クラウドVPNとは?導入メリットと閉域クラウド接続との違いを比較

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公開日
2026-07-28

監修:REIWAネットワークサービス担当(NTT東日本)

企業の成長に伴う多店舗展開や拠点拡大、そして基幹システムのクラウド移行が進むなか、本社と各拠点間を安全に結ぶネットワークの重要性が高まっています。その代表的なソリューションがクラウドVPNです。また近年では、より強固なセキュリティと安定性を求める企業から、閉域クラウド接続も注目を集めています。

本記事では、多拠点ネットワークにおけるクラウドVPNの基本的な仕組みや、オンプレミス型との違い、導入時の注意点を解説したうえで、閉域クラウド接続との比較や導入メリットを詳しく解説します。

Summary

この記事でわかること
クラウドVPNの仕組みと導入メリット
クラウドVPNと閉域クラウド接続の違い
セキュリティと通信品質の観点から見た選び方
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1.クラウドVPN(インターネットVPN)とは

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 クラウドVPN(インターネットVPN)とは、従来自社内のデータセンターやオフィスに物理的な機器を設置して構築していたVPNのホスティング機能を、クラウド上で提供するネットワークサービスです。

 本社と複数の支店、営業所などをネットワークで結ぶ際、高額な専用線を新設するのではなく、各拠点がすでに契約している既存のインターネット回線を活用します。これにより、企業の業務アプリケーションや顧客データベース、ファイルサーバーなどへ、場所を問わず安全に接続することが可能です。

1-1.クラウドVPNの仕組み

 クラウドVPNは、送信側の拠点と受信側のクラウド環境の間に仮想的な専用トンネルを構築し、そこを通るデータを高度に暗号化することで通信の安全性を確保します。具体的には、各拠点に設置されたルーターや端末からインターネットを経由して、クラウド事業者が管理するVPNゲートウェイにアクセスする仕組みです。

 通信プロセスでは、強力な暗号化プロトコルによってデータパケット全体がカプセル化されます。これにより、万が一第三者がインターネット上でデータを傍受したとしても、内容の解読や改ざんは簡単にできません。この仮想トンネル技術によって、物理的に離れた複数拠点間でも安全なデータのやり取りが実現します。

1-2. オンプレミス型VPNとの違い

 従来主流だったオンプレミス型VPNは、本社や各拠点に専用のVPN機器を設置し、自社の情報システム部門が運用や管理を行う方式です。自社のポリシーに合わせて、認証方法や暗号化プロトコルの選択、特定のアプリケーションへの細かな通信制限など、ネットワーク環境を自在にカスタマイズできるメリットがあります。しかし、高額な機器の購入費用に加え、拠点ごとの設置工事や専門技術者による初期設定が必要です。そのため、多拠点展開には多大なコストと期間を要する課題がありました。

 対するクラウドVPNは、物理的な機器の購入や、拠点ごとの設置工事を必要としません。クラウド上で提供されるサービスを利用するため、管理画面からの設定のみで、短期間かつ低コストにネットワークを構築できます。新しい支店を開設した際も即座にネットワークを追加できる拡張性の高さが、オンプレミス型との決定的な違いです。

2.クラウドVPN導入時の注意点

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 専用回線を引く必要がなく手軽なクラウドVPNですが、公衆のインターネット回線を利用するという構造上、多拠点ネットワークとして導入するにあたっては注意すべきポイントがあります。

2-1. インターネット回線の安定

 クラウドVPNの最大の懸念事項は、通信品質の安定性です。一般的なインターネット回線を使用するため、通信の速度や安定性がプロバイダーの設備容量やネットワークの混雑状況に左右されます。

 例えば、インターネット利用が急増する時間帯や、大規模なソフトウェアアップデートが配信されるタイミングには、ネットワーク全体が混雑しがちです。これにより、拠点間での大容量データのやり取りに遅延が生じたり、Web会議の音声・映像が途切れたりするなど、業務効率の低下を招くおそれがあります。

2-2. セキュリティリスク

 拠点間で送受信される通信データは強固な技術で暗号化されています。しかし、VPNの接続ポイントであるゲートウェイ自体が、誰でもアクセス可能なインターネット上に露出しているという構造上のリスクは避けられません。

 近年では、インターネットに公開されたVPN機器やサービスの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が急増しています。もしアップデート適用が遅れたり、機器の設定に不備があったりする場合、不正アクセスを許す糸口になりかねません。1つの拠点が突破されると、VPNトンネルを通じて本社ネットワーク全体へ脅威が拡散するおそれもあるため、継続的な監視と厳重な運用体制の構築が重要です。

3.閉域クラウド接続という選択肢

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 クラウドVPNの持つ通信の不安定さやセキュリティリスクを根本から解決し、本社と拠点間をより確実かつ安全につなぐ方法として注目されているのが閉域クラウド接続です。

