松本市上下水道局さま:1台のウェアラブルカメラに大きな可能性を見出した、安心・安全な水の供給を支える活用方法

クライアント様ご紹介

松本市上下水道局
上水道課 課長 藤牧 靖次 さん
上水道課 水質送水担当課長補佐 島村 守 さん

長野県松本市で水道事業を行っている松本市上下水道局。市内約10万戸に美味しく安全・安心な水を供給している上水道課では、配水管の更新工事や水道施設工事などに「ギガらくカメラ」をご活用いただいています。ギガらくカメラ導入の経緯や活用法、今後の展望についてお話を伺いました。(取材2021年5月)

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本州および長野県のほぼ中央に位置し、400年以上の歴史を誇る城下町・松本市。北アルプスを望む「岳都」、教育を尊重する気風の「学都」、音楽に親しむことのできる「楽都」という「三ガク都」として名高く、自然と文化の魅力に溢れています。

人口23万人超の松本市の水道インフラを支えているのが、松本市上下水道局。上水道課では、浄水場の管理、配水管の更新工事、施設の耐震化、漏水対応などを担い、市内約10万戸に美味しく安心・安全な水を供給しています。

同課では、DXの推進による業務の効率化の一環として、ウェアラブルタイプのギガらくカメラ「LTE対応ポータブルカメラ」(以下、LTEカメラ)を試験導入いただいています。導入の経緯や活用法、今後の展望についてお話を伺いました。

DXの推進による業務効率化をめざし、使い勝手の良い製品を求めて

――ウェアラブルタイプのギガらくカメラを導入されることになったきっかけを教えてください

島村さん:これまで、自治体の仕事は比較的ICT化が進んでいない世界だといわれてきましたが、本市の水道事業としては遠隔地の水道施設と局舎をつなぐ「遠方監視制御設備」により、お客さまに安全で安心な水を安定供給できるよう整備を進めてきました。
そのような中で、近年仕事においてもICT化やDXの推進による業務効率化が叫ばれるようになってきました。特にこのコロナ禍の状況において、より一層その志向が強くなってきたという状況があります。

本市では、以前からタブレットを現場作業に活用しようと導入し、撮影した写真を共有したり、Microsoft Teams等を使用して現地と庁舎をつないで状況を把握することをやってみました。しかしながら、タブレットだと手がふさがってしまい、使い勝手が良くないということがわかってきました。

タブレットの利用を模索している中で、ウェアラブルカメラを使ってはどうか?と提案を受けたものの、その製品はスマートフォンと一緒に使うもので「だったらスマホで十分だし、何かよい製品はないものか」とリサーチしている中、たまたま目についた広告に出ていたのがLTEカメラでした。カメラと通信が一体となっていてコンパクトだし、遠隔でリアルタイムに映像を確認できる。まさに我々の望んだ機能が詰め込まれたものでした。

さまざまなシーンでテスト運用、使いたいとの声が続出

――コンパクトさ使い勝手の良さから、LTEカメラをお選びいただいたようですが、実際の使い勝手はいかがでしょうか?

島村さん:とても満足しています。これまでは、現場でデジカメで撮影した写真を庁舎に持ち帰ってから確認していました。写真だとポイントポイントでしかわからないものが、映像だと一連の流れで撮影でき、とてもわかりやすい。必要に応じてスナップショットで一部分を切り取ることができるのも便利です。何より、現場に行かずとも遠隔でリアルタイムに状況を確認できるのが魅力です。

現在、1台をさまざまなシーンで使ってみて用途や可能性を探っている状況ですが、「現場に持っていきたい」という職員が多く、取り合いになるくらいです。現在ではほぼ毎日、どこかしらの現場で使われている状況です。

――具体的には、どのようなシーンでご活用いただいたのでしょうか?

