
最優先対応事項まとめ
電子帳簿保存法の準備!
最短で実施する方法を解説

領収書は経費を計上する際の証明書類となるため、定められた保管期間を守り適切に保存しなければなりません。しかし、法人か個人事業主かで保管期間が異なることに加え「欠損金の繰越控除の適用を受ける」など事情によって保存年数が延びるケースがあります。
そこで今回の記事では、領収書の保管期間と適切に保存する方法を詳しく解説します。会計業務に不安のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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領収書やレシートは、取引の際に金銭の授受があったことを証明する重要な書類です。会計業務では「証憑(しょうひょう)書類」と呼ばれており、領収書のほかにも請求書や納品書が該当し「取引が成立した証拠」として扱われます。ビジネスにおける領収書の役割は、主に以下の3つです。
経費を計上する際に必要不可欠な書類なので、受け取る側は紛失しないよう適切に管理しなければなりません。領収書を保管していないと決算書に記載した内容を証明できないので、経費として認めてもらえず追徴課税を受ける可能性があります。保管期間は法人と個人事業主によって異なり、法人税法・所得税法に従って保存します。

この章では、領収書の保管期間について法人・個人事業主に分けて解説します。個人事業主においては確定申告の方法によっても異なるため、定められた保管期間を正しく理解しておきましょう。
法人の領収書保管期間は「法人税法」で定められており、原則7年間の保存が必要です。領収書の保管期間年数は、税金における消滅時効の期間が7年間であることに由来しています。領収書の保管期間の起算日は発行された日または受け取った日ではなく、受領した事業年度の確定申告書提出期限の翌日です。
法人税の確定申告提出期限は、事業年度末から2ヶ月後です。事業年度末が2022年3月31日だった場合は、以下のようになります。
誤って破棄しないよう、保管期間の起算日を正しく理解しておきましょう。なお、欠損金の繰越控除を行った事業年度は保管期間が10年(後述)になるので注意が必要です。
個人事業主の領収書保管期間は「所得税法」で定められており、確定申告の方法によって保管期間が異なります。
保管期間の起算日は、法人と同様に確定申告提出期限の翌日からです。法人の事業年度末は事業主によって異なりますが、個人事業主の確定申告提出期限は毎年3月15日(土日祝日の場合は翌月曜日)と決まっています。なお青色申告を行う事業主の領収書保管期間は原則7年ですが、事業所得が300万円以下だった年度は5年です。
以前は「事業所得300万円以下の白色申告で確定申告を行う事業主」に限り、領収書の保存義務はありませんでしたが2014年の法改正で撤廃されました。また、白色申告の帳簿類の保管期間は7年間となっているので混同しないよう注意しましょう。

領収書の保管期間において覚えておくべきルールは、以下の2点です。
基本的な保管期間より長くなる場合があるため、2つのルールを正しく理解しておきましょう。
仕入税額控除とは、売上にかかる消費税から仕入時に支払った分を差し引いて納めることで二重課税を解消できる制度です。仕入税額控除を受けるためには、法廷事項が記載された帳簿と請求書や領収書などの保存が適用要件となっています。
帳簿や領収書などの保存期間は7年間となっているため、仕入税額控除を受ける場合は青色申告・白色申告に関わらず「一律7年間の保管」が義務付けられています。現在は3万円以下の仕入であれば領収書やレシートの保存は不要となる特例がありますが、インボイス制度導入後は法改正により廃止または猶予期間が設けられるなど変更がある点に注意しておきましょう。
法人において、赤字決算で繰越控除を受ける場合は領収書の保管期間が「10年」になります。欠損金の繰越控除とは、赤字分を次年度に持ち越せる制度です。
節税対策にもなるため、多額の費用がかかる設備投資を行ったときや売上が低下した際などに受けるケースが多いです。欠損金の繰越控除を受けられる期間は9年または10年となっているため、領収書の保管も「9年もしくは10年間」と定められています。
繰越欠損金が発生したタイミングで保管期間が異なり、具体的には以下のようになります。
また「会社法」においても会計帳簿や計算書類の保管期間は10年との定めもあるため、領収書保管は「10年間」を目安にすると安心です。

