東京ガス山梨株式会社さま:フットワークの軽いウェアラブルカメラを活用して地域に欠かせないエネルギーインフラを支えていく

クライアントさまご紹介

東京ガス山梨株式会社
導管ネットワークソリューション部 導管グループ

マネージャー
名取雅樹さん

チームリーダー
髙須啓司さん

東京ガスグループの一員として甲府市・中央市・昭和町・甲斐市に都市ガスを供給し、山梨県全域にプロパンガスを供給する東京ガス山梨株式会社。「快適な暮らしづくり」を理念に掲げ、ガス事業に加え、東京ガスの取次店として電気の販売や住まいのリフォームを手がけるなど、地域に密着したインフラ企業として活動を続けてきました。このほど、ガス事業で重要な役割を担う導管ネットワークソリューション部 導管グループが「ギガらくカメラ」を導入し、本格運用に向けたトライアルを続けています。検討から試験的な導入に至った経緯、今後の幅広い活用への期待を伺いました。(取材2021年10月)

「東京ガス山梨」公式サイトはこちら

電気、水道と並ぶ生活インフラといえば、暖かく快適な生活環境を支える「ガス」。東京ガス山梨は山梨県民の暮らしに欠かせないエネルギーとして都市ガス、プロパンガスを供給しています。同社でガス導管の敷設工事、維持管理を担うのが導管ネットワークソリューション部 導管グループです。パイプラインの建設、法律に基づいたガス漏洩検査などを行い、安心できるガスの供給を支えているのです。

同グループは、ウェアラブルタイプのギガらくカメラ「LTE対応ポータブルカメラ」(以下LTEカメラ)を試験的に導入。トライアルによって運用実績を重ね、本格的な導入をめざしています。試験を進めるマネージャーの名取さん、チームリーダーの髙須さんに話を聞くと、ギガらくカメラの可能性を広げる運用アイデア、社内における横展開の期待が次々に飛び出してきました。

若手メンバーの技術、業務品質の向上をめざして模索を続けた

――地道なリサーチを続けてLTEカメラの試験導入に踏み切ったそうですが、その道のりをお聞かせください。

名取さん:ガスは地域のみなさんにとって欠かせないエネルギーです。私たちはライフラインに携わる者として、「地域の安心・安全を支えている」という意識を大切にしてきました。点検はしっかりできているか、工事など業務の品質は向上できているか――自分たちに問いかけを続ける中、ICTの活用が議論にのぼったのです。

髙須さん:議論がスタートしたのは2018年度のことです。最新のICTを積極的に活用し、ガスなどの保安に携わる人材、特に現場経験の少ない若年層を育成し、技術を向上させたいと考えました。課題検討ワーキンググループを立ち上げて検討する中、ウェアラブルカメラが候補になりました。現場の業務を遠隔で確認し、技術の確認や適切な指示が送れるようになれば、安全管理や業務品質の向上がスムーズにできるのではないか、と考えたのです。私たちは「トラブルが少なく実績と信頼性がある」「難しい操作を必要しない」という2点を前提に、情報収集を進めていきました。

さまざまなサービスを検討しましたが、コストで折り合わなかったり、現場と本社が双方向で通信できなかったり、適切なカメラサービスの選定は困難を極めました。地道にリサーチを続ける中、思わぬところから最適なサービスが見つかりました。それは2020年秋、NTT東日本山梨支店が開いた技能競技会を見学したときのことです。

イベントを興味深く見守る中、競技の模様をアクティブに撮影し、各支店にライブ配信する小さなカメラが目にとまりました。それがウェアラブルタイプのギガらくカメラだったのです。高精細画像をライブ配信しつつ、音声で双方向にやり取りができる。さらに、導入のコストや通信コストも低く抑えられる――私たちが探していたのはこれだ! 興奮のままグループに持ち帰ってメンバーに情報を共有。準備を入念に進め、2021年10月から3台のLTEカメラを試験導入。トライアルではありますが、現場での運用がスタートしています。

――若手社員の育成・スキルアップのため、LTEカメラはどのように使われているのでしょうか?

