テレワークとWi-Fi
テレワークでのWi-Fiの選び方とは?Wi-Fiの基本的な種類や重要性について説明
2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大以降、感染防止のためにテレワークを導入する企業が増加しています。ワクチンの普及で感染者数が落ち着いてきた後も、完全出社ではなく週に数日のテレワークを並行して導入している企業も少なくありません。
今回の記事では、そんなテレワークにおけるWi-Fiの重要性や選び方について紹介していきます。
1. テレワークでのWi-Fiの重要性
在宅勤務に代表されるテレワークでは、Wi-Fiは非常に重要です。スマートフォンのテザリングを利用して業務を行うケースもありますが、業務用として会社から支給されているデータ通信量がたくさん利用できるものなどを除き、基本的には使い勝手が悪く、業務効率が落ちることが多いです。どのような点で、Wi-Fiは重要なのでしょうか。
①ビデオ通話などの大量のデータ通信
テレワークでは、ビデオ通話によるWeb会議や、クラウドシステムへのアップロード・ダウンロードなどをはじめとしたデータのやりとりなど、大量のデータ通信が必要になるケースが多いです。スマートフォンなどのテザリングでは、通信制限になるケースや、追加のパケット代を大量に支払うことにもなりかねません。
②通信速度・回線の安定性
フレッツ光などの光回線を利用した固定回線と比較すると、テザリングやフリーWi-Fiなどの安定しない回線ではビデオ通話の頻繁な停止や、データの送受信に時間がかかるなど、業務効率に直接的な影響が出るケースが多いです。
また、そもそもフリーWi-Fiはセキュリティ的に問題がある場合も多く、情報漏えいにつながる可能性があります。
③VPNなどのセキュリティ
テレワークで安全な通信をするためのVPNですが、インターネットVPNの場合は利用しているネット回線の速度に依存します。テレワークでもセキュリティの高い通信をするためには、そもそもインターネット回線を契約する必要があるケースもあります。
集合住宅の場合、インターネット回線があったとしても配線の柔軟性が低く、作業スペースまでケーブルを引けないこともあります。そのためWi-Fiが必要になることも。
企業としてVPNを新たに導入する場合は、遠隔設定や一括管理などのサポートがついたNTT東日本の「ギガらくVPN」や、契約不要・ユーザー登録不要の「シン・テレワークシステム」もおすすめです。
2. Wi-Fiの種類について
Wi-Fiの種類は大きく分けて、固定回線を利用したものと、モバイル回線を利用したものの2種類があります。モバイル回線のものは、ルーターがポケットWi-Fiのものと、据え置きのものがあります。
①固定回線
建物に電柱から回線を引き込んで、ルーターと有線で接続するタイプの回線です。光回線、ADSL回線を利用したものとなります。
通信速度や安定性、同時接続台数などから、オフィスや家庭などでの利用でのスタンダードです。
②モバイル回線
光回線などの固定の回線を引き込んで接続せず、各社のモバイル通信を利用するWi-Fiの形式です。固定回線よりも通信は安定せず、通信速度や通信制限などは厳しいですが、工事不要で手軽に利用開始できます。レンタルで一定期間の利用なども可能です。
利用エリアは全国に広がっていますが、対応していないエリアや、屋内や地下では電波が届かないこともあります。
モバイル回線には2種類のルーターがあります。
(1)ホームルーター
電源に接続するWi-Fiルーターです。持ち運びはできませんがスマートフォンと同じようにモバイル回線を利用します。有名なものはソフトバンクAirなど。ポケットWi-Fiよりは通信が安定しやすいです。
(2)ポケットWi-Fi
充電して持ち運びが可能なWi-Fiルーターです。モバイル回線の多くは、こちらのルーターを利用します。ホームルーターに比べて電波の受信がしにくいことがあり、同じ場所であっても屋内などでは電波が弱いことや入らないことがあります。持ち運びができるため、自宅以外での場所でもWi-Fiを利用できる点が優れています。
3. テレワークでのWi-Fiの選び方
ここでは、同じテレワークでも働くシチュエーションは様々なため、それぞれにおすすめのWi-Fiの選び方を紹介します。
①在宅勤務が中心なら
在宅勤務が中心なら、光回線を契約して固定回線を引き込むのがおすすめです。固定回線はポケットWi-Fiよりも通信が安定しています。ポケットWi-Fiは室内では電波が弱く、利用できないこともあります。
