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これから義務化されるかもしれない環境規制とは?環境法令を守るためにすべきこと
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2024.4.03 (水)Posted by

これから義務化されるかもしれない環境規制とは?環境法令を守るためにすべきこと
近年では、環境保全など環境に配慮した取り組みを実践する企業が増えています。
その背景には、商品・サービスの品質レベルが向上していて均一化されているためです。
品質レベルが高度化・均一化することにより、他社との差別化を図る手段として「環境配慮」を付加価値にしている企業が増えているのです。
また、世界的にも環境を意識している人が増えていることから、消費者が環境に配慮した商品を手に取りやすくなっています。
国は企業に対して環境規制や環境法令を定めており、遵守することにより環境保全に繋がります。
このような規制を守る企業がある一方で、違反する企業もあるでしょう。
何事にも悪いことに使う人はいるものです。。。
健全に企業の経営を続けるためには、環境法令に違反するリスクを知りつつ、新しい規制を押さえる必要があります。
そこで今回は、環境法令・環境規制について解説します。
これから義務化されるかもしれない環境規制や守らない場合のリスクについても触れるため、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
1:これから義務化されるかもしれない環境規制
2:環境法令・環境基準とは
3:環境規制・法令を守らないことのリスク
4:環境法令を守るためにすべきこと
5:まとめ
1:これから義務化されるかもしれない環境規制
近年では、環境に配慮した企業かどうかにより評価され、投資されるかを左右します。
また、世界的に環境への関心が高まっていることから、新しい環境規制が生まれる可能性もあります。
そのため、環境を意識した経営を実践していても、新しい環境規制により評価が替わることもあることから、常に新しい情報をキャッチアップしなければなりません。
海外では虚偽の「環境に優しい」製品に対する規制が強化される
海外の事例ですが、虚偽と判断される「環境に優しい」製品に対する規制が強化される動きがあります。
企業だけでなく消費者も環境を意識する傾向が強まっており、商品を選ぶ際にも「環境に優しい」かどうかを判断基準にする人がいます。
つまり、商品のパッケージに「環境に優しい」などと環境配慮の文言があることで、選ばれやすくなるのです。
そこで、EUでは「環境に優しい」と謳う商品を域内で販売する際、具体的な証拠の提示を義務付けることを提案しました。
欧州では科学的根拠が乏しい環境配慮商品が多く、対策が必要と判断したのです。
このような見せかけだけの環境配慮のことを「グリーンウォッシュ」と呼びます。
今回の規制では、天然・環境への影響が中立・リサイクル素材といった内容のラベルに対してです。
これらの内容のラベルを使用する際には、企業は科学的根拠に基づく評価を実施した上で、環境に与える重大な影響を考慮し、製品が主張通りであるか証明する・環境ラベル制度に基づく検証を受けることが義務付けられます。
これらの証明なしにラベルに対象の文言を使用すると金銭的な罰則を受ける可能性があります。
また、その事実が世間に公表されることになれば、企業としての信用を失う可能性もあるでしょう。
2:環境法令・環境基準とは
環境法令とは環境省が定めた企業に求める環境の配慮に関する法令のことです。
環境基準は、人の健康や生活環境の保護・保全のうえで維持されることが望ましいと設定された基準のことです。
この基準は大気・水・土壌などの環境に対し、どれくらいの程度に保つことを目標に施策を実施するのか、という目標を定めています。
あくまでも環境基準は「維持されることが望ましい基準」であって、行政上の政策の目標でもあります。
環境汚染が進行していないエリアにおいても、少なくとも現状よりも悪化することがないように基準を維持しなければなりません。
また、環境基準は現在の科学的な知見を基に定められているため、常に新しい科学的な知見を基に更新され、適切な科学的な判断が求められます。
また、環境基準は環境基本法という法令の第三節「環境基準」でも具体的な内容が定められています。
3:環境規制・法令を守らないことのリスク
近年では、環境配慮を経営課題として掲げている企業が増えている一方で、環境法令・基準により義務化される項目が増えることにより、違反する企業も増加傾向にあります。
