電子署名法とは 電子契約利用時のポイントをわかりやすく解説!

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更新日
2026-03-04

「電子署名法とは?」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

電子契約を利用する際に真正性を確保するために電子署名の付与が必要です。この電子署名を付与することで、真正性を証明できる根拠となっているのが電子署名法です。

電子署名法を理解することで、電子契約が書面契約と同様に利用できることがわかりますので、一度は目を通しておくとよいでしょう。当記事では電子署名法の概要やポイント、電子署名法以外で抑えるべき法律までをご紹介します。

電子署名法の概要や押さえておくべきポイントを理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

また、電子署名の基本を知りたい方は、こちらの記事を読む前に以下の記事もあわせてごらんください。

電子署名とは何か 利用する際に知りたい法律などをわかりやすく解説!

1.電子署名とは書面の押印に代わる役割を果たすもの

イメージ:電子署名とは書面の押印に代わる役割を果たすもの

電子署名とは、「電子文書が本人の意思によって作成され、作成後改ざんされていないことを証明するもの」です。

書面契約では、記名押印することで、上記内容を証明してきました。しかし、PDFファイルなどの電子文書による契約締結が増えてきたこともあり、電子文書が本人の意思によって作成され、作成後、改ざんされていないこと(真正性)を証明するニーズがでてきたのです。

そこで利用されるのが、電子署名です。電子署名が付与された電子文書は真正性を証明できます。この電子署名について、詳細に規定しているのが、電子署名及び認証業務に関する法律(通称、電子署名法)です。

電子署名法を知ることで、電子署名が果たす役割や、電子署名が付与された電子文書が書面契約と同様に利用できる根拠が理解できますので、電子契約などの電子文書を利用する際には一度目を通しておきましょう。

2.電子署名法とは電子署名の法的有効性を定義した法律

電子署名法といっても、全体で47条もあり、読み解くのも簡単ではありません。そこで、以下ではポイントを押さえて解説をしていきます。

1.一般の利用者は電子署名法3条まで読めばよい

全体で47条ある電子署名法ですが、一般のユーザーであれば、電子署名法3条まで読めば十分です。1~3条には各々以下の内容が記載されています。

  • 1条:電子署名法の目的
  • 2条:電子署名の定義
  • 3条:電子署名を付与した電子文書は真正性が証明される旨

4条以降は電子署名を提供する事業者向けの内容になっていますので、一般のユーザーは必ずしも読む必要がないです。

2.電子署名法2条が定義する電子署名の要件

電子署名法2条では以下の通り、電子署名に求められる要件を定義しています。
  • (定義)

    第二条この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

    当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。

    当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

出所:電子署名法2条

つまり、電子署名法2条では電子署名の要件として以下の2点を定義しています。

  • 要件①:本人性(電子文書が本人の意思によって本人により作成されたこと)
  • 要件②:非改ざん性(電子文書が作成されてから、電子文書が改ざんされていないこと)

3.電子署名法2条はあえて抽象的に記載がされている

電子署名法では、上述の2つの要件を満たすための具体的な手段は明記されていない点に留意ください。これは、将来的な技術革新に対応するために、あえて具体的な手段を明記していないのです。

とはいえ、現状、本人性と非改ざん性を満たすためによく使われる技術があります。それが、秘密鍵と公開鍵による暗号技術です。秘密鍵とは本人のみが知る電子情報であり、公開鍵とは誰もが知りうる電子情報を指します。

この2つの情報を組み合わせることで、上述の本人性と非改ざん性を満たすのです。この秘密鍵と公開鍵による暗号技術を利用した電子署名をデジタル署名と呼称する場合もあります。

4.電子署名法2条 2.3が定義する認証業務および特定認証業務

電子署名2条の2.3では、認証業務および特定認証業務の定義を記載しています。
  • (定義)

    この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。

    この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。

出所:電子署名法2条

つまり、認証業務とは、電子文書に付与された電子署名が本人によって実施され、改ざんされていないことを証明する業務です。

また、この認証業務の内、電子署名施行規則2条で定義された特定認証業務の基準を満たした認証業務が「特定認証業務」です。

5.電子署名法3条が定義する推定効の要件

電子署名法3条では、電子署名が付与された電子文書が「本人が作成した真正な文書」と推定効が認められるための要件を記載しています。
  • 第二章 電磁的記録の真正な成立の推定

    第三条電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

出所:電子署名法3条

書面契約では、契約書に対して記名押印されることで真正性が成立しています。これは過去の経験則から、本人の印鑑によって押印がされた場合には、本人による押印であると推定し、その押印された書面契約は真正に作成されたものであると推定しているのです。

