現場とともに考える、
製造業のOTセキュリティ

イメージ:沖電気工業株式会社

    日本初の現場に寄り添う実フィールドトライアルで、対策検討の第一歩を具体化
    OTセキュリティ対策のスタートラインに

    沖電気工業株式会社は、TXOne Networks・NTT東日本と3社で連携し、リリース前製品の実証(トライアル)を実施。工場稼働を止めずにOTセキュリティを可視化し、潜在する複数のリスクを把握。防御対策の検討へとつなげています。

    沖電気工業株式会社さま

    業種
    製造業
    従業員数
    4,389名
    (グループ連結:11,956名
    ※2025年12月31日現在)
    トライアルソリューション
    集合写真

    (左から)NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 先進事業推進部 先端技術部門 陣内、沖電気工業株式会社 生産調達本部 本庄工場 生産技術部 木村氏、イノベーション戦略室 共創推進第一チーム 担当部長 相場氏、共創推進第二チーム 担当部長 下田氏、共創推進第一チーム 部長 顔氏、EMS事業部 事業推進部 業務改革チーム 前原氏、TXOne Networks Japan合同会社 プリンシパルテクニカルエンジニア 望月氏、NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 先進事業推進部 先端技術部門 担当課長 山本

    Summary

    トライアルソリューション
    トライアル成果
    稼働中の工場のOTセキュリティを可視化し、潜在する複数のリスクを特定できた
    定量的な評価レポートにより、社内への説明と情報共有がしやすくなった
    防御対策の推奨案が示され、具体的な検討が可能になった
    NTT東日本評価のポイント
    現場の状況を深く理解し、足元の課題に寄り添った提案をしてくれたこと
    3社連携をスムーズにリードする調整力と伴走力があったこと
    オンラインとオフラインで密に連携し、疑問や課題に迅速に対応してくれたこと

    「隔離したネットワークは安全」が通用しない時代
    漠然とした危機感が、実証実施の後押しに

    沖電気工業株式会社 EMS事業部 事業推進部 業務改革チーム 前原氏

    沖電気工業株式会社 EMS事業部
    事業推進部 業務改革チーム 前原氏

    ――今回の実証の前に、自社のOTセキュリティに対して課題や不安はありましたか。

    前原氏:本庄工場では以前から小規模なOTネットワークを運用してきましたが、2022年に新棟が完成したのを機に、工場全体へOTネットワークを拡大しました。このネットワークはイントラネットや外部ネットワークと接続しない隔離環境で運用しています。しかし、各種メディアでサイバーセキュリティのインシデントが頻繁に報道されるようになり、工場のスマート化が加速するなかで、「ネットワークを隔離しているから安全」という考え方が通用しなくなってきたことに、強い危機感を持っていました。
    また、どんな機器がどこにあり、どうつながっているかをすべて人手で管理していたため、属人化やヒューマンエラーのリスクも抱えていました。日々進化するサイバー攻撃に対して何から手をつければよいのか、その確信が持てないことが最大の課題でした。

    ――今回はNTT東日本からリリース前の製品の実証を提案しましたが、実施を決めた理由を教えてください。

    前原氏:単なる新製品の紹介にとどまらず、私たちの危機感をしっかり受け止めた上で、「まず現状を可視化し、リスクを特定・共有するところから始めましょう」と、足元の課題に寄り添ったステップを示してくれたことも実施に前向きになれた理由の一つです。

    一番の決め手は、工場を止める必要がなく、ネットワーク機器の設定変更も最小限に抑えられることでした。24時間稼働が求められる製造業において、現場への影響を抑えながら検証できる点は欠かせない条件です。加えて、TXOne NetworksはOTセキュリティにおける実績や知名度が高く、同社の製品であることも後押しになりました。

    望月氏:今回の実証で使ったSenninRecon™とSenninOne™は、OTセキュリティを可視化・評価・推奨という流れで一貫してサポートするソリューションです。SenninRecon™はネットワーク上の資産や脆弱性を検知するセンサーで、SenninOne™はその情報を分析・可視化してセキュリティ対策の充足度をスコアで数値化し、不足している対策に対してどのような防御ソリューションをどこに導入すべきかを推奨します。防御ソリューションの導入後は、改めてスコアをチェックすることで効果測定も行えます。

    3社の明確な役割分担でスムーズに進行
    現場への影響を最小限に抑え、約1カ月の実証を完遂

    沖電気工業株式会社 イノベーション戦略室 共創推進第二チーム 担当部長 下田氏

    沖電気工業株式会社 イノベーション戦略室
    共創推進第二チーム 担当部長 下田氏

    沖電気工業株式会社 イノベーション戦略室 共創推進第一チーム 部長 顔氏

    沖電気工業株式会社 イノベーション戦略室
    共創推進第一チーム 部長 顔氏

    ――現場への説明や調整はどのように進めたのでしょうか。

    下田氏:現場として最も懸念していたのは、ネットワークに新しい機器を接続することによるトラブルです。これに関しては、NTT東日本とTXOne Networksから既存システムに干渉しないことについて複数回にわたって丁寧な技術説明を受け、TXOne Networksのオフィスでは製品デモも実施していただきました。理解を深めてから上長や現場メンバーにも内容を共有でき、スムーズな合意形成につながったと思っています。