また、在宅勤務であれば持ち運びができるというメリットもあまり活きないため、場所が限られる代わりに通信速度が安定している固定回線が適しています。
②在宅以外でもテレワークがあるなら
カフェやサテライトオフィスといった、在宅勤務以外での勤務が頻繁に想定される場合、ポケットWi-Fiの契約が選択肢に入ります。固定回線の利用を基本として、外での利用はフリーWi-Fiという方式も考えられます。
ただし、カフェなどで提供されるWi-Fiを利用する場合はセキュリティに気を付けましょう。公共のWi-Fiは不特定多数の人がアクセスできるため、通信内容の不正利用などの可能性があります。頻繁に利用する場合は、ウイルス対策ソフトを導入しておきましょう。
③一時的な利用の予定なら
テレワークの予定が一時的な場合、工事が必要なくレンタルで利用できるホームルーター型のモバイル回線の利用、またはポケットWi-Fiの利用が適しています。レンタル期間を週単位や月単位で細かく指定でき、不要時に返却できるため、手軽に利用可能です。
モバイル回線も携帯電話と同じように最低契約期間が2年ほど定められている方式が多いため、期間限定の一時的に利用できるサービスと間違わないようにしましょう。
④すぐ使う必要がある場合は
すぐに使いたい場合は、在庫があればすぐにレンタルできるホームルーターやポケットWi-Fiが適しています。一時的な利用の場合と同様、回線を契約するのではく、専門のレンタル業者を探しましょう。店舗に在庫があれば即日レンタルも可能です。
4. Wi-Fiサービスを選ぶポイント
どのようなWi-Fiの形式を利用するかを決めたら、どの業者のWi-Fiサービスを選ぶか検討しましょう。ここではテレワークに限定した条件ではなく、Wi-Fi業者を選ぶときのポイントを紹介します。
①提供エリアに入っているか
モバイル回線のWi-Fiの場合、提供可能エリアは随時拡大中であることが多いです。古いタイプのサービスの場合、提供可能エリアだったとしても、通信速度の早い最新のプランには対応していない場合もあるので、契約前に対応状況を各社のサイトで調べておきましょう。
固定回線の場合も、同様に工事可能なエリアであるか忘れず確認しましょう。また、集合住宅の場合はそもそも工事ができない規約があることもあるので、オーナーや管理会社に念の為確認しましょう。
②速度制限などのルール
モバイル回線のWi-Fiの場合、3日間で10GBなどの通信制限のルールが存在することがほとんどです。実際に利用するデータ量を考えて、通信制限になることがないか想定しておきましょう。
③月額料金
サービスを選ぶポイントとして、月額料金の差はもちろん、キャッシュバックやタブレットやゲーム機などがもらえるといった特典もあるため、キャンペーン情報なども確認しておくと良いでしょう。
モバイル回線だけでなく、固定回線でもキャンペーンで一定期間の料金が無料になるものもあります。
④解約のルール
レンタルではなく契約する場合は、違約金のかからない最低利用期間の設定と、その期間内に解約した場合の違約金の発生などのルールを確認しましょう。スマートフォンと同様に2年間が一定の目安になります。
また、期間内に引っ越しなどを行う場合は、解約扱いにならず引っ越し先でもWi-Fiを利用できるサービスもあります。契約後の利用期間や、在住の予定などを考慮してサービスを選びましょう。
⑤最新式のルーターが利用できるか
最近は従来の通信方式であるIPv4から、より通信速度の低下を抑えられるIPv6という通信方式が登場しています。多くの場合、Wi-Fiルーターは回線を契約した業者からレンタルしますが、この方式に対応しているルーターがレンタルできるサービスであるかも選ぶポイントです。
まだ新しい通信方式のため、状況によってはIPv6の接続がうまくいかない場合もあります。その時に、IPv4の接続に切り替えられるルーターであればどちらも対応できるので、レンタルできるルーターが切り替え可能かも確認しましょう。
5. まとめ
今回の記事では、Wi-Fiの種類や方式、テレワークの形態に合わせた選び方などについて紹介していきました。
テレワークを行うにあたり、Wi-Fiの契約はほぼ必須といえます。ご自身の状況にあわせて、最適なサービスを選択してください。
NTT東日本では、テレワークでもセキュリティ性の高い通信が可能な「ギガらくVPN」という法人向けサービスがあります。これからテレワークを始める企業でも、開始から管理まで手厚いサポートでスムーズにVPNが利用可能です。
また、その他にもテレワークに関するお悩みをまとめた「テレワーク導入ガイドブック」という資料もございますので、ぜひ以下のリンクからご覧ください。