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電子契約について、少し理解が深まっている方は、タイムスタンプという言葉が気になっている方も多いと思います。
などといった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
電子契約に対して、タイムスタンプの付与は必ずしも必要ありません。しかし、電子文書が潜在的に抱えるリスクや電子帳簿保存法などの法対応の観点からすると、タイムスタンプの付与がおすすめです。
当記事では、電子契約にタイムスタンプが法的に必須ではない理由、タイムスタンプの付与が実務上推奨される4つの理由を解説します。
実務上タイムスタンプを付与すべきか判断できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
また、電子契約の基本を知りたい方は、こちらの記事を読む前に以下の記事もあわせてごらんください。
電子契約とは? メリット・デメリットや法的有効性をわかりやすく解説!

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2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
出所:民法522条2項
つまり、口頭のような目に見えず、証跡の残らない形式であったとしても、契約は成立するのです。したがって、契約の形式は書面契約に限られず、電子契約や口頭での口約束でも有効に成立します。
ただし、契約が成立することと、契約を係争時の証拠として利用できることは別論点である点に留意ください。
係争時に契約書を証拠として利用するためには真正性を満たす必要があります。この旨が以下の民事訴訟法228条1項に記載がありますので参照ください。
1 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
出所:民事訴訟法228条1項
書面契約では記名押印することで、二段の推定により、真正性を確保していました。一方で電子契約は電子署名を付与することで真正性を確保するのです。
電子契約に電子署名を付与することで真正性を確保できる旨が、電子署名法3条に記載があります。
電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
出所:電子署名法3条
以上から、電子契約を利用する時にタイムスタンプの付与が必須ではないことがわかるでしょう。

