ネットワーク環境の見直しと
サポートの一元化で、
SINET接続への環境整備を実現
「SINET」(サイネット)は、国立情報学研究所(NII)が構築・運用している情報通信ネットワークです。2018年11月時点で800以上の大学や研究機関などとつながる学術情報基盤として機能しています。このSINETに、安全に、快適な環境で接続するため、新棟建設のタイミングでネットワーク全体の見直しを行ったのが大正大学です。学生がICTを活用し自由に学ぶ環境を築くため、ネットワーク環境の整備だけでなく、ハードウェアの刷新、データセンターへのシステム集約、情報セキュリティ対策、パソコン教室の更改などさまざまなICT環境改善を行っています。長期的なスパンで改修を続ける大正大学の担当者に、「大学が行う大規模ネットワーク改修時のポイント」や「NTT東日本をパートナーに選んだ理由」などをお聞きしました。
大正大学
導入いただいたソリューション (導入時期 2015年~2018年)
ネットワーク機器、AV機器、セキュリティ機器、基幹サーバ、シンクライアントシステム、ひかり電話オフィスA、データセンターハウジングなどを含む、ネットワーク関連事業全般
ソリューション導入効果
- ネットワーク関連のコンサルティング、機器選定や工事手配などをNTT東日本に一元化。すべて任せることで安心できた
- 管理の一元化によって、トラブル発生時に、担当者が原因の特定・切り分けなどを行う必要がなくなった
- 新たなネットワーク関連の導入費用を抑えることができた
NTT東日本選定のポイント
- ネットワーク全般に強く、システムや運用まで一元化することができること
- トラブル発生時に原因を特定し、丁寧なサポートを行ってくれること
- 予算等の条件にあわせたきめ細かい提案をしてくれること
SINET接続への全面切り替えを契機に、
ネットワーク環境を全体的に見直した
――SINETへの全面切り替えをきっかけにして、ネットワークの見直しプロジェクトが始まったとお聞きしました。その経緯についてお聞かせください。
畑中氏:国内の研究機関・学術機関が無償で使える、研究に特化したネットワークであるSINETに切り替えることが決定した際に、「せっかくなら、ネットワーク全体を見直し、よりよい環境でSINETに接続しよう」ということになりました。
理系大学ではなく文系大学がICTやネットワークに力を入れるケースは、まだ多いとは言えません。SINETをはじめ、私たちがICT環境に力を入れるのは、AIやIoTといった先端技術をきちんと取り入れるなど、積極的に新しい取り組みをしていきたいと考えたからです。
日野氏:見直しに当たっては、コストを抑えながらより手厚いサポートをしてくれる事業者に切り替えることも重要でした。大正大学では、情報システム課ではなく施設課がネットワークまわりの管理や運用を担当しています。ITの専門組織ではない私たちが新校舎の建設や古い校舎の修繕などと並行してネットワーク整備を進めていくためには、ワンストップで丁寧なサポートをしてくれる、頼りになるパートナーを探さなければならないと考えました。また、建物に莫大な経費がかかるため、「ネットワークについては無駄を省いて、価格を抑えつつ良いものを導入したい」という希望もありました。
そこで、ネットワーク全般に強く、システムや運用までワンストップでお任せできるNTT東日本を、パートナーに選定しました。コストについても、私たちの条件のなかで最適な提案をいただけました。
NTT東日本のサポートで、
長期スパンでの大規模改修に挑戦
――初めてNTT東日本とともに取り組んだのが、2015年の15号館におけるネットワーク構築だったそうですね。2016年には13号館のパソコン教室更改、2017年には基幹サーバの更改およびセキュリティ機器の導入、そして2018年は、コアスイッチや棟間接続スイッチの更改などを進めていらっしゃいます。NTT東日本と長期的なスパンでタッグを組んで、どのような点がよいと感じていますか?