3-1. 閉域クラウド接続の仕組み

 閉域クラウド接続とは、不特定多数のユーザーが利用する公衆インターネットを経由せず、通信事業者が独自に提供するネットワークを通じて、企業の各拠点とクラウド環境を直接つなぐ方式です。企業側が利用している信頼性の高い閉域ネットワークから、AWSやMicrosoft Azureといった主要なパブリッククラウドの接続点までを、インターネットを一切介さずに結びます。

 例えるなら、誰でも通れる一般道を使わず、企業専用に作られた地下トンネルを通って目的地へ向かうイメージです。外部から接続経路そのものが見えないため、安全な通信環境を確立できます。

3-2. クラウドVPNとの違い

 クラウドVPNと閉域クラウド接続は、どちらも離れた拠点からクラウド環境へ安全に接続するという目的は共通しているものの、通信経路とシステムとしての特性が異なります。

 クラウドVPNは既存の回線を使い回せるため、導入が容易でコストも抑えられますが、通信品質はインターネットの混雑状況に依存し、外部からの攻撃リスクが避けられません。

 一方の閉域クラウド接続は、通信事業者が厳格に管理する閉域網を経由するため、導入コストや月額費用はクラウドVPNと比較して高額になる傾向があります。しかし、ネットワーク自体が外部のインターネットから物理的・論理的に隔離されており、極めて高いセキュリティレベルを誇ります。さらに、帯域確保や優先制御といった品質保証(SLA)を備えたサービスが多く、混雑に影響されない安定した通信が可能です。

4.閉域クラウド接続を導入するメリット

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 本社と主要な拠点間のネットワークに閉域クラウド接続を導入することで、企業の基幹インフラに不可欠な高いセキュリティと、安定した通信品質を両立できます。

4-1. 強固なセキュリティの確保

 閉域クラウド接続を採用する最大のメリットは、インターネットを経由しない独立した通信経路により、強固なセキュリティを確保できる点です。通信経路が外部から完全に隔離されているため、システムを停止させるDDoS攻撃や、公開された接続口を狙うサイバー攻撃を物理的に遮断できます。 
 
 機密性の高い個人情報や企業の財務データ、知的財産などを本社・拠点間で頻繁にやり取りする環境において、情報の漏えいや改ざんのリスクを最小限に抑え、安全なデータ通信を実現することが可能です。

4-2. 安定した通信品質の確保

 インターネットの混雑状況に左右されず、常に安定した通信品質を維持できることも大きな利点です。全拠点の従業員が同時にアクセスする基幹システムでの処理や、リアルタイム性が求められる販売データの同期などにおいても、データ遅延や通信切断のストレスがありません。

 地理的に離れた拠点からでも、本社内のサーバーに直接アクセスしているかのような安定したレスポンスを得られるため、多拠点展開による業務の停滞を未然に防ぐことが可能です。

5.安心・安全な閉域クラウドVPNならManaged SD-WAN

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 Managed SD-WANは、NTT東日本が提供するフレッツ網やInterconnected WAN網といった閉域網を利用し、多拠点ネットワーク全体を一元的に構築・管理できるサービスです。

 閉域パブリッククラウド接続オプションを提供しており、セキュアなクラウド利用を強力にサポート。さらに、各拠点から直接インターネットへ抜けるローカルブレイクアウト機能や、vUTMを経由して安全に通信を行う網抜けインターネットゲートウェイ機能も用意されているため、トラフィックの最適化と高度なセキュリティの確保を両立できます。

 各拠点に設置するルーターなどの専用通信機器(CPE)は、拠点の端末台数や規模に合わせて複数の種類から選べるレンタル方式を採用。機器がレンタルのため、万が一の故障時も迅速に交換できるほか、業務停止リスクを最小限に抑える予備機サービスも備えています。

 レンタルCPEの動作状況は閉域網内のコントローラーの画面からリアルタイムに閲覧でき、各種設定変更も遠隔から柔軟に行うことが可能です。設定作業自体はユーザー側で直接実施できるほか、NTT東日本への依頼も可能なため、専任のIT担当者が常駐していない拠点でも安心して運用を任せられます。

Managed SD-WANの詳細はこちら

まとめ

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 手軽に多拠点ネットワークを構築できるクラウドVPNに対し、閉域クラウド接続はインターネットから隔離された専用経路を利用することで、強固なセキュリティと安定した通信品質を両立させます。自社が扱うデータの重要度に応じて最適な手段を選択し、安定したビジネス基盤を構築しましょう。

 多拠点化に伴うネットワーク運用の複雑さを解消し、管理負荷を軽減する有効な手段として、Managed SD-WANの活用もぜひご検討ください。

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監修 REIWAネットワークサービス担当(NTT東日本)

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