この本人の印鑑により押印された場合に、真正な文書であると推定する考え方を「二段の推定」と呼んでいるのです。

では、電子契約において、どのように真正な文書であると推定するかというと、上述のように電子署名が付与されていることをもって、真正な文書であると推定しています。

6.電子署名法3条が定義する推定効の要件

電子契約を作成する際に利用される場合が多い電子契約サービスには、利用者自身が電子証明書を発行するか、否かによって以下の2タイプがあります。

  • 当事者型
  • 立会人型

当事者型とは、利用者自身が電子証明書を発行します。また、利用者自身で電子文書に電子署名を付与するのです。したがって、立会人型と比較して、万が一、裁判があった時に契約書の信頼性が高いとも考えられています。

一方で立会人型は、利用者自身は電子証明書を発行しません。利用者に代わり、事業者が電子文書に電子署名を付与するのです。したがって、利用者は手間とコストをかけることなく、電子契約サービスを利用開始できる点にメリットがあります。

ここで、「立会人型電子契約サービスは事業者により電子署名が付与されているので、電子署名法2条の本人性の要件を満たしていないのでは?」と疑問がわきます。

結論、立会人型電子契約サービスにより、電子署名を付与したとしても、真正な文書であると推定することができます。

なぜなら、総務省・法務省・経済産業省の3省連名で公表した「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A」上で、立会人型を利用したとしても利用者の意思が明らかであれば真正に成立するとの見解が示されているからです。

つまり、立会人型であっても、電子署名を付与している事業者に対して、電子署名を指示しているのは利用者であるので、電子署名の本人性の要件は満たしていると公表しています。

3.電子署名関連でその他に押さえておくべき法律

イメージ:電子署名関連でその他に押さえておくべき法律

電子署名法以外にも、電子契約を利用する上では押さえておくべき法律はいくつかあります。以下では次の3つについて概要を解説します。

  • 電子帳簿保存法
  • 法人税法
  • 電子署名法6条

1.電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、文字通り、電子的に帳簿や書類を保存してもよいと認めた法律です。契約書は国税関係書類に該当しますので、電子契約を利用する場合には電子帳簿保存法に基づいた保存が求められます。

電子取引した電子契約は電子取引要件を満たした保存が必要

電子契約は、相手方と電子的にデータをやり取りする電子取引に該当しますので、電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存が必要です。電子取引要件は以下の通りです。

  • 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
  • 見読可能装置の備付け等
  • 検索機能の確保
  • 真実性の確保

上述の要件を満たして保存していない旨を国税調査時に指摘された場合、青色申告の承認取り消しリスクがありますので確実に対応をしましょう。

書面を電子化して保存する場合にはスキャナ保存要件を満たそう

書面契約を電子化して保存する場合には、電子取引要件ではなく、スキャナ保存要件を満たす必要があります。

スキャナ保存要件は電子取引要件よりも、要件が厳しいため、対応時には検討が必要です。また、現状、書面契約を電子化したものを裁判時の証拠としてよいのか、疑う声も多いです。したがって、原本は書面のままとし、検索性を高めるために書面の電子化を試みる例が多数あります。

2.法人税法

電子契約は法人税法上で7年間(繰越欠損金がある場合は10年間)の保存が必要です。ただし、電子契約の保存期間の開始日は青色申告法人では事業年度末日から二か月後である点に留意ください。

つまり、電子契約はシステム上で最大、8年2か月(繰越欠損金がある場合は11年2か月間)保存する必要があるのです。

3.電子署名法施行規則6条

一般のユーザーは基本的に電子署名法の3条までを読めばよいです。ただし、例外的に電子署名法施行規則6条については目を通しておきましょう。

電子署名の有効期限は5年間と法律上で定義されている

電子署名法施行規則6条では電子署名の有効期間について定義をしています。
  • 電子証明書の有効期間は、五年を超えないものであること。

出所:電子署名法施行規則6条4

上述のような有効期限が法的に設定されているため、電子証明書は一般的に2-3年の有効期限を定めて発行されているようです。

なぜ、このような有効期限を定めているかというと、電子署名を技術的に支える暗号アルゴリズムの危殆化リスクに対応するためです。これだけ技術の進歩が早いので、未来永劫、暗号アルゴリズムが破られないとも限りません。

したがって、電子署名に有効期限を設けることで、有効期限が切れる前の最新の技術で再度暗号化することを促しているのです。

5年以上電子署名の有効期限を延長したい場合には長期署名を利用しよう

電子契約は法人税法上で7年以上の保存を求められていますので、5年間の有効期限では、真正性を保持しながら長期保存することは難しいです。そこで利用されるのが長期署名です。

長期署名とは電子署名に対して、タイムスタンプを付与することで、電子署名の有効期限を延長する技術です。長期署名を利用すれば、理論的には電子文書に付与された電子署名を10年、20年と延長できます。

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4.まとめ 電子署名法を理解したうえで電子署名を付与しよう

電子契約を利用する際には電子署名の付与は切っても切れません。電子署名を利用する際には、なぜ電子署名を付与する必要があるのか、電子署名に対して理解が求められますので、ぜひ一度電子署名法に目を通してみてください。

NTT東日本では電子署名法に対応した「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」を提供しています。ぜひ検討の1つの選択肢としていただければ幸いです。

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