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設備の遠隔監視でできることとは?メリット・デメリットも解説!
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2024.2.20 (火)Posted by

設備の遠隔監視でできることとは?メリット・デメリットも解説!
工場などの設備の監視・点検業務を効率化したい場合は、センサーなどのIoT機器を活用して「遠隔監視」を実現すると良いでしょう。
各設備の状況を遠隔で監視できるようになれば、業務を効率化でき従業員の負担は大きく軽減されます。
導入するメリットは多いものの費用がかかるといった注意点もありますが、まずは遠隔監視でできることを押さえてから検討を開始する必要があるでしょう。
そこで今回は、設備の遠隔監視でできることについて解説します。
遠隔監視の導入のメリットやデメリットについても触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
1:設備の遠隔監視とは
2:設備の遠隔監視のメリット
3:設備の遠隔監視の注意点
4:具体的なセンサーやカメラを使った遠隔監視の活用例
5:設備保守パッケージの活用もおすすめ
6:まとめ
1:設備の遠隔監視とは
設備の遠隔監視は、センサーやカメラといったデバイスを工場などの設備に設置し、離れた場所から設備や機器を監視することです。
点検作業の負担を軽減できる他、人件費の削減などに繋がりやすいため、工場やビルメンテナンスなどで利用されています。
また、その応用範囲は非常に広く、製造業の工場以外にも農業や漁業などに使われており、業務効率化に貢献しています。
2:設備の遠隔監視のメリット
設備の遠隔監視のメリットを実現する主なメリットは次の通りです。
・現場に行かなくても監視できる
・複数の設備を一括で監視できる
・異常を早期発見し対応できる
・AIと組み合わせて常時監視を実現できる
現場に行かなくても監視できる
遠隔監視の最大のメリットは人が現場に行かなくても状況を把握できる点です。
センサーで取得した情報やカメラの画像から、離れた場所でも機器の稼働状況などを監視できるため、作業者が設備を巡回する必要はありません。
複数の設備を一括で監視できる
遠隔監視ではオフィスなどの拠点1箇所で、離れた現場にある設備や機器の状況を一括で監視できる点も大きなメリットです。
従来はそれぞれの拠点に作業員を配置し、監視・点検する必要がありました。
しかし、遠隔監視の環境を実現することにより、離れた場所の状況を確認しやすくなります。
これにより複数の場所を一括で監視できるようになりました。
異常を早期発見し対応できる
現場に行かずに複数の設備を一元で監視できることにより、異常の早期発見も可能です。
従来の方法では、監視員・作業員が点検のために複数の拠点を巡回する必要がありましたが、次の点検までにタイムラグが発生します。
この間にトラブルが発生する可能性があり、それを防ぐためには巡回の回数を増やす必要があるため、従業員の負担は増大するでしょう。
遠隔監視を実現すると離れた場所の状況をリアルタイムに把握できるため、異常があれば早期に発見できます。
AIと組み合わせて常時監視を実現できる
遠隔監視はAIとの相性が良く、組み合わせることによってより効率化できます。
例えば、製造機械の振動をセンサーで監視し、振動が故障や異常に繋がるものかどうかをAIに判定させることができます。
もし異常があればアラートを出すシステムを導入することにより、人が監視せずとも異常発生時にすぐ対応できるでしょう。
3:設備の遠隔監視の注意点
設備の遠隔監視の注意点を導入する際には、次の2点に留意しなければなりません。
・セキュリティ対策が必要である
・費用が発生する
セキュリティ対策が必要である
遠隔監視はネットワークを介する必要があるため、セキュリティ対策を万全に行う必要があります。
もしセキュリティに穴があれば、外部から不正に侵入され重要なデータが奪われる・漏れる可能性があります。
悪意がある攻撃の場合、間違った情報を流されたりシステムが乗っ取られたりします。
製造業の工場であれば、生産停止に繋がり大きな損失を生むことになるでしょう。
そのため、侵入を許さないように防御を固める必要があり、また不正に侵入された場合にも異常と検知してアラートによって知らせる必要もあるでしょう。
セキュリティシステムを導入するなど万全の体制を構築していても、人為的なミスにより侵入や攻撃を許すケースも珍しくありません。
そのため、アクセスできる権限の設定・管理や、パスワードの管理、使用するデバイス・端末の管理なども必要になるでしょう。
