名門ゴルフクラブが屋外の広域エリアをWi-Fi化!
DXによる業務改善と顧客満足度向上へ

相模原ゴルフクラブでは、ICTを活用して社内情報の共有や伝達スピードの向上をめざすため、クラブハウスとコース管理棟へ新規格であるWi-Fi6を整備することを決め、NTT東日本へ構築を依頼しました。また、コース内の売店がポケット型Wi-Fiを使って売上伝票を送付する際、データ容量や通信速度に課題があったため、コース内にもWi-Fi環境を整備できないか相談。結果、「広域メッシュWi-Fi(PicoCELA)」を導入し、売店の業務改善やお客さまの利便性向上へとつなげました。導入の経緯や成果について、相模原ゴルフクラブ取締役支配人の葛谷 一夫氏にうかがいました。

株式会社相模原ゴルフクラブ

  • 名門ゴルフクラブが屋外の広域エリアをWi-Fi化!DXによる業務改善と顧客満足度向上へ

導入いただいたソリューション

ギガらくWi-Fi 広域メッシュWi-Fi(PicoCELA) ギガらくVPN ギガらくスイッチ

ソリューション導入効果

  • 通信速度やデータ容量、通信料を気にせず、業務を円滑に進められるようになった
  • 社内情報の共有化やペーパーレス化など、社内DXを加速できた
  • 迅速な情報共有や利用者へのWi-Fi提供で顧客満足度向上を推進できた

NTT東日本選定のポイント

  • クラブ設立当初から電話設備を担当し、知識や技術に信頼がおけたこと
  • 屋外の広域エリアをカバーするWi-Fiを導入しやすい価格で提案してくれたこと
  • 多様な機器やサービスの保守運用を一元で任せられること

ポケット型Wi-Fiは通信速度やデータ容量に課題
社内DX推進のために安定したWi-Fi環境の整備が急務に

――2021年にクラブハウスおよびコース管理棟へのWi-Fi環境整備をご依頼いただきました。依頼の背景や理由を教えてください。

葛谷氏:相模原ゴルフクラブは、日本で初めての株式会社としてのゴルフ場であり、キャディ教育に力を入れるなどクラブ運営も工夫してきました。設立当初から進取の気性に富み、現代においてはDXも推進していきたかったのです。

まずはPBX(構内交換機)の更新時に、電話設備を従来の固定電話からIP電話へ切り替えました。並行してワークフロー・社内ポータルサイトを整え、社内情報の共有化や情報伝達のスピードアップによる顧客満足度向上をめざしました。当初は役職者にスマートフォンを貸与し、ほかの従業員は各自のスマートフォンに内線アプリを入れることで対応するつもりでした。しかし、個人のスマートフォンを使うと通信量の負担がネックになるため、Wi-Fi環境を整備することにしたのです。ちょうど2021年5月にアジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフを控えており、最終的にコロナ禍で無観客になったのですが、当時はWi-Fiを整備して来場者の利便性向上を図りたいという思いもありました。

本件をNTT東日本に依頼した最大の理由は、クラブ設立当初より電話設備を担当してくれていたので、設備の全容や運用方法をよく理解してくれている安心感や信頼感が高かったことです。今回重視したのは、業務に耐えうる安定した接続力と通信速度です。NTT東日本からは新しい規格であるWi-Fi6の提案があり、将来性を感じて採用を決めました。

株式会社相模原ゴルフクラブ 取締役支配人 葛谷 一夫氏株式会社相模原ゴルフクラブ
取締役支配人 葛谷 一夫氏

――クラブハウスにWi-Fi環境を整備した後、2021年12月にコース内に「広域メッシュWi-Fi(PicoCELA)」を導入しました。こちらの経緯を教えてください。