島村さん:たとえば、配水地の仕切弁開閉作業を、LTEカメラを三脚に固定して撮影しました。どんな作業をしているかという記録を残すための撮影だったのですが、これを庁舎で見ている職員が「弁を開くタイミングが早いから、もう少しゆっくり開こう」というアドバイスをしたり、映像を教育指導に使えると感じました。

また、補修工事のため空になった減圧槽の中を、胸につけたLTEカメラで撮影したケースもあります。これまでは写真でしか把握できなかったのですが、作業者目線に近い状態で撮影でき、薄暗くなりがちな槽の中でも付属のLEDライト機能を使用し十分な明るさで撮影できていました。我々の現場では配水池や減圧槽のように一度稼働すると、なかなか簡単に確認をするのが難しい施設が数多くあります。その状況が映像で残るというのはとても貴重なことです。

そのほか、今日自分が行った作業の様子の映像を確認している職員がいました。作業の振り返りといった活用もできるのかもしれません。

―――実際にお使いになってみて、今後さまざまなシーンでご活用いただけるという手応えをお感じになったということですね?

藤牧さん:特に水道管の更新の調査・工事といった現場作業での活用用途が多くなると感じています。水道管は古いものになると紙の図面でしか記録がないことが多く、現場で実際に掘ってみると、その図面と違っているということもしばしばです。図面と違う場合は、設計変更が必要になってきますが、映像で記録されていれば、より正確に現場の状況が把握できます。これまでは担当者が設計変更する際は、自分の目で確かめていた現場の様子を記憶に留め、頭の中でイメージして作業をしていました。一度埋めてしまうとなかなか掘り返すことのできないものですから、再度確認したくてもできませんでした。今後、それが映像で記録が残せるようになれば、再確認が簡単にでき、正確な作業にもつながるのではないかと感じています。

「まずは使ってみる」をスタートに、常にカメラがある現場に

――今後、こんなシーンで使ってみたい、こういった使い方もできるのでは?といった展望についてお聞かせください

島村さん:いろいろな可能性を感じています。例えば、漏水の工事作業などでは、現場と庁舎をつないで「こんな部品が必要だと思うがどうか?」といった相談をしたり、本部にいる上司から「そこに注意しながら作業をして」といったアドバイスができるようになると思います。

また、作業のリアルな状況を記録に残せれば、それを教材の一つとして研修や教育に活用し、このウェラブルカメラを使用することにより暗黙知を形式知にすることも可能と考えています。

藤牧さん:管理監督や検査記録といったことにも使えるのではと感じています。我々の作業は、外部の協力会社に作業を依頼することもあり、これまでは立ち会うことが必須必要でした。その作業をカメラを使って撮影し、遠隔からチェックするということもできると思います。

また、検査や工事の記録は書類で残していますが、映像で記録するような形になっていくのではと感じています。国としても、電子納品を推奨しつつあります。我々もそれに対応できる体制をつくっていきたいと思っています。

島村さん:まずは現段階では、このLTEカメラを使うということが第一歩だと思っています。使っていくうちに、今気づいていない用途に気づいたり、利便性を感じたりすることができるでしょう。そしてみんなが使いたくなったら台数を増やしていき、「現場に常にカメラがある」ことが当たり前の状況となるよう、意識改革をしていきたいと思っています。

藤牧さん:今はまだ実証実験が始まったばかりですが、すでにカメラは、人材育成や業務効率化に役立つものだと感じています。今後も新たな活用シーンを発見するとともに、私達の部署だけでなく上下水道局全体に活用の幅を広げられたらと思っています。

取材を終えて

1台のカメラの導入によって、今後さまざまなシーンで作業の効率化や教育に役立つという手応えや大きな可能性を感じていただいていることがわかりました。我々の製品が、水道という、生活に欠かすことのできない社会インフラを支える一助となっているという自覚をもち、さらなる製品開発、サービスの拡充に努めてまいります。

※上記の事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
※取材当初より対象のカメラが終息している場合があります。

導入事例概要

導入目的

  • DXの推進による業務効率の改善
  • 人材育成や教育面での活用
  • 今後の活用方法の模索

導入した結果

  • 現場の様子を映像に残せるようになった
  • 遠隔から現場へリアルタイムに確認し指示が出せるようになった
  • 今後、さまざまなシーンでの活用に期待がもてるようになった

導入カメラ台数

なぜギガらくカメラに決めたか

  • ウェアラブルで両手が塞がらないこと
  • カメラと通信が一体となったコンパクトさ
  • 遠隔でリアルタイムに映像を確認できる

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