髙須さん:具体的には入社2年目以降の若手メンバーが対象になります。これまで、ガス設備の保全については、ベテランとコンビを組むことで若手の点検技術の向上を促してきました。作業手順や安全確認をチェックしつつ、不安全行動を防止しながらスキルを磨き、現場経験を積んでもらうのがねらいです。

ただ、まったくの新人でなければマンツーマン、つきっきりで指導する必要はありません。ある程度の経験を積んだら単独で設備点検に出てもらう。そのほうが独り立ちも早いのです。ところが、若手が見たことのない配管もありますし、注意すべきポイントも現場ごとに違います。電話での説明にも限界がありますから、これまではカメラで現場の様子を写し取り、社に持ち帰ってから上司の指示を仰ぐというフローが発生していました。

その点、LTEカメラを身につけて現場に行けば、社内のベテラン社員が現場の若手と同じように現場の様子を見つつ、適切な指示を送って指導ができます。現場と会社の不必要な往復をカットし、若手のスキルアップにもつなげられるのです。

名取さん:ガス設備は年々高度化が進んでおり、安全性は向上しています。ガス漏れなどのトラブルは以前に比べると格段に少なくなりました。これは維持管理を行う側にとっても、利用者の方々にとっても喜ばしいことですが、若手がトラブルに対応する機会が減少するということでもあります。経験のない状況に直面したとき、頼りになるのは経験が豊富なベテランのアドバイスです。ハード面が向上する中、ソフト面としての業務品質を高めるためには、LTEカメラは頼もしい存在になっていくでしょう。同様に、ガス配管の施工を担う現場もあります。特殊な工事や施工法をLTEカメラで撮影し、研修資料としてアーカイブしていく。そんな使い方も考えられると思います。

映像と音声で現場を確認しつつ、遠隔から適切に指示が出せる

――3台のLTEカメラを導入し、運用を進められていますが、手応えはいかがでしょうか。

髙須さん:ウェアラブルですから、LTEカメラはクリップで胸ポケットに装着し、作業者の手元が映せるようになっています。マイク付きの骨伝導ヘッドホンと合わせ、本社のベテランメンバーと点検現場がタイムリーに連絡を取りながら作業が進められるのです。音声で連絡を取り合っているので、本社側も他のデスクワークに従事しつつ、必要なタイミングで適切な指示が出せます。これは大きなメリットだと感じています。

――現場では、クラウド型のカメラサービス「ギガらくカメラ」のどのような機能が役立ちそうでしょうか? 管理画面の使い勝手と合わせてお聞かせください。

髙須さん:カメラの画質は精細で、使い勝手は申し分ありません。導入前は双方向通信がメリットだと考えていましたが、運用を通して、自動的に映像データが保存されていくクラウド型のメリットも体感しています。カメラの電源をオンにした瞬間から録画がスタートし、データが保存されていきます。本社で管理する側はリアルタイムで張りついている必要はありません。必要に応じてチェックしたい瞬間にさかのぼり、しっかりと確認ができますからね。

3台のカメラのライブ映像を1画面にまとめて視聴できる「ダッシュボード」の機能を活用し、ユーザーインターフェースも上々です。

インフラサービスでの活用に伸びしろあり、社内での横展開にも期待。

――今後の展望についてお聞かせください。

名取さん:現在、運用しているのは私たち導管グループだけですが、評価を聞いて他グループからの問い合わせも入ってくるようになりました。ガス設備の維持管理を担うグループでも、現場の作業を遠隔から可視化し、活用していきたいというニーズがあります。試験運用がうまく進めば、他グループ、他部への横展開も積極的に進めていきたいですね。また、これは部署に限らないのですが、危機対応の教材の確保にもLTEカメラが役に立ちそうです。災害などが起こった際にはLTEカメラを携帯して危機対応の一部始終を記録し、映像をストック。インストラクションに使えればという活用も話し合われるようになってきました。全社的にLTEカメラが活用できたら、私たちだけでは考えつかない活用法、メリットが生まれるでしょう。それは地域のみなさんの安心・安全にも確実につながっていくはずです。

※上記の事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
※取材当初より対象のカメラが終息している場合があります。

導入事例概要

導入目的

  • 遠隔監視を通した若手社員の技術育成
  • 設備工事現場でメンバーが連携する
  • 特殊工事、特殊施工の事例を映像に残しアーカイブ化する

導入した結果

  • 現場の様子をタイムリーに確認して指示、アドバイスができる
  • 複数カメラの連携に手応えを感じ、多台数の運用に期待
  • 災害など緊急対応の映像を残して教材に活用する可能性が見えた

導入カメラ

なぜギガらくカメラに決めたか

  • 管理側と現場が双方向で通信できる
  • 低コストで導入、運用ができる
  • 高画質な映像と直感的に操作できるインターフェース

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クラウド型防犯カメラ
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