場所や時間にとらわれない学びの機会を!
インターネットを活用した通信制大学のシステムをゼロから構築

学校法人日本教育財団 東京通信大学様(以下、東京通信大学様)は、2018年4月にインターネットを活用した通信教育課程の4年制大学として開学。講義はスマートフォンやPCを使っていつでもどこでも受講することができ、単位認定試験もインターネットで受験できるため、履修モデルによっては1度も通学せずに卒業できる画期的な大学として、大きな注目を集めています。この大学システムをスクラッチで構築するプロジェクトの統率にNTT東日本をお選びいただきました。その背景には、協業ベンダー9社を統率しながら漸進的にシステム構築を成功させていったNTT東日本のプロジェクトマネジメント力がありました。今回は、NTT東日本とともに本プロジェクトを成功に導いた担当者2名に話をうかがいました。

東京通信大学

  • 東京通信大学東京通信大学

(左から順に)NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 テクニカルソリューション部 井上 弘毅、学校法人日本教育財団 東京通信大学 管理部 佐藤 靖剛 氏、学校法人日本教育財団 東京通信大学 管理部 主任 佐藤 実輝 氏、NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 第三バリュークリエイト部 第二バリュークリエイト担当 担当課長 今井 泰史

導入いただいたソリューション

大学基盤・学務・教育などシステム全般(システムインテグレーション)、NTT東日本 データセンタービジネスイーサ ワイド、など

ソリューション導入効果

  • ゼロからの立ち上げで、通信制大学に必要なシステムを開発・構築し、無事開学することができた
  • NTT東日本の統率の元、複数ベンダーのサービスを取り入れながらスクラッチ開発も進めた結果、最適なシステムが構築できた
  • NTT東日本という優れたパートナーを得て2022年の完成年度にむけたプロジェクト完遂への展望につながった

NTT東日本選定のポイント

  • 要件定義の内容を的確に補正する知見を保有
  • 基盤、ネットワーク、アプリケーションを一元的に扱えるトータルコーディネート力
  • 多数の協業ベンダーをまとめる統率力とプロジェクトマネジメント力
  • 教務など大学システムの構築及び運用の実績を多数保有

スマートフォンがあれば時間と場所を選ばず
授業を視聴し単位を修得

――東京通信大学様の学部構成や、特徴などについてお聞かせください。

佐藤 実輝氏(以下、佐藤(実)氏):本学の学部・学科は現在2つ用意されています。情報マネジメント学部・情報マネジメント学科では、情報技術とマネジメントの実践力を身につけ、情報社会のあらゆるシーンで活躍できる人材を目指します。もうひとつの人間福祉学部・人間福祉学科では、複雑化する医療・福祉業界で、人や地域の課題に貢献できる幅広い知識と実力を身につけ、1つの分野・領域では解決できない複雑な社会的課題に対応する能力を身につけます。ともに、社会的課題を発見し、解決に向けて積極的に取り組むことができる人材を育成しています。

本学では、資格取得のためのスクーリングや実習等の一部を除き、通学不要で、毎日の生活に合わせて無理なく学習を進め、卒業まで一度も通わずオンラインで必要な単位を修得することも可能です。そのため、大学システムには高度な技術要件が必要とされました。

学校法人日本教育財団 東京通信大学
管理部 主任
佐藤 実輝 氏

佐藤 靖剛氏(以下、佐藤(靖)氏):その大学システムの心臓部といえるものがLMS(学習管理システム)です。講義動画の視聴、単位認定試験やレポートの提出、顔認証による本人確認などを、スマートフォンのアプリケーションでも利用することが可能です。また、キャンパス内ネットワークには学生がさまざまな場所から、自由な時間にインターネットを介してアクセスするため、入口部分は可能な限り広い帯域を用意する必要がありました。そこで、高速で高信頼なSINET5(サイネット・ファイブ)も活用しています。さらに、講義動画の視聴ではキャッシュサーバで負荷分散するCDN(Content Delivery Network)を活用し、多くの学生からのアクセスが集中しても動画コンテンツを安定して視聴できるよう工夫しています。

