Google Workspaceでβ'モデル移行を実現

イメージ:北海道網走市さま
  • 公共・自治体
  • コミュニケーション活性化
  • 業務効率化
  • ICT・クラウド活用
  • 301人~
公開日
2026-10-23

新庁舎移転を機にChromebookを主端末へ
チャットが定着し、生成AIで内製アプリも開発

北海道網走市は、2025年2月の新庁舎移転を機にβ'モデルへ移行し、Google WorkspaceとChromebookを導入。NTT東日本は基本設計から構築、移転までを一貫して支援しました。現在、チャットやスケジュール共有が定着し、生成AI活用による業務効率化も進んでいます。

北海道網走市さま

業種
公共・自治体
職員数
355人
(2026年4月1日時点)
導入サービス
集合写真

(左から)NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 公共SE部 第一自治体部門 チーフ 伊藤、網走市 企画総務部 情報政策課 情報政策係 主事 石川氏、係長 荒野氏、課長 山縣氏、参事監 小松氏、NTT東日本 北海道支店 第一ビジネスイノベーション部 地域基盤ビジネスグループ 地域基盤ビジネス担当 中道

Summary

導入いただいたソリューション
新庁舎ネットワークの基本設計・構築
β'モデルへの移行
Google Workspace・Chromebook導入
ソリューション導入効果
クラウド化で、場所を選ばない働き方が可能になった
チャットやスケジュール共有が定着し、公用車や会議室予約もスムーズになった
生成AIの活用が職員に浸透し、生成AIを活用した内製アプリの開発も進んだ
NTT東日本評価のポイント
セキュリティ要件を満たしつつ、市の方針や要望に沿ったネットワーク基盤を設計する知識があったこと
タイトなスケジュールでも、新庁舎移転を滞りなく進められる実行力があったこと
ネットワーク機器からアプリまで設計変更に柔軟に対応し、実装できる技術力があったこと
チャットも交えたスピード感のある対応で、やりたいことを形にするまで伴走してくれたこと

スケジュール共有や連絡手段に課題
新庁舎移転を機に、場所にとらわれない働き方へ

網走市 企画総務部 情報政策課 課長 山縣氏

網走市 企画総務部 情報政策課
課長 山縣氏

網走市 企画総務部 情報政策課 情報政策係 係長 荒野氏

網走市 企画総務部 情報政策課 情報政策係
係長 荒野氏

――β'モデルへの移行を検討された背景には、どのような課題があったのでしょうか。

山縣氏:網走市は2021年に「デジタルファースト宣言」を掲げ、行政のデジタル化に取り組んできました。2025年2月に開庁した新庁舎は当初から「効率的で情報化に対応できる庁舎」を基本方針とし、ICT機能の導入によるペーパーレス化などを明記していました。この新庁舎の整備が、ネットワーク構成を見直してβ'モデルへ移行する契機になりました。

私自身、2021年に外部の組織への出向から戻ったのですが、庁内の働き方が変わっていないことに危機感を覚えました。出向先ではスケジュール管理やWeb会議のシステムによって場所を選ばずに働ける環境が整っており、網走市にも同じような環境が必要だと感じていました。

特に実現したかったのは、スケジュール管理やチャットでの情報共有です。当時、スケジュールは各課で別々のアプリケーションやMicrosoft Excelで管理しており、誰がどのような予定で動いているのかが見えませんでした。連絡手段はメールと電話が中心で、会議室予約にも確認が必要でした。また、公用車は各原課で管理していたため、利用したいときは各原課に電話で「今日、公用車は空いていますか」と問い合わせ、空いていなければ次の課に聞く、といった手間もかかっていました。

――Google Workspace・Chromebookを採用された理由をお聞かせください。

山縣氏:決め手の一つはクラウドネイティブな設計です。データやアプリケーションがクラウド側にあるので、どの端末でも自分のアカウントでログインすれば同じ環境で仕事ができますし、端末の紛失や故障があってもデータは無事で、管理も一元化できます。加えて、Google カレンダーやGmailは日頃からなじみのある職員も多く、操作も直感的なので、導入しやすそうだと感じました。

新庁舎移転前の2022年7月からは、若手のDX研究グループと観光課で試験導入を始め、全庁展開を検討しました。並行して、総務省のセキュリティ要件を満たしたうえでGoogle Workspaceを活かすことができる新庁舎のネットワーク設計のプロポーザルを実施し、NTT東日本を委託先に選定しました。

セキュリティと利便性を両立したネットワーク基盤を構築
1年間ChromebookとWindows端末を併用し、無理なく移行

網走市 企画総務部 参事監 小松氏

網走市 企画総務部
参事監 小松氏

網走市 企画総務部 情報政策課 情報政策係 主事 石川氏

網走市 企画総務部 情報政策課 情報政策係
主事 石川氏

――移行はどのように進められたのでしょうか。

小松氏:私は以前GIGAスクール構想に携わっていたこともあり、学校でChromebookを使う様子を見て、Google Workspaceの情報共有機能が便利であることはわかっていたものの、業務でどう使うかは手探りで、イメージを膨らませながら検討を進めました。

機器やネットワークの構成など技術的な部分は、「こういう使い方をしたい」と言葉で伝えれば、NTT東日本が形にしてくれました。総務省のセキュリティ要件が厳しく、前例のない中での設計は大変だったと思います。

現在、Chromebookを通常端末としていますが、新庁舎への移転を前に旧庁舎でChromebookを利用できる環境をPoCで構築し、慣熟期間を経て新グループウェアであるGoogle Workspaceへ切り替え、実務の中で慣れてから新庁舎に移転するなど、急激な変化とならないようおよそ1年間の中で段階的に移行を進めました。また、業務が止まることがないよう、Google Workspaceに移行できない業務はこれまでどおりWindowsで処理する環境を残しています。

