重要な記録となります。

    1-3.適格請求書発行事業者登録制度

    適格請求書発行事業者とは、税務署に認められた企業であり、その制度を適格請求書発行事業者登録制度といいます。この制度は、令和5年度税制改正によって、手続きや申請の柔軟性について見直しが講じられました。

    登録を認められた企業は、法的要件を満たしていることが証明され、「適格請求書発行事業者」として認定されます。適格請求書は、買い手において税金の還付のために必要な書類であり、税務上の信頼性を高められます。

    登録申請を希望する者は一定の条件を満たさなければならず、登録後も法的要件を遵守し続けることが求められます。この制度の導入により、当書類が発行されることが促進され、不正による罰則のリスクも減少することが期待されています。

    2.適格請求書発行事業者には登録番号が発行される

    適格請求書の発行事業者には登録番号が付与されます。この章では、登録番号の意味や役割について分かりやすく解説します。

    2-1.適格請求書発行事業者における登録番号とは

    適格請求書発行事業者としての登録番号は、インボイス制度登録の一部で、その登録申請が認められた事業者に発行される一連の番号です。この番号によって適格請求書発行事業者であることが識別できます。

    また、登録番号は「T+13桁の番号」で構成されています。法人であれば、その法人番号が使用され、個人事業主の場合は、法人番号と重複しない固有の数字が割り当てられます。この番号が適格請求書発行事業者としての身分を証明するための一つの手段となります。

    適格請求書(インボイス)を作成する際には、事業者名や商号と共に、登録番号を記載する必要があります。これにより、取引相手に対して自身が適格請求書発行事業者であることを明示できます。この登録番号の存在は、事業者がインボイス制度に準拠していることを示す信頼性のある証明となります。

    2-2.登録番号の役割

    適格請求書発行事業者の登録番号は、売り手と買い手双方にとって重要な役割を果たします。特に、売り手においては、登録番号が取引先に自身が適格請求書発行事業者であることを示す手段となります。この点は、取引関係の透明性を確保し、顧客の信頼を得るために重要です。

    一方、買い手にとっても登録番号は大いに意義があります。それは、取引相手が適格請求書発行事業者であることを確認し、仕入税額控除を受けるための必須要件となります。そのため、取引先が適格請求書発行事業者であるかどうかを確認する際には、登録番号の確認が必要となります。

    3.適格請求書発行事業者登録番号の3つの確認方法

    自社、または取引先が適格請求書発行事業者であるかを登録番号で判別する場合、以下のような3つの方法があります。

    • 登録通知書から確認する
    • ・適格請求書発行事業者公表サイトで検索する
    • ・法人番号公表サイトで確認する

    それぞれの手段について理解し、円滑に取引を進めましょう。

    3-1.登録通知書から確認する

    適格請求書発行事業者自身が登録番号を確認する場合、登録時に交付される通知書で確認できます

    郵送で申請した場合は書面、e-Taxで申請した場合は電子データで通知されますが、e-Taxで申請した場合は、メールアドレス宛にその旨が通知されます。

    ただし郵送の場合は、登録通知書を紛失しても再発行できないため、厳重に保管しておく必要があります。

    また、登録通知書では登録番号のほかに、以下の項目が確認できます。

    • ・申請年月日
    • ・登録年月日
    • ・登録番号
    • ・氏名または事業者名

    3-2.適格請求書発行事業者公表サイトで検索する

    適格請求書発行事業者の登録番号は、国税庁が公開している「適格請求書発行事業者公表サイト」から登録番号や登録事業者を確認できます。

    なお、「適格請求書発行事業者公表サイト」には、以下の2通りの確認・検索方法があります。

    • ・登録事業者一覧から登録番号を確認する
    • ・登録番号を入力して該当事業者を確認する

    取引先からの適格請求書が手元にある場合など、提示されている登録番号が名称が正しいかを確認したい場合に、登録番号を入力し確認しましょう。

    3-3.法人番号公表サイトで確認する

    自社の適格請求書発行事業者登録番号を確認する場合、または取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認したい場合、法人であれば国税庁の「法人番号公表サイト」で法人番号を調べることが可能です。これは、法人が特定の情報を公開するための一般的な手段です。

    次に、取得した法人番号を適格請求書発行事業者公表サイトで検索します。これにより、対象となる事業者が適格請求書発行事業者として登録されているかどうかが確認できます。

    しかし、適格請求書発行事業者公表サイトは登録番号が判明している場合に活用することが多いです。そのため、一般的にはすでに登録番号を持っている事業者が、自身の情報が適切に表示されているか、または最新の情報に更新されているかを確認するために用いられます。