学校法人日本教育財団 東京通信大学
管理部
佐藤 靖剛 氏

大学のシステム開発や運用経験が豊富な
NTT東日本をプロジェクトリーダーに任命

――大学システム基盤の構築において、どのようなチャレンジがあったのかをお聞かせください。

佐藤(実)氏:本学は、世界を代表するオンライン大学を実現するため、要件定義の詳細を決めるにあたり、海外のオンライン大学の事例を見たり、国内の通信制大学もベンチマークしたりしましたが、運営方法が異なるため、運用要件の分析に大変苦労しました。2015年9月に要件定義をまとめたあとも、基盤システム(ネットワーク、仮想サーバー基盤、無線LAN、ID管理/認証、ファイル共有、サーバー監視、ログ管理、データセンター、回線など)、教育系サービス(LMS、動画配信システムなど)、ポータル系サービスや学事系サービス(教務システム、入試システム、学納金システムなど)のほか、それらのデータを連携するシステムまで、大学のシステムを丸ごと構築しなければなりません。それぞれに強みを持つベンダーは、全国に散らばっていますし、開発文化も開発手法も異なるベンダーをまとめるには、プロジェクト全体を統率できる経験と組織力を持った企業がどうしても必要でした。

――NTT東日本をプロジェクト全体のリーダーとしてお選びになった理由についてお聞かせください。

佐藤(実)氏:当初は基盤システムと学事系サービスの個別提案で参加いただきましたが、本学から提示した要件定義の内容を包括的に指摘してくれたのがNTT東日本でした。NTT東日本が大規模な大学のシステム開発や運用経験が豊富で、教務システム含めたシステム間連携の構築ノウハウも数多く持っていることから、大学システム全体にスコープを広げて一緒に検討を進めていくことになったのです。

その後、システム開発力以外にも総合力など多くの面で知見やノウハウを持ち、人的・物的・技術的なリソースを潤沢に有しているNTT東日本に、プロジェクト全体の構築体制をまとめるプロジェクトリーダーを担ってもらうことにしました。大掛かりなプロジェクトになるので、予期しないトラブルも覚悟しなければなりません。しかしそうした事態になっても実績の豊富なNTT東日本となら必ず乗り越えられると見込んでいました。

――プロジェクトの過程で、工夫された点や困難を解決したエピソードなどがございましたらお聞かせください。

佐藤(実)氏:開学予定は2018年4月。そこを目標に、開発リソースを最大限に発揮できるよう調整しながら、必要なシステムから順次構築していくスタイルでNTT東日本と合意しました。設計と開発・構築は3段階で進められ、2016年12月に第1次として広報・募集活動に必要な機能の運用を開始。2017年8月に第2次として入試(Web出願、合否判定、入学手続き)に必要なシステムの運用を開始。そして2018年3月に第3次の開学・授業運営に必要なシステムの運用を開始しました。

佐藤(靖)氏:これらの大学システムを構成する各種の個別システムやソリューションは、NTT東日本のデータセンターに物理サーバーを設置し、多数の仮想サーバー上で運用されています。システム間は外部システムも含めSSO(シングルサインオン)連携しているほか、GmailやOffice 365などのクラウドサービスや、GCP(Google Cloud Platform)、学術認証連携も活用しています。