最優先対応事項まとめ
電子帳簿保存法の準備!
最短で実施する方法を解説

領収書の保管方法は、紙と電子データの2種類です。2つの保管方法について、具体的な保存の仕方や注意点を解説しますので参考にしてください。
これまでの法律では、領収書は原則「紙媒体」での保管が求められていました。紙媒体で領収書を保管する際は、以下のような方法がとられています。
領収書を保管する際は、探しやすいように「整理」しておくことが大切です。月別・日付順にまとめ、領収書の裏面や貼り付けた場所の近くに用件を記載しておくと分かりやすいです。
「お品代」や「上様」など誰が何を購入したか分からない手書きの領収書の場合は、裏面や貼り付けた場所の近くに用件を記載しておけば帳簿を確認しなくても内容が分かります。また、テープは劣化すると粘着力がなくなるため、貼り付ける際は糊付けがおすすめです。
デジタル技術が進化した現代では、電子メールでの領収書受け取りやWebサイトからPDFをダウンロードして受領する方式をとるケースがあります。PDFなどで受け取った領収書を電子データのまま保存するためには、以下の要件を満たす必要があります。
真実性の確保では、受領者または発行者のタイムスタンプ付与や加工・修正の履歴を残せるシステムの導入などが必要です。可視性の確保では、税務調査を行う際に調査員が操作に戸惑わないようマニュアルを完備させることや情報をモニターなどに出力できる状態にしておく必要があります。
また必要な情報をすぐに探し出せるよう、検索機能を確保しておかなければなりません。紙で受け取った領収書は、紙のまま保存するかスキャンして保管する「スキャナ保存」が認められています。スキャナ保存をする際は、一般財団法人日本データ通信協会が認めた「タイムスタンプ」を付与しなければなりません。なお、スキャンしたデータは以下の項目で検索できることが条件です。
このほかスキャナ保存はいくつか用件があるため、電子帳簿保存法を確認しておきましょう。

領収書を電子データ化することで、管理業務の効率化やシステム化の推進などさまざまなメリットを得られます。領収書の保管スペースや管理業務の効率化でお悩みの方は、電子データでの保存を検討してみてください。
領収書を紙で保存する場合は、ノートへの貼り付けやファイリングなどを手作業で行わなければなりません。領収書は大きさや形状が異なるため、適切に保管するための作業は手間と時間がかかります。電子データ化して保管する方法であれば、ファイリングや貼り付け作業がいらないため業務の効率化につながります。
また電子データによる保存は、パソコン上ですべて管理できるため保管や検索がしやすいです。会計処理業務は経費の精算や会計ソフトへの入力作業もあるため、領収書の保管作業を効率よく行えれば生産性の向上にも貢献します。
法人・個人事業主に関わらず、領収書は長期間の保存が必要です。領収書は5〜10年の保管が必要になるため、企業によってはオフィスの1室を保管スペースにしているケースもあります。加えて、保存に必要なファイル・キャビネットを購入しなければならないため、管理コストがかかります。
電子保存であれば領収書を保存するための物品や作業が必要ないため、保管にかかる手間やコストを省けるのがメリットです。特に事業規模が大きい企業は領収書の量が膨大になるため、電子データ化するメリットは大きいでしょう。
領収書管理を電子データ化することで、経費精算業務のシステム化を実現できます。経費精算業務をシステム化できれば、これまで経理担当者が目視で行っていた経費申請確認作業の自動化が可能です。システム上で申請・承認可能な仕組みを作ることで、業務フローの効率化にも貢献します。
またクラウドサービスの会計システムなら、スマートフォンで撮影した領収書を提出する形式で経費を精算できます。インターネット環境があれば事務所やオフィス以外でも業務を行えるので、テレワークや出張時の経費精算にも対応しやすいです。

領収書の保管期間は、法人と個人事業主で異なります。また欠損金の繰越控除や仕入税額控除を受ける場合など、領収書の保管期間が長くなるため注意が必要です。領収書は確定申告などで提出する必要はありませんが、税務調査の対象となった際に適切に保管されていなければ経費として認められません。
経費計上した分の領収書を確認できなかった場合は追徴課税を受ける可能性があるため、いつでもすぐに見つけられるよう整理して保管しておくことが大切です。さらにインボイス制度開始後は、領収書の保管方法にも影響があるため、システム変更を含めた業務フローの見直しが必要です。
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