費用が発生する
遠隔監視はメリットも多く業務を効率化できますが、環境を構築するためにはさまざまな機材・システムを導入しなければなりません。
そのため、導入に費用が発生します。
場合によっては大規模な設備投資が必要になるでしょう。
そのため、遠隔監視システムを作る際には監視すべきポイントを絞り、効率よく監視することも重要です。
実際に、監視する対象が多くなると、システムの構築や管理にかかる労力、費用も増えるため注視してください。
4:具体的なセンサーやカメラを使った遠隔監視の活用例
センサーやカメラを使った遠隔監視の活用例には次のようなものがあります。
・冷蔵・冷凍設備の温度管理
・電力センサーでの電力使用量管理
・タンクの残量確認
・廃液の流量確認
・貯水設備の水量確認
・設備の圧力メーター確認
・倉庫の温湿度管理
冷蔵・冷凍設備の温度管理
温度センサーを活用することにより冷凍冷蔵設備の温度管理を自動化することが可能です。
冷蔵・冷凍設備は細かい温度変化が生じることがありますが、保管しているものの品質を保つためには、一定の温度をキープする必要があります。
温度センサーを活用することにより、適切に空調など冷蔵機能を稼働させ、効率良く温度を維持できます。
電力センサーでの電力使用量管理
電力センサーを使用することにより、設置した機器の電力使用量を管理できます。
例えば、工場などの設備に設置することにより、電力消費量が分かるため電気使用の無駄を見つけやすくなります。
製造業の工場など規模が大きいものになると、年間の電気代は膨大な額になるため、電力センサーの活用により電気代の節約に繋がります。
タンクの残量確認
流量センサーやビームセンサーなどを活用することにより、タンク内の残量を検知することが可能です。
タンクは工場などさまざまな施設で利用されており、基本的には人の目で残量を確認する必要があるでしょう。
その点、センサーを利用することにより残量を自動的に確認し、適切に対応できるため業務効率の向上に繋がります。
廃液の流量確認
漏水センサーや流量センサーを活用することで、廃液の流量を確認・把握できます。
廃液の量が多過ぎる・少な過ぎるといった異常を検知することにより、重大な事故が発生する前に対処できるでしょう。
貯水設備の水量確認
貯水設備にもさまざまなセンサーが利用されており、人の目で確認しなくとも水量を把握できます。
貯水設備の水量が少ない状態であれば、もしものときに対応できません。
また、センサを使い遠隔で操作することにより、水量を規定値に保つことも可能です。
設備の圧力メーター確認
ガスや蒸気を扱う設備の場合、気圧センサーなどを活用することにより圧力メーターの確認を自動化できます。
これらの設備の場合、ものによっては周囲が高温になることもあり、人の手で確認する場合は作業者の負担が大きくなるため、センサーを活用する効果は大きいといえるでしょう。
倉庫の温湿度管理
先程の冷蔵・冷凍設備と同様に倉庫内の温度を適切に保つことができます。
また、倉庫に保管するものによっては温度だけでなく湿度も重要になります。
湿度を計測できるセンサーもあり、倉庫内の環境を適切に保てるでしょう。
5:設備保守パッケージの活用もおすすめ
NTT東日本が提供する「置くだけIoT~設備保守パッケージ~」は、データを取得したい設備に外付けのセンサーを設置し、システムを導入することによって遠隔監視を実現できるサービスです。
センサーの種類は30種類以上もあるため、工場などの各設備に適したものの導入が可能です。
これらのセンサーとネットワーク機器のゲートウェイ、およびクラウドライセンスがセットになっているため、一括で導入できます。
必要なセンサーを各設備に設置することで、データを自動で記録し、クラウドを介して遠隔地でも状況を確認できます。
また、異常が発生するアラートが発生するため、早期発見・早期解決に繋がるでしょう。
効果的に利用するためにも、自社の課題を明確にした上で必要なセンサーの種類を洗い出し、設置箇所を決めます。
NTT東日本の公式サイトには「カンタン料金シミュレーション」があるため、どれくらいの費用になるのかを簡単に把握できます。
6:まとめ
この記事では、設備の遠隔監視でできることについて解説しました。
遠隔監視の環境を実現することにより、各設備の巡回が不要になることから、業務を効率化や省人化に繋がります。
また、遠隔監視を実現できるセンサーの種類は非常に多く、それぞれの設備に適した機器を選ぶ必要があります。
適切な種類と量のセンサーを導入することによりコストを抑えられるでしょう。
他にも、設備保守のパッケージサービスもあるため、活用してみることもおすすめです。