荒野氏:移転作業は連休を利用した数日間と短く、機器やネットワークの設定など物理的にやらなければならないことが多かったので、NTT東日本のサポートがなければ無理だったと思います。NTT東日本とのやりとりにはGoogle Chatも使用し、お互いの状況をタイムリーに共有できて助かりました。また、移転時の職員間の連絡にも役立ちました。電話だと1対1で相手にしか伝わりませんが、チャットなら関係者へ一斉に届きます。作業が滞っている部署に周りが気づいて、応援に入ることもできました。

生成AIが日常業務に浸透、内製アプリ開発も加速
スマホ一つで手続きができる「手のひら行政」の実現へ

内製アプリが並ぶ職員向けの生成AI活用ポータルサイト

内製アプリが並ぶ職員向けの生成AI活用ポータルサイト

Chromebookを囲んでの打ち合わせが日常の光景になっている

Chromebookを囲んでの打ち合わせが日常の光景になっている

――移行後、働き方にはどのような変化がありましたか。

石川氏:チャットでの問い合わせが増えました。電話だと話を聞き終えるまで内容がわからず、時間も取られます。チャットなら最初に用件がわかるので、対応の優先順位を付けて処理できます。「急ぎではないので、時間のあるときに見てください」と添えてくれる職員もいます。

生成AIは、Google Workspace内でGeminiとGemini Notebookを使えるようにしています。ダッシュボードを見ると、1日あたり約3割、月間では約7割の職員が何らかの形でAIを操作しています。単発で開催しているビギナー向けの研修も好評で、「そんな使い方は知らなかった」という反応が多く、管理職からは「もっとやってほしい」という声も届いています。最近は「この業務に困っているが、生成AIで何とかできないか」という相談も受けるようになりました。新庁舎はオープンフロアなので、気軽に席まで話しに来てくれる職員もいます。内製アプリも生成AIを使って自分たちで作れるようになってきました。最初のプロトタイプなら約15分、1日もあれば形にできます。

山縣氏:すでにさまざまなアプリを実際の業務で活用しています。たとえば財務会計の支払い処理では、フォルダにPDFを入れると中身を読み取り、命名規則どおりの名前を付けて格納するアプリを作りました。観光課では、観光事業者への調査を二次元バーコードから回答できる仕組みに変え、集計も自動化しました。以前はファックスで受けた回答を職員が手入力していた業務です。

これらの内製アプリは庁内の生成AI活用ポータルサイトに載せており、職員が自由に使えます。使い方の例を示しているのは、まだ情報政策課が中心ですが、最近はほかの課でも、自分でアプリを作る職員が出てきました。議会の議事録を検索できるチャットボットはその一つです。公開している議事録だけを読み込ませ、その中からしか答えないのでハルシネーションが起きにくくなっています。いずれは職員が中心となって必要なアプリを自分たちで開発するフェーズに進むと考えています。

荒野氏:Chromebookとインターネットさえあれば、出張先で継続中の仕事を再開したり、決裁したりすることもできて庁内と同様に仕事ができるので便利です。以前は分厚い資料に付箋を貼って備えていた議会資料は、今は過去の議事録や資料を簡単に検索でき、その場で内容を確認できます。ペーパーレスも進み、紙の使用量は購入量ベースで約3割減り、プリンターの台数も減らせています。

小松氏:会議にChromebookを持参し、資料を画面に映しながらの打ち合わせも日常になっていて、Google Meetを利用すると会議録も自動作成されます。導入当初は紙の資料を用意する場面もありましたが、今はほとんどなくなっています。スケジュール共有が定着したことで公用車もGoogle カレンダーから予約できるようになり、稼働率の向上にもつながりました。会議室予約も同様です。Google Workspaceの導入によって、進捗管理をはじめ、リアルタイムで情報共有が可能になり、多くの職員が便利さを感じていると思います。

壁面に網走産カラマツを使い、木のぬくもりが感じられる1階の市民ホール

壁面に網走産カラマツを使い、木のぬくもりが感じられる1階の市民ホール

――今後の展望をお聞かせください。

小松氏:まずは生成AIを活用した仕事の効率化を進めていきます。生成AIの世界は変化が速く、次はAIエージェントでタスク管理する時代が来ますから、乗り遅れないようにしたいです。やりたいことはこれからも増えていくはずなので、NTT東日本には、その実現に向けたノウハウをぜひ提案いただきたいと考えています。

山縣氏:データ活用によるEBPM※1で、根拠に基づいて政策や企画を立案する流れもつくっていきたいです。これまで「なんとなく」で続けてきたことが本当に必要なのかを見直すきっかけになると考えています。また、網走市ではスマホ一つで手続きができる「手のひら行政」の実現をめざしています。業務の効率化で生まれた時間を市民のために使えば、市民サービスはもっと良くなると思っています。市民も行政もウェルビーイングでいられる街をつくっていきたいです。

  1. EBPM:Evidence-Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)。統計やデータなどの根拠に基づいて政策の企画立案を行うこと。
  • 「Google Workspace」「Chromebook」「Google カレンダー」「Google Chat」「Google Meet」「Gemini」「Gemini Notebook」は、Google LLCの商標です。
  • 「Microsoft Excel」「Windows」は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標、または商標です。
  • 上記ソリューション導入時期は2025年2月です。
  • 文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2026年7月時点(インタビュー時点)のものです。
  • 上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

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