    4.適格請求書発行事業者登録番号の取得手順【4ステップ】

    適格請求書発行事業者登録番号の取得には、以下の4つの手順を踏む必要があります。

    • ・登録申請書の作成
    • ・税務署へ提出
    • ・適格請求書発行事業者として公表
    • ・税務署から登録手続き完了の通知

    この章では、それぞれの手順について詳しく解説します。

    4-1.登録申請書の作成

    適格請求書発行事業者の登録申請をするには、消費税法に定められた書式に従って登録申請書を作成する必要があります。

    登録申請書には、事業者の基本情報や役員名簿、過去3期分の決算書、税務署とのやりとりを代理する者の情報などさまざまな情報が必要となります。また、登録申請書提出時には税務署の担当者が申請書をチェックすることになるため、必要な書類や情報を漏れなく揃えることが重要であり、正確かつ明確な情報を提供することが求められます。

    適格請求書発行事業者の登録申請書は国税庁のサイトから入手できます。以下のリンクからダウンロードしてみてください。

    参照元:適格請求書発行事業者の登録申請書|国税庁

    また、e-Taxで申請でき、申請受付は始まっています。e-Taxによる登録申請手続きについては以下をご確認ください。

    参照元:申請手続き|国税庁

    登録申請書を作成する際には、事業者自身が消費税法に基づいて正確に情報を提供することが求められます。また、登録申請書の作成だけでなく、登録後も適格請求書の発行に関する情報管理や、税務署とのやりとりなど、適格請求書発行事業者としての責務を遵守することが重要です。

    また、登録申請書の記入項目は以下の通りです。

    • ・本店または主たる事務所
    • ・納税地
    • ・氏名または名称
    • ・代表者氏名と法人番号
    • ・事業者区分
    • ・登録要件の確認
    • ・個人番号
    • ・生年月日または設立年月日
    • ・事業年度と資本金
    • ・事業内容
    • ・登録希望日

    4-2.税務署へ提出

    適格請求書発行事業者の登録申請書の作成ができたら、税務署へ提出・審査を受けることになります。税務署への提出の方法として、郵送とe-Taxの2つの方法があります。e-Taxでの申請の場合は、電子証明書が必須となります

    税務署に提出された申請書は記載された事業者情報や決算書などを確認し、適格請求書発行に必要な要件を満たしているかを判断されます。税務署の審査は、原則として2ヶ月以内に完了することが求められており、審査期間中に不備があった場合は通知を受けて追加提出が必要となることがあります。

    登録後も事業者は、適格請求書発行に関する情報管理や税務署とのやり取りなど責務を遵守して適切な対応を心がけましょう。

    4-3.適格請求書発行事業者として公表

    登録手続きが完了した後、税務署は適格請求書発行事業者として対象事業者を登録簿に記載し、また、国税庁の「インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト」で事業者情報を公表します。公表される情報には、登録日、事業者名、所在地などが含まれます。この公表により、事業者は他の事業者や一般消費者から適格請求書の発行依頼を受けられます。

    事業者が適格請求書発行事業者として公表されることで、信頼性が高まり、新規顧客を獲得する機会が増えるかもしれません。また、既存顧客との関係維持にも役立ちます。

    4-4.税務署から登録手続き完了の通知

    適格請求書発行事業者として登録が承認されると、税務署から登録完了の通知が届きます。e-Tax申請の場合は、登録アドレスに「登録通知データ」が格納されたメールが送信されます。

    この通知には、登録事業者の名称、住所、登録番号、登録日などが記載されます。通知を受け取ったら、記載内容に誤りがないか確認することが重要です。もし誤りがある場合は、登録が抹消されることがあります。

    事業者は、登録完了の通知を受け取った後、適格請求書の発行において法的要件を遵守する責務があることを認識しましょう。

    5.まとめ

    適格請求書発行事業者とは、適格請求書の発行を認められた事業者のことです。適格請求書発行事業者には登録番号が発行され、仕入れなどの取引の際に必要となる適格請求書に記載しなければなりません。

    登録番号は国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」や「法人番号公表サイト」などから確認できるため、取引先の番号が正しいかどうかが把握できます。また、自社で確認する場合でも、通知書などから確認できます。

    また、適格請求書の発行や管理を効率化するには、NTT東日本が提供する「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」や、会計ソフトを変えずに経理を効率化できる「freee経理 for おまかせ はたラクサポート」がおすすめです。インボイス制度に対応しているだけでなく、経理や会計業務の一元化が可能で、リアルタイムに経営状況を可視化できます。どちらのサービスも30日間の無料体験を用意していますので、一度体験してから導入を検討できるのもポイントです。

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    この記事を書いた人

    NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

    NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

    2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

    2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
    NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

    北森雅雄 masao kitamori

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