インターネット無料物件比率 全国一位は、名古屋!! 西高東低のネット無料比率
「インターネット無料」の物件比率を各県の県庁所在地で調べた第二回連載。今回は、各エリアでの違いについて分析してみたいと思います。
全国一位は「名古屋」で、63.9%
プリンシプル住まい総研株式会社が、SUUMOに掲載されている各都道府県の県庁所在地周辺のワンルーム・1K・1DKの物件で、「インターネット無料」かどうかを調べたところ、「インターネット無料」導入率の全国1位は名古屋で、その比率は63.9%となりました。
続いて、長崎が2位、徳島が3位。
以下、金沢、那覇、大津、神戸、大阪・梅田、福井、京都と、トップ10を西日本勢が占めました。
競争が激化する名古屋は、ネット無料がもはや標準
リニア開業時期を目指して、積極的に再開発が進む名古屋。再開発は、建築中の物件も含めて名鉄百貨店方面やバスターミナル方面など積極的に行われていますが、街の賑わいも、栄方面の繁華街だけでなくいわゆる「名駅」にたくさんのブランドショップも広がっています。新築ほどネット無料物件が多くなるため、名古屋エリアのネット無料比率が高まっているのは、建て替えが進んでいる証拠ともいえるでしょう。また、単身物件の供給が多いため、競争が激しく、築古物件もネット無料にして入居者の獲得を目指しているマーケットともいえます。
長崎・徳島は、築古でも高いネット無料比率
2位の長崎・3位の徳島は、築10-20年、築20-30年、築30年以上といった、建築から年数が経過している物件でもネット無料比率が高いことが特徴的です。
2025年8月1日-2日 スーモ掲載のワンルーム・1K・1DKのアパート・マンション物件におけるネット無料比率(プリンシプル住まい総研株式会社調べ)
名古屋のように新築の供給が多かったわけではなく、むしろ築古の入居者獲得のために、オーナーや不動産会社が努力して、空室対策の一手としてネット無料物件にしていることが伺えます。
4位の金沢は、大学も近く、昔からネット無料導入に積極的なエリア。毎年ネット無料物件の多いエリアは、「他県よりインターネット利用層が多い」などの入居者要因というよりは、不動産会社の取り組みが成果をあげていると思います。
5位の那覇は、新築・築浅はネット無料が他県同様に高い比率ですが、築10-20年、築20-30年では落ち込みます。築30年超えでまた増えるのは、台風が多い沖縄では木造よりも強固なRC物件が多く、木造アパートの多い他県では建て替えや間取り変更をするタイミングで、空室対策がネット無料にシフトしているのではないでしょうか。
また、外国人入居や民泊などの活用も考えると、ネット無料という空室対策の施策は有効となります。
大津、神戸、大阪・梅田、京都といった関西エリアのネット無料比率が高いのは、同様の理由もあると思われます。
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ネット無料比率が低いエリアは、 新築の供給が少なく築古が多め
11位以下を見てみましょう。
2025年8月1日-2日 スーモ掲載のワンルーム・1K・1DKのアパート・マンション物件におけるネット無料比率(プリンシプル住まい総研株式会社調べ)
上記のように、「築年別」の「ネット無料比率」を調べると、どのエリアでも「新築」「築1-5年」「築5-10年」では、かなり高い比率でネット無料となっています。ここ数年の建築では、インターネット設備が標準装備として建築されており、どのエリアでも築浅物件はネット無料が多くなります。特に新築は円安や人件費高騰による建築価格の高騰もあり、日本中どこでも高い賃料設定となっています。その高い家賃を維持するためにも「ネットが無料」であることが、差別化ポイントとなっているのです。したがって、このランキングが低いといっても、そのエリアが、ネットリテラシーが低いとか利用者が少ないということではなく、「たまたま新築の供給が多かったエリアは新築の物件比率に応じてネット無料比率があがり」「あまり新築・築浅の供給が少ないとネット無料比率が下がる」ということなります。そういう意味では、「平均賃料相場」なども「家賃の高い新築・築浅の有無」による影響が強いため、収益物件オーナーは築年数に応じた戦略を立てるほうがいいでしょう。
「西高東低」なネット比率
とはいえ、全体傾向としては、「ネット無料」の比率は「西高東低」の傾向があります。これは昨年も一昨年も同様で、なぜか西日本エリアが高く、東日本エリアが低いのです。ネットの普及状況には大きな違いはありませんので、別の要因が考えられます。例えばですが、西日本エリアは「値引き」や「お得」に敏感、という印象があります。自分でネットをひくと5,000円~6,000円かかるのが無料となれば、入居者には「お得」ですし、オーナーは、通常のネット経費と比べて一棟丸ごと導入すると「安価」になる、というところがWIN-WINで受け入れられているのかもしれません。ネットなど新しいものに対するオーナーの感性の違いもあるかもしれませんが、入居者メリットを考えて設備強化を検討することは必要でしょう。
特殊な現象は、東京
ここまでのように、「新築・築浅が多いエリアはネット無料物件の比率が多くなり、全国で同じような傾向にある」と考えられますがが、それとは明らかに異なるのが「東京」です。ネット無料が多そうな東京・新宿・渋谷エリアですが、順位は44位。東京では、一極集中が続き人口が増加。強気の賃料で新築・築浅の供給が続いていますが、「ネット無料にしなくても入居は決まる」と考えてか、ネット無料でない物件も建設供給されています。新築のネット無料比率は、47エリア中で最も低い50%です。
実は、ネット無料だけではなく、「バストイレ別」「温水洗浄便座」などの設備導入比率も、地方に比べて東京は決して高くはありません。設備強化をしなくても「決まる」からなのでしょう。
しかし、賃貸経営では、「家賃が高く立地で有利」な東京は、必ずしも全国のマーケットを牽引するお手本、ではありません。「東京の不動産会社がこう言っている」「東京で成功した大家さんはこうしている」というナレッジは、あくまで、東京という特別な市場でのこと、という認識も必要です(もちろん東京にもいろいろなエリアはありますが)。
空室が多く苦戦している地方の工夫こそ参考にして、収益物件オーナーは満室経営を目指していきましょう。
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執筆:上野 典行(うえの のりゆき)
【プロフィール】プリンシプル住まい総研 所長
1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。2012年1月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長・中国ブロック副ブロック長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。
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