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つくば市は2040年問題を見据え、庁内ネットワーク基盤のβ'モデルへの移行を決定。NTT東日本の常駐支援による原課ヒアリングで現場課題を把握し、業務削減効果を数値化して庁内合意を形成しました。今後はDX伴走支援員と共に庁内DXを進めます。
Index

(前列左から)つくば市 政策イノベーション部 情報システム課 米澤氏、宮國氏、横田氏、NTT東日本 マーケティング統括本部 ビジネスイノベーション本部 SE運営部 技術部門 西山(後列左から)茨城支店 ビジネスイノベーション部 地域基盤ビジネス部門 田嶋、担当課長 大原、つくば市 政策イノベーション部 情報システム課 加藤氏、係長 幕田氏、課長 石川氏、課長補佐 三輪氏、係長 杉田氏、嶋村氏、NTT東日本 茨城支店 ビジネスイノベーション部 地域基盤ビジネス部門 濱口、マーケティング統括本部 ビジネスイノベーション本部 地域基盤ビジネス部 公共ビジネス推進部門 大沼
Summary

つくば市 政策イノベーション部
情報システム課 課長補佐 三輪氏

つくば市 政策イノベーション部
情報システム課 係長 幕田氏
――今回αモデルからβ'モデルへの移行を決定するに至った背景や課題をお聞かせください。
幕田氏:企画部門が業務全般を対象とした庁内アンケートを実施したところ、システムに関する不満が突出して多いという結果が出ました。具体的には、ファイルの無害化に手間がかかる、市民からの問い合わせで調べ物をしたくてもインターネット環境への接続に時間がかかる、容量の大きいデータを外部に送りにくい、といった声です。ファイルサーバーについても容量が少ない、バックアップのさかのぼりに限界がある、データの同時編集がしにくいなどの意見があり、αモデルでは多くの職員が能力をフルに発揮できていない実態が見えてきました。そこで業務環境の改善を図るため、β'モデルへの移行を検討することにしたのです。
三輪氏:以前から展示会などに足を運び、興味深いソリューションがあればトライアルを行い、RPAの導入などにつなげてきました。ところが近年は面白そうな話を聞いてもほとんどがクラウドサービスで、LGWANに対応していないため断念するケースが増えていました。
α'モデルという選択肢もありましたが、やりたいことを増やすたびに接続の例外を設けていると、結局はβ'モデルと同じレベルでセキュリティを考えなければなりません。2040年問題を見据えると、自治体としてできるだけ早く新しい環境に慣れ、さまざまなソリューションを取り入れていくためにも、このタイミングでβ'モデルへ移行するのがよいだろうと判断しました。
杉田氏:情報システム課としては、原課にSaaSを活用してほしいと思いながらも、セキュリティの都合で「この使い方はNG」と制限せざるを得ないことも多く、現場の要望に応えきれないもどかしさがありました。

つくば市 政策イノベーション部
情報システム課 係長 杉田氏

ネットワークの運用管理や
業務改善の推進を担う情報システム課
――β'モデルへの移行を決めてから、実現に向けてどのように動かれたのでしょうか。
三輪氏:まずはNTT東日本にコンサルティングをお願いして要件を整理すると、予算規模が想定以上に膨らみました。また、財政部門からβ'モデルの必要性が見えにくいという指摘もありました。そこで予算要求はいったん見送り、NTT東日本の常駐支援を受けながら、全庁アンケートと原課への業務ヒアリングを実施することにしたのです。
ヒアリングでは、各課の管理職と現場の担当者を対象に、NTT東日本と一緒に10数課を回りました。私たちはMicrosoft 365を使った経験がないので、課題を抱えていそうな業務を見つけても、具体的にどう改善できるかまで伝えるのが難しかったのですが、実際に使っているNTT東日本が「こういうことができるのではないか」とその先の提案をしてくれたおかげで、原課からも「それはよさそう」という前向きな反応を引き出すことができました。
幕田氏:全庁ヒアリングは情報システム課の職員が総出で対応する必要がありましたが、NTT東日本にも加わってもらえたことで、人的な負担の面でも助かりました。各原課を回ってよかったのは、普段はなかなか聞けない生の声を知れたことです。たとえば電話対応やその文字起こしに追われて、窓口業務に十分な時間を割けない、という切実な声もありました。声を集めるだけなら一斉アンケートでもできますが、想定内の回答しか返ってこないこともあります。原課と顔を突き合わせて話すことの大切さを情報システム課としても再認識できました。
杉田氏:投資額が大きいだけに、予算化に向けては効果の算出に苦労しました。NTT東日本には、他の自治体への支援で培った知見をもとに、どんな業務でどのくらいの作業時間が削減できるかの目安を教えてもらい、つくば市の業務量に当てはめて試算し直すことで、関係各所が納得する数字を示すことができました。
ただ、数字で示せるのは削減時間やコストまでです。大きな投資の合意を得るには、β'モデルにすることで何をしたいのか、職員の働き方をどうしていきたいのかという将来像が欠かせません。私たちだけではなかなか描ききれなかったのですが、NTT東日本と議論し、考え方の整理から説明資料への反映まで協力してもらえたことが庁内の理解と合意形成につながったと思っています。
――予算化後、実際の構築をNTT東日本が担うことになりましたが、どこを評価されたのでしょうか。
三輪氏:導入後の活用まで見据えた支援体制があったのは決め手の一つです。多額の投資ですから、それに見合うリターンが必要で、パソコンが新しくなって環境がよくなったというだけでは回収しきれません。使いこなしていけるのかという不安があったので、DX伴走支援員の常駐を含めた支援体制を提示してくれたのはポイントでした。原課へのヒアリングなど、それまでの支援でも、打ち合わせのたびにわかりやすい資料を用意し、全体を束ねて進めてくれている安心感がありましたから、導入後の伴走支援も信頼して任せられると感じました。

つくば市とNTT東日本のメンバーで
密に連携しながら構築を進めた
――β'モデルへの移行完了後は、どのような変化を期待していますか。
杉田氏:直近で期待が大きいのは、Microsoft TeamsとBoxの2つです。現在の業務端末はWeb会議ができず、本庁舎にいない職員は、車で30分かけるなどして対面の会議に参加することもありました。Web会議ができるようになれば、負担は大きく減ります。また、Boxでファイルを共有して同時に編集できれば、外部の事業者やパートナーとの情報共有もスムーズになります。
幕田氏:原課の職員からは「システムの調達や業務改善の悩みをどこに相談すればいいかわからない」という声を聞くこともありましたが、今後はDX伴走支援員に相談してもらえます。今回、職員向けに実施したDXマインド講習の中で「DX伴走支援員にどんどん相談してほしい」と周知したところ、相談先が明確なのはありがたいという声も聞こえてきました。
――今後の展望を教えてください。
三輪氏:β'モデルへの移行で、ようやくクラウドサービスを前提とした働き方ができる入り口に立てたと感じています。今後はDX伴走支援員と連携しながら定着を進め、業務の進め方を変えていきたいです。市長も新しい技術には前向きで、AIについても先進的な要望が挙がります。過度に制限するのでも自由にさせるのでもなく、いかに安全かつ効率的に使っていくかなども、NTT東日本と相談しながら進めていきたいと考えています。
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