これらの規制・法令を守らないと経営上でさまざまなリスクがあるため注意してください。
ここからは、環境規制・法令を守らないことのリスクについて、担当者・経営者・企業ごとに紹介していきます。
担当者に対する影響
環境規制・法令に関する届出を提出していない・対応していないなど、担当者が違反に関わっている場合、法的処分だけでなく社内の処分を受ける可能性が高いです。
企業によって担当者は異なりますが、工場長などの責任者や環境管理の担当者などが該当するでしょう。
法令違反がある場合、法的な処分として罰金刑が科せられる可能性があり、データ改ざん・虚偽報告があるケースでは詐欺罪に問われ、逮捕・求刑にいたることもあります。
これらの具体的な罰則がない場合でも、違反による影響により社内で罰せられるケースも少なくありません。
会社の経営に与えた影響により免職・減給・降格処分などを受けることがあります。
経営者に対する影響
法令に違反した経営者は社会的な制裁を受けることになるでしょう。
株式会社であれば株主から訴えられる可能性があり、大きな損害賠償を支払うことになったり、責任を取り辞任に追い込まれたりすることがあります。
企業に対する影響
最も大きな影響を受けるのは企業に対してです。
法令違反を起こすと企業自体にも大きな影響があり、行政処分を受けて企業活動に支障が出ることがあります。
例えば、工場などの営業停止処分を受けることになれば、生産計画に大きな狂いが生じ、大きな損失が生まれるでしょう。
また、企業としての信用を失いイメージダウンに繋がります。
消費者に不信感を与えてしまえば、売上は大幅に減少します。
取引を打ち切られることになると商品の販売ルートが制限されることもあるでしょう。
その他にも融資の打ち切りや優秀な人材の喪失に繋がる可能性も否めません。
4:環境法令を守るためにすべきこと
環境法令を守りたいと考えていても、実際にどのようにすれば良いか分からない担当者・経営者は多いでしょう。
実際に環境配慮やコンプライアンスの強化を掲げている企業は多いものの、現場では法令違反が起こっているケースもあります。
また、法令順守の必要性や更新された内容を把握していても、現場にどのようにして落とし込めば良いか分からないということもあるでしょう。
しかし、現在の運営が環境法令に違反していれば、罰則を受ける可能性があるため注意しなければなりません。
自社に該当する法令を確認する
環境法令の内容は幅広く、さまざまな業種に対応しているため自社に適応するものと、そうでないものに分かれます。
そのため、まずは自社にどのような法令が該当するのかをチェックしましょう。実際に規制の対象を把握しなければ対策は何もできません。
まずは自社の事業内容・施設・設備を再度確認し、どの法令が適用されるかを確認してください。
現場の運用に反映できているかを確認する
該当する法令の内容を確認した後は、その条文の規定が現場の運用に反映されているかを確認します。
もし対処できていないことがあれば早急に対策をしましょう。
また、該当する法令をピックアップしても、実際の運営にどのようにして落とし込めば良いか分からないケースも少なくありません。
そのため、該当する条文を把握した後は情報を収集・整理して、作業内容を的確に把握する必要があります。
最新の内容を更新する
環境法令を含む法律は月日の経過により内容が更新されることがあります。
そのため、常に最新情報を把握する必要があります。
新しい規制や法改正の内容をチェックすることにより、自社が法令違反にならないかを確認できます。
専門家の力を借りる
自社の人材だけでは人手が足りない場合や、適切に対応できているかが不安な場合は、環境法令に関する専門家の力を借りるのが有効です。
環境法令のコンサルタントに依頼することにより、抜け漏れなく法令に遵守しているかどうかを確認し、適切に運営できるでしょう。
5:まとめ
この記事では、環境法令・環境規制について解説しました。
世界的に環境に対する意識が高まりつつあるため、今後は新しい環境規制が生まれる可能性は大きいです。
また、環境省では環境法令・環境規制を定めており、企業は遵守しなければなりません。
環境規制・環境法令に違反すると、企業としての信用が失墜・イメージダウンしたり、商品は売れず資金調達が難しくなったりと大きな影響が及ぶ可能性があります。
場合によっては取引先が離れていき株価が下落、工場は閉鎖に追い込まれ倒産に繋がるケースもゼロではありません。
健全に企業経営を続けるためにも、環境規制・環境法令を遵守し、新しい内容を押さえることが必要です。