髙橋寛行氏:なにより助かっているのが、コンサルティング・保守・運用・管理を一元化できたことですね。それまでは複数社のサービスを利用していたため、なにか問題が起きたとき、まずは「どの部分が原因で起こったトラブルなのか」「A社、B社、どちらのサービスに問題があるのか」を見極めなければなりませんでした。私たちにとっては、この切り分けが本当に難しかった。現在はNTT東日本に「トラブルが起きた」と連絡するだけで、NTT東日本が導入したソリューションに関しては、原因の調査、切り分け、対応を行ってもらえるのはもちろん、NTT東日本の商品ではない、外部サービスのトラブルについても、原因と思われる箇所のアドバイスなどをいただいときは、本当に有り難いと思いました。しかも問題が解決するまで、責任を持って、しっかり面倒を見てくれる。どんなに小さなことでも、スピーディーに、親身になって対応してくれるので、とても心強く思っています。
――提案についてはいかがでしたか? ネットワーク構造や情報セキュリティに関する複雑な提案も多かったのではないかと思いますが。
高橋泰行氏:とてもわかりやすく説明してくれました。特に印象に残っているのが、VPNの提案です。「学内と離れたところにある建物をつなぐネットワークを敷設しなければならないが、どうしたらよいか」と相談したとき、「仮想的なネットワークをつくれば解決できる」と絵を用いてわかりやすく説明してくれたので、すぐに理解できました。話をうかがう前は「どうやって学内と外部のネットワークをつなぐんだろう」「まさか穴を掘るわけにもいかないし……」と思っていたのですが(笑)、一気に不安が払拭されたことを覚えています。
畑中氏:大学の事情をわかった上での提案も魅力的だと感じました。講義や試験、教員や学生の動きに支障が出ないよう、長期的なスパンで、少しずつ更改を進めていくようなプランを提案していただいたんです。
経費の面でもいろいろと相談させていただき、いつも助けてもらっています。結果、コスト面でも、大変満足しています。
変化に対応する、持続可能な大学へ。
学生を惹きつける環境をつくり続ける
――大正大学様は、毎年着実に、ネットワーク環境の強化を進めていらっしゃいます。そこには、どのようなねらいがあるのでしょうか?
日野氏:大学を取り巻く環境はどんどん厳しくなっています。今後は出生数の減少による少子高齢化で、ますます大学経営が難しい時代になっていくでしょう。多くの大学が生き残りを賭けて教育改革を行っている今、私たち大正大学も、変わらなければならないと感じています。
大正大学がめざすのは、変化に対応する持続可能な大学です。そのためには、保護者や学生の期待に応え、信頼と満足を生む、大きな“魅力”をつくらなければなりません。今後増えていくデジタルネイティブ世代の学生たちを惹き付けるような魅力づくりを行うには、ICT環境の整備が必要不可欠。学生にICT環境を自由に使って学んでもらえるよう、今後もネットワーク整備を推進していく予定です。
2020年には、AI、IoT、ロボットなどの技術を活用したスペースを含む新8号館が新設される予定です。また、外部での授業が増加することを見越して、テレビ会議システムや外部ネットワーク環境も整備していきたいと考えています。
2026年、大正大学は、設立100周年を迎えます。日本を支えるような人材を育成するため、まずは100周年をめざして、親身のサポート、ワンストップでの対応、高い提案力を持つNTT東日本と歩んでいきたいと思っています。
学校名 | 大正大学 |
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大学概要 | 大正大学は、設立四宗派の天台宗・真言宗豊山派・真言宗智山派・浄土宗および時宗が協働して運営する大学です。そうした協働の精神を支えているのが、大正15年(1926)の創立時に本学か掲げた、「智慧と慈悲の実践」という建学の精神です。そして、建学の精神のもとに〈慈悲・自灯明・中道・共生〉という仏教精神に根ざした教育ビジョン「4つの人となる」を掲げて教育研究の活動を展開しています。 |
学部 | 地域創生学部、心理社会学部、人間学部、文学部、表現学部、仏教学部 |
大学院 | 仏教学研究科、人間学研究科、文学研究科 |
専任教員数 | 150名(2018年5月1日現在) |
職員数 | 152名(2018年5月1日現在) |
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