東コースと西コースにある売店では、長らく売上伝票をFAXで事務所へ送っていました。何年か前にポケット型Wi-Fiに切り替えたものの、データ容量や転送速度は満足できる水準になく、月末にはデータ通信量が足りずにデータを伝送できないこともありました。何とかしたいと思いNTT東日本へ相談すると、紹介してくれたのが、屋外の広域エリアでWi-Fi環境を構築できる「広域メッシュWi-Fi(PicoCELA)」です。すでにスキー場での採用実績もあり、ゴルフ場でも実用化できそうだと判断。価格的にも納得できるものだったので、まずは東コースの売店への試験導入を決めました。

クラブハウス・コース棟内にギガらくシリーズを導入。高品質で会員にも大変好評。「ポケット型Wi-Fiでは社内システムにつながらずクラブハウスへ走って伝票を運ぶことも……」「SNS利用したいのに、ゴルフ場内だとスマホ通信がつながりにくい」という課題があり、「コース内売店でもWi-Fiを利用したい」との要望を受けたが、ゴルフ場内の店舗にはフレッツ光が引けず、「ギガらくWi-Fi」では電波が届かない。フレッツ光ネクスト、ギガらくVPNエンタープライズプラン、ギガらくスイッチ、ギガらくWi-Fiハイエンド6、業務用SSID、来客用SSID
エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社と連携して「ギガらくWi-Fi」+「広域Wi-Fi(PicoCELA)」でゴルフ場のWi-Fi化を実現!通信料を気にすることなく業務システム利用も快適に。コースでプレイしながらも安心してスマホが利用できるようになった。無線伝送、フレッツ光ネクスト、ギガらくVPNエンタープライズプラン、ギガらくスイッチ、ギガらくWi-Fiハイエンド6、業務用SSID、来客用SSID

ゴルフコースの樹木が電波の障害物に!
丁寧な現地調査で伐採せずに広域メッシュWi-Fi環境を整備

――Wi-Fi環境の構築はどのように進めていきましたか?

最初のクラブハウスのWi-Fi環境は、「ギガらくWi-Fi」です。アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフで想定された800名の来場者に対応できるよう、最適な設置場所を見極め、丁寧にセッティングをしてくれました。

続いてコース内に整備した「広域メッシュWi-Fi(PicoCELA)」は、すでにインターネット環境がある場所に親機を設置し、子機へWi-Fi電波を届ける仕組みです。東コースでは親機をクラブハウス近くのキャディハウスに、子機を売店に設置することにしました。

しかし、キャディハウスから売店までの距離は400mもあります。ゴルフ場は樹木が多く、「Wi-Fi電波は障害物に弱い」と聞いていたので、場合によっては木を切る必要があるかもしれないと覚悟していました。ただ、ゴルフ場において木を切るのは一大事ですし、我々の本来のポリシーには反します。結果的に伐採することなく、Wi-Fi環境を整えてくれてほっとしました。ゴルフは自然の中でプレーするものなので、そもそも人工物をできるだけ入れたくないのですが、NTT東日本より紹介のあったベンダーがポールを立ててPicoCELAの機器を茶色に塗るなど、自然に溶け込む工夫をしてくれたのも良かったです。

西コースの食堂と外壁に設置したPicoCELAの親機。本体を自然に近い茶色で塗装西コースの食堂と外壁に設置したPicoCELAの親機。本体を自然に近い茶色で塗装

400m離れた場所にWi-Fi電波を届けるという難易度が高い作業にも関わらず、依頼から環境構築まで3カ月程度というスピード感のあるスケジュールにも満足しています。おそらく林帯に向けてのアンテナの微調整には相当苦労されたでしょう。作業員の方が約1カ月間、休場日に通い詰めてテストをしながら、アンテナの位置を調整してくれました。

――その後、西コースへも導入されています。こちらはスムーズでしたか。

導入により東コースの売店の業務が劇的に改善したため、2022年には西コースにも広げることにしました。西コースでは親機を食堂に、子機を売店に設置しています。ただ実は食堂はクラブハウスから約1km離れており、当初はインターネット環境がなく、実現が難しそうでした。しかしNTT東日本が粘り強く調査をしてくれた結果、最寄りの電柱から光ファイバーを引き込めることが判明し、無事、西コースにも「広域メッシュWi-Fi(PicoCELA)」を整備できました。NTT東日本の諦めない姿勢と高い技術力に感謝しています。

Wi-Fi環境の整備で劇的な業務改善に成功
保守運用の一元化で、今後も負担少なくDXを推進

――導入後の効果や反響などはいかがでしょうか?

