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吉川市では、GIGA端末の活用が進む中で増加していたネットワークの遅延や、2024年度からの全国学力・学習状況調査のCBT(Computer Based Testing)化に対応するため、文部科学省事業の補助金を活用したネットワークアセスメントをNTT東日本へ依頼。短期間で市内12校のうち10校で「フレッツ 光クロス」への高速化を行い、1校では光ケーブルを新たに敷設しました。その結果、全国学力・学習状況調査のCBT方式での実施もトラブルなく、学校からの遅延報告も激減。教育現場でのICT活用が一層進んでいます。
Index
埼玉県吉川市

Summary

吉川市 教育部 教育総務課
課長 大瀧 和寛氏

吉川市 教育部 教育総務課
管理担当 主査 齊藤 陽介氏
――今回、ネットワークアセスメントを実施した背景や学校ネットワークの課題をお聞かせください。
大瀧氏:ここ数年、GIGA端末がより積極的に活用されるようになり、それに伴って学校からのネットワーク遅延報告も増えてきました。たとえば、全校集会に児童・生徒がGIGA端末を持参し、一斉にPDF資料を見ようとすると回線がひっ迫してつながらなくなる、といった事象もありました。将来的にデジタル教科書や各種アプリケーションの活用が進むことを考えると、ネットワーク増強が必要だという認識はありました。
そんな中、埼玉県では2024年度から全国学力・学習状況調査をオンラインによるCBTへ切り替えることが決まり、PDF閲覧で回線がひっ迫するレベルから、CBTが実施できるレベルまで、ネットワーク状況を大きく改善することが急務になりました。
本来であれば、学校ネットワークはもう少し安定している想定だったので、ひっ迫している理由が私たちにはわかりませんでした。原因がわからなければ、改善もできません。ネットワークアセスメントについては国の事業の補助対象にもなっていたので、回線の構築・運用事業者であったNTT東日本に実施について相談したのです。
――NTT東日本を評価したポイントは何でしょうか。
大瀧氏:NTT東日本はGIGA端末の調達や学習ネットワークの一部運用を担っていたこともあり、ネットワーク構成をよく理解してくれていました。「ネットワーク状況がわからないとネットワークアセスメントはできない」という事業者もいる中、回線からアクセスポイントまで一気通貫で実施できる点は評価しました。市の予算も限られていたので、どういう方法で、どこまでやるか綿密に検討し、コストを抑えた提案をしてくれました。また、状況に応じたアドバイスや質問への丁寧な回答など信頼できる対応で、相談もしやすかったです。今回、文部科学省が実施するGIGAスクール運営支援センター整備事業の補助金を活用してコストを抑えています。NTT東日本には補助金申請のアドバイスもいただき助かりました。

吉川市が採用したGIGA端末(上)。
学校で使う教材や教科書の整備を担当する学校教育課(下)
――実際にネットワークアセスメントはどのように実施していきましたか。
大瀧氏:コストを抑えるために、全学校に実施するのではなく、ネットワークの構成や学校規模などを考慮して、市内12校のうち6校を選定し、効果的にネットワークアセスメントを実施しました。その結果、回線速度が想定通りに出ていない理由が可視化され、改善すべき範囲を特定できました。NTT東日本が報告書で提案してくれた複数の対策を比較検討し、最終的に最大10Gbpsのフレッツ光クロスへの変更を決めました。
――回線の工事もスムーズでしたか。
齊藤氏:はい。CBTの本番は2024年5月でしたが、2月にプレ試験があったため、1月には環境を改善しておく必要があり、非常にタイトなスケジュールでした。回線の申し込みから工事までの作業期間は実質2カ月程度と短く、学校側との調整は行事との兼ね合いもあり大変だったと思いますが、臨機応変に動いて各校を回り、短期間でルーターの設定を完了してくれました。
結果的に12校のうち、10校のネットワークを高速化しました。残り2校は小規模なので現状のままでも耐えられるだろうとの判断です。お金をかければ、いくらでも回線は増強できますが、限られた予算の中で、最適な改善ができたと思います。また今回、フレッツ光クロスへ変更した以外に、光ケーブルを敷設した学校が1校あります。LANケーブルを約90m伸ばしていたことが判明し、これが通信速度低下の原因になっているとNTT東日本から指摘があったためです。解決策として提案してくれた光ケーブルの敷設を実施しており、こちらもスムーズに完了しています。

吉川市イメージキャラクター「なまりん」。
市役所入口には特産品の展示がある(上)。
明るく開放的な雰囲気の吉川市役所(下)
――学習ネットワークの高速化により、どのような効果を感じていますか。
大瀧氏:CBTはプレも本番もトラブルなく実施できました。市内の学校へ授業を見学に行くと、スライド発表にGIGA端末を使ったり、GIGA端末の情報を見て意見交換をしたり、以前よりさらに頻度高く使われており、活用が促進されていることを感じます。学校側もネットワークに負荷をかけすぎない利用の仕方がわかるようになり、現場の工夫と今回のネットワーク改善によってネットワークの安定化が図れていると感じます。
齊藤氏:私たちはネットワークを日々使っているわけではないので、ネットワークの改善を体感するのは難しいのですが、学校側から問い合わせが激減したことから、快適に使えていると推測できます。以前は遅延の問い合わせが頻繁にありましたが、今は月1回程度にまで減りました。
――今後の学校ICT環境の整備について、予定や展望があればお聞かせください。
齊藤氏:今後、GIGAスクール構想第2期として、GIGA端末やネットワーク更改もあります。GIGA端末は県の共同調達になりますが、ネットワークについてはデジタル教科書の利用などが今以上に活用が進むことも見据えた上で、市としての最善策を検討し続けていく必要があります。吉川市の状況をよく知るNTT東日本からもさまざまな提案を期待しています。
大瀧氏:GIGA端末の具体的な使い方などを検討する学校教育課で、そのためのインフラ整備が私たち教育総務課の役割だと考えています。これからも学校教育課から具体的な現場の悩みを聞きつつ、一緒に取り組んでいきたいと思います。

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