    ――実証はスムーズに進みましたか。

    下田氏:事前に3社で共有したスケジュール通りに進められました。期間は約1カ月で、製品に関する技術情報はTXOne Networksが提供し、その情報をもとにNTT東日本が導入を支援、私たちは現場で機器の設置や運用を担うという役割分担です。VLANの設定やスイッチのポート設定といった技術的な部分はNTT東日本のエンジニアにサポートしてもらい、機器の設置もスムーズに完了しました。

    実証中はNTT東日本と対面およびリモート会議で密にやり取りし、疑問があればレスポンスよく回答してもらえました。TXOne Networksも加えた3社での対面ミーティングも複数回実施しており、ビジネスライクというよりも、一緒に実証に取り組んでいるという感覚が強かったです。

    ――製品にはどのような印象を持ちましたか。

    下田氏:実証中には大きなトラフィックが検出されてアラートが上がりましたが、機器の接続構成が視覚的に表示されるため原因箇所をすぐに特定でき、セキュリティインシデントではなく機器の異常によるものだとわかりました。NTT東日本とTXOne Networksから的確なアドバイスをもらえたことも心強かったです。

    望月氏:本ソリューションは世界各地でトライアルを実施しましたが、日本国内では初のトライアルであり、グローバル全体を見ても先駆的な取り組みとなりました。
    その過程で、日本の製造現場ならではの貴重なフィードバックをいただきました。ネットワーク図の表示方法やレポートの使い勝手など、トライアルにおけるさまざまなご助言をリリース版に反映しており、かゆいところに手が届く自信をもってお客さまにご提供できるソリューションになったと思います。

    潜在リスクの把握が意識変革のきっかけに
    OTセキュリティはスマートファクトリーに向けた一歩

    TXOne Networks Japan合同会社 プリンシパルテクニカルエンジニア 望月氏

    TXOne Networks Japan合同会社
    プリンシパルテクニカルエンジニア 望月氏

    SenninRecon™

    SenninRecon™

    ――実証を通じて、どのような成果が得られましたか。

    前原氏:OTネットワークに潜むリスクを具体的に把握できたのが大きな成果です。想定外のネットワークアドレスの存在、レガシーOSを搭載した端末の脆弱性、新規導入端末へのマルウェア感染リスク、OTネットワーク内に眠っている端末へのマルウェア感染リスクなどが可視化されました。なかでも驚いたのは、レガシーOSが外部ネットワークに頻繁に通信を試みていたことです。ネットワークが隔離されていたため実際の接続は成功していませんでしたが、仮に接続が成立していれば、深刻な被害につながっていた可能性があります。こうしたリスクが明確になったことで、OTセキュリティ対策のスタートラインに立てたと感じています。

    これまで漠然としていた危機感がリスクとして明確になり、レポートとして整理されたことで製造現場や管理部門への説明もしやすくなりました。結果として、セキュリティに対する共通認識が社内に生まれつつあります。以前はセキュリティをほとんど意識していなかった現場のスタッフから、新しい機器をネットワークに接続する際に「これ、つないで大丈夫ですか」と確認する声も出てきました。これを機に社内のセキュリティへの関心を高めていきたいと考えています。

    ――今後のOTセキュリティ対策について、展望をお聞かせください。

    顔氏:今回の実証では定量的な評価レポートに加え、NTT東日本から数字だけでは見えない具体的な示唆をいただけました。この結果を弊社関係部門間で共有し、工場のスマートファクトリー化に向けたアイテムとして議論・推進していく予定です。NTT東日本とはスマートファクトリー実現に向けたさまざまな共創活動を通じて信頼関係を築いており、今後もパートナーとして引き続き一緒に取り組んでいきたいと考えています。

    NTT東日本担当者:今回の実証を通じて、24時間稼働する工場を止めずに、OTセキュリティの課題を可視化し、対策検討につなげるための実践的なアプローチを整理できました。
    現場ごとに制約・条件が異なるOT環境に対して、今後もお客さまの状況に合わせた形で、検討から実装までを一貫して支援してまいります。

    • 上記トライアル実施時期は2025年11月~2025年12月です。
    • 文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2026年4月時点(インタビュー時点)のものです。
    • 上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
    イメージ:TXOne Networks Japan合同会社
    • 企業名
      TXOne Networks Japan合同会社
    • 事業概要
      TXOne Networksは、産業用制御システムや運用技術環境の信頼性と安全性を確保するサイバーセキュリティソリューションを提供しています。大手製造業や重要インフラ事業者への多くの実装経験から得た知見を活かし、サイバー防御に対する実用的で運用に適したアプローチを開発。ネットワーク防御とエンドポイント保護の両製品を提供し、リアルタイムの徹底的な防御アプローチにより、OTネットワークとミッションクリティカルなデバイスを保護します。
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