法的に電子契約にタイムスタンプが必須ではないとはいえ、実務上、タイムスタンプは付与すべきであると考えています。タイムスタンプを付与すべき理由は以下の4点です。
以上のリスクに対応するため、経済産業省から以下の4つの要件を満たした電子文書の保管が推奨されています。
この一要素である完全性とは、電子文書が改ざんされておらず、正確な状態にあることを証明する要素です。完全性を証明するためには以下の3つの要素が必要とされています。
上述した「存在証明」をするのがタイムスタンプです。
電子契約の真正性を満たすために付与される電子署名は、「本人証明」や「非改ざん証明」は可能ですが、「存在証明」は難しい特徴があります。
一方で、タイムスタンプは以下の流れで成り立つ仕組みですので、「存在証明」が可能なのです。
以上から、電子文書の「完全性」を証明するためにタイムスタンプの付与が推奨されます。
電子帳簿保存法とは、読んで字のごとく電子的に帳簿や書類を保存することを認めた法律です。1998年に施行されて以降、世の中のペーパーレス需要を後押しする形で改正が繰り返されてきました。
電子帳簿保存法は以下の4つの区分から成り立ちます。
電子契約は相手方とデータのやり取りを行う電子取引に該当しますので、上記の中の電子取引の区分の要件を満たした保存が必要です。
電子帳簿保存法電子取引要件は以下の通りです。
この中で真実性の要件を満たす手段は以下の3つがあります。以下3つのいずれかの手段の中から、自社に都合のよい手段を選択して実施できるのです。
上述の真実性を満たす選択肢の中で、真実性の要件を満たすために最も簡単な手段はタイムスタンプの付与です。なぜなら、他の手段は法対応を実施する企業に時間と手間をかけるからです。
訂正削除ができないシステム(または訂正削除履歴が確認できるシステム)による真実性の確保をする場合、利用ができる電子契約の幅に制限があります。
例えば、メールに添付された電子契約など、一度ダウンロードしてから、電子契約サービス上にアップロードするような場合、この手段による真実性の確保が法的にできません。
また、訂正削除の事務処理規定を作成する場合、電子文書を訂正削除する場合の業務フローおよび承認フローの整備が必要になりますので、手間が非常にかかります。
したがって、最も簡単に真実性の要件を満たす手段はタイムスタンプの付与と言えるのです。
令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、当該電磁的記録の保存に代えることはできません。したがって、災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます。
したがって、確実に法対応をするためにも、タイムスタンプ付与が必要といえます。
電子契約を長期保存する場合、長期署名をするためにタイムスタンプの付与が必要です。
出所:電子署名法6条
この規定により、一般的に電子署名は1~3年の有効期限を定めて付与される場合が多いようです。
一方で、法人税法上では、国税関係書類である電子契約は最低7年(繰越欠損金がある場合は10年)の保存が必要ですので、一般的な電子署名の有効期限では、電子署名の効力を発揮しながら、法人税法の要件を満たすのは難しい点に課題があります。
ここで利用する技術が長期署名です。長期署名とは電子署名の有効期限が訪れる前に、電子署名に対してタイムスタンプを付与することで、電子署名の有効期限を10年間に延長する技術です。
長期署名に対して、更にタイムスタンプを付与することも可能ですので、正しい規格の長期署名を利用すれば、電子署名の有効期限を10年、20年、30年と延長することができます。
システム上で法人税法上、求められる長期保存をする場合には、タイムスタンプ(長期署名)の利用が必要になるでしょう。
バックデートが不正でない場合とは、契約締結日が契約開始日以降である旨で、事前に相手方と合意が取れているケースです。
例えば、以下のケースは不正でないと判断されるバックデートです。
相手方から3/30に3/31の製品納入を求められたため、3/31に納入した。しかし、相手方が決算処理で忙しいため、内部承認が間に合わなかったことから、3/30を契約締結日とすることを合意したうえで、4/2に契約書を作成した。
このケースの場合、契約締結日が契約開始日以降になっているので、わかりやすくバックデートです。しかし、以下の理由から不正の意図がないと判断できます。
バックデートが不正であると判断されるケースはいくつかあります。例えば、以下のケースが不正と判断されるバックデートです。
この中で最もよくあり、監査上もチェックされるケースが以下です。
このケースをもう少し具体的に例を説明すると以下のようになります。
経理や監査上で相手方の承認日付がわかる証跡の提示を求められるのは、このような不正を事前に防ぐ意図があるのです。
不正なバックデートは電子文書がかかえる以下のリスクのために発生しています。
このリスクへの対応にタイムスタンプの付与が有効です。タイムスタンプを付与することで、電子契約がいつ作成されたか客観的に証明がしやすくなります。
タイムスタンプ付与は事実を客観的に証明できる手段であるため、正しいバックデートと不正なバックデートの切り分けを容易にする効果を期待できるのです。

タイムスタンプの付与は法的に必須ではありませんが、実務上の運用を考えると付与が推奨されます。したがって、多くの企業ではタイムスタンプの付与が可能な電子契約サービス選びを検討されるようです。
しかし、一部の電子契約サービスではタイムスタンプの付与ができない点に注意が必要です。国内ベンダーによる電子契約サービスの場合、多くの電子契約サービスで各種税法に対応するため、タイムスタンプの付与ができます。
一方で、外資ベンダーによる電子契約サービスの場合、一部の製品ではタイムスタンプの付与が難しいようですので、製品選定時には確認が必要となるでしょう。
とはいえ、必ずしも電子契約サービス上でタイムスタンプを付与する必要はなく、電子契約を発行または受領後に、他システム上でタイムスタンプを付与する手法も考えられますので、自社の運用に適した方法をご検討ください。

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バックオフィス業務効率化のためにサービスの導入をご検討中の方へ
「おまかせ はたラクサポート」検討の8つのチェックポイント
電子契約を利用する際にはタイムスタンプの付与がおすすめです。タイムスタンプを付与することで電子文書の完全性を確かにできるだけでなく、電子帳簿保存法などの法対応などにも活用ができるメリットがあります。
しかし、タイムスタンプの導入には少なからずコスト負担が発生しますので、メリットとコストの兼合いを考えて導入を検討いただくとよいです。
NTT東日本ではタイムスタンプの付与が可能な「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」を提供しています。ぜひ検討の1つの選択肢としていただければ幸いです。



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