空室対策は、退去前から 検討開始!残工事期間から逆算して今から検討を。

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更新日
2026-01-28

4月1日に引っ越したい。 「そうは問屋が許さない」

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賃貸の入退去は、4月1日前後が最も多くなります。特に、3月分の賃料発生を節約する為に、「4月1日に引っ越しをして、4月2日の入学式に出たい」などと言われても、運送会社は困ります。

引っ越し運送会社は年度末大忙し。

「できればもっと早く引っ越してもらえませんか」とか「もう一週間あとではだめですか」と「時期」の話、スケジュール調整の話が出てきます。

なにしろ、トラックもドライバーも限られているのに、みな同じ時期を希望する。できれば効率よく運びたいし、生産性も改善したい。
これがいわゆる「繁忙期」というわけで、顧客中心での希望の日時を指定する事が難しくなるのです。

そう、実は空室対策も、同じことが起こるのです。

 

退去が決まってからでは、旬を逃す

イメージ:退去が決まってからでは、旬を逃す

10-12月は大きくの不動産会社が、オーナーセミナーを開催します。なぜでしょう? 「年末年始の忘年会を兼ねて」「毎年そうだから」「国交省が住環境向上の重点月間にしているから」などいろいろな理由がありますが、実は「1-3月は忙しくてオーナーセミナーが出来ないから」なのです。

仲介会社は、内見に行くスタッフや重要事項説明の宅建士の手が回らず、社員総出で対応します。総務も売買も時には社長も内定者も、物件案内時の代理案内や書類の整理、あるいは、立ち合いや原状回復工事とてんてこ舞いになります。

工事会社はどうでしょうか。まず「内見」までに原状回復工事を終わらせなければなりません。一刻も早く部屋をきれいにしないと、見学に来たお客様はがっかりしてしまいますし、なにしろ汚いままでは成約率が悪い。

ネット無料・温水洗浄便座の設置・防犯カメラや宅配ボックスなど共用部の強化・リノベーション工事も1-3月は作業量が増します。 そう、「退去の申請が来てから、空室対策の設備強化」を検討しても「工事が4月1日入居までに間に合わない」という事が起こりえます。

リノベーションは 3か月はかかる

長年住んでくれたありがたい入居者さん。今年も更新してくれるものと期待していたら、「分譲マンションを購入する」ことになったので、3月末で退去すると、2月末に連絡が来た。契約書通り「一か月前通知」であり、手続き上は、なんの問題もない。

しかし、3月末で退去であるから、せっかくの繁忙期である1-3月に内見をしてもらうことができない。加えて、長年住んでいらっしゃったので、物件の痛みも激しいことが予測される。これまでの経験では原状回復工事の費用も結構掛かりそうだ。だったら畳はフローリングにして、押し入れはクローゼットに。3DKの間取りは今風の2LDKに変えて、と相談すると、工事完成は、6月末だそうだ。

3か月の家賃収入ロスだけでなく、入居の旬の4/1入居を逃してしまうのが惜しい。リノベーションは見積もりや設計、工事と時間もかかり、手抜きをするわけには行かないというわけだ。

こうしたケースでは、過去にリノベーションをしていれば、その時の写真などが役に立つ。生活にこだわりを持つ人は多く「こんなデザインでこんな部屋が6月に出来上がりますよ」と説明すれば、工事中に次の入居が決まる、ということもある。

イメージ:リノベーションは 3か月はかかる

また、12月頃に「3月での退去の予定はありませんか」と手紙を書くのも有効だ。

4月に分譲マンションに入居するのなら、実は、もっと前から入居者さんはそのつもりでモデルルーム見学や転校手続きなど準備しているかもしれない。あらかじめ知っていれば、「他の空室の部屋を見せて内見を進める」「リノベ対策する部屋と設備強化にとどめる部屋を分けて、4月1日入居にターゲットを合わせる」といったことも可能なのです。

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インターネットの工事手配もお早めに

昨今の空室対策で、「相場より家賃が高くても決まる」と言われる「ネット無料」も、利用するためには工事が必要です。

「10月のオーナーセミナーで話を聞いた」けど、まあ、空室が増えたら考えよう、と思っていた。すると、2月に10部屋から退去申請。あわてて、「全室ネット無料にしよう」と決断しても、4月1日開通が間に合わない。こんな話もよく聞きます。やむなく、人気設備の投入は諦め、家賃を下げ、原状回復のみで闘うものの、大苦戦。あのとき決断していればこんなことにはならなかったのに、結局、繁忙期後に全室ネット無料にして、タイミングを逃すも、なんとか巻き返す。こうしたケースもあります。

「ネット無料にしても決まらなかった」というケースでは、こうした「旬を逃した」という場合もあるようです。不動産会社も1-3月は忙しく、「手っ取り早く、家賃を下げて早く入居者を決めましょう」となりがちです。年末までの閑散期の時間に、是非、管理会社と膝を交えて、じっくり話をしておくことが、作戦を立てる上でも重要です。

1-3月は 反響や見学の感触をみつつ、 微調整を

前号でも述べたように、インフレの昨今、設備強化やリノベをしたら、出来れば投資回収を計画して、家賃も多少強気に募集したいものです。

そう考えるとまだ退去が終わっていない部屋であっても、退去予定が確実にとれていれば、出来るだけ早く募集し、SUUMOなどで掲載するよう不動産会社に依頼しましょう。例えば3月末退去予定でも、1月に募集を開始。(4月1日入居開始物件としての募集は問題ありません)すると、「反響がいいですよ」「ほかの物件に比べて思ったほど反響が出ません」といったことがわかります。反響が出ているのであれば、募集賃料が相場より数千円高くても検索もされて送信もされているということ。反響が入らなければ、賃料が強気すぎたのか、など微調整もできます。

イメージ:1-3月は 反響や見学の感触をみつつ、 微調整を

反響が入るものの、内見時に決まらないとなれば、なにか魅力に欠けるのでしょう。エントランスの掃除であるとか、廊下の電球の明るさなど、細かい配慮も気になります。掲示物などが古ければはがしましよう。「夜騒ぐ人は静かにしてください」といった貼り紙は、内見したお客様に「夜騒ぐ人がいる住み心地が悪い物件です」と言ってしまっているようなものです。

こうして試行錯誤しながら、4月の満室を目指していくと、不動産会社とも「共に闘う仲間」のような意識も芽生えます。

工事などには時間もかかります。工事のスタッフも繁忙期は忙しくなり、不動産会社もてんてこ舞い。

つまり、その前の「今から動く」事が、賃貸経営ではとても大事なのです。 ラストチャンスは、この記事を読んだ「いま」です。

写真:執筆:上野 典行(うえの のりゆき)

執筆:上野 典行(うえの のりゆき)

【プロフィール】プリンシプル住まい総研 所長

1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。2012年1月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長・中国ブロック副ブロック長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

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