葛谷氏:クラブハウス内のWi-Fiもコース内の広域メッシュWi-Fiも通信速度や安定性が十分で満足しています。並行して準備したワークフローと社内ポータルサイトも、高品質なWi-Fi環境のおかげで活用が進み、稟議・決裁のスピードや社内情報の共有化が加速しました。社内通達や会議資料もタブレットでのデータ閲覧にしてペーパーレス化を図り、経費削減にもつなげています。また、コロナ禍では一時的に会員の入会審査のリモート面談を実施することもできました。従業員からは休憩中にWi-Fiが使えることも好評です。

屋外に「広域メッシュWi-Fi(PicoCELA)」を整備したことで、コース売店の従業員は通信速度やデータ容量を気にせずにすみ、業務効率が劇的に改善しました。キャディハウスにも数台のタブレットを置き、いつでも社内ポータルサイトを閲覧できるようにしたので、情報伝達のスピードが上がり、サービス向上にもつながっています。現状、コース内でWi-Fiが使えるゴルフ場はそう多くありません。食堂で休憩中のお客さまから「ここでもWi-Fiが使えるのですね」と驚きの声を聞くこともあります。

――今後のICT活用への展望をお聞かせください。

売店に設置したPicoCELAの子機。パネルが1cmずれてもWi-Fi電波が届かないため、設置は繊細な作業売店に設置したPicoCELAの子機。パネルが1cmずれてもWi-Fi電波が届かないため、設置は繊細な作業

葛谷氏:今後は整備したWi-Fiをさらに活用して業務効率化をめざします。たとえば、西10番食堂にも注文内容をデータ化できるオーダーエントリーシステムを導入することも検討しています。広大なコース内にWi-Fi環境を整備できたことは、将来的にさまざまな発展性があると考えています。

近日、NTT東日本が保守運用を一元サポートしてくれる「ダイヤモンドサポート」にも申し込み予定です。窓口を一本化でき、トラブル時の切り分けも不要になるため、保守運用業務の負担を削減できるでしょう。NTT東日本の技術力とサポート力は世界に誇れる日本の宝だと考えています。さらなる新技術の開発など今後の活動にも期待しています。

NTT東日本の無線ネットワークソリューションについて

NTT東日本では無線ネットワークサービスとして、ギガらくWi-FiギガらくVPNにて通信環境を整備し、来訪者へWi-Fiを提供するなどの利便性向上や、業務効率化でお客さまにお喜びいただいております。また、屋外等光回線の敷設が困難なエリアについても、NTTBP社が提供する広域メッシュWi-Fiを活用して、課題解決のお手伝いをしています。
グループ会社などチーム一丸となって、屋外や広域エリアにおけるWi-Fi環境構築のご要望にお応えし地域に貢献してまいりますので、お気軽にご相談ください。
※ エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社:無線LAN構築を中心とするNTTグループ企業

NTT東日本 ビジネス開発本部 第三部門IoTサービス推進担当 長谷川 洋

NTT東日本の無線ネットワークソリューションについて

*PicoCELAはPicoCELA株式会社の登録商標です。

*上記ソリューション導入時期は2022年5月です。

*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2023年2月時点(インタビュー時点)のものです。

*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

株式会社相模原ゴルフクラブ
企業名 株式会社相模原ゴルフクラブ
概要 1955年に初代理事長である高石眞五郎氏が創設した名門ゴルフクラブです。「距離が長く、大きなワングリーンの本格的コース」として小寺酉二氏によって設計され、1963年に村上義一氏によりツーグリーンに改造された東コースは、数々のナショナルオープンの舞台になってきました。2021年にアジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフも開催されています。

この事例記事のPDFダウンロードはこちら

PDFをダウンロードする

関連事例

ページ上部へ戻る