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全国の大学・短大・専門学校の学生が、グローバル化しています。
教育産業で活躍する皆さんが、この変化にどう対応し、学生の住生活をどう考えていくべきなのでしょう。

出典:文部科学省「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況」 令和7年4月30日
図のように、日本の大学・短大・専門学校に留学生としてやってくる外国人の数は、1989年は3万1,251人でしたが、2024年には全体で33万6,708人と、10倍に増えています。3万人から33万人ですから、大きな伸びです。
もちろん、各学校が積極的に受け入れを進めたという事実もありますが、国策として、わが国は留学生の受け入れに舵を切りました。なぜならば、国内の日本人の18歳人口が少子化の影響で激減していますので、積極的に留学生を受け入れていかないと、定員割れをしてしまうリスクがあるのです。

現在は、募集定員数が進学希望者数よりも多いという「大学全入時代」。どこの大学でも構わないのであれば、全員が受かることが出来るという時代なのです。
教育情報共有会によるまとめでは、2023〜2026年度の4年間で、なんと「56大学・短大」が募集停止を発表しています。
「それはきっと地方の過疎地の話だろう」と想像してしまいがちですが、実は、人口の多いエリアでも、募集停止する学校は出ています。例えば、九州で最も人口の多い福岡県でも、2024年度で4校の募集停止が公表されました。
福岡県に限らず、京都ノートルダム女子大学、恵泉女学園大学、神戸海星女子学院大、名古屋柳城女子大学、植草学園短期大学、滋賀文教短期大学、美作大学短期大学部、星美学園短期大学、武庫川女子大学短期大学部、釧路短期大学、など各地で大学の募集停止・そして廃校が始まっています。特に短期大学は、4年制大学への再編なども進んでいます。
2024年9月13日に発表された、日本私立学校振興・共済事業団による2024年度の私立大学・短期大学等入学志願動向によると、入学定員充足率100%未満の定員割れ大学数は34校増加して354校。大学全体に占める未充足校の割合は、59.2%と5.9ポイント上昇し過去最高でした。定員割れの短大数は249校で、短大全体に占める未充足校の割合は、91.5%と高い数字となっています。

出典:文部科学省「学校基本統計」、日本私立学校振興・共済事業団「平成28年度 私立大学・短期大学等 入学志望動向」より作成
図のように、日本人の18歳人口が少子化の影響で減少している中、大学の数・定員数は増えていましたので、定員割れも出て淘汰が進むという傾向にあるのです。

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一方で、海外の大学入試も大きな変化をしています。
まず、お隣の中国では「良い大学に入る競争」が厳しさを増しています。
高考(ガオカオ)と呼ばれる、中国の共通一斉入試の受験者は、約1,335万人(2025年)と、日本の受験者の20倍規模の大量の学生が試験を受けます。名門大学(清華・北京大学など)の狭き門の定員数は変わらず、多くの受験生が巨大なプレッシャーの中で受験します。となると、中国の名門大学を不合格となってしまった学生は、例えば、日本の東大を受けなおす、といったリベンジもあります。
東大の中国人留学生は10年で約2.8倍に増加し、全学生の12%に到達しています(2024年時点)。こうした状況は日中関係の状況によって今後変化はあるかもしれませんが、日本語能力もある学力レベルの高い学生が、中国から日本にやってきていたというのが実情です。

韓国では、修能(スヌン)という全国一斉入試テストが難関です。受験者数は55万人規模(2026年度)で、こちらもかなりの狭き門です。
中国も韓国も、狭き門であることと、共通入試の一発合格勝負という側面があり、隣国である日本の大学との「併願」を増加させていく要因となっています。
ネパールでは、大学も増えてきましたが、貧富の差が激しく大学教育を受ける人は決して多くありません。日本の高校にあたる段階から大学への進学率は約半数、かつて高度経済成長をとげた頃の日本に似ているかもしれません。
日本の大学で学んでグローバルに活躍したいという人が増えていますが、留学中にアルバイトをして生計を立てることも目的のひとつ、というケースもあるようです。

出典:文部科学省「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況」 令和7年4月30日
こうした、日本側の定員未達リスクと、海外側の日本留学志向の向上から、政府はさらに外国人留学生の受け入れを積極的に進めることとしています。
『未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(第二次提言)』によると、2033年までに受入れ40万人、外国人留学生の国内就職率60%を目指すとあります。
この工程表は令和5年9月5日に提言され、令和6年7月に改訂されています。
政府の「秩序ある共生」の方針に沿って、日本語教育の充実化や、入国時の審査の厳格化など、単なる「増加」だけでなく留学生の「質の向上」も求められています。その点は、各学校のキャンパスにおいても、また、留学生への住宅提供側においても、厳格化され質が高い学生が増えることは歓迎です。
しかも、現状の33万6,708人を40万人に増やすという提言ですから、約6.5万人の大学の定員不足を補い、かつ、約6.5万部屋の賃貸物件の空室を埋める国家戦略であり、このコラムを読まれる皆様にとっては、さらなるビジネスチャンスとなり得ます。

出典:内閣官房教育未来創造会議 「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ<J-MIRAI>(第二次提言) 」工程表 令和5年9月5日(令和6年7月改訂)

さて、日本に来る外国人留学生にとって、ネット環境は重要です。母国の家族とのオンラインでのやり取りだけでなく、日本語で行われる授業の予習・復習は、ネットでの調べものや、オンライン翻訳が頼りとなります。
日本人の大学生にとってもインターネット環境は不可欠ですが、留学生にとっては、ただでさえ慣れない環境の中、あらたに自分で調べてのネット契約はハードルになることもあるでしょう。
こうしたことを踏まえると、学校経営側で「ネット無料」がすでに整っている住環境を用意したり、紹介したり、といったことが助けになります。
日本のキャンパス経営が大きく国際化へ舵を切る今日、キャンパスも住居も、より高速・高品質なネット環境を整えていくことが重要となるでしょう。

執筆:上野 典行(うえの のりゆき)
【プロフィール】プリンシプル住まい総研 所長
1988年慶應義塾大学法学部卒・リクルート入社。リクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者・ディビジョンオフィサー・賃貸営業部長に従事。2012年1月プリンシプル住まい総研を設立。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長・中国ブロック副ブロック長。全国賃貸住宅新聞連載。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。
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