授業は動画配信だから、スマホがあれば、そこが教室に。
1回約15分の講義動画で忙しくてもスキマ時間に学習できます。

ネットワーク構成図

ネットワーク構成図

協業ベンダー9社を統率した強力なリーダーシップと
緻密なプロジェクトマネジメントを高く評価

――大学システム運用後の状況についてお聞かせください。

佐藤(実)氏:国内でも最大級のインターネットを活用した大学を開学できた背景には、NTT東日本の緻密なプロジェクトマネジメントの貢献が非常に大きいと思っています。プロジェクトの過程でベンダーの交代や要件の変更などもあり、波瀾曲折のプロジェクトとなりましたが、一貫していたのは、NTT東日本は決して引かずに、いつも課題に正面から向き合い、開学まで遂行してくれたことです。その真摯で誠意ある姿勢には非常に感謝しています。同社のリーダーシップがなければ、主要システムの構築が遅れ、予定通りの開学も難しかったでしょう。開学から2年目を迎え、大学システムも安定してきていますが、まだまだ道半ばです。授業のクオリティや学生満足度をさらに向上させるため、教職員から多くの改善要望がでており、一つひとつ要望を聞きながらこれからも改善し続ける必要があります。今後もNTT東日本には新しい技術やサービスを提案していただきながら、新たな事例も取り入れて、学生の学びに貢献できるような環境づくりをめざしたいと考えています。

――今後の展望などをお聞かせいただけますでしょうか。

佐藤(実)氏:海外に在住している学生も増えているので、今後は日本だけではなく、グローバルを意識した学びの機会を展開していく予定です。また、日本教育財団が運営する専門学校のモード学園やHAL、首都医校・大阪医専・名古屋医専、国際ファッション専門職大学や、2020年4月に開学する東京国際工科専門職大学などとLMSのコンテンツを共有するなど補い合える可能性もあるでしょう。例えば専門学校の学生が東京通信大学とWスクールで学士を取得し、自分の活躍できる領域を広げながら、社会に貢献していくという希望が描けるようになればいいですね。

東京通信大学は通信制ですが、地上50階の新宿駅前キャンパスは図書館や自習スペースとしての利用も可能です。

――プロジェクトにおけるNTT東日本のご評価や今後に期待することについてお聞かせください。

佐藤(実)氏:今回のプロジェクトは、NTT東日本を中心に9社のベンダーが参加した、各分野のベスト・オブ・ブリードの連携であり、大学システムを丸ごとスクラッチで開発する困難なものでした。そうした中で、プロジェクトリーダーであるNTT東日本は協力ベンダーを単に進捗管理をするだけでなく本学からのニーズやリクエストも汲んだ上で、実行可能なところを優先的にリソース配分して構築を進めるなど、そのマネジメント力にはすばらしいものがありました。今後も、完成年度まで、あるいはそれ以降もシステムを改善し続け、新たな学びの方法や、大学として必要な要件を数多く提案していただきたいと思っています。

SINET5(Science Information NETwork 5):日本全国の大学、研究機関などの学術情報基盤として、国立情報学研究所(NII)が構築・運用している情報通信ネットワーク。2019年4月現在、全国900以上の大学・研究機関などが加入。

*上記ソリューション導入時期は2018年3月です。

*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2020年1月時点(インタビュー時点)のものです。

*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

学校法人日本教育財団 東京通信大学
学校名 学校法人日本教育財団 東京通信大学
大学概要 時間や場所の制約があってこれまで大学で学ぶことが難しかった人のための、インターネットを活用した新しい通信制の大学です。建学の理念は、「現代社会で活躍したいすべての人へ、学びの機会を解放する」。そのため、遠いキャンパスまで通う必要も、授業時間に生活を合わせる必要もなく、場所や時間にとらわれず学びたい時に学べる新しいスタイルを採用しているほか、オンライン完結型の大学として格段に学びやすい学費設定で大学卒業資格(学士)を得られるのが特徴です。
専任教職員数 47名(2020年5月現在)
学生数 2,700名(2020年5月現在)

この事例記事のPDFダウンロードはこちら

PDFをダウンロードする

「教育(大学)関連」の導入事例資料をまとめてダウンロード

導入事例資料

「教育(大学)関連」に関する資料を
まとめてダウンロードできます。

資料ダウンロード別ウィンドウで開きます

関連事例

ページ上部へ戻る